日本に来たいフィンランド人の友達。
フィンランドに行きたい私。
「今は行かれないから勉強の時間にしよう」
「今のうちに働いて、旅の資金を作ろう」
そんなことを言い合いながら励まし合ってきたこの2年。
いや、もう3年近い?
この空の向こう、6時間後にフィンランドも朝が来る。
冬は時差7時間だけど・・・
次に行ったときにもっとコミュニケーションとれるように。
勉強するのみ!
この3年で最高のエクスチェンジパートナーも出来たし、
いつの間にか自分の頭で考えて文章も作れるようになった。
丸暗記から始めたフィンランド語だけど、
今はその単語がどんな意味なのか、わかってきた。
***
北欧兄弟の中でも、スウェーデンは最初から世界の中でも考え方が進んでいて、
おかげで失業者もそんなに出なかったし、(観光業はそれでも大変だったと思うけど)
自殺する人も増えなかったし、今思えばやっぱり正解だったんじゃないかと思うのだけど、
世界中のやり方と違うことをやると決めて実行する。
国によって環境や人の耐性も違う。
集団圧力に屈せずに一番良いと思われることを選べるのは
その国が独自に権利を行使できている力を持っている証なんだろうなと思ってる。
(ただ、NATOに加盟したのでこれからはわからない)
本物の専門家がしがらみや営利など優先せずに、ちゃんと機能しているというのもあるだろう。
ノルウェーも早くから通常モードに戻していて、
そんな中でフィンランドは慎重に扉を閉ざしていた。
元々住民も少なくて、性格や生活の習慣は何もなくても人との距離をとるお国柄である。
バス停で並ぶ人達がみんな離れていて、たぶん日本の満員電車をみたら
あまりに見知らぬ人と長時間密着するので、目玉が飛び出てしまうんじゃないかと思う。
ただ予防注射は、去年2021年の段階で心筋炎などのリスクがまれにあるとわかったので
30歳以下の男性への接種を中止している。※M社に関して
それが・・・
Pくんの第一報。
「聞いたかもしれないけど、フィンランドが国境を開放したよ。
パンデミックの前に戻すって。」
突然やってきた。
2022年7月。
とうとう解禁。
この情報はフィンランド行きたい人達の間を稲妻のように駆け巡ったと思う。
もう世界はAfterを歩んでいる。
色々なことがわかってきて、これまでのやり方を続けるのは実は意味が無いばかりか
逆に鬱や、こどもの発達・成長不良、ストレス増加による病、
DV問題、認知症、身体機能の低下など、
生活や健康に支障が出ていることも市民レベルで理解出来ているのだ。
日本はというと、取り残されて最後の二カ国になってしまっている。
***
その後の私の行動はヴァータ全開で速かった。
(注:ヴァータ;風のエレメントで一つの所に縛られているのが苦手)
帰国時に日本にはいまだに理にそぐわない縛りがあるのはわかっていたが、
私の元気人生はもうそう何十年もない。
生きていたとしても、自分の足でサクサクと歩き、
山に登り、マイナス20℃とかの中でブルブル震えながら写真を撮ることなど
あとどのくらいできるか。
友達とゲラゲラ笑いながら湖のまわりを自転車で走ることが10年後できるかどうかわからない。
こどもの頃から、”明日死んでも後悔しない生き方をしたいものだ”と思っている。
やりたいときにやりたいことをしておく。
それには自分が本当にしたいのは何かをわかっていることが大事なんだ。
スナフキンもそう言っている。
***
私は羽田が好きなので羽田からのチケットを見る。
久しぶりなのでカードの登録やらなんやらもたもたしていたら
なんと売り切れてしまった。。。
がーん
5秒後。
”羽田がだめなら成田があるじゃないか!”
また速攻で出発地を入れ直す。
「あと3席」の文字を見ながら、ここは慌ててて日付を間違えたら元も子もないので
慎重に確認する。
キーボードをバンと叩いて完了。
ちなみにデスクトップの画像は真冬のOULUでそれこそ-20℃の中
撮った星空と森と雪の景色だ。
***
ここまで来たらもう後戻りは出来ない。
飛行機の切符を買うとき、いつもそう思う。
結果オーライというか、成田に変えたことでチケット代が数万安くなった
ので、まあよしとする。
※その後、成田からの飛行機がなくなり、今は羽田からの発着になった。
シンガポール航空などで安いチケットが出ているらしい。
常に世の中は動いている。
次回からは羽田だな。ふふ
***
飛行機には共同運航便というのがあって、今回の私の旅はJALとフィンエアのシェア便らしい。
その場合、座席指定が出来ないらしく、3人の真ん中だったらやだなーと思ったり
夜中、どうせ眠っている時間だからなんでもいいかと思ったり。
夜の21:40に成田を出て、ヘルシンキのヴァンター空港に着くのが朝の5:00。
7時間寝て起きたら朝、到着しているような気になるけど、
時差が6時間あるので、本当は昼間の11時だ。
数字が苦手なのでもうよくわからないけれど、たぶん、スマホの時計と一緒で
私は現地に着いたときに、頭も体も切り替わると思う。
No jet lagなのだ。
不思議なことに。
最初にフィンランドに行ったときはカタール航空で、
3回乗り換えて5時間のトランジットがあったり、いろんな国をまたいだので
今が何日で何時なのかまったくわからなくなっていて、
どうせわからないんだからもう何でもいいか、という気持ちになったのを覚えている。
時間は幻であるということを実感したのがその時だ。
でも2回目からは時間をお金で買うことにして、
直行便7時間を選んだ。
今回は、ロシアの上を飛べないので+3時間はかかるようだ。
まあ、飛行機乗ってれば着くんだから、いいかと思う。
3年行かれなかったからかなり辛抱強くなって、ちょっとやそっとのことではめげなくなっている。
200万円の壺を買わされそうになって、高いと断ると
じゃあこちらは?と20万円の壺を出されて「安いな」と感じてしまう心理とちょっとにているのかもしれないけど。
***
Mちゃんに早速報告する。
悲嘆に暮れていた私をずっと励ましてくれていたパートナーだ。
quarantine(隔離)が必要ならうちにいればいいじゃないか、
It's easy!と言ってくれて。
チケットを買ったあとの私たちは本当に興奮しまくっていた。
まず私がしたことは、食料を買って送ることだった。
私は大の日本食好き。
NYでもバリ島でも、長い滞在の時は可能な限りキッチン付きの場所を選び、
お米を炊いてお醤油味のものを食べている。
私が唯一日本人らしくなるのはこの食の好みだけである。
これはバリ島の最初のリトリートの時のランチ。
バリ島で天ぷら揚げるなんて・・・とびっくりされました。
***
話を戻して、
フィンランドでもアジアン食材店などのぞけばお味噌も醤油も買える。
でもやっぱり種類は少ない。
いろいろ見繕って段ボールに入れて郵便局に行く。
つい数週間前から日本-フィンランドの荷物や手紙はエアメールから
船便に変わってしまったので、2~3ヶ月はかかる。
更にそこから+2ヶ月は見て欲しいと郵便局のお姉さんに言われるが、
私は一つのカケをする。
『自分が着く頃にこのパッケージは到着する』ことに。
この何の根拠もない自信というか、確信に近い物は何なのだろうか?
とにかくMちゃんに「送ったよ~」と言おうとしたら
”Wait,what are you sending? And how?
I just got infomation from my post office that I should start dealing with the customs."
「オイ、待て、何を送るんだ?どうやって?
郵便局から通関の手続きをしろと連絡が来たぞ」
速い・・・
さすがフィンランド当局である。
Mちゃんいわく、フィンランドでは常にペーパーワークが必要なんだと。
そしてtax。
今回は私が自分のために送ったのだし、ほぼ食料だし、
それなのにtax払うのは変な話なのだが、とにかく詳細を全部教えろと言われる。
そして2ヶ月後。
「今、Kasumiのパッケージはフィンランドに着いてるらしいよ」
また郵便局から連絡があったようで、どうやら私はカケに勝ったらしい。
これで重たい味噌や醤油やみりんを持っていかずに済む。
お好み焼きソースも入れたので、Mちゃんの誕生日にはお好み焼きパーティーができる。
そう、今回の旅の最初のイベントはMちゃんのbirthdayだ。
***
私の旅の目的はフィンランドの自然の中で過ごすことだ。
観光とか街中の優先順位は低い。
NYによく行っていた頃もそうだった。
ダンススタジオに行くだけの毎日だったので、空き時間にセントラルパークでのんびりしたり、
チャイナタウンやSOHOなどに出かけることはあっても
がっつり観光はしたことがなかった。
エンパイヤなど毎日見ていたけど初めて上ってみたのは最後の訪問の時だったかもしれない。
国が変わっても私の過ごし方は同じなんだな~と今、面白く思う。
***
それからもちろん仲良しのPekkaにも会いたい。
この1年はあまり多くの話はしていないけど、
忘れた頃に突然電話がかかってきたりする。
たいてい彼が具合が悪くなって仕事を休んでいる時が多いので、
気が弱くなっている時に思い出してくれるのは嬉しい。
ちょうど4年前か?
一緒にスウェーデン、ノルウェイと3カ国を旅したのは9月だった。
ビギナーズラックなのか、毎日のようにオーロラを見て夢中で二人で写真を撮った。
「毎日?!」
それを話すとMちゃんは驚く。
多くのフィンランド人よりもKasumiのほうがオーロラ見てるかも知れないぞ。
そりゃラッキーだ。
フィンランドでも南のほうや街の灯りがあるところに住んでいれば
オーロラを見る機会はそうないのだろう。
信用しなさそうなので写真を見せた。
せっかくなのでこれまで未公開のものを載せるね。
まだ出始めのオーロラ。
ここから育ってくる。
もうお腹いっぱいですと言うくらいこのあと、オーロラを撮り続けた。
これはフィンランドじゃなくてノルウェイのロフォーテンという端っこの海沿いの街。
この時はオーロラに恵まれたのかもしれない。
本当に旅の間、毎日観たんだもの。
***
今回も北へ行く。
一緒に行こうよ~と誘ったけど、Mちゃんは学校があるので行かれないという。
ふん、いいさ、私は大人なんだから、一人でも行ってやる。
本当はInariくらいまで行きたいけど、行きと帰りの時間が更にプラスされるので
これ以上移動時間は増やせない。
(今回はヘルシンキから電車やバスであちこち寄りながらどんどん北上する計画)
今回のラップランド滞在は入り口のロヴァニエミにする。
ロヴァニエミだってサンタクロースの住む街で、一人でもきっと楽しいし、
うまくすればオーロラを撮れるかも知れないと思った。
Joulupukki サンタクロースの住んでいる家。
「今年は蚊が異常発生してるぞ、それでもラップランドに行くのか?」
養蜂家のようなネットをかぶった人におびただしい蚊が
集まっているおぞましいニュースを見せてくるMちゃん。
ロヴァニエミに行くなら長靴と長袖で、ネットをかぶっていかないと。
と意地悪を言ってくる。
またある時は
「森ではマダニ(Punkki)に気を付けろ。
服や体にマダニが着いていないかどうか、帰ってきたら自分で徹底的にチェックしろ。」
と言う。
まあ、これは脅かしでもなんでもなく、本当にそうらしい。
殆どが森林なのだし、湖も多い。
マダニは髪や服の裏などにも隠れていて、手で取ろうとすると口が皮膚に残ったりするので
専用の「マダニとるやつ」がフィンランドには売っているとのこと。
湿った場所にはマダニは多いという。
前回はPekkaのママの長靴を借りたのを思い出す。
フィンランドに着いたらまず最初にゴム長靴を買うことにした。
かわいい花柄とか売ってるかな~♪
***
そうそう、長靴のことも書いておこう。
フィンランドの9月は雨ばかりで道はぐちゃぐちゃだから、
(とMちゃんが言う)
まず最初に長靴を買わなくちゃね、という話をしていて、
どんなのが売ってるのかちょっと調べてみたら、ツボ過ぎる可愛い長靴をみつけた。
それを次の日Mちゃんに言って、どれどれと二人で見ていた。
ちなみにゴム長靴:kumisaappaat(二つで一足なので複数形)
Mちゃんに私がみつけた花柄を見せようともう一度検索したら、
長靴を履いた女の人の画像が5つヒットしただけ。
「あれーおかしいな、なんでかな、昨日は花柄の長靴たくさんあったのに」
するとMちゃんが”Naisten kumisaappaat”にしないと、と言う。
私は”kumisaappaat naisten”にしたから長靴じゃなくて女の人が出たのか。
※Naisten:女の
すると、出た出た。
そうだよ、そうだよ。
ほら、上の段の花柄のやつ。
Mちゃんは黒が好きなのでしきりに黒のやつをクリックしてくる。
ほら、これはクールだろう?
黒がかっこいいのはわかってるけどさ、せっかくなら日本に売ってないの買いたいし。
「私がみつけたのはこれだよ!」
しかもSaleで安くなってるし。
24.90€だから3436円(2022年9月現在)まあまあだ。
サイズを調べると36ならちょうどいい。
私は普通の靴なら22.0だけど、厚手の靴下を履くので23~23.5cmくらいがちょうどいい。
そんな足が小さくて花柄がいいならこどもサイズだ、とMちゃんが子ども用を調べ始めた。
右上の妖精チックなやつをさして、これにしようという。(もちろん冗談)
可愛いけどレアかもしれないけど、子ども用はヒールがないからイヤだと私。
更に子ども用の長靴で「これはどうだい?」
(Mちゃんが覚えた”だい”という日本語。
アニメとか小説の中で見るだけで、ちょっと古い日本語だよと伝えたが気に入ったらしい。)
「濃いピンクじゃなくて薄いのがいい」
「黒が入ってるのはイヤだ」
「ストライプは好きじゃない」
「こういうピンクじゃない」
するとMちゃん
「一番大事なのは”蒸れない”とか”雪や雨から守ってくれる”ことだ!
色じゃない!
なんでKasumiは色にそんなに拘るんだ。」
と大きなため息をつく。
いやいやいやいや、色はMost importantでしょう。
「面倒くさいゲストだ」とMちゃんは一人二役で言い始める。
もう疲れた、きっとマーケットにいって
”あれはイヤだ”、”これじゃない”、”他を見よう”、”ピンクがいい”、
”わぁ、楽しい~”・・・・
で、歩き回って疲れるんだ・・・と。
そして一言もそんなことを言ってないのに、
ハンモックも買わされるとか言い出す。
「バルコニーにハンモックある?」と聞いただけなのに。
とにかく!初めてフィンランドで買う長靴なんだから、一番気に入った物を買いたいよ。
***
そんなMちゃんに相談しながら旅の行程を色々決めて行く。
フィンランドは本当にITの国なので、アプリなど入れればとても効率的に
旅が進められることを実感。(まだ実際に使ってないけど)
最初にとりあえず入れたアプリはタクシーアプリ。
秋でも夜は気温がマイナスになることもあるので、さっさと移動しないと凍えそうである。
前回、マイナス20℃の洗礼を受けているのでその辺は用心深くなる。
実際に使った後、また報告しようと思う。
次にいれたアプリはVR。(フィンランドの国鉄)
登録すると名前が出るのでなんか、嬉しい。
ここで行きたい駅を入れるだけ。
例えば空港からLappeenrantaまで
日付と往復ならreturnも。
自転車や犬、車椅子もOKというのがサインでわかるのがとてもいいね。
9種類の行き方があるらしい。
それでも一日にそう何本も走っていないことに少し驚く。
この値段の違いは電車の違いだと思う。
シートのタイプが違う(二人ずつゆったり座るのとか)とか。
私の飛行機は朝5時に着くやつなので、何事もなければ6:52には乗れると思う。
それを選ぶと更に細かい情報。
あとはカード決済。
実際には空港を出るときに買おうと思っているので
(もしも乗れなかったら払い戻しはできないので)
これはシミュレーション。
電車に乗るのは初めてで、すごく緊張する。
Transfer 乗換 なんて、ひぃ~~と思う。
14分しかないけど、大丈夫かな。
Tikkurillaはとても小さな駅だから絶対大丈夫だとMちゃんは言う。
このアプリはなかなか便利かもしれない。
ヴァンター空港は地下に降りるともう電車のホームらしいので
乗るのは簡単だと言うが、どこで切符が買ったら良いのか・・・
ホームにブースがあるのは見せてもらったが案外機械音痴な私。
英語も書いてあるから大丈夫だよと言われるが、
日常会話であまり出てこないものは意味不明なものもあるので
やっぱりドキドキする。
インドに行ったときにATMで“Withdraw”の意味がわからなくて
何これ~どれを選べばいいの~?と現地のおじさんに手伝ってもらったこともある。
“Withdraw”は「引き出す、おろす」って、知ってた?みんな。
英語だってまだ初心者だし、意外な盲点があるんだ。
***
さて、これを書いている今日、出発まであと4日。
これまでの日々が蘇る。
私の気持ちやこれまでのことをわかってくれている人達が日本にもフィンランドにもいる。
みんな喜んでくれているのがわかる。
ありがたい
”Pääset vihdoin taas käymään Suomessa!”
「ついにフィンランドにまた来れるんだね!」
クールなPくんにもたぶん今回の旅で会えると思う。
私の友人の中ではPくんが一番日本語が達者だけど、
まだ長い文章はわからないし、実際の会話となるとどうなることやら・・・
***
本編は帰ってきたら書きますのでお楽しみに♡
たぶんInstagramなどに時々投稿すると思います。
良かったらリアルタイムでチェックしてみて下さいね。
成田から飛行機が飛び立つ時間と同時刻にこのBlogがアップされるようにセットしました!
何故か??今見たらUPされてなかったので、
遅ればせながら先にこれをUPしてから、本編をぼちぼち書いていきます。
何でだ??(2022/10/14追記)
Kasumi