バターナイフ
二本揃いのバターナイフです。
かなり前のクリスマスに母が贈ってくれたもので(ありがとう~)
ずっと書こうと思いつつ今になってしまいました;
ひっそり何度かでてきています(●・■)。
1889年製、ロンドンのJosiah Williams & Co(George Maudsley Jackson)のもので
14㎝で普通のバターナイフと同じくらいの大きさです。
ブライトカットのこの模様がほんとに壷です。
ふちのぐるぐるに、直線の四角、あいだに花が彫ってあるのが
つたに囲まれた格子窓越しに花が咲いているようで、
左右対称でほどよく余白が残してあるところも何とも言えません。
それまでティーナイフ(■)で代用していたのですが
やっぱり柄からのカーブがバターを塗るのに最適で、
バターナイフおそるべしと改めて思いました。
お茶にしませう。
こちらの本から、ウェリッシュケーキを焼きました。
イギリスの菓子物語 ~英国伝統菓子のレシピとストーリー~「3月1日のウェールズの祝日“St. David's Day”(ウェールズの守護聖人を祝う日)には、
必ず食べられるケーキで、現在では全土で一年を通して食べられている(p.143)」そうです。
生地を休ませなくてよくて、混ぜたらすぐフライパンで焼けるのと
型を使わないのがほんとに便利で、よく作るようになりました。
レーズンの半分をクランベリーにして作ってもおいしかったです
昔は羊のミルクを使って作られ、グリドルストーンという鉄板で焼かれていたそうです。
パーキンもそうですが、食事の仕度をしながら身近な材料で作れて
生活の中で生まれたお菓子なんだなぁと実感しました。
焼きたてにバターを塗って頂きます。
どんどん溶けてくるので撮るのが難しかった;
クリームチーズやパテも塗りやすいので、
洋食やお客様のときの前菜にもよく登場しています。
かたちはいわゆる「バターナイフ」ですきっとしつつ、
添えるとぱっとあかるくなるところにいつも助けられてるなぁと思います。
<おまけ>
もう一つのバターナイフ(上)。
17.3㎝とかなり大きく、重さもあります。
1901年、バーミンガムのThomas Hayesのものです。
のびのびした葉と花の模様に斜めの彫りが効いていて、
手にすると花の咲いてる草地に立つ感じがします
(最初のは家の中から窓越しに外をながめる感じ。
ブレードが8㎝あるので、一往復でバターを塗りきれるのがスバラシイ。
サンドイッチを作るときはこれでバターを塗ってからの
このジャムスプーン(■)でたまごが定番です。
左端のメーカーズマークがハート型になっているところも楽しいです。
帰去来辞
あいだが空いてしまって申し訳ありません;皆様お変わりないですか?
今年はお盆に地元に帰りました。
学生の頃はピークを避けて動いていた&夫の実家は電車で行けるところなので
混む時期の大移動はほとんど初めてでしたが、
かつて目にしたことがない羽田の保安検査の行列にびっくり。
思っていたよりはるかに時間がかかって、
チーズケーキを捧げ持ったまま動く歩道の横を猛ダッシュしました…
甥っ子チビ助くん(中三)や姪っ子チビ子ちゃん(小三)と
ぬいぐるみで遊んだり鳥や信号の話を聞いたり
自由研究や習字や絵画を手伝ったり
勉強のあいまに花火をしたりして帰ってまいりました。
チビ子ちゃんがブレスレットと指輪を作ってくれていました。
色の組み合わせやデザイン(お花と蝶々がついています)は
ぜんぶ自分で考えたのだそうで、
ことごとく私の壷を突いたできあがりにびっくり&嬉しかったです。
お家にはブレスレットやさんがオープン
(こちらはフェリシモのキットも含まれているそうです。
「ひとつ100円、チビ子カードも使えます」と添えられていてほのぼの。
手づくりおままごとセット(■・●)にはケーキとドーナツが仲間入りしてました。
クレープセットもまだまだ現役、
長いこと遊んでもらえてみんな本望だろうな(*´ー`*)
日数は短かったのですが
お墓参りも行けたし、夏休みらしくて何だかほっとしました。
年末年始やお盆に帰るのがやっぱりほんとなんだろうなぁ。
なかなかですが、できる範囲で最善を尽くそうと思います
最初の写真はイモムの家の金魚さんs、更紗琉金とシルクブリストルです。
インコのマリーちゃんも元気、ぬいぐるみのくーまんも健在でした。
実家でお茶、フランスの古いティーポット。
年代や窯は不明だそうです;
リボンの模様と、持ち手のつぶつぶが楽しいです。
後ろの花瓶にしているのも古いフランスのもので、
光が入ると虹色に光る黒みがきれいでした。
ちょっと備前焼にも似ています
カップはイギリスのヒルディッチ、1815-59年にスタッフォードシャーにあった窯だそうです。
暑かった+なんだかんだばたばたしていて
気がついたら今回はこれしかお茶の写真を撮っていませんでした;
涼しくなってきたらまたお菓子を焼こう
夏日が続くかと思いきや急に涼しくなって、
体調を崩さないようお過ごし下さいませね。
薔薇ノ花咲ク
あいだが空いてしまってすみません;
一ヶ月ほどさかのぼりますが、今年も無事にばらが咲きました。
アブラハム・ダービー、相変わらずたくさん咲いてくれて嬉しいです。
きれいな黄色にティーローズの香りが嬉しいグラハムトーマスと
一番気に入っているヘリテージ、品のいいピンクと香りが大好きです。
左はL.D.ブレスウェイト。
落ち着いた赤で、一輪で「ばらが咲いた!」という雰囲気になるのがスバラシイ。
右は今年から仲間入りしたニュードーンです。
なぜか藤村さんという呼び方になってしまいました;
New Dawn=新しい夜明け なので
つぼみのときに まだ咲いてない=夜明け前=島崎藤村で、
「まだ藤村だ~」などと話していたらうっかり定着(ヲイ
修景用のアスピリンローズ。
小ぶりですがちゃんとばらの形をしていて、
どのばらでも一緒にいけられるのが重宝しています。
それから野いばら。
原種で、いろいろなばらの台木になっています。
素朴ですが自然のままの美しさがあって、毎年咲くとしみじみながめてしまいます。
今はアナベルが満開です。
昨年の夏にひよどりが作った巣はまだ健在で
何組か、めじろやひよどりご夫婦が見に来たのですが
今のところは誰も入居していません。
考えてみると2010年にめじろ、2012年に初代ひよさん、昨年が二代目ひよさんと
巣をかけるのが一年おきになっているんですよね。
単なる偶然かもしれないけれど
毎年同じ木に巣を作るとカラスや猫にマークされやすいから避けてる?
だとすると、残された巣の状態からいつごろ作ったものか判断しているのでしょうか…?
いろいろ奥が深いです。
帰ったときに撮らせてもらった、イモムが作った鳥さんマスコット。
それぞれペアになっていてとてもかわいかったです。
<おまけ>
無理やり鳥つながり(え。
先日、鳩山会館に行ってきました。
ステンドグラスに鳥(鳩?)がたくさんいて、楽しかったです。
Royal Worcester Coffee set +α
実家でお茶、その6です。
寒い日が続いて、再びティザニエールで温めながらお茶にしました。
ロイヤルウースターのコーヒーカップに紅茶が入っています。
グレイと焦げ茶の落ち着いた色あいで
ばらのつぼみ模様が描いてあります。
写真だとおとなしめに見えますが
ふちのエンボスが細かく効いていて、洒落ているなぁと使うたびに思います。
スプーンはノルウェーのDavid Andersen、1880-1925年頃のものだそうです。
ギロッシュ(guilloche)という、細かく規則的に彫った模様の上に
エナメルを流す技法が使われていて、この青が何とも言えず壷でした。
・・・・・
そんなこんなで長くなりましたが;
実家シリーズはひとまずこれで終わりです。
読んでくださってありがとうございました(深々
近所の公園で、梅がきれいに咲いていました。
先日のお茶、ガトーショコラ。
こんな感じでゆるゆる戻りますが
またよろしくお願いいたします(深々
<おまけ>
知らないうちに携帯の画像フォルダに入っていた謎写真。
たぶんチビ助くんが家の中で撮影したものなのですが、
いったい何をどうやって撮ったんでしょう……?;
Egg Coddler(Boiler)
謎の宇宙船のようですが、卵をゆでるための銀器です。
分解するとこんなふうになっていて、
左から三本脚のついた土台、
奥がふたで、手前が卵をはめこむための持ち手のついた網←?
右端が両面使えるオイル入れ、容量が多め少なめと
ひっくり返して使い分けられる仕組みです。
大きく華やかに変身したみたいな銀色のたまご+
金魚すくいの網を彷彿とさせるたまご置き+
両面ひしゃくみたいなオイル入れと
おもしろアンテナが最大レベルで、トチーが連れ帰ってまいりました。
グラスゴーのDavis&Sons、1897-1920年に作られたものです。
ふたには羊歯にばら、プリムローズ(かな?)のような花の装飾が。
脚にもお花がひとつ+つま先もよく見ると花を伏せたような形になっています。
ここの曲線と透かし~花を抱き込んで
女の人がスカートを広げているみたいに着地するのが壷でした。
エボニーの持ち手の形もいいです。
短いのですが持ちやすい!
実際、たまごを4つ入れて持ち上げるとわりと重量があるので
見た目だけでなく、使い勝手も考えられているんだと実感しました。
エッグコドラーともエッグボイラーとも呼ぶそうですが、
アンティークという単語を入れて検索してみたところ
coddlerの方が一万件ほど多かったので、記事の中ではコドラーでいきます(^^ゞ
母と二人で調べたのですが、アンティークのエッグコドラーの使い方や
実際に卵をゆでている方がまったく見つからず
結局、自己流で見切り発車になりました;
柔らかめの半熟を目標に
片手鍋で水から卵をゆで、適当なところでエッグコドラーにお湯ごと移動。
ティーキャンドルで温めて、その間にお茶の仕度をしました。
(陶器のココットに卵を割り入れ、ふたをして湯煎で柔らかくゆでたものも
Coddled Eggというそうで、こちらの方が一般的なようです。
cf. マーサ・スチュアート先生のレシピ:■
ロイヤルウースターなど、アンティークの陶器のエッグコドラーもありました)
ゆで卵が登場するお茶で最初に思い出すのが、
『ライオンと魔女』 で、ルーシィが衣装簞笥を抜けて最初にナルニアに行ったとき、
タムナスさんの家でお茶をごちそうになる場面です。
それは、すてきなお茶のもてなしでした。やわらかくゆでたきれいな茶色の卵が
めいめいに一つずつ出ましたし、トーストは、小イワシをのせたもの、
バターをぬったもの、ミツをつけたものがありました。
そのつぎには、砂糖をかけたお菓子が出てきました(p.26)。
これを微妙に踏襲して、バターをぬったトーストと、
お向かいの方が採ってきてくれたみかんで
トチーが作ってくれたオレンジピールを使って
ピール入りのパウンドケーキを焼いて並べました。
イギリスではマーマレード=朝なので、
午後のお茶にみかんもの?はどうなのかなと思われる方がいらっしゃるかと存じますが
人様の気持ちがこもっているということでお目こぼし頂けると幸いです、申し訳ありません;
密閉性が高くてキャンドルでもしっかり温まりました。
しかもなぜか卵がおいしい!
ゆっくり熱が入るからなのでしょうか、いつもの卵がほんとにおいしく感じました。
そして何より、とにかくおもしろいです。
フォルムは端正なのですが、よく見るとどこかユーモアを残しているようで、
ふたを開けたときに卵が並んでいる光景がもう楽しすぎる。
大きな銀色の卵の中でリアル卵がゆでられてるというところから
なんだかふふふとなりますし、
みんなで「そろそろかな」と見守っているのがとても和みました。
小学校の理科の時間、アルコールランプの実験を思い出しました←間違い
『ライオンと魔女』25ページの挿絵では、
テーブルの上のお茶道具やお菓子類とは別に
肘掛け椅子でくつろぐタムナスさんの足もとと、
ルーシィの手前の足台?にエッグカップが描いてあります。
卵は贅沢品だったので、お茶の時間に卵が出るのは
嬉しいというか、ちょっと特別感のあることだったのかなと思います。
それをゆでる過程ごと、みんなで楽しんでしまおうという一種のほがらかさが、
「どう?」みたいになる要素を内包しがちなお茶の銀器と少し違って、
形はちょっとびっくりしますが;どこかほっとする空気になっているのかなとも思いました。
冷静に考えるとゆで卵とトーストなのですが;
心底「お茶をいただきました」という気になれたのもスバラシイ。
森茉莉 の言うとおり「卵は、幸福と楽しさの原泉の中の一つ」なんだとしみじみ実感しました。
思っていたよりも火が入っていたので、水からでも大丈夫なのかな?
また帰ったらいろいろ挑戦してみたいです。
<おまけ>
coddleが気になったので、少し調べてみました。
(卵などを)やわらかく茹でるという意味のcoddle は
もともとラテン語のcoldum(温かい飲みもの)から来ているそうです。
そしてなんと、ビートン夫人の料理本(① ・② )には
たまごのコドルの仕方とボイルの仕方、それぞれのレシピが載っていましたヽ(゚◇゚ )ノ
EGG, CODDLED
INGREDIENTS.------- 1 new-laid egg.
METHOD.-----Place the egg in boiling water, put on the lid, and let the stewpan
stand for 7 or 8 minutes where the will keep hot without simmering.
An egg cooked in this mannner is more easily digested than when boiled in the ordinary way. (p.235)
卵を沸かしたお湯に入れ、ふたをして、シチューパンでお鍋を沸騰させない程度に熱して
7~8分おきます。
この方法で調理された卵は、通常の方法でゆでたものよりも、より消化されやすくなります。
これに対して、
EGGS, BOILED.
METHOD-----Eggs for boiling cannot be too fresh, but a longer time
should be allowed for boiling a new-laid egg than one that is 3 or 4 days old.
Have ready a saucepan of boiling water, put the eggs into it gently with a spoon,
letting the spoon touch withdrawn, to avoid cracking the shell.
For those who like eggs lightly boiled, 3 to 3 1/2 minutes will be found sufficient,
4 minutes' gentle boiling will lightly coagulate the white, and 5 minutes will set firmly.
Eggs for salads and sandwiches should be allowed to boil for 10 minutes.
Cracking the shell and allowing the egg to remain in water until cold prevents
a dark rim forming round the yolk. (p.238)
茹でるための卵はいくら新鮮にしてもしすぎるということはありませんが、
34日経った卵よりも産みたての方がゆでるのに時間がかかります。
シチューパンにお湯を沸かし、スプーンで優しくたまごを入れ、殻にひびを入れないように引き上げます。
軽めに茹でた卵が好きな人には、3分から3分半ゆでれば充分です。
4分ほど優しくゆでると白身が軽く固まり、5分でしっかりと固まります。
サラダやサンドイッチに使う場合は10分ほどゆでます。
殻にひびを入れ、冷えるまで水につけておくと、黄身の周りに黒ずんだ部分ができにくくなります。
これによると、沸かしたままゆで続けて好みの堅さになるよう作るのが boiled egg、
沸騰させずにとろとろと温めて、より柔らかく仕上げたのが coddled egg ということなのだと思います。
小さな火でゆっくり温めていられるこのエッグコドラーは
「沸騰させずに熱し」続けるには最適な作りになっているうえ、
みんなでお茶を飲んでいれば自然に「7~8分おく」ことになります。
まさにeggをcoddleするべく作られた銀器なんだと
本当に腑に落ちました。
ですので、とろりと柔らかい状態のゆで卵をつくる道具ということで
Egg coddlerという呼び方をされることがより多いのでしょうか。
coddled egg も boiled eggも、訳すとどちらも「ゆでたまご」なのですが
奥が深いなぁと本当におもしろかったです。
・・・・・・・・・・
ただ、『ライオンと魔女』の引用した箇所は、原文では
There was a nice brown egg, lightly boiled, となっていて
coddle は使われていません。
また、オースティンの『エマ』には
エマのお父さんで、自分は体が弱いと思っている(実際は丈夫)ヘンリー・ウッドハウス氏が
お客さんに卵を勧める場面があります。
"Mrs. Bates, let me propose your venturing on one of these eggs.
An egg boiled very soft is not unwholesome.
Serle understands boiling an egg better than any body. ・・・
「ベイツ夫人、ひとつ卵を召し上がってみませんか?
大変やわらかくゆでておりますから、体に悪いことはありません。
うちのメイドのサールは他の誰よりも、卵のゆで方を知っていますよ。・・・(姉訳;)
こちらもboilが使われています。
(やわらかくゆでた卵が消化にいいというところが
ビートン夫人と同じなのもおもしろい)
ほかに卵が出てくる話はなかったかなと
家にある洋書を当たってみたのですが、今のところ見つかりませんでした;
いつか何かで見つけることができるといいなと思います。

























































