＃２のコントですが、独立しているので、
＃１を読んでいなくても楽しめます。
ちなみに、＃１はこちら。
沙悟浄
「（キョロキョロしながら歩いている）んー。ないなー。」
店員
「（やってくる）お疲れ様です、悟浄さん。
どうかしました？」
沙悟浄
「あ、いや、大丈夫。こっちの話。」
店員
「ならいいですけど。」
沙悟浄
「んー・・・。（キョロキョロしながら奥へ入っていく）」
母親・息子
（やってくる）
店員
「あ、いらっしゃいませー。」
母親
「あの、アレありますか？」
店員
「アレ？」
母親
「あのー、孫悟空が頭につけてる、金属でできた輪っかの・・・」
店員
「あぁ、緊箍児（きんこじ）ですね。ございますよ。」
母親
「あれ、『きんこじ』っていうんですね。」
店員
「こちらがきんこじのコーナーですね。」
母親
「こんなにあるんですね。」
店員
「はい。」
母親
「息子に買ってあげようと。」
店員
「あ、お子さま用で。」
母親
「ほら、どれがいいの？」
息子
「んー。」
店員
「参考のために、息子さんの頭のサイズを測らせていただいてよろしいですか？」
母親
「どうぞ。」
店員
「失礼いたします。
（子供の頭にメジャーを巻く）んー。このサイズならＳサイズですね。」
母親
「なるほど。では、スモールサイズを。」
店員
「あ、ＳサイズのＳはスモールのＳではございません。」
母親
「え？じゃあ、なんのＳなんですか？」
店員
「孫悟空です。」
母親
「孫悟空のＳなんだ・・・。」
店員
「こちらがＳサイズになります。」
母親
「試着してみてもいいですか？」
店員
「はい。こちらが試着室です。」
息子
（試着室に入る）
店員
「試着しましたら、お声がけください。（カーテンを閉める）」
母親
「いろんなきんこじがあるんですね。」
店員
「そうですね。最近は種類も増えましたね。」
母親
「これは？」
店員
「これは夏物のきんこじですね。
冬物と比べて通気性がいいのが特徴です。」
母親
「これは？」
店員
「フォーマルタイプのきんこじですね。
葬儀など、かしこまった場所につけていくきんこじです。」
母親
「大丈夫ですか？
お葬式にきんこじつけていくと、
お坊さんのお経のタイミングで苦しみ出しそうですけど。」
息子
「（カーテンを開けて）ちょっと小さいかなぁ。」
店員
「入りませんか？
では、こちらのＭサイズを・・・。」
母親
「ＭサイズのＭは何のＭですか？」
店員
「もんごくうです。」
母親
「『もんごくう』って何ですか？
『そんごくう』ならまだしも・・・。」
店員
「試着したら、お声がけください。（カーテンを閉める）」
母親
「うん。あの・・・『もんごくう』ってなんですか？」
電話
「トゥルルルルル・・・トゥルルルルル・・・」
店員
「あ、失礼します。」
母親
「何だろう・・・。『もんごくう』って・・・」
店員
「お電話ありがとうございます。
『紳士服の天竺』習志野駅前店です。
はい。きんとうんですか？ございますよ。
はい。来週水曜日？
申し訳ございません。当店、今週末で閉店なんです。
はい。申し訳ございません。失礼いたします。（電話を切る）」
母親
「今週末で閉店なんですね。」
店員
「はい。再来週に新装開店オープン予定です。」
母親
「あー。頻繁に閉店セールをやるやつか。」
息子
「（カーテンを開けて）まだちょっとキツいかも。」
店員
「まだ、キツいですか？
（きんこじを触ってみる）あー。ちょっとキツいですねぇ。
Ｌサイズにしてみましょう。」
母親
「Ｌサイズは何の略ですか？
『ろんごくう』ですか？」
店員
「いえ、ラージです。」
母親
「そこはラージなんですね。」
店員
「『ろんごくう』という言葉はありませんから。」
母親
「だったら、『もんごくう』ってなんだよ！」
店員
「試着したら、お声がけください。（カーテンを閉める）」
母親
「閉店前のキャンペーンってやってるんですか？」
店員
「はい。
今なら、きんこじを２着買うと、１着目が半額になります。」
母親
「きんこじって、１着２着って数えるんですね。」
店員
「あと、白いお皿もプレゼントします。」
母親
「春のパン祭りみたい。」
息子
「（カーテンを開けて）これはぴったりだ。」
母親
「あ、本当に？」
店員
「ちょっとサイズの確認をしてみますか。」
母親
「おねがいします。」
店員
（お経を唱え始める）
息子
「痛い痛い痛い！合う合う合う！サイズ合うから！」
店員
「ぴったりですね。」
息子
「だから、ぴったりって言ってんじゃん！」
母親
「では、これをください。」
店員
「かしこまりました。
先程ご案内した通り、２着買うと１着半額になりますが。」
母親
「では、これと同じサイズの夏服を。」
店員
「ありがとうございます。
では、きんこじを夏物冬物１着ずつで、
（電卓を見せて）３９０円になります。」
母親
「想像以上に安かった。（代金を払う）」
店員
「あと、こちら、白いお皿になります。」
母親
「あ、ありがとうございます。」
店員
「お出口までご案内いたします。」
母親
「新装開店したら、また伺いますね。」
店員
「またのご来店をお待ちしています。（一礼）」
沙悟浄
「（奥からやってくる）うーん。ないなぁ。」
店員
「あれ、悟浄さん、まだ困り事ですか？」
沙悟浄
「うん・・・。」
店員
「どうしたんですか？」
沙悟浄
「朝から、頭の皿が見つからないんだよ。」
店員
「それは困りましたね。」
沙悟浄
「（いろいろ探しながら）どこにいったんだろうなぁ・・・。」
店員
「どこにいったんでしょうねぇ。（さっきの客をチラッと見る。）」
母親・息子
（まじまじともらった皿を見ながら、店を後にする）
孫悟空の頭に巻いているやつの話を聞いたときに、コントに使えそうだとストックとしてとっておき、
どんな設定で使うか検討して、紳士服屋とリンクさせました。
どんなオチにするか、毎回悩むのですが、西遊記の世界とも現実の世界ともリンクするオチを作ることができました。
人数：４人
店員
母親
息子
沙悟浄
所要時間：５分～６分
所要時間：★★★☆☆
備考：きんこじの小道具が苦労するところだと思います。あとは試着室のセットですね。
最後のオチは観客の目線を皿に向けた瞬間に暗転させると、余韻が残るオチになると思います。
【コント】カギ屋、呼び出される。
【コント】モナリザ
【コント】ルパンと銭形
【コント】赤ずきんちゃんが聞く#2
【コント】ブレーメンの音楽隊
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