観世流研修会〜続きの続き〜 | 能役者青木健一のお稽古日記。

能役者青木健一のお稽古日記。

能役者、観世流青木健一(梅若研能会所属)の日々の活動や能に対する想いを記すお稽古日記。

父一郎からの教え、芸大在学時の先生方からの芸談等を更新。

天狗になんてなってませんよっ!!(笑)


なぜなら、研修会で拝聴した石井倫子先生のお話があったからです。



去年度までは西野春雄先生の講義を拝聴していたのですが、今年から石井先生に交代となりまして、また新たなスタートを切った訳です。

石井先生の講義は5年間先まで予定が組んでありまして、その第1回と言う事で、風姿花伝の中の年来稽古序々という章を中心としたお話でした。

年来稽古序々は世阿弥がある年齢の時にはこう稽古しろ!!という事を書いたもので、ちょうど僕の歳と重なる「24、25(歳の頃)」っていうのがあるんです!!

その内容というのが、要約すると『この歳になると声身体ともにきちんとしてきて、名人と比べた時に芸が勝る様に見られる事がある。しかしこれは物珍しいから観客の目に新鮮に映るだけであって、本当に上手なのではない。返す返すも稽古を積み、謙虚であるべきだ』って事です。


もぅ~本当にドッキィ~!!!!って感じですよね。別に名人に勝った!!って思った事は無いんですが、やっぱり人間だから「今日はちゃんと出来たかな」くらい思っちゃうんですよね。


人間だから意識しなくても慢心を抱く事もこの先あるかもしれません。



そうなりかけた時に、世阿弥のこの言葉は自分を律する戒めになるはずです。


世阿弥のこの言葉を教えて下さった石井先生の講義を拝聴出来て本当に勉強になりました。




最後に石井先生がおっしゃった中で一番心に残った言葉をご紹介します。

世阿弥は風姿花伝の様な書物をどうして後継者に残したのでしょうか?それは…


<続く>


(引っ張りすぎ?笑)