Finland旅記録6です。

 

フィンランドの中でも南東のLappeennrantaからいよいよJyväskyläへ。

 

Jyväskylä(ユヴァスキュラ)は多分日本語のイントネーションだと

 

”ヴァ”のところにアクセントが来ると思うんだけど、

 

フィンランド語では頭の音にアクセントなので、

 

”ユ”が強く、だんだん後ろに行くに従って平坦になる。

 

(そうあるべきとMちゃんはいつも言う)

 

そのユヴァスキュラは地理的にはフィンランドの中心部。

 

冬になるとイルミネーションがとてもきれいだそうだ。

 

でも、今年は電気代が恐ろしいほどに上がっているので、

 

そんなに盛大にしないだろうな。

 

 

フィンランドバス旅行

 

バスにはいつも乗っていたけど、長距離の高速バスに乗るのは初めて!

 

LappeennrantaからJyväskyläは電車よりもバスが断然速くて安い。

 

曇り空の木の葉舞い散るLappeennrantaの駅。

 

それが、バスを待っているうちに晴れてきた。

 

急にこんな青空になるところが面白い。

 

駅のホーム。

 

バスはこの手前(左側)のターミナルの所に来る。

 

しばしのお別れ、ラッペーンランタの街。

 

来たよ来たよ。

 

この日はMちゃん学校の授業がある日で、スケジュールがタイト。

 

バスの時間まで余裕が無かったので、Mちゃんもストレスを感じていたようだ。

 

それに加えて私がちょっと洗濯機の使い方をミスして、

 

出際に蓋が開かない、とか

 

水道のコックを捻るのを知らなかったので

 

洗濯物がちゃんと洗えてなかった疑惑もあり、

 

ひともめしたのでなおさらMちゃんストレス度UPしている。

 

これだからコンピューター制御の電化製品はいやだ。

 

アナログの、手である程度なんとかできるものがいい。

 

 

とにかく

 

雨は上がって空は晴れたし、バスにも間に合ったのであとは旅を楽しむだけ!

 

「バスの席に座って安心できたら、初めてそこから旅を楽しめるよ」

 

とMちゃんは言う。

 

ちょっとわかるよ。今回は猫のMauriだけでなく、

 

時々わけのわからないことをするJapanilainen(日本人)の面倒を

 

みなくてはいけないからね。

 

 

「Rainbow!! Look at that!」

 

最初のフィンランドの旅の時も、よく虹を見たのを思い出す。

 

Mちゃんに虹が出てるよと教えてあげて写真を撮ろうと窓際の席に乗り出す。

 

虹はラッキーな旅の印だよ、と言いながら走るバスの中で何枚か撮っていると

 

バランスを崩して体が椅子と仕切りの間にすっぽりはまってしまった。

 

そんなにたくさん人が乗っていなかったから

 

その一連を見られたのは4人くらいだと思うけどMちゃんは

 

椅子にはまっている私を引っ張り出して

 

「人はあなたを酔っ払いだと思うだろうよ」と笑う。

 

フィンランドに限らず、寒い国の人々は外でお酒を飲んで酔っ払う

 

人も少なくはないのかもと思いつつ・・・

 

 

 

バスのトイレ

駅のトイレが鍵が閉まっていたので使えず、バスのトイレに行ってみた。

 

だいたい飛行機やバス、電車のトイレはどれも似たようなものだから

 

困ることはないと思ったけれど、『流す』ボタンがちょっと迷った。

 

揺れているバスで撮ったので文字もぶれているけど

 

”WC huuhtelu”とある。

 

緑色の安全色のボタンだから、押しても良いよ~と全身で言っている。

 

でもhuuhteluって何だろう?聞いたことがない単語だった。

 

スマホを持っていたことを思いだし、翻訳してみたら

 

”リンス”だって。つまり”流す”。

 

Jimが昔、シャワーでさっと汗を流すことをリンスと言ってたのを思い出す。

 

Mちゃんも買ってきた野菜をさっと洗うことをリンスと言ってたな。

 

リンスってそういう使い方なんだね。

 

ボタンを押して、無事、流す。

 

手を洗う水は出なかったので持っていた抗菌ウエットティッシュ

 

(アルコール苦手なので普段は使わないけど旅先で使うかもとポシェットに入れていた)

 

で手を拭くことにして席に戻る。

 

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そのあと猫のMauriくんが珍しくバスの中でウンチをして、

 

(Mちゃんいわくそんなことは今までなかったという)

 

バスの中が臭くならないうちにMちゃんは大急ぎでトイレで処理していた。

 

サバイバルの為にトイレットペーパーもリュックには入っていたので

 

それと、さっきの抗菌ウェットティッシュをあげた。

 

役に立つこともあるもんだ。

 

 

美しい森の風景と時々湖。

 

だんだん暗くなってきて3時間半のうち、半分は大騒ぎのバス旅が終わった。

 

Mちゃんは旅を楽しめただろうか?

 

 

 

もっと食べて

 

Mちゃんのママはお料理上手で、たくさんたくさんご馳走を作って待っていてくれた。

 

Mちゃんいわく、ママは古い女性だから”何か勧めて断られると傷つく”んだそうだ。

 

だからもう一杯いかが?と聞かれたらマナーとして

 

"Lisää puoli kuppia" (カップにもう半分だけください)

 

と答えないとダメという。

 

Mちゃんは私の体重を聞いて、フィンランドに来たら3キロ増やして帰すと言っていた。

 

Mちゃんのママは私の体重をMちゃんから聞いて「彼女はヘルシーなのか?(大丈夫か)」

 

と心配したという。

 

別に普通ですけど。。。身長低いので。

 


 

ママは私がいる間、いろんなフィンランドのものを食べさせてあげようと

 

たくさん食材を買ってくれてたようだった。

 

今回は私がちゃんと説明出来てなかったせいで、旅の行程が変わってしまい、

 

それをギュッと短期間で凝縮することになり、

 

Karjalanpiirakka(カレリアパイ )の他、

 

本当はクリスマスの時に食べるJoulutorttu(ヨウルトルットゥ)も

 

焼いて待っていてくれた。

 

 

カレリアピーラッカにゆで卵を細かくカットしたものを乗せて食べると

 

とても美味しいと言うことも知った。

 

小ぶりなので2個は食べられるなと思ったけど、

 

Mちゃんの「もっと食べて」の無言の圧力で4つ食べた。

 

普段の私なら、ヨウルトルットゥとカレリアピーラッカと

 

ひとつずつでごちそうさま、なんだけど・・・

 

 

 

こちらはサーモン。

 

まるまる一匹をオーブンで焼いてくれた。

 

美味しそうだなあとのぞいて匂いをクンクン嗅いでいたけど

 

まさかこれを3人で食べるとは思わなかった。

 

写真ではわかりづらいかもしれないけど、一切れがたぶん

 

スーパーで売っている塩鮭の切り身の3枚分くらいだ。

 

「何かソースをかける?」

 

と聞かれたのでレモンソースをリクエスト。

 

これがまた本当によく合う。

 

一切れで許されるはずもなく、Mちゃんの無言の「もっと食べて」

 

の目線が目の端に入るので結局3回おかわりした。

 

これは魚のスープ。

 

「今日は何が食べたい?」

 

と聞かれたときに私がリクエストした。

 

本当に本当に美味しくて、これも3回おかわりした。

 

私の胃が大きくなったのはこの時からである。

 

 

 

いただきますという言葉

 

「いただきます」という挨拶はとても良い言葉だと思う。

 

命をいただく。

 

その食材の。

 

そして作ってくれた人に対する感謝。

 

「いただきます」

 

私はそういって合掌した。

 

するとママが”Mitä?”(何?)

 

といぶかしげに聞く。

 

いただきますの意味を知っているMちゃんおおウケ。

 

「いただきます。Mitä?」と何度も言って笑っていた。

 

ごちそうさまのときは”Kiitos”(ありがとう)って言うけど、

 

いただきますにかわる言葉はない。

 

コーヒーが飲めない私のためにルイボスティーを買っておいてくれた。

 

その他にも、私が何が嫌いで、苦手で、何が好きで、

 

いろんな前情報を家族で共有してくれていた。

 

一番気にしていたのは、ママがフィンランド語しか話さないことで、

 

私は逆にそのほうが勉強になるからありがたいとすら思っていたけど、

 

私が帰った後「もっと話せば良かった」とママは言ってくれていたらしい。

 

 

 

失礼の数々

 

私のフィンランド語レベルはまだ会話出来るほどではなく、

 

間違っていても良ければある程度のことは言えるけど、

 

知ってる単語の中でなんとか表現するしかない。

 

 

シャワーを借りた後、排水溝の髪の毛をゴミ箱に捨てたくて

 

それを説明するのがとても難しく、

 

なんと私はママに「Mene pois (あっちへ行け)」と言ってしまったようだ。

 

一瞬ママはびっくりした顔をしたけど、

 

Mちゃんが私に何をどうしたいのか英語で聞いて、

 

すかさずママに説明してやれやれ・・・

 

あとでそういうときはなんと言ったら良いか教えてもらった。

 

"Missä roskis on?"(ゴミ箱はどこですか?)

 

ゴミ箱の正式は”roskakori”だけど、口語では”roskis”と言うそうだ。

 

 

 

 

 

私の失礼はそれだけではない。

 

ママがMちゃんに「最近太っちゃって・・・」と話していた時に

 

すごいタイミングで「Läski(デブ)」と言ってしまった。

 

ママのことではなく、自分のことをGetting fat の意味で言ったのだけど

 

タイミングが良すぎて、ママのことを言ったみたいになってしまった。

 

 

一瞬食卓が凍る。

 

そして次にMちゃんの大笑い。

 

だいたい、MちゃんがLäskiなんていう言葉を教えるからだ。

 

いつも悪い言葉を教えないでと言ってるのに!

 

 

Mちゃんにはたぶん一生言われる。

 

「俺の母親にあっちへ行けとか、デブと言った」と。

 

そうやってからかうのが親しさの証拠なんだとMちゃんは言うけど・・・

 

 

 

花柄の長靴を買う

 

秋のフィンランドに来るなら長靴を買わないと、とMちゃんから

 

言われていて、日本にいる時にあらかじめどんなのがあるかネットで二人で見ていた。

 

その話は序章に

 

まずは温かいスパッツを買い足す。

 

婦人物では大きすぎるのでこども売り場で160サイズを買うことに。

 

Mちゃんの小学生の姪っ子と同じサイズらしい。

 

彼らは脚が長いのだ。

 

ウールのソックスも買う。

 

これも22cmなので子ども用。笑うがいいさ。

 

 

 

そして長靴!

 

一軒目にはときめくものはなかった。

 

二軒目、赤い素敵なものをみつけて

 

「花柄じゃないし、ピンクじゃないけど、形がかっこいいからまあいいか」

 

と半分思ったけど、丈が少し短かったのでやめた。

 

膝下くらいのものが欲しい。

 

他の店に向かう。

 

 

Mちゃんが言っていた通りになってしまった。

 

「色、ヤダ。花柄がいい。」

 

「これ、ヤダ。」

 

そして疲れる・・・

 

でも妥協はしたくない。

 

私が気に入ったものを買って初めてみんなが幸せになるのだ。

 

 

三軒目。

 

なんとなくそこでみつかる予感がした。

 

ホームセンターのような感じの店。

 

長靴コーナーに行く。

 

「あった!!!」

 

ネットでみていたものを同じものがあった!

 

「Mちゃん、あったよ、これだよ」

 

履いてみる。

 

よし!決定。

 

 

みんなHAPPY

 

 

その帰りに森に少しだけ寄ってくれることになった。

 

 

 

森でベリーを摘む

 

「何がしたい?」

 

ママに何回か聞かれるけど、いつも私の答えは同じ。

 

「森に行きたい」

 

意外に頑固だ。

 

少し雨が降っていたけど、長靴も買ったし、

 

じゃあちょっとだけね、といって森に行く。

 

 

雨もなんのその、わーい、わーい。

 

なんたってこっちには花柄の長靴があるんだ。

 

夏の終わり頃からとれるブルーベリーもまだ残っている。

 

紅葉して葉っぱが赤くなっているところもある。

 

 

プオルッカが森の赤い宝石のように。

 

ふかふかの土。

 

 

これは美味しくないから食べたらダメとママが言う。

 

前にPekkaもそう言っていたのを覚えている。

 

ブルベリーに似ているけど葉っぱがギザギザなのでわかる。

 

 

容れ物を持ってこなかったので手のひらに乗るだけいただこうか。

 

 

嬉しい,嬉しい。

 

森のベリー摘み。

 

今日ここに来れると思わなかったから。

 

 

家に持って帰って洗って食べよう。

 

 

 

きれいきれい。

 

フィンランドのブルーベリーってビルベリーなんだよね。

 

小粒で甘く栄養価も高い。

 

日本ではなかなか売っていない。

 

 

 

3人のこども達

この日はMちゃんのお姉ちゃんの3人のこども達が夕方やってきた。

 

甥っ子とは前の日に一回会っていたので、

 

「僕の名前覚えてる?」と聞くのが可愛かった。

 

「もちろん!」と言ってちょっと間違えてしまったところが私である・・・

 

 

3人とも名前がとても似ている。

 

一気に覚えるのは至難の業。

 

しかも彼らのお母さんの名前も似ている。

 

みんな一文字違い。

 

もちろんフィンランド語しか話さないので、私としては本当に楽しい。

 

Mちゃんは「俺はこどもが嫌いだ」と前から言っていて

 

「こどもはうるさい」というのが口癖のようだった。

 

でも、見ていたら3人はMちゃんから離れようとしない。

 

大好きみたいだ。

 

絵を描いたり、背比べをしたり(私と)、おやつを食べたりして

 

わいわい過ごしたあと、嵐のように帰っていった。

 

三人三様でみんな可愛かった。

 

次に会うときには背を抜かされているかもしれない・・・

 

その前にまた来たいけれど。

 

 

その夜、シーンと静かになったキッチンでMちゃんは自分が腕にはめている

 

その日のストレス度がはかれる腕時計を私に見せた。

 

こどもたちがいた時間はストレス度がMAX振り切れていた。

 

まあまあまあ、騒がしかったことは確かだ。

 

 

お昼頃にも一本アンテナのようにピーンとストレス度が上がっている時間があった。

 

Mちゃんが言う。

 

「Kasumiの長靴を買っているときだ」

 

ははは、ごめんねー

 

 

さて、明日は一人でOULUに向かう。

 

ドキドキがとまらない。

 

 


 

出発前の序章はこちら

#1空港やフィンエアーのことなどこちら

#2フィンランドの電車に初めて乗ってみる

#3Lappeenrantaと言う街

#4フィンランド人にとっての”ゲスト”

#5Lappeennrantaの市場とチョコレートの店