博士
「よし、完成したぞ。」

少年探偵
「なんだよ、それ。」

博士
「ふふふ。
 キック力増強シューズじゃ!」

少年探偵
「キック力増強シューズ?」

博士
「キミは子供になって体力が落ちたじゃろ。」

少年探偵
「あぁ。」

博士
「以前なら犯人が逆上して暴れても太刀打ちできたが、
 子供の体ではどうなるかわからん。
 そこでこのシューズじゃ。」

少年探偵
「なるほど、これで身を守るわけか。」

博士
「そういうことじゃ。」

少年探偵
「サンキュー、博士!」

博士
「よし、早速実験じゃ。
 履いてみてくれ。」

少年探偵
「わかった。」

博士
「ここにサッカーボールを置くぞ。」

少年探偵
「あぁ。」

博士
「ではお試しじゃ!
 思いっきり蹴るんじゃ!!」

少年探偵
「わかった!」

博士
「よし、いけっ!!」

少年探偵
「えいっ!(博士を蹴る)」

博士
「だっ!!」

少年探偵
「えいっ!(博士を蹴る)」

博士
「がっ!!」

少年探偵
「えいっ!えいっ!えいっ!(博士を蹴り続ける)」

博士
「だっ!がっ!ちがっ!!
 うん。一旦止まろう。
 一旦落ち着こう。」

少年探偵
(蹴るのをやめる)

博士
「うん。なんだろ。
 ・・・どうやら認識違いがあったようじゃ。」

少年探偵
「うん。」

博士
「いいか。サッカーボールじゃ。」

少年探偵
「うん。」

博士
「ここに置くぞ。」

少年探偵
「うん。」

博士
「よし、それじゃ行ってみよう。
 思いっきり蹴るんじゃ!!」

少年探偵
「よし!」

博士
「よし、いけぇ!!」

少年探偵
「えいっ!えいっ!(博士を蹴る)」

博士
「だぁっ!!あぁ、そうか!なるほどなるほど!!」

少年探偵
「えいっ!えいっ!(博士を蹴る)」

博士
「一旦やめよう!
 一旦蹴るのをやめよう!!」

少年探偵
「・・・。(蹴るのをやめる)」

博士
「なんでそんなに蹴るの?
 どうしちゃったの?」

少年探偵
(首をかしげる)

博士
「最近ヤなことあった?」

少年探偵
「変な薬飲まされて子供の姿にされた・・・。」

博士
「あ、ごめん・・・。愚問だった・・・。」

少年探偵
(無言で1発蹴る)

博士
「なんで今、追加で蹴った?
 まぁよい。
 いいか、サッカーボールを蹴るんじゃ。
 ワシじゃなくて。」

少年探偵
「蹴るものが博士しかない・・・。」

博士
「目の前にサッカーボールがある!」

少年探偵
「ボールは友だち・・・。」

博士
「ワシは友だちじゃないの?!
 あ、わかった。
 いいか。サッカーボールを置くぞ。」

少年探偵
(うなづく)

博士
「で、ワシが部屋の外に出ればいいんじゃ(部屋から出て扉を閉める)。
 よし、準備はいいか?」

少年探偵
「オッケー!」

博士
「よし、ではいけぇ!!」

少年探偵
「ガンっ!!ガンっ!!(扉を蹴り始める)」

博士
「おおっと!そうか!そうなるか!!」

少年探偵
「ガンっ!!ガンっ!!(扉を蹴り始める)」

博士
「おいおいおいおい!そうかそうか!なるほどなるほど!!」

少年探偵
「ガンっ!!ガンっ!!(扉を蹴り始める)」

博士
「はい、終了!落ち着こう!蹴るのやめよう!」

少年探偵
「・・・。(蹴るのをやめる)」

博士
「(部屋に入ってくる)なんでここにサッカーボールがあるのに・・・。」

少年探偵
「えいっ!えいっ!(博士を蹴る)」

博士
「おーいおいおい!!蹴り足りないか!なるほどなるほど!」

少年探偵
「えいっ!えいっ!(博士を蹴る)」

博士
「落ち着こう!蹴っている相手をよく考えよう!」

少年探偵
「・・・。(蹴るのをやめる)」

博士
「とりあえず、実験は中止じゃ!」

少年探偵
「なんでですか?!」

博士
「(蹴られたところを抑えながら)なんでか言わないといけない?」

少年探偵
「まだキック力増強シューズの力を試せてないのに・・・。」

博士
「いや、もう十分試せてるよ!!
 これからレントゲン撮りに行くから!!」

少年探偵
「どこか悪いんですか?」

博士
「原因の話聞く?!」

少年探偵
「あ、これ同じヤツもう一足あります?」

博士
「なんでまた?」

少年探偵
「幼馴染とお揃いにしたくて。」

博士
「あの女にこの靴履かせたら一人くらい死人が出るわ!!」

少年探偵
「・・・(無言で博士を見る)。」

博士
「その『今更一人くらい死んだところで』って目でこっちを見るな!!」

少年探偵
「博士。」

博士
「なに?」

少年探偵
「そろそろ回復しましたか?」

博士
「それどういう意味の質問?!
 『YES』って答えたら、どうする気?!」

少年探偵
(麻酔銃を博士に向かって撃つ)

博士
「(よける)危なっ!!」

少年探偵
「だいぶ回復してますね。」

博士
「なんちゅう方法で確認してんだ!!
 とにかく中止!
 キミのメンタルが穏やかになったらまた連絡を・・・。」

少年探偵
「今、穏やかです。」

博士
「十分荒ぶってるよ!
 ほら、帰って!!」

少年探偵
「ちぇー・・・。」

博士
「まったく・・・。
 (机の引き出しを開けて)パンチ力増強グローブを一緒に紹介しなくてよかった・・・。」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

連載初期から使われ続けているキック力増強シューズ。

一向に話が先に進まない構図で作ってみました。

 

【上演メモ】

人数:2人

少年探偵

博士

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:蹴る演技があまりリアルだとお客さんが引いてしまうので、そのあたりのさじ加減は難しいところです。

博士役の人のリアクション次第かなと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】ニュートン
【コント】ドッキリ
【コント】明日、天気になぁれ
【コント】ここは俺に任せて先に行け
【コント】取り調べ#2

 

 

 

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