こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

 

円形脱毛症には汎発性や多発性など様々な形状のタイプが存在します。

本日の記事はその中でも世間的に定義されていないのですが現在定義されているタイプとは少し別物と感じられる円形脱毛症について書いてみたいと思います。

 

 

今回は3つの症例をご紹介します。

まずは見てみて下さい。

 

 

次は……

 

 

そして……

です。

これら3つの症例は頭頂部当たりの画像しか載せていませんがどの方も蛇行性円形脱毛症の様に側頭部や後頭部特に項に明瞭な脱毛部が存在しています。

 

 

 

どこが別物なのかというとそれは「びまん性の円形脱毛症」である事です。

「びまん性」というと世間にはびまん性脱毛という症状が存在しています。これはどちらかというとAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性の男性型脱毛症)の亜種的な言い回しに思えます。その他にも当ブログでご紹介したADTAFS(アタフス)も「びまん性」が名称の中に含まれています。


ただ今回の記事で私がご紹介するのはその2つとは異なるように思えます。

特徴としては全頭的に髪が少なくなるのに加えて基本的には蛇行性円形脱毛症の形状をとります。

イメージしにくいかも知れませんが全頭の髪がびまん性に減少する中で蛇行性円形脱毛症の特徴である側頭部と後頭部に明瞭な脱毛部をいくつか形成していくタイプです。

では今までの円形脱毛症との同じところと異なるところは何か。

側頭部や後頭部の明瞭な脱毛部に関しては従来の円形脱毛症と同様に髪は切れて抜けます。一方で頭頂部に関してはほぼ切れずにそのまま抜けてしまいます。ただし抜ける場所は広いエリアでどこか一部が集中的に抜けてしまうという事は無く、びまん的に髪の現象が見られます。そしてADTAFS(アタフス)との異なる点は何もしなければそのまま長期に亘り症状が常態化して回復の進展が見られない事が多い点が挙げられます。

 

 

脱毛部がどこまで広がるかの予測として切れ残った髪が存在する場合はその切れ残った髪全てを内包するような感じの範囲が最終的に抜けてしまうと過去記事で書きました。

↓コチラ

この現象が頭頂部に限っては生じないのです。眉毛の脱毛も「びまん的蛇行型円形脱毛症(仮称)」と同じように毛の切れる部位が有ったとしても周囲の毛を連座させない毛穴ごとに独立した異常が生じているのと同様であるようです。

そして上記画像3例でもお分かりいただけるように今度は回復時、びまん的に抜けていた部分がジワジワっと濃くなって回復していきます。

この現象も脱毛部本体ではなくその周辺の健常部に見える部分から生えてくると過去に書いています。

↓コチラ

上記の記事で書いている症状の弱い部分が幅広く頭頂部に存在している状態です。

蛇行性円形脱毛症が進行すると「馬蹄型脱毛症」になる場合があると過去記事でも書いていますが、今回ご紹介した症例では馬蹄形にはならずに頭頂部はうっすらと髪が減少していく道筋を辿ります。

 

 

このような形状パターンの円形脱毛症が存在すると思います。

ご来院いただいた「びまん的蛇行型円形脱毛症(仮称)」の特徴の見受けられる方は上記3名だけではありませんので実際には多く世間にいらっしゃることだと思います。

 

これは私の鍼灸師としての感覚なのですが、この「びまん的蛇行型円形脱毛症(仮称)」はホルモンの異常から生じるタイプではないかと推測しています。そもそも蛇行型円形脱毛症は他の汎発性や多発性、単発性とは少し異なると過去にも書いていますが、今回の症例もその延長線上にあるのではないかと思います。

 

「はぁ~?ホルモンだって?あたしゃねぇ大学病院で血液検査をしてもらって異常なしと診断されているんだよ!」と思われるかもしれません。

確かに円形脱毛症に罹って特に大学病院などへ受診に行くと血液検査をすることが多いと思います。そして検査結果は問題なしと診断される方が多い中で、では一体なんのホルモンの不調だと考えているかと云えば円形脱毛症ではおそらく検査されることの少ないホルモンではないかと考えています。

 

 

そうです。婦人科系疾患、またはAGAなどを引き起こすホルモンです。

過去に蛇行型の説明で抜ける部位はAGAの脱毛範囲と反転していると説明いたしました。AGAは何故あのような脱毛範囲を形成するかと云えば頭皮に存在する酵素、5αリダクターゼI型とII型の分布の違いからでした。AGAと蛇行型円形脱毛症は脱毛範囲が真反対という強い相関を感じさせる以上、蛇行型はAGA同様にホルモンが強く関与しているのではないかと想像しています。そして今回ご紹介している「びまん的蛇行型円形脱毛症(仮称)」もおおまかな形状が蛇行型を連想させ、尚且つ頭頂部についてはAGA同様にびまん的に脱毛している事からも何某かのホルモンの不調を感じています。と、ここでどうして「ホルモン」とあえてぼやかして言うかというとAGAのようにジヒドロテストステロンとは限らないと感じているからです。

 

当院にお越し下さる女性には「高プロラクチン血症」の方が案外多く見えられます。高プロラクチン血症の人達が世間ではどの程度の割合でいらっしゃるのかは正直分からないのが実情ですが、当院の様な小規模な場所でもそれなりの人数の方がいらっしゃるのは髪にトラブルを抱える方の中に高プロラクチン血症の方が多いのではないだろうかと認識しています。プロラクチンとは女性においては乳腺を発達させ母乳を作る時に関与するとともに月経を抑えるような働きがあります。男性においては射精直後に高まりだし、殿方にいわゆる賢者タイム(爆)を醸し出す働きをします。ちなみにプロラクチンの分泌は円形脱毛症でも関与を云われることの多い「ストレス」でも増えます。男性に関しては射精というストレス解消に近いような行為でも結果としてストレス時に多く分泌されるモノと同じモノが多く分泌されるというのはストレスとは一体何か……的な視点で興味深いですね。女性においては子宮内膜を厚くし月経を抑え、男性においては射精欲求を抑える事からも身体の内に何かを貯め込むような働きとでも言い替えられるのではないでしょうか。いわんやストレスをや(!)。

そして高プロラクチン血症の方も緩い認識で頭頂部はびまん的に髪が少なくなる一方で、明瞭な脱毛部は蛇行型円形脱毛症の範囲に現れる事が多いように思います。今回の「びまん性蛇行型円形脱毛症(仮称)」と高プロラクチン血症の方の脱毛症との私なりの鑑別は明瞭な脱毛部の位置だと思っています。高プロラクチン血症の方の場合、明瞭な脱毛部(ツルっとしている部分)は頭のハチ(カドの事)辺りや頭頂部付近にも明瞭な脱毛部が現れる事もある一方で「びまん性蛇行型円形脱毛症(仮称)」の場合は頭のハチを超えて頭頂部寄りには現れないように思えます。頭頂部はあくまでもびまん的な脱毛状態なのです。
 

「ホルモン」とぼかして表現していたのはAGAに関与するテストステロンだけではない、プロラクチンというホルモンの関与もありそうなためでした。ただ私が血液検査をできるわけでは無いのであくまでもご来院くださる方のお話を聞いてまとめた私の個人的な解釈に過ぎない事を書いておきます。

 

 

 

そして大事な事としてはこの「びまん性蛇行型円形脱毛症(仮称)」の予後です。

今までの経験則でしかお話しできませんが良好だと思います。

当院に来られるまで様々な治療法を試したりされていてそれまでの罹患期間は長いものの、鍼灸施術が丁度良いのか(宣伝か!?)おおよそ1年から1年半程度でビジュアルの完全回復が見受けられるよです。これも長いと思われるかもしれませんがそれまで闘病されてきた期間と比べると圧倒的に短い期間だと思います。

 

 

一口に円形脱毛症と云ってもその名前の中には様々なタイプが存在していると思います。

そしてそれぞれのタイプにはそれぞれのタイプに至った道程があります。

また同じように見えるタイプであったとしても人が違えばシナリオも異なる事が多いと書いておきたいと思います。


良ければ参考にしてみて下さい。



 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 
 

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