安西
「警部、現場はこちらです。」

警部
「うむ。」

安西
「こちら、ガイシャです。」

警部
「これか。
 (被害者を覆っているシートをめくり、死体を確認する)・・・。」

安西
「(手帳を見ながら)被害者はロメロス星人、47歳。
 死因はご覧のとおり・・・。」

警部
「安西。」

安西
「はい。」

警部
「(死体を指差し)これは・・・?」

安西
「被害者です。
 (手帳を見ながら)死因ですが、ご覧のとおり・・・。」

警部
「いや、続けないで。
 まだ、整理しないといけないことがあるから。」

安西
「何でしょう。」

警部
「ロメロス・・・星人・・・?」

安西
「はい。ロメロス星人です。
 (手帳を見ながら)死因ですけれども・・・。」

警部
「まだ。まだ待って。
 死因を話したいところをごめん。」

安西
「何ですか?」

警部
「ロメロス星人とは?」

安西
「ロメロス星の住民ですけど。」

警部
「いや、『え、何で知らないの?』ってリアクションしたけど・・・。
 有名なの?」

安西
「えぇ。
 (空を指差し)あの辺の星ですね。」

警部
「見えない。見えない。お昼だから見えない。」

安西
「続けてよろしいですか?」

警部
「え?うん、まぁ、はい。」

安西
「死因は後頭部の強打。

 鈍器で殴られたものだと思われます。」

警部
「とりあえず、死因が後頭部の強打でホッとした。
 死因まで聞いたことないものだったら、早くも迷宮入りだから。」

安西
「ちなみに、被害者は殴られてからしばらく意識があったらしく、
 ダイイングメッセージが残されてました。」

警部
「ダイイングメッセージ?」

安西
「こちらです。(死体の傍らにある文字を指差す)」

警部
「これか・・・。(文字を見る)」

安西
「・・・。(文字を眺める)」

警部
「・・・。(文字を眺める)」

安西
「・・・どう思われます?」

警部
「うん、わかんない。
 被害者の星の言葉なんだろうけど。」

安西
「警部でも読めませんか・・・。」

警部
「うん。逆に読めると思った?
 だとしたら、がっかりさせてごめん。」

大谷
「警部。」

警部
「どうした?」

大谷
「事件があった時刻に
 現場から立ち去る怪しい人影を見たという目撃者が見つかりました。」

警部
「おぉ。本当か。」

大谷
「お入りください。」

別の宇宙人
(入ってくる)

大谷
「レムリル星人さんです。」

警部
「え~・・・」

大谷
「(レムリル星人に)すみません。
 警部に目撃したときのことをもう一度お話いただけますか?」

警部
「待って待って待って!
 まだ、ごめん。この状況に追いつけてない。」

大谷
「追いつけてないですか?どの辺りが?」

警部
「目撃者が宇宙人の辺りが。
 なんなら、被害者が宇宙人の辺りから。」

大谷
「警部。」

警部
「ん?」

大谷
「早く慣れてください。」

警部
「慣れるかな?慣れる自信ない。」

大谷
「とりあえず、目撃者の証言を。」

警部
「あ、うん。」

大谷
「レムリル星人さん。警部に先ほどの話を。」

レムリル星人
「(宇宙語で)¥×〒=#*〆^→・・・っ!」

警部
「・・・。」

レムリル星人
「#:・・・-☆°*=×%○!!」

警部
「・・・。」

レムリル星人
「♪@〆¥・・・・:☆¥×!!」

警部
「・・・うん。わからない。
 せいぜいわかるのは、この宇宙人がおしゃべりなんだなってことくらい。」

安西
「警部。
 被害者の遺留品です。」

警部
「ご苦労。」

安西
「こちら、被害者の財布なのですが・・・」

警部
「財布あるんだ。
 宇宙人にも、財布の概念あるんだ。」

安西
「カード入れの部分にこれが。(1枚のカードを渡す)」

警部
「これは・・・?」

安西
「免許証です。」

警部
「免許?免許の概念もあるの?
 っていうか、何の免許?UFO?」

大谷
「これで、名前がわかりますね。」

安西
「名前、何て書いてあります?」

警部
「・・・うん。
 だから、読めないよね、ロメロス語。」

安西
「警部でも読めませんか。」

警部
「ごめんね。がっかりさせたのなら、ごめん。
 ロメロス語読めるイメージあったのかな。」

安西
「(免許証を見て)あ!」

警部
「どうした?」

安西
「この免許、ゴールドだ!」

警部
「ゴールドの概念まであるの?優良運転手なんだ。
 免許の更新、楽でいいよね。多分、ビデオ見るだけだから。
 でも、更新の概念あるのかな。」

大谷
「警部。」

警部
「何?」

大谷
「先ほどの目撃者が犯人の似顔絵を描いてくれました。」

警部
「あ、そう?とりあえず見ようか。」

大谷
(紙を渡す)

警部
「・・・。」

大谷
「・・・どう思われます?」

警部
「・・・うん。
 なんとなく予想はついたけど、ステレオタイプの宇宙人の似顔絵だね。
 よく見るタイプのやつ。」

大谷
「全国に指名手配しますか?」

警部
「指名手配していいけど、全国レベルじゃなくて、
 全宇宙に指名手配しないといけない気がする。」

大谷
「あ、じゃあ警部、全宇宙に指名手配の手続きお願いします。」

警部
「無理無理!全宇宙にコネないから!」

大谷
「全宇宙にコネのある人か・・・。」

安西
「NASAじゃないですか?」

大谷
「自分、NASAに連絡とります。」

警部
「NASAの人、取り合ってくれるかな?」

安西
「動機は何でしょうね。物盗りでしょうか?」

警部
「宇宙人にも、物盗りの概念あるのかな。」

安西
「あ、でも、財布は残っていたから違うか。」

警部
「確かに。」

安西
「怨恨?」

警部
「怨恨の概念もあるの?
 被害者の人間関係洗うの大変そうだけど。」

大谷
「警部、NASAと連絡取れました。」

警部
「取り合ってくれた?」

大谷
「NASAの中の人の中野佳奈さんという方が電話を受けてくれたのですが・・・。」

警部
「『NASAの中の人の中野佳奈さんという方』って、もはや早口言葉だ。」

大谷
「管轄外なので無理です、とのことです。」

警部
「そりゃ、そうだ。
 っていうか、この場合の管轄って何?」

安西
「警部!」

警部
「どうした?」

安西
「犯人が自首してきました。」

警部
「自首?!自首してきたの?
 自首の概念もあるの?!」

安西
「はい。母親に連れられて。」

警部
「意外な展開。迷宮入りを覚悟してたから。」

安西
「犯人はロメロス星の隣の星のギザース星人だそうです。」

警部
「もう聞いたことない星ばかりだ・・・。」

安西
「ご近所トラブルでしょうか?」

警部
「ご近所トラブルの概念まであるんだ?!」

安西
「今、署の取調室で事情を聞いているところです。」

警部
「事情聞ける人いるの?」

安西
「今、署長が話を聞いているそうです。」

警部
「署長、宇宙人の言葉わかるの?」

安西
「いや、今はジェスチャーでやりとりしてるそうです。」

警部
「・・・うん。
 署長と宇宙人がジェスチャーでやりとりしてるって、想像すると面白いけどさ。」

安西
「とりあえず、カツ丼を出したそうです。」

警部
「カツ丼の概念!
 お口に合うかな、カツ丼。」

安西
「今、警部が向かってるから、待っててください、と伝えてあります。」

警部
「うん。だから、わからないからね、ギザース語。」

安西
「現場は我々の方で対応しますので、
 警部は署に戻って、署長をアシストしてください。」

バイブ音
「ウィーンウィーンウィーン」

安西
「(電話に出る)はい、安西。はい。そうですか。わかりました。
 (電話を切る)今、署から連絡が入りました。」

警部
「何だって?」

安西
「逮捕したギザース星人ですが、ギザース語と日本語を話せるそうです。
 バイリンガルです。」

警部
「バイリンガルの概念!」

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

宇宙人が被害者の殺人事件というところから広げていき、

宇宙人なんだけど、いろんな概念が地球人と変わらないという流れで作っていきました。

最後、畳みかけるように「○○の概念!」という言葉が連呼できればよかったんですけど。

 

【上演メモ】

人数:4人

警部

安西

大谷

レムリル星人

 

所要時間:5分~7分
所要時間:★★★★☆
備考:宇宙人が登場するので、その準備が難しいかもしれません。

どう表現するかがポイントでしょうね。

 

【お知らせ】

過去に公開したコント「ボクと橋本選手の約束」を映像化していただきました。

静止画と音声で演じていただいています。

こちらからどうぞ。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】避難訓練
【コント】ブーメラン先生
【コント】白ヤギさんと黒ヤギさん
【コント】午前0時のシンデレラ#3
【コント】桃太郎緊急謝罪記者会見

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

(内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。ご了承ください。)

 

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(もふもふって名前ですが、僕です。

コントのこともつぶやきますが、コント以外のこともゆるくつぶやいています。)
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