こんにちは。
あおい堂鍼灸院院長今泉です。
そろそろ東洋医学のお話を始めていこうと思います。
でも、その前にもうすぐ２月３日の節分です。豆をまいて鬼を払う行事ですね。翌日は２月４日で立春です。つまり２月３日の節分は大みそかの除夜の鐘のごとく豆撒きをもって邪気を払い、来る新しい年をすっきりきれいに迎えましょうという行事と言えます。そこで鬼と言えば鬼退治。鬼退治と言えば昔話の桃太郎を連想します（私だけかな）。なので（無理やり）この桃太郎を題材に東洋医学入門の足慣らしとして書きたいと思います。
東洋医学には陰陽五行（いんようごぎょう）という考え方があります。（順序が逆になりますが陰陽については次のシリーズで書きます）今回はそのうちの五行というものを理解していただきたく主なテーマにしたいと思います。
五行とはこの世界に存在する森羅万象すべてのものは大まか５つの性質に分けることができると言う考え方です。木火土金水、「もっかどごんすい」と呼びます。そしてこの木火土金水はそれぞれ相生（そうせい）と相克（そうこく）という関係で結ばれます。例えば木は火を生み（木は燃えますね）、火は土を生み（燃えたら灰に成り土にかえります）、土は金を生み（土の中に金属の鉱脈は埋まっています）、金は水を生み（冷たい金属の表面に水滴がつきます）、水は木を生み（水は木を育てます）……と延々と次に来るものを生み出していきます。この関係を相生と言います。一方で木は土を克します（木が土の養分を吸い取り土がやせます）、土は水を克します（土が水の行く手を遮り、吸い取ってしまいます）、水は火を克します（水は火を消します）、火は金を克します（火で金属はぐにゃぐにゃに成ってしまいます）、金は木を克します（金属で木は切られてしまいます）、木は……と延々と制御しあう関係が相克です。図に表してみると以下のようになります。
どうですか？どこかで見たことあるのではないでしょうか？
えっ、ドラゴンボールではありません (σ´д`｡)……。
緑の丸が相生、黒の星が相克関係です。これら５つの性質に森羅万象の事象を分けて考えていきます。当然身体の中もこの五行に分類されます。木は肝・胆、火は心・小腸。土は脾・胃、金は肺・大腸、水は腎・膀胱です。ですので五行のそれぞれに配当される内臓や気もそれぞれに相生・相克の関係を維持して健康が作られていくわけです。この五行の良いところはアクセルとブレーキどちらも塩梅良く利いているのでどこか一つだけが突出して暴走したりしないところです。逆に暴走したり、どこか一つが弱ったりしていればすなわちそれが病気です。そうしたら様々な診断技術で突出したところ、つまり何かが強すぎればなだめて、何かが弱すぎれば鼓舞して中道を保ち、調和をとり健康を取り戻すのです。円形脱毛症の場合も然りです。円形脱毛症と言う一つの病名ですが、人により木の失調から来る人もいれば水の失調や土の失調の人もいて様々です。病名と言う結果が同じでも原因がそれぞれ違えば治療法もそれぞれ違います。この辺は病院における西洋医学の治療法と大きく違う点です。
さて、おおまか五行が分かったところでそろそろ桃太郎の話に行きましょう。
でもその前に……。
つづく
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