こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

前回の記事では「BECAUSE OF ANYA」という海外の児童文学を紹介いたしました。

児童文学という範疇にとらわれない、深い心理描写がとても印象的でした。

一方、日本では「円形脱毛症」はどのように捉えられているのでしょうか。

本日の記事は日本においての円形脱毛症をテレビドラマからいくつか抜粋して「円形脱毛症」の立ち位置、扱われ方を見つめ直してみたいと思います。

 

 

 円形脱毛症が登場する作品群

 

 

テレビドラマで円形脱毛症が取り上げられた作品をまずは3つご紹介します。

 

  • 『29歳のクリスマス』1994年の作品です。私観ていました。もう30年以上前の作品です。山口智子さん主演のドラマです。
  • 『最高の離婚』2013年の作品です。これも私は観ていました。エンディングで瑛太さんと尾野真千子さん達が桑田佳祐さんの曲で踊りますがその名も「Yin Yang」←陰陽ですね!
  • 『ラジエーションハウスII』2021年の作品です。実は過去記事で書いています。記事下方に参考過去記事として載せておきますので是非読んでみてください!
 
まずは3作品ですが円形脱毛症が物語に導入される部分を見てみましょう。
まず「29歳のクリスマス」では29歳の誕生日に朝に鏡を見た主人公が10円玉くらいの脱毛部を見つけます。思い返してみると仕事やプライベートなどうまくいかないことの連続で強いストレスを抱えていました。そのタイミングで円形脱毛症を発症します。いかにもストレスで発症した感じがしますし、実はフジテレビ公式のあらすじでも「ストレスからきた円形脱毛症らしい」と記載されています(公式サイト)。
 

 

「最高の離婚」では第4話で主人公演じる瑛太さんが発症しています。こちらでも悩みが重なった結果、円形脱毛症を発症しています。こちらもフジテレビ公式で「いろいろな悩みが重なり、光生(瑛太さん)はなんと“円形脱毛症”になってしまう。」と説明されています(公式サイト)。

 

 

「ラジエーションハウスII」では第8話で広瀬アリスさんが演じる裕乃が発症しています。こちらも裕乃が恋愛と仕事で悩んだ末に発症しています。ただしフジテレビ公式サイトではストレスと円形脱毛症発症との関連を示す記載はありません。またこの第8回は白髪の少女がウィッグを使用している事がテーマになっており、髪にまつわる回となっています(公式サイト)。

 

 

 

見えない苦痛を可視化する装置

 

 

たった3作品ではありますが、そのどれもがストレスと円形脱毛症が非常に結びついている印象を受けます。

つまり円形脱毛症とは「見えない苦痛を可視化する装置」としてドラマなどに登場する事が多いようです。

それはなぜか?

やはり世間一般で「ストレスがあると円形脱毛症になる」という共通する認識がある為だとではないでしょうか。それゆえに視聴者に登場人物の状況を印象付ける狙いとして作中で円形脱毛症が用いられていると思われます。

そしてこれらの作品が世間に流れて、それを視聴した人が「やはり円形脱毛症はストレスなのだ」という認識を形成してしまうような循環構造が生まれているとも思います。

ただし先ほどの円形脱毛症を取り扱った3作品の年代に注目してみてほしいです。

「29歳のクリスマス」は1994年、「最高の離婚」は2013年です。このどちらもストレス説を強く全面に出しています。

しかし時代を経て現在では円形脱毛症は「自己免疫疾患」として医学的に認識されています。3作品の最後発である「ラジエーションハウスII」は2021年です。自己免疫疾患であるという認識が高まってきている年代であることも、また作品自体の背景が医学となっているドラマでもあるため、それまでの公式サイトで説明されていたガチガチの「円形脱毛症=ストレス」とはなっていないところが認識の変化としてとても興味深いです。

 

 

 

ストレス説は日本だけ?

 

 

日本における円形脱毛症の立ち位置としては上記3作品に見られるようにストレスとの結びつきが見受けられます。しかし上記作品などが日本人の文化として円形脱毛症のイメージを作り上げたとしたら、その作品のない海外ではどうなのでしょうか?

ちょうど今年2026年に、この問に対して真正面から答えるようなフランスの研究が出ています。円形脱毛症患者96人に「ストレスがあなたの円形脱毛症の原因になり得ると思いますか?」と尋ねたところ、

  • 54%が「そう思う」
  • 「一番の原因は何だと思うか」では43%がストレス
  • 自己免疫を一番の原因とした人は28%
  • 「ストレスが唯一の原因」と考えていた人も12%
  • ストレス原因説を持つ患者のうち、35%は担当皮膚科医もその考えを共有していた

 

このような結果が出ています(出典サイト)。

少なくともフランスの当事者集団でも、ストレスを原因と捉える認識が強く存在していました。

日本だけにとどまらず文化も生活スタイルも異なる外国であっても同じような認識があるということには注目しておきたいです。

 

そして更にはストレスを原因と考えていた当事者ほど、「自分で病気をコントロールできる」という感覚が有意に高かった(出典サイト)という研究もあります。

ストレスを原因と考えることは、単なる医学知識の誤解だけではなく、自分で何とかできるという感覚とも結びついていたのですね。

 

 

 

 

原因を探したくなる感情

 

 

人には出来事がなぜ起きたのかを、性格や状況などに結びつけて説明しようとする感情があります。これは心理学で『原因帰属』と呼ばれます。たとえ医学的にCD8陽性Tリンパ球が毛包を攻撃してしまい……と説明されても頭では分かっても気持ちまでは目に見えない部分について納得しにくいものです。

そういう目に見えない仕組みが身体の中で働いている。

それはわかった。

でも「私の身体はどうしてそうなった?」この疑問が常に心のどこかにくすぶっている人たちが多いのではないでしょうか。

 

あくまでも私の推測でしかありませんが、その時に登場するのが「ストレス」なのではないか。

「あの頃は無理をしていたからだ」
「自分の身体からの警告だったのかもしれない」

このように考えると原因が特定されて、なぜかスッキリしてしまう感情も人にはあると思います。あるいは発症前の「自分が自分の操縦法」を間違えた。その時のしわ寄せが現在円形脱毛症として身体に現れている。このように原因を特定してみても、なぜか納得してしまう気がします。

 

このように人は何かが生じたときに原因を特定したい気持ちが存在する。尚且つ原因を特定することで人は気持ちの安定を保ちやすくなると私は思います。

 

 

 

心の折り合いと現実的な肉体

 

 

この「ストレス」を原因とすれば、理不尽な円形脱毛症の発症について心の中で折り合いをつけやすくする作用もあると思います。それは悪いとまでは思いません。

 

ですがストレスという説明は、ときとして他の要因を見えにくくする「強すぎる物語」になり得ます。

 

心の中の納得と肉体の現実は必ずしも一致するとは限りません。

もちろん、ストレスが発症や悪化のきっかけとして強く関与しているように見えるケースもあります。しかし私が日々患者さんを見ていて感じるのは、すべてをストレスだけで説明することの難しさです。

過去を振り返ることも必要です。しかし、治っている自分がいるとすれば、それは過去ではなく未来にいます。
過去を振り返るとしても、前に進みながら肩越しにチラリとのぞき見る。そのくらいでもよいのではないでしょうか。過去の自分を、現在の自分の視点から裁き続ける必要はないと私は思います。

 

 

 

現実には脚本がない

 

 

冒頭のドラマの話でも登場人物がおかれた現在地を表現する手法として円形脱毛症というツールが使われます。その視聴者の意識の中には少しづつでも円形脱毛症とストレスとの関係性が構築されることとなるでしょう。

 

でも現実の円形脱毛症は、TVドラマほど単純ではありません。

 

ドラマの中では、円形脱毛症はとても分かりやすい存在です。
仕事に悩み、恋愛に悩み、人間関係に疲れ果てる。
そしてある朝、鏡を見ると円形脱毛症ができている。

言葉では見えない心の苦痛を、目に見える形に変えてくれる。物語を作る側からすれば、これほど分かりやすい表現はないのかもしれません。
冒頭で紹介したドラマでは、登場人物がおかれた状況を表現するために円形脱毛症が使われていました。

ストレスが発症や悪化に関係することはあるでしょう。それを否定する必要もありません。
けれども、

「円形脱毛症になった」
  ↓
「ストレスがあったはずだ」
  ↓
「あの出来事が原因だったのだ」

と一本の線で結んでしまうと、かえって見えなくなってしまうものがあります。

現在の医学では円形脱毛症は自己免疫疾患として捉えられています。そして実際の身体では、毛包と免疫、遺伝的背景、環境因子など、ドラマの脚本よりずっと複雑なことが起きています。
だから私は、ストレスを「原因」と決めつけるよりも、
「関係していた可能性のある一つの要素」
くらいの場所に置いておくのがちょうどよいのではないかと思っています。

周囲の人から「ストレスじゃない?」と言われたら、必ずしも一人ひとりに自己免疫疾患の講義をする必要もありません。

「そうかもしれませんね」

それくらいでもよいと思います。
ただし、自分自身までその分かりやすい物語に縛られる必要はありません。
ドラマには脚本があります。
けれども、現実の円形脱毛症には、最初から用意された脚本などありません。

過去に原因を探し続けることよりも、いま自分の身体で何が起きているのかを見ること。そして、これから身体がどう変わっていくのかを見ること。

その視線の先にあるものの方が、私はずっと大切だと思っています。

 

 

 

 

 

《参考過去記事》

↓過去記事で扱ったラジエーションハウスII

 

↓これも一応ストレスフルと言えばストレスフル??

 

 

 

 

※お願いします!

今までに当院へお越しくださった方へ

ぜひ、当院の口コミを書いて下さい!

google mapsです。

ちなみに誰が書いたかは私には分かりませんので

安心して書いて下さい。

あった事、感じた事、どうぞよろしくお願いいたします。

書き込みはこちら↓

 
 

 

日曜と月曜、

および

月曜と火曜の

隔週交替です。

 

 

9月の休み

27日(日) 28日(月)

 

10月の休み

 5日(月)  6日(火)

11日(日) 12日(月)

19日(月) 20日(火)

25日(日) 26日(月)

 

 

此方も見てみてください!

円形脱毛症の事がまとめてあります。

あおい堂鍼灸院ホームページ

『円形脱毛症考』

 

 

あおい堂鍼灸院Youtubeチャンネル

『aoi-do-ga』

 

そしてあおい堂鍼灸院は

鍼灸治療専門院です。

 

しかし、

ウィッグ全般のご相談も承ります。

Aderans Beauty StationQRコード

毛髪に関してワンストップで対応できる鍼灸院を目指します。

 

 

ブログランキングに参加しています。

是非応援クリックお願いいたします。

円形脱毛症ランキング

にほんブログ村 病気ブログ 円形脱毛症・脱毛症へにほんブログ村

 

ゼヒゼヒ~

フォローしてね…アメンバーぼしゅうちゅう