暗闇の部屋に3人の男



ベリアル
「・・・田中が倒されたようだな。」


アスモダイ
「フフフ・・・。なかなかやるな。」


ガープ
「しかし、ヤツは四天王の中でも最弱。」


ベリアル
「ヤツを倒して粋がっているのも今のうちだ。」


アスモダイ
「田中は四天王の中でも一番年下。」


ガープ
「ヤツを倒して喜んでいられるのも今のうちだ。」


ベリアル
「ヤツの時給は四天王の中でも最低。」


アスモダイ
「せいぜい、そんな時給のヤツだったのか・・・と憐れむがよい。」


ガープ
「ヤツは四天王の中で唯一の中卒。」


ベリアル
「くそぉ!中卒かよ!と嘆くがよい!」


アスモダイ
「ヤツは四天王の中で唯一のパシリ。」


ガープ
「そして、ヤツは四天王の中で一番新人。」


ベリアル
「・・・ヤツは何年入社だっけ?」


ガープ
「・・・2013年?」


ベリアル
「まだ3年目だ。
 ヤツを倒したところで、貴様らに勝ち目はない。」


アスモダイ
「ウソ!ヤツは平成生まれなんだ・・・!」


ガープ
「そうだけど。」


アスモダイ
「マジかー。たまに会話が通じないことがあるんだよ、ヤツと。」


ベリアル
「あるある。『なんですか?それ。』って、あれ一番腹立つ!」


ガープ
「この前、カラオケでミスチル歌ったら、『誰の歌ですか?』って言われた。」


ベリアル
「マジ?!ミスチル通じないの?」


アスモダイ
「通じるでしょう?ヤツが疎いだけだって。」


ベリアル
「そうだよね?」


アスモダイ
「ただ、フロッピーディスクは通じなかった。」


ガープ
「ショックだー。フロッピー通じないの?」


ベリアル
「あと、上書き防止のために、ビデオテープのツメを折っておくあるあるも通じなかった。」


アスモダイ
「マジかー。田中のヤツー。」


ベリアル
「とにかく田中は四天王の中でも最弱。」


アスモダイ
「身長も四天王の中で最低。」


ガープ
「四天王の中でヤツだけセンスがズレている。」


ベリアル
「我々3人がスマホなのに、ヤツだけガラケー。」


アスモダイ
「我々3人が3DSを持ってきているのに、ヤツだけワンダースワン。」


ガープ
「我々3人がライザップに通っているのに、ヤツが通っているのは公文式。」


ベリアル
「きのこ派たけのこ派で揉めているのに、ヤツはきこりの切り株派!」


アスモダイ
「ヤツを倒したところで貴様らに勝ち目はない。」


ガープ
「ヤツはいろんな面で最低なんだからな。」


田中
「(扉が開き、入ってくる)ただいま戻りましたー。」


ベリアル
「うわっ!!田中!!」


アスモダイ
「生きてたのか?!」


田中
「たまたま急所を外れて。
 それより、なんの話をしてたんですか?」


ガープ
「いや、何の話もしてないよ?」


田中
「なんか、『ヤツはいろんな面で最低』とかなんとか。」


ベリアル
「がっつり聞こえてる!!」


田中
「誰がいろんな面で最低なんですか?」


アスモダイ
「え、いや。ガープの話だよ。」


田中
「ガープさん?」


ガープ
「そ、そう、俺の話。
 俺んち、ゴミ屋敷だし。」


田中
「でも、『ヤツはいろんな面で最低』って言ってたの、ガープさんですよね?」


ガープ
「あ、いや、その・・・
 ほら、俺んち、ゴミ屋敷だし。」


ベリアル
「ガープ、フォローになってない。」


田中
「まさか・・・また僕の悪口言ってたんですか?!」


アスモダイ
「違う違う違う。違うって田中。お前のことじゃないって。」


田中
「そうですよね・・・。ボクは四天王の中で最弱ですもんね・・・。」


ガープ
「そんなことないって!」


田中
「ボクが倒されても、みなさん余裕ですもんね。」


ベリアル
「あぁ、もう!すぐそうやってスネる!」


田中
「大丈夫です。ボクは所詮、捨て駒ですから。」


アスモダイ
「そんなことない!そんなことない!そんなことない!!」


田中
「・・・そうですか?」


ガープ
「そうだよ。だから、泣かないで。」


田中
「ボクは四天王の足を引っ張ってないですか?」


ベリアル
「引っ張ってないよー、全然!
 足を引っ張るどころか、俺たちを引っ張ってくれてるし!」


田中
「ボク、四天王の中で最弱じゃないですか?」


アスモダイ
「最弱じゃないよー!」


田中
「じゃあ、最弱は誰ですか?」


ベリアル
「・・・え?」


田中
「四天王の中で最弱です。
 ボクじゃないとしたら、最弱は誰ですか?」


アスモダイ
「え・・・いや・・・その・・・」


田中
「やっぱり、ボクが最弱なんだ・・・。」


ベリアル
「そんなことないって!」


アスモダイ
「最弱はホラ・・・ガープだよ。」


田中
「ガープさん?」


ガープ
「そ、そう!
 オレ、最弱!
 だってほら、俺んち、ゴミ屋敷だし!」


田中
「そっか。ボク、最弱じゃないんだ!
 なんか自信出てきました!」


ベリアル
「そうだろう!」


田中
「じゃあ、3番目の強さなのは誰ですか?」


ガープ
「・・・え?」


田中
「四天王の中で3番目の強さの人です。
 ガープさんの次にやられちゃうのは誰ですか?」


ベリアル
「それは・・・その・・・」


田中
「やっぱりボクなんだ・・・」


アスモダイ
「そんなことないって!」


ベリアル
「3番目の強さなのは・・・アスモダイだよ!」


田中
「アスモダイさん・・・?」


アスモダイ
「そう!オレ!
 オレ3番目!
 ガープほどじゃないけど、俺んちもゴミ屋敷だし。」


田中
「そうか。ボク3番目でもないんだ!
 よし!今のメンタルなら、勝てそうだ!」


ベリアル
「いいぞ、田中!その調子だ!」


田中
「ベリアルさん。」


ベリアル
「ん、何?」


田中
「いよいよ一騎打ちですね!」


ベリアル
「あ?あぁ・・・」


田中
「四天王の中で一番強いのはボクとベリアルさん、どっちですかね?」


ベリアル
「え・・・あの・・・その・・・」


田中
「やっぱりボクの方が弱いんだ・・・。」


ベリアル
「お前だよ、田中!
 お前が四天王の中で最強!
 黙ってたけど、俺んちもゴミ屋敷だもん!」


田中
「よぉし!ボクは四天王の中で最強なんだ!
 なんか力がみなぎってきた!
 うん!いける!」


ベリアル
「いけそう?」


田中
「はい!四天王の中で最強のこのボクがヤツらをやっつけてきますよ!」


ベリアル
「おぅ!期待してるぞ!」


田中
「行ってきます!」


ベリアルアスモダイガープ
「いってらっしゃい!」


田中
「あ、そうだ。
 言い忘れてた。」


ベリアル
「何?」


田中
「ボクんちも・・・ゴミ屋敷ですから。(出かけていく)」


ベリアル
「・・・。」


アスモダイ
「・・・。」


ガープ
「・・・なんだ、アイツ。」


田中
「(外から声が聞こえる)うわぁーーーーーーーーっっっ!!」


ベリアル
「・・・田中が倒されたようだな。」


アスモダイ
「しかし、ヤツは四天王の中で・・・」


ベリアルアスモダイガープ
「最弱!」











【コント・セルフ・ライナーノーツ】

「ヤツは四天王の中でも最弱」というよく聞くセリフから広げたコント。

どういう展開にするかいろいろ悩んだ結果、この結果になりました。


実は1回、スタバでこのコントを書いてたんですけど、

バッテリー切れで全部消えちゃって書き直したという苦いエピソードが・・・

バッテリーには気を付けましょう。




↓こちらにも面白いブログいっぱいあります。

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