植木
「ドッキリでしたぁ！！」
野田
「・・・は？」
植木
「だから！！全部、ドッキリでしたぁ！！」
野田
「・・・ドッキリって・・・」
植木
「全部ウソ！！お前を騙すためのウソ！！」
野田
「・・・全部って、・・・もしかして、かおりちゃんが今日、僕に告白してくれたのは・・・」
植木
「ウソ！！ドッキリでしたぁ！！」
野田
「マジでぇ！？・・・話がウマすぎると思ったんだよなぁ・・・」
植木
「ビックリした？」
野田
「そりゃビックリしたよ。・・・え？じゃあもしかして、かおりちゃんと明日遊園地に行くっていう約束も・・・」
植木
「それもウソ！ドッキリでしたぁ！！」
野田
「マジかよぉ！一生懸命、明日、どの乗り物に乗ろうか考えてたのに・・・」
植木
「あ～！残念！！」
野田
「ちょっと待ってよ！かおりちゃん、僕に家族を紹介してくれたんだよ？」
植木
「あ、あの家族は全員、仕掛け人！」
野田
「なんだよぉ！すっかりだまされちゃったよ！！・・・明日からバイトして、かおりちゃんに服を買ってあげようと思ったのに・・・」
植木
「実はそのバイトもウソ。ドッキリでしたぁ！！」
野田
「マジかよぉ！！また騙されたよぉ！！」
植木
「あの店長や店員、全員、仕掛け人。」
野田
「本当に？みんな演技うまいなぁ！でも、おかしいと思ったんだよね。時給１万円だって言うから・・・」
植木
「お前、時給１万円のこと、かなり怪しんでたもんな。あの時はバレると思ったよ。」
野田
「何だよぉ！ウソかよぉ！！・・・あ、そうだ。だとしたら、学校に出したバイトの届け出、無効にしてもらわないと・・・」
植木
「あ、大丈夫。学校の人、全員仕掛け人だから。」
野田
「全員仕掛け人？！なんだよ、俺、笑いものじゃねぇかよ！」
植木
「っていうか、学校自体、ウソ！」
野田
「ええっ？！」
植木
「あの学校、張りぼて。」
野田
「本当にぃ？！なんだよ、２年も通っちゃったよぉ！！」
植木
「あれだけのエキストラ、集めるの苦労したんだからな。」
野田
「なんだよぉ、でもおかしいと思ったんだよ。授業が割り算から先に進まないから。」
植木
「そうなんだよ。だから、授業のときはみんな冷や汗ものだったよ。」
野田
「そうかぁ。あの学校、ウソだったのかぁ・・・。家族に何て言おう。」
植木
「大丈夫。家族の人、全員このこと、知ってるから。」
野田
「何だよぉ！家族にも騙されてたのかよ！」
植木
「って言うか、家族もウソ！！」
野田
「マジでぇ？」
植木
「全員、仕掛け人。」
野田
「本当にぃ？俺、人間不信になりそうだよぉ！！」
植木
「気づかなかった？」
野田
「全然！・・・でも、言われてみれば、俺以外の家族が全員、黒人なのはおかしいと思ってたんだよ。」
植木
「そうだよな！お前、ずっと、そのことを怪しんでたもんな。」
野田
「そうだよ！俺、ずっと植木に相談してたよ！すっかり忘れてた。」
植木
「悪い、俺、本当は植木じゃないんだ。」
野田
「マジでぇ？！じゃあ、お前は誰？」
植木
「俺はジョン・エリオット。アメリカ人だ。」
野田
「すげぇ！おまえ、ジョンだったのかぁ！！」
ジョン
「ちなみにお前も野田じゃないんだ。」
野田
「なになに？俺の名前は？」
ジョン
「キャサリン・デイヴィス。」
キャサリン
「キャサリンかぁ！！俺、女だったのかぁ！ちっとも気がつかなかったよぉ！！」
ジョン
「お前がトイレに行く度に、バレるんじゃないか、バレるんじゃないかって不安だったんだぞ。」
キャサリン
「他には？他にはどんなウソついたの？」
ジョン
「実はねぇ・・・」
キャサリン
「うんうん・・・」
ジョン
「・・・この会話自体、ウソ。」
野田
「・・・え？」
植木
「え？じゃねぇよ！あるわけねぇだろ！そんなこと！」
野田
「・・・そうか・・・。そうだよな。やっぱり、俺、男だよな！」
植木
「そうだよ！お前は正真正銘の生粋の日本人だよ！」
野田
「よかったぁ・・・。危うく、自分を見失うところだった・・・」
植木
「さ！早く学校に行かないと、始業時間に遅れるぞ！」
野田
「本当だ。・・・ハァ・・・、今日は割り算以外のこと、教えてくれないかなぁ・・・」
植木
「そうだな。」
野田
「って言うか、俺の家族ってやっぱり黒人なのか？」
植木
「・・・・・・ほら、早く学校行こうぜ！（走り去る）」
野田
「いや、答えてよ！！（追いかける）」
【コント・セルフ・ライナーノーツ】
ただひたすら、ドッキリが続くというコント。
ちなみに、ジョン・エリオットのエリオットはラーメンズの「忍者のエリオット」から来てます。
また、キャサリン・デイヴィスのデイヴィスは中１のときの英語の教科書からです。
