全員
「カンパーイ!」

お市
「兄さま、甲斐の領地の獲得おめでとうございます。」

信長
「あぁ、ありがとう。」

お市
「これでまた天下統一に一つ近づきましたね。」

信長
「いや、まだまだだ。
 織田の敵はまだ多い。」

お市
「確かにそうですね。
 気を引き締めないと。」

信長
「・・・ところでお市。」

お市
「なんですか、兄さま。」

信長
「・・・あの人は?(遠くを指差す)」

???
「まぁ飲めや!
 うはははは!!」

お市
「あぁ、近江(おうみ)のおじさんです。」

信長
「近江のおじさん?」

お市
「私たちの遠い親戚にあたる人です。」

信長
「記憶にないな・・・。」

お市
「遠い親戚ですから。」

信長
「ワシらとはどういう関係なんだ?」

お市
「確か・・・、
 母方の祖父の弟の奥さんの3番目の息子さんの奥さんの父方の祖父の・・・。」

信長
「それはもう親戚ではないな。」

お市
「一応血は繋がっているかと。」

信長
「繋がってると言えるか?」

お市
「あ、近江のおじさんがこっちに来ました。」

近江のおじさん
「(やってくる)おー、おー、やっとるか?」

信長
「えぇ・・・、まぁ。」

近江のおじさん
「なんだ、元気ないじゃないか。」

信長
「いえ・・・、そんなことないです。」

近江のおじさん
「そうか。
 お前、ワシのこと知っとるか?」

信長
「あの・・・近江のおじさん・・・。」

近江のおじさん
「おーおー、覚えとってくれたか。」

信長
「えーと・・・、あのー・・・、はい。」

近江のおじさん
「ワシはなー、お前がこーんな小さい頃から知っとるでなー。」

信長
「そうですか。」

近江のおじさん
「よくお年玉あげとったぞ。」

信長
「あー、ありがとうございます。」

近江のおじさん
「今、お前は何だ。
 仕事は何やっとるだ。」

信長
「あー、あのー、一応戦国武将を・・・。」

近江のおじさん
「おー、偉くなっただな。」

信長
「あの、はい。
 おかげさまで。」

近江のおじさん
「ヒゲも生やして。」

信長
「おかげさまで。」

近江のおじさん
「ワシはなー、お前がこーんな小さい頃から知っとるだ。」

信長
「はい。そうみたいですね。」

近江のおじさん
「よくお年玉あげとった。」

信長
「はい。その件はお世話になりました。」

近江のおじさん
「(遠くを見て)おっ!
 あそこにいるヤツ、お前知っとるか?」

信長
「あぁ、秀吉ですか。」

近江のおじさん
「知っとるか。
 アイツもな、こーんな小さい頃から知っとるだ。」

信長
「顔が広いんですね。」

近江のおじさん
「ちょっと話してくる(秀吉の元に向かう)。」

信長
「いってらっしゃい。」

お市
「・・・兄さま、あの人の前では大人しいですね。」

信長
「・・・オレあの人苦手だわ。」

お市
「わかります。」

信長
「『小さい頃から知ってるマウント』がすごい。」

お市
「逆にそれくらいしかマウント取れないんでしょうね。」

信長
「こういう宴の場には必ず1人はいるよな、ああいうタイプの親戚。」

お市
「いますね。」

信長
「誰かが呼んでいるのか?」

お市
「向こうが嗅ぎつけるようです。」

信長
「すごい嗅覚だな。」

お市
「今回の宴も極秘で進めていたのですが・・・。」

信長
「あ、戻ってきた。」

近江のおじさん
「秀吉と話してきた。」

信長
「どうでした?」

近江のおじさん
「アイツも大きくなったな。」

信長
「そうですか。」

近江のおじさん
「こーんな小さい頃から知ってたのに・・・。」

信長
「そりゃ、秀吉も成長しますから。」

近江のおじさん
「そういやお前、戦国武将って言ったな。」

信長
「はい。」

近江のおじさん
「部下とか、おるのか。」

信長
「えぇ、まぁ。」

近江のおじさん
「中にはアレだろ。
 言うこと聞かんヤツとかおるだろ。」

信長
「いや・・・、私の周りには・・・。」

近江のおじさん
「そうか。
 ワシも建設会社の社長やっとるだけどな。」

信長
「ワシ『も』・・・?」

近江のおじさん
「中には言うこと聞かんヤツとかおるだわ。」

信長
「そうですか。」

近江のおじさん
「あ!!」

信長
「どうしました?」

近江のおじさん
「今度アレやるか!ファミコン!」

信長
「いや、あの、私忙しいんで。」

近江のおじさん
「おじさん強いぞ、ファミコン!」

信長
「そうですか。」

近江のおじさん
「今度アレやろ!信長の野望!」

信長
「それなら現在進行形でやってます。」

近江のおじさん
「よし、みんなで写真撮ろう!」

信長
「いや、いいですよ・・・。」

近江のおじさん
「みなさーん!
 聞いてくださーい!」

信長
「ちょっとおじさん・・・。」

近江のおじさん
「コイツを囲んで写真撮りましょうー!」

信長
「みんなまだ飲んでるから・・・。」

近江のおじさん
「おじさんカメラ持っとるから、おじさんので取ろう。」

信長
「もう好きにしてください。」

近江のおじさん
「秀吉、お前シャッター押せ。」

信長
「絶対いるよなー、こういう仕切りたがる親戚。」

近江のおじさん
「はい、みんなコイツ囲んで!」

信長
「みんな困惑してるの、気づいてないのかな。」

近江のおじさん
「ピース!!」

信長
「声大きい・・・。」

シャッター音
「カシャ!!」


(集合写真。
 一人笑顔の近江のおじさん。
 あとは誰も笑っていない)

 

 

 

【コメント】

さて、2012年5月6日にスタートした当ブログ。ついに10周年です!

たくさんの方のいいねやコメント、さらには実演をしていただいた方もありがとうございます。

これからものんびり続けていきます。よろしくお願いします。

 

【お知らせ】

過去のコントをVtuberのみなさんに演じていただきました。

いろんな配役で演じていただいています。ぜひご覧ください。

 

 

 

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【上演メモ】

人数:3人
信長
近江のおじさん

お市

所要時間:4分~5分
上演難易度:★☆☆☆☆

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】追手
【お題コント】スピッツ
【コント】物置
【お題コント】動物
【コント】はだかの王様