能役者青木健一のお稽古日記。 -3ページ目

能役者青木健一のお稽古日記。

能役者、観世流青木健一(梅若研能会所属)の日々の活動や能に対する想いを記すお稽古日記。

父一郎からの教え、芸大在学時の先生方からの芸談等を更新。

昨日は狩野川薪能、今日は立川昭和記念公園で薪能だったんですが…能って難しいなぁ~って実感しました(+_+)



楽屋働き。それはお客さんの目には見えない所で舞台を支える役なんですよ。


お役の方にお装束を付けたり、舞台小道具を切戸口でお後見の方から受け取ったり、はたまた舞台に作り物(大道具みたいなもの)を出したり…。

能は舞台上のほとんどの事を自分達でします。着付け専門の人、黒子に徹する人とかはいないんです。


だから働きの人に求められるのは『周りを冷静に見えるくらい持続性のある緊張感』なんだと思います。



でも、今の僕にはそれが出来ない事が昨日今日の公演でわかりました。

次の公演は火曜日、国立能楽堂での羽衣です。反省点を生かした立ち居振る舞いを目指します!!

健一
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ここは…どこ?私はだれ?

(違うか!!笑)


昨日までの灼熱地獄から一転、秋の様な空気ですねぇ~。


今僕らは狩野川薪能に出演するため、伊豆長岡へ向けて移動中なんです。

品川駅から新幹線に乗って、先程三島から伊豆箱根鉄道に乗り換えました。


ローカル線に揺られ旅は続きます。

(…って、世界の車窓からかぁ?)

 謹啓 季夏の候 ますますご清祥の御事とお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。



さて今回は私どもが催させていただいております能楽鑑賞セミナー「能学塾」のご案内をさせていただきます。



この「能学塾」とは、毎月渋谷松濤にあります観世能楽堂で催される「梅若研能会例会」で上演される演目を取り上げ、事前に予習する事で本番の舞台を堪能していただく事を目的としたセミナーです。



実際このセミナーに参加してから能を初めて御覧になった方々から「能の世界をじっくり味わう事ができました」「事前に予習する事で能に親しみを感じた」などなど、またよく能をご覧になる方々からも「動作や謡に込められた意味が深くて面白かった」「能の面白さを改めて発見できた」など、大変なご好評を頂戴しております。




能は難しくて、ちょっと敷居が高い…』とお思いの画面の前のあなた!!


今こそ能の世界に一歩踏み出してみませんか?


                                            敬白

                               能学塾講師  青木 健一



【能学塾 詳細】

(お席に限りがございます為、事前のご予約をお願い致します)


受講料  1,000円(各回)

開始時間 18:00~(全回)

会場    東京都武蔵野市吉祥寺 能学塾研修能舞台


能学塾会場地図

お申込み・お問い合わせ先

       能学塾事務局(青木)

         電話・FAX 0422-22-6876


(注・講習日が2日間予定されている演目の講習内容は両日とも同じです)

(【  】内の日程は梅若研能会の公演です)



「小鍛冶【8月26日(日)13時~】」 8月9日(木)


「熊坂【9月20日(木)15時30分~】」 8月29日(水)・9月6日(木)


「景清【10月6日(土)13時~】」 9月25日(火)・9月29日(土)


「葛城【11月15日(木)15時30分~】」 10月31日(水)・11月1日(木)


「松風【12月16日(日)13時~】」 11月20日(火)・12月6日(木)


「野守」12月20日(木)



皆様の御来場を心よりお待ち申し上げております。

m(u_u)m





おはようございます!!

今日も暑いですねぇ~(+_+)

しかも凄い晴天ですし(*_*)




実はこのブログ、僕の思っている以上に色々な方にご覧になって頂いてるみたいで…


一昨日は研能会所属の先生のお素人発表会がありまして、その先生に教わっているお弟子様が僕に「ブログ拝見してます。お背中大丈夫ですか?」と。

思いもよらず、しかもあまり更新してない恥ずかしさから『アワアワ星人』になってしまったんです(笑)( ̄〇 ̄;)


また昨日は万三郎先生のお素人様のお稽古日だったので、お茶出しをしていますと、「青木さん、背中大丈夫ですか?」と。またしても『アワアワ星人』になってしまう自分(笑)( ̄〇 ̄;)


こう立て続けに話題になるという事は、結構見て頂いてるのですね。ありがとうございますm(_ _)m




そして皆さんにご心配をおかけしている、先日痛めてしまった背中ですが、無理に重い荷物を長い時間持たずに普通にしていれば何とも無いくらいまで回復しました!!


ご心配をおかけしてしまい、どうもすみませんでしたm(_ _)m


ではでは~☆

健一
世阿弥はどうして後継者のために風姿花伝を残したのでしょうか?


風姿花伝だけではありません。世阿弥は色々な書物に次世代を担う役者にメッセージを残しています。


「役者は好色・賭博・大酒をするな」

「驕りを捨てて稽古に励め」

「一座のリーダーの言うことを守れ」

「能楽以外の芸能や仕事をするな」などなど…。



石井先生は、「世阿弥がわざわざこの様な事を書いたのは、当時の役者が世阿弥の理想像とはかけ離れていたのでは…」とおっしゃっていました。


それって世阿弥時代だけの事だったのでしょうか?


少なからず自分に重なる所もありますし、これからの自分が知らず知らずのうちに役者として、道を見失う事もあるでしょう。

そんな時に世阿弥の言葉を思い出して下さい、石井先生はおっしゃりたかったのではないでしょうか。





今回の研修会は大変勉強になりました。

委員長の野村四郎先生も「次回12月の研修会まで各々の先生のもとで稽古に励んで下さい」とおっしゃっていました。


1つひとつの舞台を大切にして、日々の稽古に励もうと、誓いを新たにするのでした。

<了>健一
天狗になんてなってませんよっ!!(笑)


なぜなら、研修会で拝聴した石井倫子先生のお話があったからです。



去年度までは西野春雄先生の講義を拝聴していたのですが、今年から石井先生に交代となりまして、また新たなスタートを切った訳です。

石井先生の講義は5年間先まで予定が組んでありまして、その第1回と言う事で、風姿花伝の中の年来稽古序々という章を中心としたお話でした。

年来稽古序々は世阿弥がある年齢の時にはこう稽古しろ!!という事を書いたもので、ちょうど僕の歳と重なる「24、25(歳の頃)」っていうのがあるんです!!

その内容というのが、要約すると『この歳になると声身体ともにきちんとしてきて、名人と比べた時に芸が勝る様に見られる事がある。しかしこれは物珍しいから観客の目に新鮮に映るだけであって、本当に上手なのではない。返す返すも稽古を積み、謙虚であるべきだ』って事です。


もぅ~本当にドッキィ~!!!!って感じですよね。別に名人に勝った!!って思った事は無いんですが、やっぱり人間だから「今日はちゃんと出来たかな」くらい思っちゃうんですよね。


人間だから意識しなくても慢心を抱く事もこの先あるかもしれません。



そうなりかけた時に、世阿弥のこの言葉は自分を律する戒めになるはずです。


世阿弥のこの言葉を教えて下さった石井先生の講義を拝聴出来て本当に勉強になりました。




最後に石井先生がおっしゃった中で一番心に残った言葉をご紹介します。

世阿弥は風姿花伝の様な書物をどうして後継者に残したのでしょうか?それは…


<続く>


(引っ張りすぎ?笑)
ぼくの心に残ったある先生の言葉。

それは去年度まで研修会適正委員長だった片山慶次郎先生が去年の研修会最終日の一番最後におっしゃった言葉。

「またこれで各自が自分の先生の所に戻って稽古に励む訳だけど、若々しく溌剌としたものを身につけて欲しい」

とのお言葉でした。という事は片山先生の目には若々しくは見えなかったという事なのでしょうか?



ともかく、今回の研修会に向けての稽古をしている時に、片山先生の言葉を思い出し何とか出来ないものかともがいていました。


その言葉があったから、今回万三郎先生に「良かったよ」とおっしゃって頂けたのかもしれません。



実際にお稽古を付けて頂かなくても、たった一言の言葉が自分の芸の師匠になるのだなぁと痛感しました。





ところで皆さん、万三郎先生にお褒めの言葉を頂いて、今僕が天狗になってると思ってるでしょ?



イヤイヤいやいや、そんな事ないですよ。それはなぜかと言うと…


<続く>健一

もう一週間以上も前の話しになりますが…。



先週の月・火曜日に渋谷・松濤の観世能楽堂で、観世流研修会がありました。

研修会とは…

半年に1度、5年分の研修会に参加し、勉強することで本当のプロとして認められる資格が与えられる、僕らに能役者とっては避けて通れない道です。

今回の研修会で僕は3年生になりましたので、5年間のちょうど折り返し地点に来たわけですが、これから今まで以上に頑張って日々の稽古やお装束付けの勉強をしなければ!!と思う次第です。



で、その研修会で何をするかというと、まずは観世流御家元ほか御分家などなど、そうそうたる先生方の前で謡、仕舞を見ていただきます。


すべての能楽師の方には当日の番組が送られて、見学御来場自由なんですが、もちろん一般のお客さんはおらず、謡仕舞が終わった後に拍手もなく、それが余計に『今のでよかったのかなぁ…』と言う不安を増幅させ、身を削る思いですガクリ



それから、お装束付けの実習です。


歌舞伎や日舞は専門の着付師がいるらしいのですが、能は全部能楽師が御役のある能楽師の方に着付けます。


ですので、謡舞いが上手いだけじゃなく、着付けにも精通していることがプロの能楽師には求められます。


3年生の課題は「カツラ付け」です。カツラというと、ヘルメットの用にかぶる物を想像してしまいますが、能の場合はちょっと違います。


(また今度カツラ付けの事は詳しく書きますね)



あと、能楽研究者の方からの講義を受講します。




これが研修会の内容です。



今回、お装束付けの実習は正直上手くいきませんでしたガクリもっと勉強してきます!!!


謡も、能「放下僧」のクセという部分だったのですが、師匠の万三郎先生からは「ツヨ吟の謡は難しいね」とご講評頂き、もっともっと、もぉ~~っと稽古していかないといかないと!!!!!と思いました。


ただ、仕舞「鞍馬天狗」はすごく良かったみたいで、万三郎「仕舞はとても良かったよ。ハコビがスーーーっといって。気も入っていて。うん、良かったよ」とのお言葉を頂きました。



自分の中では、お稽古の時のご注意を何度も頭に思い浮かべながらお稽古したのですが、本番は理想通りには必ずしもいってなかったです。



でも、良かったというお言葉を頂けたのは、もしかしたら『あの先生のお言葉』が僕の心に残っていたからなのかもしれません。



そのお言葉とは…



<続く> 健一。

どもども~。



昨日今日と2日間に渡っての観世流研修会が終わりまして、ようやく肩の荷が下りた気持ちです。



と、研修会の事をご報告する前に…



日曜の坂井先生のお追善能での道成寺を拝見しまして思ったことを。


おシテの坂井音隆さんは道成寺初演でして、並々ならぬ気迫でお舞いになってました。


特に乱拍子の微動だにしない姿は、グッと引き込まれる気がしまして、自分もこういう道成寺が舞えたらなぁ~と思いました。




それとは別件ですが、そのお会の時にある能楽師の方に「青木君、ブログやってんだって?」と聞かれました。実はその方のお弟子さんがよく僕のブログを御覧になっていただいているようで、思いもよらない事にビックリしてしまいました。



さらに昨日、研修会に仕舞や舞囃子のお地謡を謡にいらっしゃっていた能楽師の先生にも、「もうちょっと能楽師らしいブログをさぁ…」と言われてしまい、ただただ赤面でした。




いや~、ネットって便利ですし、情報を広く広報できるのは良いのですが、誰が見ているか分からない分、情報を発信する側は気をつけないといけませんよね~。


第一、僕は顔も名前も出しているわけですし…。




謙虚さを忘れずに、これからも書いてゆこうと思うのでした。


(研修会で学んだことなどはまた次の機会に~)




こんばんわ~。


すごくご無沙汰しちゃってましてごめんなさい。


やっぱり忙しくしていても、更新はしなきゃダメですよね。


そんなわけで、今日も元気いっぱいに日々のことを書こうと思うのですが…

あんまり元気じゃないんですよね~、正直。



何故かって?

実は背中が…僕の背中がっ!!



こんな感じだからです。



背中


ある事で左の背中の筋を痛めてしまい、現在に至るまでテープを貼って貰って筋肉の動きを補助したり、アイシングして治療中なのです。


そのある事とは…


先日、ある能の会で能「清経」のおツレのお役を頂戴いたしました。清経のツレは約1時間くらい左膝を立てた状態で座っています。

多分ですが、その時に変な座り方をしてしまい痛めたのではないかと思います。


今はかなり治ってきて、激痛が走る事もなくなりました。



僕みたいな若造がおツレのお役を頂けるのは、すごく光栄なことですし、勉強になります。


でも、こういう長く座るツレのお役を頂く度に体を痛めているようでは、役者寿命を縮めかねないなぁ~と思うようになりました。




常日頃から、全身の筋持久力を鍛えておかないとなぁ~と思うのでした。









さてさて、明日は万三郎先生のお供で、坂井先生の玄人会に行ってまいります。


坂井音隆さんの道成寺初演ですよ!!


今からドキドキしてます(部外者なのに笑)





そんなわけで、また明日ぁ~☆