皆さま、こんにちは!
昨日に引き続き、平成9年に開通した土佐くろしお鉄道宿毛線から、
起点の宿毛駅のひとつ手前にある
東宿毛(ひがしすくも)駅の訪問記です。
鉄道路線としてはまだまだ歴史が浅い宿毛線ですが、
計画そのものは明治時代末期に始まり敷設工事は昭和49年に着手。
その後に工事中止~再開を経て平成9年に開通したのですから、
地元の皆さまは、さぞ待ちわびていたことでしょうね。
敷設工事が始まった時期は地域によりバラつきますが、
宿毛駅~東宿毛駅周辺は比較的早く
昭和52年には高架橋の橋脚が姿を現してたようです。
国土地理院のサイトに掲載の昭和55年撮影の航空写真に
その姿が写ってました。
ところでWikipediaに
「東宿毛駅は計画時、宿毛駅として計画されてた」と記載されてますが、
「この辺りに終点を造る」という意味なのかな?
昭和55年時点で造られた高架線は既に
現在の宿毛駅付近まで伸びていたようですけど…。
それでは駅の様子を眺めます。
東宿毛駅は高架線上にホームが設けられた高架駅で、
宿毛線と同時期に敷設が開始された国道56号線バイパスの
すぐ近くにありました。
東宿毛駅は無人駅で駅舎はなく、ホームに上屋がかけられてます。
ホーム部分の橋脚幅は他の個所と一緒なので、
ここに駅ありき…な計画があって造られたワケではなさそうですね。
元々は駅員配置駅だった平田駅とは違い、
エレベーターは未設置でホームは階段で上がる必要があります。
う~ん、国鉄的なこの雰囲気が大好き!
…などと喜んで階段を上がるのは駅ファンだけでしょうな。
高架線と国道56号線バイパスの間が広く空いてますが、
東宿毛駅は「早稲田・梓駅」という愛称を持つらしい。
看板に詳しい理由が書かれてますが、
早稲田大学の「建学の母」である小野梓先生は宿毛市のご出身で、
ここはご実家の跡地に完成した小野梓記念公園の最寄り駅とのこと。
「建学の母」や先生のお名前で惑わされがちですが、
小野梓先生は男性ですので念のために言っておきますね。
ホームの全景はこんな感じです。
辺りに目立つ建物がないかと見渡すと、
付近を流れる松田川に架けられたレトロな装いの橋を発見。
近寄ってみると、
昭和6年に竣工した「宿毛橋」であることがわかりました。
今は松田川の下流側に県道321号線の松田川大橋が架かりますが、
大橋が竣工した昭和41年に以前はここがメイン通りだったんですって。
欄干は取り換えられてますけど、
手前に見える親柱はモニュメント的に残されてるそうです。
橋好きにとって、ここは堪らん場所かもしれません。
宿毛線だけではなく
昭和40年代は全国各地で国鉄線の敷設工事が盛んでしたが、
未成で終わった路線があったことを残念に思います。
宿毛駅と宇和島駅を結ぶ計画もあったようですけど、
南予~宿毛地区で完結する環状線があったら
鉄道旅が面白いことになってたでしょうね。
東宿毛駅(平成28年10月13日)
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