こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

当院は言わずもがな鍼灸院です。そして鍼灸の基本は東洋医学です(東洋医学と言ってもここでは秦や漢など古代中国の医学と定義します)。そして東洋医学は『気』の医学です。そして人体における『気』を考えた場合、人体における『気』の流れ道である経脈絡脈(合わせて経絡)が重要です。そして経絡には経穴(けいけつ)と呼ばれる、所謂ツボがあります。鍼灸治療ではこのツボをどう活かすかに治療の成否が全てかかっていると言っても過言ではありません。

 

では鍼灸治療で施術に使うこのツボ、どこのツボに注目すれば良いのでしょうか。これを見極めるのが証立てです。証立てとは脈診や舌診なども含めた東洋医学上の四診(望診:見る聞診:声を聴いたり臭いなどを嗅ぐ問診:質問する切診:触ってみる)をおこない、その人の身体がどのような状態なのかを把握する事です。当院ではこの証立てを全員におこなうのですが、円形脱毛症にかかる人のパターンと言うものがあるように私は思えます。そして本日の記事では当院において最も多く見受けられる円形脱毛症の体質と言うものを紹介したいと思います(マジで多いパターンです)。

 

 

一番多い体質、それは何といっても肝血虚(かんけっきょ)です。これは東洋医学上の肝臓(肝:かん)に関する血(けつ)の働きが弱く様々な失調を起こすものです。東洋医学上の健康の基本は陰陽和合(いんようわごう)。陰陽和合とは陰と陽、相反するものが50:50のバランスで拮抗しながらも混ざり合っている状態です。そして肝血虚とはそのうちの陰である血の働きが弱ってしまったために相対的に陽である気が多くなってバランスを崩した状態の事です。陽が勝って陰が弱まるとどうなるか。本来は陰と陽が混ざり合っている状態なのですが一方的に陰が少ないために陽である気が余ります。混ざり合える相手(血)のいなくなった気はどうなるのか……。これを考える際に当院ではある例え話をよくします。それは車のエンジンです。

 

車を走らせる時、エンジンは一生懸命に燃えて動力を生み出します。これを人体に当てはめてみて欲しいのです。車体が人体、エンジンが肝、ガソリンが食事だと思ってください。ここでのエンジンの生み出す動力は生命力です。そして生命力を生み出すエンジンは稼働して燃焼しているために熱くなります。この熱こそが肝の気です。通常エンジンは運転していればどんどん熱くなりますが、あまりに熱されてしまうとオーバーヒートを起こして故障します。この現象を防ぐのがエンジンを冷やすラジエーターです。ラジエーターの中には水などの冷却材が入っていてエンジンで生じた熱を適度に分散して冷却します。この水が肝の血です。血が少なくてエンジンが熱くなりすぎてはオーバーヒートで故障。血が余ってエンジンが冷えすぎてはオーバークールでうまく走れません。この中間の丁度良い塩梅が最も絶妙に動力(生命力)を生み出すことができるのです。そして話を肝にもどします。肝の血である冷却材が減少(肝血虚)するとどうなるか。やはりだんだんとエンジンが熱くなります。エンジンが熱くなるとどうなるか。エンジンの熱がエンジンよりも上方に溜まりだします。自然界の法則として熱いものは上に、冷たいものは下に行きますね(陰陽の法則)。エンジンの上方、人体で言えば人体の上方、つまり頭部などです。肝の血が足りないことは頭部の気があまりある状態を招いてしまうわけです。頭部に気が多過ぎてしまうとどうなるか。教科書的には顔面紅潮や赤目、鼻血や耳鳴りなどありとあらゆる頭部の失調が言われています。もちろんこれらの失調の中には肝によるもの以外(腎や脾でも)でも起こり得ますが、肝の失調でも起こり得るわけです。では髪に関する事は……!?



当然髪も眉もまつ毛も髭も影響を受けると考えられます。当ブログでは初期の頃から『髪のコゲ理論』なるものを提唱してきました。気血のバランスこそが良い髪をつくる秘訣であるとして、気血どちらが多くても少なくても良くないとしてきました。ご興味のある方は↓の過去記事辺りから数話読んでみてください。

 

この陰陽のバランスを崩した肝血虚による円形脱毛症が当院では一番多い体質なのです(きっと世間でもそうだと思う)。この方々に共通する身体的特徴としてツボの変化が挙げられます。ほとんどの場合で肝兪(かんゆ)と言うツボ、しかも右側のツボが左側のツボに比べてペコペコに虚しています。自分で触って確かめるのは場所的に少し難しいかも知れませんのでご家族などいらっしゃれば触って少し押してみて貰うと良く分かると思います(うつ伏せに寝た状態で背骨のすぐ際に出ている方もあれば背骨から2〜3センチの場合もアリ)。肝兪の場所はネットで調べてみてください(肝兪の画像検索はコチラ)。そしてこの辺が重要な治療点に成る事が多いのです。この肝血虚の時、舌の色はやや薄い赤色か赤色でも白っぽいのです。

 

そして肝血虚の程度が進むと今度は陰虚陽亢(いんきょようこう)というカテゴリーに成ります。これも肝血虚と同じく肝の血が少ない状態なのですが気の上昇がさらに強まった状態です。肝血虚がオーバーヒート気味としたら陰虚陽亢は完全にオーバーヒートです。この場合は舌の色がトーンの暗い赤に成ります。生じる症状は眩暈(めまい)、耳鳴り、頭痛、赤目、不眠、多夢、怒り易い……などなど。

 

 

どちらも血の不足が原因ですので血の働きを補うようなツボに対する治療が必要です。または身体において血の生成が弱くて絶対的に血の不足が生じている場合もあります。そのような時は舌を見ると歯痕舌である場合が多いです(参考過去記事:歯痕舌)

本来下あごの中の歯列に収まっている舌が、脾の働き(利水)が悪い事により浮腫むと下の図のようになる。

この状態で舌を出すと……

これが歯痕舌です。

もしあなたの舌がこの様になっていたら、まずは食べ過ぎない事とよく噛むことで胃腸の負担を減らすような努力が必要です。

 

この肝血虚も陰虚陽亢もどちらも最初は肝鬱気滞(かんうつきたい)から始まることが多いようです。これは肝の気の渋滞です。運動不足や何かをずっと我慢していたり(ストレス)などが始まりの始まりです。それ以外にも肝の病証は目の使い過ぎや肉体の過度な疲労、睡眠不足なども関わってきます。

ご自分の生活の中で役立てられそうなことが有れば参考にしてみてください。

 

 

そして、此方も見てみてください!

円形脱毛症の事がまとめてあります。

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