#3のコントですが、独立しているので、

#1、#2を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら

#2はこちら


 

先生
「今日は・・・(カバンからひょうたんを取り出す)これの授業をしたいと思う。」

北条
「ひょうたんですか?」

先生
「そうだ。
 西遊記で金閣大王が持っていた、あのひょうたんだ。」

西条
「どうやって使うんですか?」

先生
「これを吸い込みたい相手に向けて相手の名前を呼ぶ。」

東条
「名前を呼ぶと?」

先生
「相手が呼びかけに応じると、相手はひょうたんに吸い込まれてしまう。」

南条
「吸い込まれるとどうなるんですか?」

先生
「しばらくすると、溶けて金閣大王の飲み物になってしまうんだ。」

北条
「怖い・・・。」

先生
「よし、実験してみよう。
 西条。そこに立って。」

西条
「え、僕を吸い込むんですか?」

先生
「大丈夫。
 吸い込んだ直後に先生が引っ張り上げるから。」

西条
「すぐに出してくださいね。」

先生
「大丈夫だ。
 (ひょうたんのフタを開ける)あ、ここまでで何か質問はあるか?」

北条
「(手を挙げて)先生。」

先生
「はい、北条。」


(先生、ひょうたんに吸い込まれる)
 


(5分後)



先生
「(びしょ濡れで教壇に立ちながら)ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」

生徒たち
「・・・。」

先生
「・・・先生が屈強な筋肉の持ち主だったから、自力でひょうたんから出てこれたが。」

生徒たち
「・・・。」

先生
「フタを開けたら気安く声をかけないように。」

北条
「いや、先生が『質問は?』っていうから・・・。」

先生
「はい、では実験をやるぞ。
 西条、そこに立って。」

西条
「いやだなぁ・・・。」

先生
「フタを開ける前に・・・、(生徒たちに)何か質問はあるか?」

生徒たち
「大丈夫です。」

先生
「では、(ひょうたんのフタを開ける)いくぞ。」

西条
「はい。」

先生
「西条。」

西条
「はい。」

先生
「・・・。」

西条
「・・・。」

先生
「・・・。」

西条
「・・・吸い込まれませんね。」

先生
「おかしいな。」

南条
「(手を挙げて)先生。」

先生
「ん?」


(先生、ひょうたんに吸い込まれる)
 


(5分後)



先生
「(びしょ濡れで教壇に立ちながら)ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」

南条
「・・・いや、先生。
 ものすごい目でこっちをニラんでますけど、私たちのせいですか?」

先生
「・・・先生が屈強な筋肉の持ち主だったから、自力でひょうたんから出てこれたが。」

中条
「・・・みんなで引っ張りあげましたけど。」

先生
「さすがに2回連続はキツイ。」

東条
「どっちも先生の不注意なんじゃ・・・。」

北条
「あと、言うほど屈強でもないですよ。」

先生
「なんでさっき声をかけた?」

南条
「いや、先生がひょうたんを西条くんに向けてなかったから・・・。」

先生
「実験中は声をかけないように。」

南条
「わたしのせい・・・?」

先生
「じゃ、西条。
 そこに立って。」

西条
「まだやるんですか?」

先生
「もう声をかけないように。」

生徒たち
「はーい・・・。」

先生
「(ひょうたんのフタを開ける)いくぞ。」

西条
「はい・・・。」

先生
「西条。」

西条
「はい。」

先生
「・・・。」

西条
「・・・。」

先生
「・・・。」

西条
「・・・来ないですね。」

先生
「もっと近づかないとダメかな。
 (近づいて)西条。」

西条
「はい。」

先生
「・・・。」

西条
「・・・ダメですね。」

同僚の教師
「(教室の外から)一条先生ー!」

先生
「あ、美咲先生ー!!」


(先生、ひょうたんに吸い込まれる)

 


(5分後)



先生
「(びしょ濡れで教壇に立ちながら)ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」

北条
「いや、またすごくニラんでますけど、自滅でしょ?
 今回に至っては生徒たちは何もしてないですから。」

先生
「・・・美咲先生に醜態を見られた。
 どうしてくれる・・・。
 ・・・美咲先生に醜態を見られた。
 どうしてくれる・・・。」

北条
「いや、どうしてくれるも何も・・・。」

先生
「それと、誰だ。
 先生をひょうたんの外に出すとき、ひょうたんをひっくり返したのは!」

西条
「東条くんです。」

東条
「マヨネーズみたいにしたら出てくるかと思って。」

先生
「そのあと、ひょうたんに水を入れて振ったのは誰だ!」

北条
「南条さんです。」

南条
「シャンプーみたいな感覚で試してみたのですが。」

先生
「そのあと、端っこから絞り出そうとしたのは?」

東条
「中条くんです。」

中条
「歯磨き粉みたいに出ないかと思って。」

先生
「もう周りの雑音は一切無視!
 ひょうたんの授業に集中します!」

北条
「そもそも『ひょうたんの授業』ってなんですか?
 先生が勝手にひょうたんを持ってきて、勝手に吸い込まれているだけなんですけど。」

南条
「ただ滑稽です。先生。」

先生
「西条。そこに立って。」

西条
「まだ何か言ってるよ、この人・・・。」

先生
「(ひょうたんのフタを開けて)はい、いきます。」

西条
「・・・はい、どうぞ。」

先生
「西条。」

西条
「はい。」

先生
「・・・(近づいて)こうかな。西条。」

西条
「はい。」

先生
「・・・(ひょうたんを傾けて)西条。」

西条
「はい。」

放送
「一条先生。
 お電話がありました。至急職員室にお戻りください。」

先生
「・・・(無視して)西条。」

西条
「・・・電話いいんですか、先生?」

同僚の教師
「(教室の外から)一条先生ー!
 今日一緒に帰りませんー?」

先生
「・・・(無視して)西条。」

西条
「・・・誘われてますよ、先生。」

放送
「一条先生!
 今、アパートから連絡があって、家が火事に遭ったそうです!」

先生
「・・・(無視して)西条。」

西条
「いや、火事大丈夫ですか?」

同僚の教師
「(教室の外から)一条先生ー!
 校長先生が校長の座を譲ると言ってますよー!」

先生
「・・・(無視して)西条。」

西条
「いらないんですか、校長の椅子?」

放送
「一条先生。
 『あのときの鶴』と名乗る方が5000万円持ってお待ちです。」

先生
「・・・(無視して)西条。」

西条
「・・・あのときの鶴?」


(西条、ひょうたんに吸い込まれる)


先生
「どぉだー!
 どぉだぁー!!」

北条
「『どぉだー!』ってドヤ顔してますけど、
 人がひょうたんに吸い込まれる瞬間はすでに先生で3回見てますし・・・。」

東条
「西条くん、『あのときの鶴』の疑問を持ったまま吸い込まれていった・・・。」

先生
「いやー、集中した。
 汗が止まらない。」

南条
「集中してましたね。
 人生が変わるかもしれない呼びかけが何度もありましたが。」

先生
「ちょっと水分補給を(タンブラーを開ける)。」

東条
「どうぞ。」

中条
「一条先生。」

先生
「ん?」


(先生、タンブラーに吸い込まれる)


生徒たち
「え~・・・。」

 

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

たまにはこんなわかりやすい展開のコントを。

生徒たちからすると、先生が勝手に窮地に陥っているだけ。

 

西遊記って結構、コントに使えるアイテムが多いんですよね。

 

【上演メモ】

人数:8人前後

先生

西条

北条

東条

南条

中条

同僚の教師

放送

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★★★☆
備考:ひょうたんに吸い込まれる描写をどう表現するかは難しいところです。

たくさん登場人物が出てきますが、兼任可能なので、演者の人数に応じて変更可能です。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【お題コント】「ポケモンGO」「PPAP」「Google」「スマホ」
【コント】親指姫と一寸法師
【コント】ツルのおんがえし
【お題コント】スイートスマイル
【コント】おむすびころりん

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

↓こちらでも面白いブログがきっと見つかる!はず。
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