#4のコントですが、独立しているので、

#1~#3を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら

#2はこちら

#3はこちら


 

悪人1
「やんのか、ジジイ!」

悪人2
「者ども!出会え出会え!」


(悪人たちが現れる)


光圀
「こうなったら仕方ありませんね。
 助さん!」

助さん
「はっ!」

光圀
「格さん!」

格さん
「はっ!」

光圀
「懲らしめてやりなさい!!」

全員
「やー!!」


(5分後)


光圀
「助さん、格さん!
 もういいでしょう!」

助さん
「静まれー!静まれー!」

悪人たち
(静かになる)

光圀
「格さん、アレを見せてやりなさい。」

悪人たち
「・・・。」

光圀
「・・・。」

助さん
「・・・ご老公。ご老公。」

光圀
「・・・ん?」

助さん
「格さんがいません。」

光圀
「ん?どこいった、格さん?」

格さん
「(遠くの方から)やー!!」

助さん
「あ、随分遠くの方で戦ってますね。」

光圀
「ちょっと止めてきて。
 『もう終わったよ』って。」

助さん
「行ってきます。(その場を離れる)」

光圀
「(悪人たちを前に)しばらくお待ちください。」

助さん
「格さん連れてきました。
 格さんと戦ってた悪人と一緒に。」

光圀
「ご苦労さま。」

格さん
「すみません。
 『静まれ』の声が聞こえませんでした。」

光圀
「随分遠くに行ってたね。」

格さん
「この屋敷、広いんです。」

光圀
「よし、アレを見せてやりなさい!」

助さん
「あ、その前にご老公。」

光圀
「ん?」

助さん
「お銀は?」

光圀
「あれ?
 お銀もいないじゃん。」

格さん
「私が戦っている間に、
 敵を引きつけるために屋敷の外にでていったのですが。」

光圀
「えー。そんなに広く使わなくていいよ。
 誰かお銀たち連れてきて。」

格さん
「あ、行ってきます。」

助さん
「よろしくお願いします。」

光圀
「(悪人たちを前に)もう少々お待ちください。」

バイブ音
「ウィーンウィーン。」

助さん
「ん、誰からだ?
 (スマホを見る)弥七だ。もしもし?」

光圀
「確かに弥七もいない。」

助さん
「うん。もう終わってる。
 戻ってきて。
 はい、待ってまーす。(スマホを切る)」

光圀
「弥七、なんだって?」

助さん
「『小田原まで行っちゃったので、11時38分のこだまに乗って戻ります』って。」

光圀
「なんで小田原まで行っちゃうの?
 たかだか数分のチャンバラだよ?」

バイブ音
「ウィーンウィーン。」

助さん
「(スマホに出る)もしもし。

 あぁ、今どこ?」

光圀
「・・・次は誰だ?」

助さん
「はい、待ってまーす。(スマホを切る)」

光圀
「電話、誰から?」

助さん
「うっかり八兵衛からです。
 今、佐世保での戦いを切り上げて、
 飛行機に乗って戻ってるところだそうです。」

光圀
「九州!!
 あと、お前は戦闘要員じゃねぇから!」

助さん
「(スマホを見ながら)今、ツイッターを見てますけど、
 日本のあちこちでまだチャンバラが続いてますね。」

光圀
「いや、フィールドを広く使い過ぎ!
 『静まれ!静まれ!!』ってツイートして。」

助さん
「(スマホをいじって)はい。呟きました。」

光圀
「みんな、そんなにバラバラにならないで。
 スイッチャーさんがどこに切り替えたらいいかわかんなくなるから。」

悪人1
「おい、ジジイ!!」

光圀
「ん?」

悪人1
「何をブツブツ言ってんだ!!」

悪人2
「者ども!出会え出会え!!」


(さらに悪者が集まってくる)


助さん
「ご老公!もう一度、掛け声を!」

光圀
「いや、わたしの掛け声がきっかけで、
 日本中でチャンバラが始まるわけでしょ・・・?」

助さん
「ご老公!!」

光圀
「・・・わかりました。
 助さん!」

助さん
「はっ!」

光圀
「格さん!」

格さん
「はっ!」

光圀
「懲らしめてやりなさい!!」

全員
「やー!」


(5分後)


光圀
「はい、もういいでしょう!」

助さん
「静まれ!静まれ!!」

光圀
「格さん!早く印籠!
 もうこんな戦い終えましょう。
 あれ・・・、格さんは?」

助さん
「(メールを見て)街の外れですね。」

光圀
「早く連れ戻して!」

悪人1
「あ、行ってきます。」

助さん
「お願いします!」

光圀
「お銀は?」

助さん
「(グループラインを見て)苫小牧に着いたところです。」

光圀
「北海道!
 弥七は?」

助さん
「この写真は・・・マーライオンの前ですね。」

光圀
「シンガポール!
 八兵衛は?」

助さん
「南極で戦ってます。」

光圀
「全員帰ってこい!!
 あと繰り返すけど、八兵衛、お前は戦闘要員じゃねぇから!!」

悪人1
「ヤイ、ジジイ!!」

悪人2
「者ども!出会え出会え!!」


(さらに悪人たちが集まってくる)


光圀
「何、また戦うの?」

悪人たち
(手首足首をブラブラさせ、いつでも走れる体勢)

光圀
「ほらもう、『懲らしめてやりなさい』のタイミングで走る気満々だもん。」

悪人たち
「早く!早く!」

光圀
「懲らしめる前に一言言っておきます!」

悪人たち
「?」

光圀
「全員、この屋敷の中で懲らしめられてください!」

悪人たち
「えー・・・」

光圀
「はい、『えー』じゃない!
 では、いきます。」

全員
「お願いします!」

光圀
「助さん!」

助さん
「はっ!」

光圀
「格さ・・・」

全員
「やー!」


(全員、一斉に屋敷の外に走り出す。)


光圀
「(必死に止めようとしながら)まだ!まだ最後まで言ってない!!」


(5分後)


光圀
(静まり返った屋敷でポツンと座り込んでいる)

助さん
(傍に立っている)

光圀
「・・・誰一人として、阻止できなかった。」

助さん
「まぁ、こんな日もあります。」

光圀
「もう終わりだ終わり!
 もういいでしょう!」

助さん
「(スマホを出して)では、招集かけます。」

光圀
「お願い。
 まず、格さんは?」

助さん
「(スマホを見ながら)街の外れで戦ってますね。」

光圀
「もう、格さんが比較的優等生に見える。
 街から出ないところが。」

助さん
「お銀は沖ノ鳥島にいますね。」

光圀
「最南端行っちゃった?
 チャンバラやっていいところじゃないよ、あそこ。」

助さん
「弥七はオランダにいます。」

光圀
「風車!
 かざぐるまの弥七が風車を見に行っちゃった!」

助さん
「八兵衛は・・・『地球は青かった』って言ってますね。」

光圀
「どこいっちゃったの?!宇宙?!」

助さん
「宇宙から見た地球の画像が添えてあります。」

光圀
「あいつ、何?宇宙飛行士なの?
 あいつ絶対、うっかりなんかじゃないよ。
 むしろしっかり。
 それでいて、したたか。」

格さん
「今戻りました。」

光圀
「とりあえず、いるメンバーにだけ印籠見せて。」

格さん
「わかりました。
 (印籠を取り出し)この紋所が目に入らぬか!!」

着信音
「ピロン。」

助さん
「ラインきた。」

光圀
「誰?」

助さん
「八兵衛からです。
 『紋所見えません』って。」

光圀
「見えないでしょうね!
 宇宙にいるんだから!!」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

広くフィールドを使いすぎるチャンバラという設定から作っていきました。

チャンバラが始まるときの「やー!」という掛け声がお気に入りです。

 

なお、5月6日でこのブログスタートから8年になります。

今まで書いたコントは308本。なかなか大きなコント台本集になりました。

9年目もよろしくお願いします。

 

【上演メモ】

人数:最低4人

光圀

助さん

格さん

悪人1

悪人2(任意)

 

所要時間:5分~6分
上演難易度:★★★☆☆
備考:たくさん悪人のエキストラがいる方が迫力がありますが、必須ではありません。

悪人2も悪人1役の演者が兼任すれば、最低4人でできるかと思いますが、設定が伝わりにくいかもしれません。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】ワタシの大切な人
【コント】天使と悪魔の2択の話#4
【コント】学級会
【コント】山さん
【コント】ヤツは四天王の中でも最弱

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

↓こちらでも面白いブログがきっと見つかる!はず。
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