こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

一般的に円形脱毛症と言えば頭のどこかにポッカリと脱毛部が生じて、場合によってはそれが複数個に増えていき、場合によってはそれらが融合して大きな脱毛部を形成していく……といった印象だと思います。本日はこの円形脱毛症の中でも特徴的な抜け方と回復具合を呈するADTAFSと呼ばれる新型円形脱毛症について書いてみたいと思います。

 

まずADTAFSとは何の略なのか……

それはacute diffuse and total alopecia of the female scalpなのです。グーグル翻訳で翻訳してみると『女性の頭皮の急性びまん性および全頭脱毛症 』と成ります。そしてこのADTAFSなのですがネットで検索すると日本語名では『新型円形脱毛症』だとか『円形脱毛症の新しいタイプ』などと表示されてきます。どちらにしても新しいイメージのネーミングですが最近になって確認されだした病態と言うわけでは無くて、従来定義されてきた単発や多発、蛇行型や汎発性など(順不同)に次いで定義されたので新型云々と言われているようです。

そしてこのADTAFSなのですが読み方が正直なところイマイチ分かりません。サイトによっては「アタフス」と書かれているところもありました。が、『D』はどこ行った?と率直な感想を思えば「アドタフス」かも知れず……。そこで英語の有声音と無声音について調べていたら「D」は黙字と書かれているサイトがありました。英語の水曜日はWednesdayですが、ウェンズディ~♪と発音しますね。ウェドネスディ~とは言わないので読むなら「アタフス」が正しいのかも知れません。とは言ってもブログでは「ADTAFS」表記で行きます。

 

 

そしてこのADTAFSなのですが従来から知られている円形脱毛症とは異なる特徴があります。それは抜ける速度と範囲、そして回復するまでの時間です。ちょこっとそれらを羅列してみたいと思います。

本当にざっとですが上記のような相違点があるように思えます。

ADTAFSに対する私の印象をごく短い文で説明するならば

「早く抜けて早く生える。ただし範囲は全頭に及ぶ。」です。

 

人生で初めて円形脱毛症に成ると自分の身体に一体何が起きたのだろうか。とても深い不安に襲われます。

多くの方々はその時点で皮膚科を受診されます。もちろんそれで正解だと思います。そこで円形脱毛症だと診断されるとうれしいわけでは無いですが聞いたことのある病名にどことなく腑に落ちる感覚も一部、もしかしたら感じられる事があるやもしれません。ですがADTAFSの場合はとにかく症状の進行が速い。そして抜けていく範囲も尋常では無く広範囲です。一気に頭皮全体の髪がバラバラと抜けていく状況と成ります。

 

 

私は医師ではありませんので当然診断する事はできませんが、長年髪に関わってきた私の経験からの印象としてADTAFSではないかな?と私の心の中で思える方々も当院にご来院されています。そしてまた特徴的なのがADTAFSの『F』です。Fはfemaleです。名前からして女性の症状とされています。一般的な円形脱毛症は男性も女性も割合的にはほぼほぼ変わらないと感じています。ところがADTAFSでは女性とされています。確かに当院へご来院された方で私が勝手にADTAFSではなかろうか?と感じている人たちは皆、女性です。後述する資料によりますと男性にも症例があるが極少数との事です。男女の差と言うとやはり気に成るのが更年期を始めとした女性特有の事情なのですが、当院においても20代後半の方も閉経後の方もいらっしゃるので正直なところあまり関係がなさそうにも思えます。

 

 

そしてこのADTAFS、社会的な特徴として皮膚科においてなかなか『ADTAFSと診断されない』と、聞き及んでいます。

これには理由があるようです。ADTAFSと従来通りの円形脱毛症とで明確な判断基準が無いのが理由なように思えます。実際に手元にある資料を見てもそう書いてあります。この資料は実際にご来院されているT様が国立国会図書館で調べてきてくださった資料です。

参考資料:『皮膚の科学』第13巻・第5号・2014年10月

(T様、後ほどのお写真の開示を始め今回の記事作成に多大なご協力をいただきましてありがとうございます。)

ただ、イチ鍼灸師および理容師としては経験からADTAFSと従来通りの円形脱毛症は一見して明確に異なると自分の心の中で感じています。これにも理由があります。それは時期の違いだと感じます。当然ことながら髪の毛が抜け始めた時、真っ先に行く場所は皮膚科です。普通、真っ先に行く場所は鍼灸院ではありません。皮膚科に行って治療を受けて、それでもなお状態が芳しくないときに私のような鍼灸院へ来られるのが一般的です。つまり時系列的に私がその方を始めて拝見するのは症状が少し進んだ時期なのです。皮膚科受診時は発症したてな訳です。脱毛は確認できてもまだ海の物とも山の物とも判別しずらい時期なので髪が抜けている事は確認できてもそれがADTAFSかどうかはまだ明確にはできない。いい加減な診断をするわけにはいかないからと言う診断しない理由を感じます。でも私が拝見する時期には従来の円形脱毛症とADTAFSとの違いは随分明確になってきているように感じられます。

 

では何が違うのか。

それは生えたての産毛の生え方及び量です。

ここからは先ほども登場された実際にご来院されている方のお写真を使用して説明いたします。

そこでT様についての略歴です。

 

T様:女性

発症は2020年9月。白髪を探しているときに頭皮の異変に気付く。

気づいて1週間後に急速に脱毛が始まる。

皮膚科でフロジンとエバステルを処方される。その後グリチロンとセファランチン。

10月にステロイド注射とステロイドの塗り薬に変更。

12月にリアップジェンヌを使用開始。

年末に脱毛の勢いが増してとにかく抜け続けてしまう状態になる。

上記のような流れで当院に初来院されたのが

年明け2021年1月9日でした。

 

実際に撮影した画像を見ていただきたいと思います。当院では私の方針によりご来院2回目から頭皮の撮影を開始いたします。今回の記事の画像は2回目ご来院時の当院におけるT様の一番古い記録です。

ではまず頭頂部を上から見た画像です。

まず抜け方としては「びまん」的に抜けて仕舞っています。分け目の広がりからも確認出来ると思います。

ちなみに従来型(ADTAFSではない)と思われる頭皮画像はこう↓です。

 

上記の画像では少し分かりにくいのでADTAFSと思われる画像のカメラ小僧の視線で点線の○部分を撮影した画像を拡大してみてみます。参考までにカメラと被写体の向きはこう↓です。

そして撮影した画像は……

お分かりいただけるでしょうか。スマホの場合は画像をタップして拡大すると分かりやすいかも知れませんが、従来からある長い髪とよく見ると毛先の尖っている短い髪が混在しています。

長い髪を良く調べると根元付近で折れている物を確認できます。これは従来からの円形脱毛症と同じ、萎縮毛だったり感嘆符毛と呼ばれるものです。しかし従来からの円形脱毛症と明らかに異なる点は全面的に産毛が生えてきている点です。短い髪の中には毛先が太いものも存在しています。これは切れ残った萎縮毛の残骸です。ところが画像で確認できる短い髪は其の殆どが毛先の尖った産毛です。これは当然抜けた後に生えて来たものです。このようにADTAFSはびまん的に、というか全頭的に抜けていくが直ぐに新しい髪も全頭的に生えだす特徴があるようです。外見上は短い産毛はまだ短いので見た目の毛量(ボリュームや頭皮を覆い隠す能力)にはなっていません。ですがよく目を凝らすとビッシリと産毛が生えています。そして頭皮を触った手触りとしては少々チクチクもしますが、産毛特有のフワッとした弾力のような感覚の方が強く感じられます。これもADTAFSの特徴ではないだろうかと考えています。

 

実際のところ、T様の一番先に抜けた部分は初診時において長い従来から生えていた髪は殆ど無い状態でした。その代わり白い産毛がビッシリと生えていてそこを見ただけでも私の心の中の印象はADTAFSではないだろうかと感じていました。

 

それではまた次回以降に今後T様の経過について書きたいと思います。


 

よろしければ参考にしてみてください。

 

 

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