Finlandの旅の記録5です

 

フィンランドに来て、日一日と少しずつ寒くなっている気がする

 

9月の終わり。

 

Hyvää syntymäpäivää

お誕生日、おめでとうMちゃん。

 

この日は約束通り、お好み焼きでお祝い。

 

何故か写真を撮っていない。残念。

 

ヨーロッパの人はイカやタコを食べないので、

 

さきイカのような乾燥したやつをうまみが出るように混ぜる。

 

出汁も鰹からとったからね。

 

「これは何?」

 

とingredients(材料)に興味しんしんのMちゃん。

 

「ツナだよ、スープに使うだけ。」

 

 

 

Hyvää syntymäpäivää:Happy birthday!

 

Mちゃんは人から物をもらうのが嫌いだ。

 

お土産だけでなく、誕生日プレゼントも絶対に受け取らないので、

 

買ってくるなと釘を刺されていた。

 

 

そうはいってもなあ。

 

お世話になるのだから何かお礼をしたい。

 

 

お金を使わないで何か感謝の気持ちを・・・と考えた挙げ句、

 

やっぱり言語パートナーなので、カジュアルな日本語の本を作ってあげようと思いついた。

 

 

私自身は日常で使うフィンランド語のノートを自分用に作っていて、

(旅先ではあまり使わなかったけど)

 

 

それは教科書には載っていない生の言葉だ。

 

オノマトペとか、音は同じでも意味が違う言葉と漢字とか、

 

慣用句、例えば

 

”目から鱗が落ちる” ”猫の手も借りたいほど”とか・・・

 

そういった言葉たちを集めて英訳とイラストを添えて本にした。

 

 

こうして夏の間中、時間と労力をかけて世界に一つの物、

 

その人のために作ったものはきっとかけがえのないものだ。

 

 

何か日本の素敵なものを買ったとしても喜んでもらえない。

 

(それどころか、怒られる)

 

Mちゃんには自分の価値観ではなく、

 

本当にその人のことを大切に考えることを教わった気がする。

 

目に見えないものが本当は大切だとわかっていたつもりだけど

 

より一層考えるようになった。

 

 

 

フィンランド人にとってのゲスト

 

今回の私の旅は、あとから思えばとても無謀で、

 

それはひとえにフィンランドの国の大きさと交通機関の状況を

 

知らなかった故の大誤算だった。

 

これまでは友達が車でいろんなところに連れて行ってくれていたので

 

電車に乗ったことがなかったし、ましてやその時刻表など見たことがなかった。

 

 

ヘルシンキからラッペーンランタ、そしてユヴァスキュラ、

 

オストロボスニア、オウル、ロヴァニエミ、最後はヴァンターと、

 

まさに日本で言えば九州から北海道までいってちょっと関西まで戻ってみたいな

 

計画だったかもしれない。

 

私が今回訪れたのは数字で言うと、2.7.6.4.5。

 

そうです、1以外。

 

 

無理が発覚。

 

そして、今回はオストロボスニアをスキップしなければならなくなった。

 

いろんな人が関わっているので、行かないとなるとものすごく申し訳ない感じになる。

 

 

フィンランド人はゲストが来ると言うと、まず家の掃除をする。

 

日本人の私には「ゲスト」の感覚がよくわからないのだけど、

 

友達たちの様子から察するに、なんかもう「神さま扱い」に見える。

 

とにかく出来ることは全てしてくれようとする。

 

失礼のないように、誠心誠意、最大限の扱いをしてくれる。

 

 

お世話になっているので私がお皿を洗っていると

 

”I can dishes”といって後ろから来てやめさせられる。

 

はいはい。

 

 

私がお母さんのベッドで広々と寝かせてもらって、

 

お母さんは床にマットを敷いて寝るからいいという。

 

Mちゃんはソファ。

 

Mちゃんとお母さんでどっちが床に寝るかで言い合いしてたけど

 

(Mちゃんはお母さんを床に寝かせたくない)

 

そこに私が入って「私が体が小さいんだからソファで」とか言ったりしたら

 

余計にややこしくなるのでここは黙っていた。

 

 

 

ゲストの旅が終わるまで安全に、そしてお腹いっぱいにして帰すのがホストの使命だ。

 

とMちゃんは言う。

 

その言葉通り、本当によく考えてくれて助けてくれた。

 

 

それが

 

計画が狂ってしまった。

 

Mちゃんに言ったつもりのことがちゃんと伝わってなくて

 

その後の計画が色々変更になり、ちょっと気まずい感じになってしまった。

 

楽しみにしていたからこそなのだけど。

 

高速バスの時間の変更からいろんな人への連絡、

 

イライラしてしてるのが伝わる。

 

ごめんなさい・・・

 

 

なんとか段取りを作り直したものの、重い空気感。

 

そんな中、買い物に出た帰り、サイマー湖に寄る。

 

 

 

 

 

サイマー湖

 

Lappeennrantaにはフィンランドで一番大きな湖「サイマー湖」がある。

 

夏はサイクリングもできるみたいで、この大きな湖を一周できたら

 

かなりの達成感だろうなと思う。

 

でも確か全長15000キロメートルとか書いてあったかも。

 

15,000キロがどれくらいかちょっと検討つかないけど、お尻が痛くなるだろうことは予想される。

 

こんな風景の中、会社や学校から帰ってこれるって最高だね。

 

 

自然の癒やしのパワー

 

 

そんなわけでちょっと重い空気の中、街中に用事をしにいった。

 

お腹が空いたのでスーパーでちょっとした

 

スナックを買おうといってパンを買って歩く。

 

私が選んだのはこれ。

 

リンゴのペストリー。

 

サイマー湖にそって歩く。

 

雨もパラパラ降ってきていて、空もグレーの雲に覆われている。

 

でもよく見ると向こうの方が少し明るい。

 

フィンランドの秋の空は本当にコロコロよくかわる。

 

日本もそうだね、女心と秋の空っていうし。

 

 

でも本当に紅葉がきれい。

顔が思わず晴れやかになる。

 

スキップしたいくらい。

 

自然の癒やしのパワーってすごいね。

 

いつの間にか重たい空気はどこかへいってしまった。

 

コワイ雰囲気をまとっていたMちゃんのまわりの空気が変わった気がしたので

 

「心が開いたね」と言ったら

 

「開いたのはKasumiの心だ」と言われた。

 

すごくハッとした。

 

そうか、ごめんなさい、ごめんなさいと思っていて

 

閉ざしていたのは自分のほうだったのか。

 

わだかまってたのは自分だったんだ。

 

 

いつの間にか雨もやんで、さっき買ったパンを食べた。

 

美しいサイマー湖。

 

夏にも来てみたいなあ。

 

 

 

フィン専用アスレチック

 

木で出来た長い階段とその下にちょっとしたトレーニングの器具(これは鉄製)

 

のコーナーがあった。

 

思ったよりも疲れなかったので、今度は走って登ることにした。

 

全然運動していないので運動不足だったから。

 

途中でオカズ(注:ダンスや演奏用語でちょっとした遊び)もいれてみる。

 

そのあと、アスレチックもやってみる。

 

ちなみにこういうのをフィンランド語でkuntoportaatというらしい。

 

 

とりあえず全種類やってみるけど、力なさ過ぎて

 

器具の目的とまったく違うことになっている。

 

それを見てMちゃん

 

”Completely wrong but Attractive!" と言って笑っていた。

 

インナーマッスルはあるほうだけど、腕力とかゼロに等しい。

 

そしてこれ

 

身長が低すぎてまったく意味が無い背筋。

 

本当はこの板?が股関節の辺りに来るんだろうね。

 

 

TOO EASY~といって喜んでいるがまたもやMちゃん大ウケ。

 

You are too short!

 

 

最後にこの鉄棒。

 

器械体操部現役の時なら楽勝だけど、今や上の段は届きそうになく、

 

しかもさっきまで雨だったので濡れている。

 

危ない。

 

それでもなんかしないと気が済まない。

 

 

ここで滑って転んでもいやなのでつかむのはやめた。

 

 

フィン専用(シャア専用みたいになってるけど)アスレチックですっかり楽しくなった私達。

 

この美しいサイマー湖とともに、これも私の今回の旅の楽しい想い出に

 

なっていくんだろうと思った。

 

 

 

 

 

夕日に誘われて

 

サイマー湖の想い出といえば、

 

コンビニに買い物にいく途中、森のスキマからきれいな光が見えた。

 

夕日が沈む時間だ。

 

絶対にきれいに違いない!

 

そう思った私は夕日を見に行きたいと言った。

 

Mちゃんがスマホで調べてくれて湖に出られる場所が近くにあったので行ってみた。

 

地元でも行ったことのない場所はあるものだ。

 

 

10分くらい歩いたところで森を抜けて湖に出た。

 

湾になっていて誰もいない。

 

静か。

 

だんだんとオレンジ色が湖に飲まれていく。

 

 

日が沈んだ後の方がコントラストが美しかったりする。

 

海のように大きなサイマー湖と濃い夜色の青い空。

 

Mちゃん、ほんとありがとう!

 

星が見える夜に、もう一度ここに来てみようか。

 

きっときれいだよ。

 

自分達の脚でこんなに長く歩けて、本当に良かった。

 

 

 

***

 

 

 

これはサイマー湖を歌ったもので、

 

友達のPekkaの大好きなシンガーらしい。

 

私が今回サイマー湖の近くにいるのを知って教えてくれた。

 

 

” Vesa-Matti Loiri ”は今年2022年の夏に亡くなったらしい。

 

彼はフィンランドの第二の神と言われてるのですって。

 

そう言えば、夏に彼の写真をSNSで見かけた。

 

そこでフィンランドの人達がとても悲しんでいるのを思い出した。

 

素敵な声。

 

***

 

まだまだ続きます。

読んで下さりありがとうございます♡

 

出発前の序章はこちら

#1空港やフィンエアーのことなどこちら

#2フィンランドの電車に初めて乗ってみる

#3Lappeenrantaと言う街

#4Lappeennrantaのバス、ショッピングモールと慰霊碑

 

Kasumi