こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

円形脱毛症に伴う身体の異変として爪の変化が良く挙げられます。

一般的には爪に穴ぼこが生じる現象が良く言われますが、今回少々変わった現象が見られたのでそこから円形脱毛症の正体の一部を探ってみたいと思います。

 

 

 

 

爪に生じた変化。それはクボミです。それも一般的なものは単発で凹っとした状態の物がよく確認されますが今回ご紹介するのは溝なのです。

百聞は一見に如かず。まずは画像をご覧ください。

 

 

これは左足の親指の爪です。

ご覧の通りに爪の左上から右下の方へ一直線に線が入っています。この線を横から見てみると見事に溝が出来ています。

 

これは一体何なのでしょうか。

横から見た画像で確かめられますが溝の部分は爪が薄くなっています。溝を挟んで爪の先と爪の根元は厚くなっているというよりも通常の爪の厚さと言えるでしょう。溝だけが薄い。

 

ここで爪の成り立ちについて少々書いてみます。

爪は毛と成り立ちにおいて案外共通項があります。爪も毛も材料はケラチンです。そして材料が同じだからか爪も毛も燃やすと独特のにおいが生じてハッキリ言って誰の爪でも毛でも臭いです(爆)

この臭いの元、実は『硫黄(いおう)』なのです。そうです。あの温泉の臭い、箱根の黒卵を作っている場所に漂う匂いです。

 

ココから少し脱線。

 

爪も毛も硫黄が材料と成っているのです。それ故に燃やすと硫黄のにおいがしてきて臭いのです。ちなみに硫黄は様々な食品に含まれていますが、多く含まれる食材はやはり臭いのきつい物。そうです。ニンニクやニラなどです。硫黄は様々な食品に含まれているので不足すると言う事は殆どないようなのですが、この硫黄が爪や毛の材料に成っているのです。そうするとやはり人情としてニンニクやニラを食べたくなりますが、ニラはある程度良いとしてもニンニクの多食は賛成しません。胃を荒らしてしまう恐れがあります。特にニンニクの生食は要注意に思えます。やはりここも少量がおススメ。料理のアクセントとして味を尊重した分量を自然に食べるのが一番良いと思います。ではお気軽にサプリで硫黄を摂ろうと思われるかもしれません。その場合は硫黄の名前では売っていません。『MSM(メチルサルフォルニルメタン)』という名で出ています。このMSMなのですが主な効能としては関節の動きを改善させる方向にもって行くためとされています。……、関節ねぇ~。ここで思い出すのが円形脱毛症の新薬として期待されているものの一つにリウマチの薬を改良したものがあると言う事です。リウマチは基本的に自己免疫疾患で関節の病。その関節の機能を補うのが毛や爪の材料である硫黄とは……。そしてそのリウマチを治す薬が変化して円形脱毛症の薬と成る……。私はどことなく共通項を感じてしまうのです。

 

 

閑話休題

 

そう、今回の記事のテーマは爪の溝!

アッ、ソウダッタ!

 

この溝なのですが一体どのようにして形成されていったのでしょうか。

勿論爪は根元から先に向かって伸びていきます。画像で見る溝は爪の左上が最上部と成っているのですから、爪が伸びていったことを考えれば左側の爪母細胞が一番先に変化したとみるのが妥当だと思います。では右の方はどうだったのでしょうか。これを検証する為に最初の撮影した画像よりも3か月経過後の画像を見てみましょう。それがコレです。

 

この3か月後の画像を見ると斜めの溝は角度や形を変えずに素直に爪の先へ平行移動しています。

と言う事は爪の左下にある爪母細胞だけが調子を崩してそこから扇状に爪が伸びていったわけでは無い事が分かります。爪母細胞の調子の変化は最初左から始まりゆっくりと時間をかけて調子の変化が右に移動していった。例えるならドミノ的ともいえるかも知れません。

 

そして移動していった期間なのですが爪の伸びる長さを先に撮影した画像の後に撮影した画像の日時から割り出すと凡そ1年弱程度かかっていると思われます。

 

これは結構怖い事です。

一時的な体調不良で爪が変に成ったというのならばある程度仕方のない事とも思えます。しかし、1年弱も大きな体調の変化がなかったにもかかわらず、一度生じた変化がゆっくりと移動しながら親指の爪母細胞の全てを舐め尽くしたわけです。しかも元居た場所は異変が継続しているわけでもなく、元に戻っているのです。この爪の変化を西洋医学で何というのか正直私は知りません。ですが前述した通り爪と毛は共通項もあります。今回の爪に生じた変化が頭に生じたらどうなるか。

あくまでも私の想像の域を出ませんが頭に同様の変化が生じた場合はADTAFS(アタフス)に近い症状に成るのではないかと考えています(ADTAFSについては過去記事参照の事)。ADTAFSは過去記事の通りに一気に抜けて一気に生える脱毛症の一形態です。

どうして似ているか?

それは爪の溝を挟んで先と元は普通だからです。ADTAFSも頭皮を細かく分割してみた際にそれまで普通だった髪が一気に抜けて再度一気に生えだします。今回の爪の溝も根元から爪の先までを縦に分割して見た時、一気に不調が生じて直ぐに正常に戻っているのが爪の厚さでみられます。この辺が似ている。

 

 

では原因は何か。

 

 

すみません、分かりません。

 

 

ADTAFSはこれこそ免疫の不調とも一部思えたのですが、今回の爪に関しては何といっても病巣が左から右迄移動するのに1年弱も経過している。その間に円形脱毛症以外の大きな不調もなく、爪の根元の皮膚も何の異常もなく、腫れもせず、発赤もせず、痛みも無いのに免疫が暴れていた等と言う事はあるのでしょうか。やはりここでも免疫が関与していたならば免疫の異常ではなく、爪母細胞の異常部位が左から右へ爪の端から端まで移動していった。免疫が関与していたとするならば異常を起こしていた爪母細胞を追って左から右にその戦場を移動させていっただけと考えるのが自然なように思えます。そうすると仮に病態に免疫が関与していたとしても、症状を引き起こしていた不調の主役は免疫なのか、爪母細胞なのか。

 

どのように思われますか?

 

この辺りも円形脱毛症に似ているように私には思えます。

画像の遊びではありますがこのような画像も作ってみました。

溝を横から見た画像の爪甲表面を切り取ってコピーして反転してくっつけてみました。円形脱毛症で見られる萎縮毛や感嘆符毛と呼ばれる形状に似ていると思えるのですがこれは爪にも円形脱毛症と同じ様な現象が起きていたと考えられないでしょうか。逆に爪に起きるならば材料の似ている髪にも同じ様な現象が起きても不思議ではないような気がします……。

 

 

 

 

……、原因が分からず。

ではこの現象に手も足も出ないのかと言えば、そうではありません。

私の今までの経験則上ではこの場合も『刺絡(しらく:極少量の出血をさせる鍼法)』が有効に思えます。

当院にご来院される方で爪の異常のある方は珍しくありません。円形脱毛症を患いつつ定期的に手の爪が全部取れてしまうような方もいらっしゃいます。このような爪の異常は刺絡を繰り返していくと随分マシに成っていきます。最終的には取れなくなってくる。もちろん取れるのを心待ちにしているわけ無いのですが、ずぅっと取れないのです。これは時間的な区切りがあったわけでは無いのですがこの状態に成れば治ったと言っても良いように思えます。

円形脱毛症も同じく刺絡が有効な手段の一つであることは間違いないと思います。特にできたばかりの脱毛部に対する刺絡は多くの場合、やはりやった方が良いと思います。

 

 

ちなみに今回の爪の溝なのですが、この現象を東洋医学的に見てみるとどうなるか。

まず、溝の出来始めた左足親指の左側には大敦(だいとん)と呼ばれる厥陰肝経(けっちんかんけい:肝臓にまつわる経脈)のツボがあります。そして溝が出来ていった爪の右側には隠白(いんぱく)と呼ばれる太陰脾経(たいいんひけい:消化器にまつわる経脈)のツボがあります。大敦から隠白へ異変が移動したことをどう解釈するか。そもそも解釈などできるのかと言えばできるのです!

 

今回爪に溝の出来た方の体質は脾陽虚(ひようきょ)です。消化器の気が弱ってしまっている状態です。

そして溝の出来始めた部位は肝の部位です。

これを五行の相生・相剋の関係で見てみましょう。

五行に関しては過去記事の『節分と桃太郎!』に詳しくあります。

むむっ、何という事でしょう。

肝から脾へは相剋(そうこく)という関係なのでした。この場合は木剋土(もくこくど)と呼ばれる関係です。木は成長する際に植わっている土地から養分を吸い取り大きく成ります。養分を吸われた土は当然痩せて弱っていきます。つまり土は木に剋される(制約される)関係なのです。ただし、有ってはならぬ関係ではないのです。木が土から養分を摂らなければ木は育たず、世界の循環がおかしくなってしまいます。土が木に剋される事はこの世の成り立ちとして必要不可欠なのです。その中で木は土を制御制約する関係なのだと理解してください。じゃんけんに似ていますかね~。

ただし、木の性質が強すぎてしまった場合は想定以上に土が弱ってしまいます。これは全体のバランスを崩して調和が乱れる事と成ります。逆に木が弱すぎてしまった場合、土に逆襲されます。これを相侮(そうぶ)と呼び、土侮木(どぶもく)となります。こちらはあってはならないアカンやつです。じゃんけんのルールを無視した感じです。
 

そして肝の大敦から脾の隠白へ異変部位が移動したと言う事は肝の出来事が肝のみで押さえきれず相剋関係の脾へ伝播してしまったと言う事です。

この方の脾陽虚はもしかしたら肝の実(じつ:余分<この場合は肝の気>)が脾を弱らせていたと言う事も身体の物語なのかも知れませんね。そうするとこの人の治療としては脾の陽である胃の気を補うと共に肝の気を冩す(しゃす:散らす事)作業が必要である事に成ります。『気』であれば全て同じ、全般的に増やす・減らすというわけではないのです。

 

そして肝も脾もとても『血』と関係が深いのです。肝は血を蔵す(ぞうす:しまう事)といって血が収まるべき容器のような存在。脾は血を統べる存在なのです。統べるとは血を漏らさず(出血などしない事)全身くまなく巡らせる働きの事です。

 

 

やはり、髪に関しては『血(けつ)』なのでしょうかね。

東洋医学では髪は血余(けつよ)。

これは本草綱目(ほんぞうこうもく)と云う古典医学書の内容です。

では爪は……?

これがあまり有名では無いのですが

筋余(きんよ)なのです。

よく髪は血の『あまり』が髪になると言われていますが、爪が筋余であるならば筋(筋肉)ってあまるの?余分な筋肉って……イメージできますか?ナンデスカァ~ッ!(金八先生風に)

と成ってしまいます。過去記事(血余について)にも書きましたが髪は血の働きの現れ、血そのものであり、爪は筋肉の具合の現れとしてみた方が腑に落ちます。

 

東洋医学はあくまでも陰陽平衡でお互いが交わり合ってこそ良しとされます。太極図ですね。何かが余っていたらきれいな丸に成りません!

この平衡が乱れた時に身体に不調が生じるのです。

余らせるなんて言語道断、コンゴ盆地横断です!(なんのこっちゃ?)

現実問題として血を余らせるようなアクションで円形脱毛症が改善してきたとしたら

過去記事:円形脱毛症で一番よくある体質に書きました肝血虚の方が多いので、

目的手段は違っても結果オーライで良かったのだと思います。

でも現実的に世間では血の余分だと言われている事は十分承知していますが、それだとどうしても論理破綻してしまうように思えるのです……。

 

 

今回の爪の溝は一度生じた不調を放置するとそのまま長期にわたり延長していってしまう可能性を示唆していると思います。

(参考過去記事:迷走萎縮毛と感嘆符毛)

身体に生じる様々な異変はもしかすると円形脱毛症の謎を解くカギとなる場合もあるやもしれません。

先ずは先入観なしで観察からですね。

 

良ければ参考にしてみてください。

 

 

 

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