映画1960ペルシャ大王/エステル記:旧約聖書/ジョーン・コリンズ祝93歳、リチャード・イーガン
Esther and the King紀元前500年ころ、ペルシャには多くのユダヤ人が住んでいたが抑圧された状態にあった。エジプト遠征から戻ってきたクセルクセス1世は妻の不貞を知って妻を離婚し、新たに王妃を探した。ユダヤ人のエステルが選ばれて王妃となった。だがギリシャと通じている臣下のハマンがユダヤ人を滅ぼす陰謀を企てた。製作年:1960,監督:Raoul Walsh,Mario Bava,脚本:Raoul Walsh,Michael Elkins,Ennio De Concini,原作:エステル記■ はじめに◆ 登場人物(キャスト)クセルクセス1世(リチャード・イーガン) ペルシャ王ヴァシュティ(ダニエラ・ロッカ) 王妃ハマン(セルジオ・ファントーニ) 臣下エステル(ジョーン・コリンズ) ユダヤ人シモン(リック・バッタリア) ユダヤ人モルデカイ(デニス・オディア) ユダヤ人◆ 補足本作は旧約聖書「エステル記」の映画化でエステル役のジョーン・コリンズがトップキャストとなっている。「ペルシャ大王」という邦題よりも原題を訳した「エステルと王」とした方が良かったのでは?名女優との評判が高いジョーン・コリンズ(1933年5月23日-∞)が93歳となった。できるだけ長生きしてほしい。これまでに5回の結婚歴がある。彼女を意識したのはジョン・スタインベック原作の「(1957)気まぐれバス/The Wayward Bus」あたりだが、気がつくとそれまでにも見ていた。他には例えば「(1972)魔界からの招待状/Tales from the Crypt」。リチャード・イーガン(1921年7月29日-1987年7月20日:65歳)はクセが強い感じがする男優で、悪役をすれば似合うと思われるが、不思議と悪役はしていない。有名なのは「(1959)避暑地の出来事/A Summer Place」だろうか。彼は「(1962)スパルタ総攻撃:テルモピュライの戦い/The 300 Spartans」ではスパルタ国王を演じている。これは実際の戦争で、本作で彼が演じているクセルクセス1世の率いる軍隊がギリシャに進撃し、他のギリシャ都市国家群は動かず、スパルタ国王レオニダス1世が率いる300名スパルタ軍が迎え撃った。これは実話である。レオニダス1世もリチャード・イーガンが演じている。結果スパルタ軍は敗北しペルシャ軍はギリシャに侵攻したが、その後海軍がアテネ海軍に敗れてギリシャを撤退した。これらの話とは違うが同じくアケメネス朝ペルシャのキュロス二世の軍隊が紀元前539年バビロンに侵攻し、翌年いわゆる「バビロン捕囚」として捕らえられていた多数のユダヤ人を解放した。この戦いも「(1953)バビロン伝説/Slaves of Babylon」として映画化されている。この事件でペルシャの宗教ゾロアスター教がユダヤ教に大きな影響を与えた。「マタイによる福音書」ではイエスの誕生を「東方の博士」が祝福に来るが、この博士はゾロアスター教の僧侶のことである。イエスは実在の人物でなく、創作された架空の人物ではあるが、新約聖書が書かれた時代にあっても、ゾロアスター教と(ユダヤ教から生まれた)キリスト教の間に友好関係があったことになる。また余計なことではあるが紀元前539年は後のゾロアスター教徒からゾロアスターが啓示を受けた年であると誤解された。笑いながら生まれてきたとの伝説があるゾロアスターは30歳で啓示を受けたことになっているので、彼が紀元前569年に生まれたと言う間違った説が流布することになった。■ あらすじ◆ ペルシャ帝国ではユダヤ人が暮らしていた紀元前500年ころ、ペルシャ帝国では多くのユダヤ人が暮らしていたが、抑圧された状態にあった。クセルクセス1世は勝利したエジプト遠征から戻って、盛大な宴会を開いた。次はギリシャ遠征が課題となる。王妃のヴァシュティは臣下のハマンと不貞の関係にあり、それを知って王はヴァシュティを娼婦と決めつけて離婚した。◆ エステルは王妃となったその後、新王妃を選ぶための選抜が行われた。エステルはユダヤ人であり、また同じくユダヤ人のシモンを愛していた。だが結果エステルが選ばれた。エステルは王妃になることがユダヤ人の救いになると考えた。エステルはユダヤ人であることを隠して王妃となった。◆ ハマンが陰謀を企てた一方でハマンは王暗殺の陰謀を企んでいた。エステルの従兄弟モルデカイは陰謀を阻止して王の命を救った。だが王はこの経緯を知らなかった。次にハマンは当地のユダヤ人を滅ぼす計画を立てた。ハマンはギリシャ側と結びついていたが、逆にモルデカイがギリシャ側と結びついているかのように偽装した。そしてユダヤ人を皆殺しにしようとした。王はハマンの言葉に乗ってユダヤ人を殺すための勅令を出した。◆ 陰謀を王に知らせたこの計画もモルデカイが察知し「このような時のためにこそ王妃になったのでは?」とエステルに対して働きかけた。王妃と言えども自由に王に会うことはできないのだが、エステルはルールを破った。エステルは宴会を開いて王を招いた。自分がユダヤ人であることを明かし、さらにハマンが陰謀を持ってユダヤ人を滅ぼそうとしたことも明かした。◆ ハマンは処刑台に吊るされた一度出した勅令は取り消すことができない。王はモルデカイにハマン一味と対決するように命じた。ユダヤ人たちはハマン一味と闘った。ハマンはモルデカイを処刑するために用意していた処刑台に吊るされた。その後、王はギリシャ遠征に出発したが、失敗して戻ってきた。エステルは戻ってきた王を出迎えた。補足。この遠征は補足に書いたもの。■ 出演作◆ リチャード・イーガン(1950)明日なき男/HIGHWAY 301(1951)成吉思汗:サマルカンドのシャリマー姫/The Golden Horde(1951)激闘の大砂漠:野生の黒馬/FLAME OF ARABY(1952)海賊黒ひげ/BLACKBEARD, THE PIRATE(1953)ネヴァダ非常線/Split Second(1953)旅をする女/Wicked Woman(1956)流転の女/THE REVOLT OF MAMIE STOVER(1955)土曜日の惨劇/Violent Saturday(1959)避暑地の出来事/A Summer Place(1959)フォート・ブロックの決斗/These Thousand Hills(1956)やさしく愛して/Love Me Tender(1962)スパルタ総攻撃:テルモピュライの戦い/The 300 Spartans◆ ジョーン・コリンズ(1953)デカメロン夜話(海賊パガニノ、道徳の賭け、医師の娘)/Decameron Nights(1953)悪の分岐点/Turn The Key Softly(1957)日のあたる島/Island in the Sun(1958)無頼の群/The Bravados(1957)わかれ:シーワイフ/Sea Wife(1957)気まぐれバス/The Wayward Bus(1972)魔界からの招待状/Tales from the Crypt(1955)夢去りぬ:建築家銃撃事件/The Girl in the Red Velvet Swing