(庭に物置が置いてある)
客
「(やってくる)これなんですけど・・・。」
物置業者
「(ついてくる)あぁ、立派な物置ですねぇ。」
客
「ただ、結構年数が経ってるので今回買い換えようと思って・・・。
それで下取りをお願いしたいんです。」
物置業者
「なるほど。」
客
「ただこの人たちが邪魔で・・・。(物置の上を指す)」
物置業者
「(物置の上を見る)ん?」
社長
「100人乗っても・・・!」
従業員たち
「だいじょーぶ!」
客
「物置を庭に置いた頃から少しずつ乗り出して、今じゃこんなに・・・。」
物置業者
「あぁ、物置の妖精ですね。」
客
「物置の妖精?!
おっさんがほとんどですけど。」
物置業者
「妖精です。
物置を見ると乗りたがるんです。」
客
「でも、この人たちがいると新しい物置が置けないんで、
どいてほしいんですけど。」
物置業者
「そうですね。」
客
「(物置に乗ってる人たちに)すみません!降りてもらえませんか?!」
従業員たち
「だいじょーぶ!」
客
「いや、大丈夫じゃないんです。」
物置業者
「物置の妖精、基本的に大丈夫なんで・・・。」
客
「いや、大丈夫じゃないです。
(上に向かって)落ちたら危ないですから、降りてきてください!」
従業員たち
「だいじょーぶ!」
客
「なんだろう、物置から落ちた時の保険にでも入ってるのかな。」
物置業者
「とりあえず新しい物置を搬入しますね。」
客
「いや、ちょっと!!
その前にこの人たち!!」
従業員たち
「だいじょーぶ!」
客
「大丈夫じゃないんです!」
物置業者
「私に策があります。」
客
「策・・・?
とりあえず、お任せします。」
(新しい物置が古い物置に横付けされる)
物置業者
「とりあえず搬入終わりました。」
客
「でも、あの人たちをどうやって・・・。」
物置業者
「(物置の上の人たちに向かって)さぁ、新しい物置ですよ。
こっちの方が広いですよ。
移動してください。」
社長
「ヒソヒソ・・・」
専務
「ヒソヒソ・・・」
客
「相談し始めた。」
物置業者
「彼らも慎重ですからね。」
社長
「大丈夫?」
常務
「大丈夫?」
客
「それでも、発する言葉は『大丈夫』だけなんだ。」
社長
(立ち上がる)
客
「一人立ち上がった。」
物置業者
「あれ、社長ですね。」
客
「・・・社長。」
社長
(新しい物置に飛び移る)
専務
「大丈夫?」
社長
(足で屋根の頑丈さを確認している)
常務
「大丈夫?」
社長
「(専務たちに)だいじょーぶ!」
従業員たち
(拍手する)
物置業者
「社長のお墨付きが出たので移動を始めると思いますよ。」
客
「・・・私、さっきから何を見せられてるんだろう。」
専務
「(飛び移る)大丈夫!」
常務
「(飛び移る)大丈夫大丈夫!」
部長
(飛び移るが少しよろめく)
社長
「大丈夫?!」
部長
「大丈夫大丈夫!」
客
「そもそも、私の新品の所有物の上に人が次々に乗っていく時点で既に大丈夫じゃないんですけどね。」
物置業者
「そろそろ全員乗りうつりますよ。」
社長
「100人乗っても!!」
従業員たち
「だいじょーぶ!」
物置業者
「では、古い方の物置は処分しますね。」
客
「ごめんなさい、この人たちも連れてってほしいんですけど。」
物置業者
「いいんですか?
妖精ですよ?」
客
「いいんですよ。
不要ですから。」
物置業者
「では、生まれ故郷に還してあげましょう。」
客
「生まれ故郷?
どこですか?」
物置業者
「浅草です。」
客
「浅草?
なんでまた?」
従業員たち
「台東ぉ区!!」
客
「・・・なるほど。」
昔何度も放送されていたあのCMがベースのコントです。
もう放送はやめたのかな・・・?
「別に乗らなくてもいい」って判断になったのかな。
人数:3人以上
客
物置業者
社長
従業員たち(できるだけ多く)
所要時間:4分~5分
上演難易度:★★★★★
備考:冒頭の100人登場のシーンからすでに難易度高めです。
実演よりはアニメ化か朗読劇などが現実的かと思います。
【コント】記憶喪失
【コント】カメラ
【コント】ホームラン
【コント】アタフタヘッドライン
【お題コント】保険
今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。
本ブログのコントは自由に演じていただいて構いません。
アレンジや改変も自由です。
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