『神様は異世界にお引越ししました 日本の土地神様のゆるり復興記』(著/アマラ)
いわゆる「なろう系」と呼ばれる作品。一昔前の言い方をすれば『ラノベ』だろうか。
アラマさんが原作の『猫と竜』のコミカライズ版を読んでいたことが有り、猫と竜、そして人間の交流が楽しく愛おしいものだったのでこちらも読んでみた。
遥か昔、日本の小さな村を救った武芸者がいた。彼の形見である赤鞘を祭っているうちに武芸者の魂が土地神様になったのだが、時は流れ・土地神『赤鞘』を知る者も減り、自然消滅を待つだけの身となってしまった。そんな赤鞘の元に異世界の神アンバレンスが現れ、自分が治める世界『海原と中原』の一柱になって欲しいと誘いをかける。
かくして、日本で忘れられ消えゆく運命だった土地神様が異世界救済に乗り出すのだった。
この作品は壮大な物語の序章だったらしく、ストーリー展開には大して影響のないやり取りがダラダラ続いたり作業的なシーンばかりで特に大きな事件が起こるでもなく主要登場人物が揃ったくらいで終わってしまった。
またWEB発の小説にありがちだが、ギャグっぽい過剰表現が多くて作品に集中しきれなかった。やり過ぎて妙に間延びした感じになるのだ。
過去にも「なろう系」やWEB発の小説はいくつか読んでいて、こういった軽いテイストも経験してるのだが・・・。
コミカライズになればまた違うかもしれないが、(実際にコミカライズしている)小説で続きを読む気にはイマイチなれなかった。
私もいい歳なので、ファンタジーは卒業しろということなのか(苦笑)
書籍化してるだけで6巻まで出ており、サイトのほうには昨年まで新規掲載されている。
通して読んだら面白みが違うかもしれないので、異世界が好きという方は『神様が異世界転移』という新ジャンルに挑戦してみるのはいかがだろうか。
