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頭文字[イニシャル]D THE MOVIE

『人と競おうと思うな。闘うは己自身』……

総売上3900万部を誇る走り屋コミックの金字塔「頭文字[イニシャル]D」が、
「インファナル・アフェア」シリーズを手掛けた香港映画界の鬼才
アンドリュー・ラウ&アラン・マック監督によって実写化された!

しげの 秀一頭文字(イニシャル)D (1)

ポニーキャニオンインファナル・アフェア トリロジーBOX



原作は日本のアニメ、舞台は群馬、登場人物もすべて日本人。
なのに演じているのは鈴木杏以外は台湾&香港スター。
何じゃこの映画は???

初めは広東語を話す藤原拓海に違和感を覚えるだろう。
それで「拓海」って言われてもどう見ても違うし?
しかし、慣れてくるとそんな事、どうでもよくなる。
だって、カーアクションがすごいんですもの。
ある意味、日本語よりテンポのいい広東語で話して欲しいと思ってくるほどに!

ファーストシーン、美しい朝焼けの中に走る一台の車。
その車には「藤原とうふ店」の文字。そして画面にいっぱいに映る豆腐。
そう主人公は豆腐屋の息子、藤原拓海。
酔っ払いの父に中学校の時から朝もやの中、配達に行かされていた高校生だ。

「秋名」と呼ばれる峠には走り屋が集まる。
その秋名が拓海の配達コース。走りなれた庭。
豆腐屋の車「ハチロク(AE86)」はスカイラインGT-Rにも負けはしない。

その噂は峠のスペシャリスト達の興味をそそり、次々と挑戦が申し込まれる。
「勝てば車を貸す」という父にデートで使いたいが為、挑戦を受けていた拓海だが
次第に自分の才能に目覚めていく。
才能。そう、拓海の父親はかつて「秋名・最速の男」と呼ばれたレーサーだったのだ……
幼馴染みとの恋愛を絡ませながら、壮絶な「ドリフト・バトル」がスタートした!

主役・藤原拓海を演じるのは台湾芸能界長者番付、No.1のジェイ・チョウ!

正直めちゃくちゃ普通の人でどこがそんなに人気があるのだろうと思っていた。
しかし動くとかっこいい。なんと言うのか喜怒哀楽の顔を演じられる男だ。
一人配達中のアホっぽい(失礼)顔、後ろに車が来たとたんに変わる顔つき、
恋している顔、悩む顔、傷つき怒る顔、いろんな顔を持っている。
だてに稼いでおまへんわ?

そして周りを固めるのは「インファナル・アフェア」組。
エディソン・チャンにショーン・ユー。ま、この2人は誰がみてもかっこいい。
そして父親役を演じるアンソニー・ウォンがかなりいい味出している。

このカーアクションは映画館でなければ多分面白くないだろう。
スピード感と音にハラハラ、手に汗を握るから。(音楽もいいしね)
それに映画館なら広東語も気にならないがテレビじゃ微妙?
何故か「頑張って」だけ日本語なんだよね。何でやろ?

原作者、しげの秀一氏も「納得」と語る映画。
ただ、なぜこんな面白い題材、日本で映画化されないのかな。
「オールド・ボーイ」もそうだけど、もったいない限りだ。
今回はかなり車を壊したらしいので、アクションの本場、香港映画として作られた方が
迫力が出たのは間違いないだろうが……
後、今の日本じゃこれだけ男気あるイケメン俳優を揃えられない。
だから韓流・華流になっちゃうんだもの。

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「自分の属する世界を見つけられれば 人生は有意義になる」

ただのカーアクションものだけでなく、一人の青年の成長物語。
自分の属する世界を見つける事は難しい。
その世界を見つけるためには行動し、周りをよく見なければ。
近くにあったその世界が車の様に一瞬で通りすぎてしまわないように。

実はもっと違う意味で期待していた作品。
(絶対違和感ありまくりで、笑えると信じていた)
でもそれがとっても普通に面白い青春映画なんだ。
鈴木杏のミニスカートが若さを物語っている。

とにかく大スクリーンでスピード感を体感して欲しい!
「豆腐は国産大豆」という文字が登場する香港映画を!

(2005年・香港/中国映画)

(芝田 佳織)

映画ランキング@USA速報!(9月25日付)

1位(初) フライトプラン  (航空機設計士の娘が、高度1万メートルの上空で失踪した。
       容疑者は425人の乗客。/1週目/2006年正月第2弾で日本公開予定)
       出演:ジョディ・フォスター、ピーター・サースガート、ショーン・ビーン、
           エリカ・クリステンセン

2位(↑) ティム・バートンのコープスブライド  (悪ふざけで骸骨に結婚指輪をはめた
       男は、死体の花嫁に迫られて…。ストップモーション・アニメ。/2週目
       /10月日本公開予定)
       監督:ティム・バートン(「チャーリーとチョコレート工場」)
       声の出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター、エミリー・ワトソン

3位(↓) Just Like Heaven  (孤独な建築家が引っ越したアパートに、美しい幽霊が
       現れて…。ロマンティック・コメディ。/2週目/日本公開未定)
       監督:マーク・S・ウォーターズ(「フォーチュン・クッキー」)
       出演:リース・ウィザースプーン、マーク・ラファロ

4位(初) Roll Bounce  ('70年代を舞台に、ローラースケートに情熱を注ぐ若者たちの
       青春を、懐かしのソウル・ミュージックに乗せて描く。/1週目/日本公開未定)
       出演:バウ・ワウ

5位(↓) The Exorcism of Emily Rose  (女性弁護士の担当する殺人事件の
       捜査線上に、若い娘に悪魔祓いを施していた牧師の存在が浮かび上がる。
       /3週目/日本公開未定)
       出演:ローラ・リニー、トム・ウィルキンソン、キャンベル・スコット

6位(↓) Lord of War  (武器商人は、インターポールに追われるうちに、自らの
       道徳心と向き合うようになる。/2週目/12月日本公開予定)
       監督・脚本:アンドリュー・ニコル(「ガタカ」「シモーヌ」)
       出演:ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク、ブリジット・モイナハン、
           ジャレッド・レトー、イアン・ホルム、ドナルド・サザーランド

7位(↓) The 40-Year-Old Virgin (40歳の童貞男を巡るラブ・コメディ
       /6週目/日本公開未定)
       出演:スティーブ・カレル

8位(↓) The Constant Gardener  (「シティ・オブ・ゴッド」で世界に衝撃を与えた
       ブラジル人監督が、ハリウッドで放つラブ・スリラー/4週目/2006年日本公開予定)
       監督:フェルナンド・メイレレス
       出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ

9位(↓) トランスポーター2  (引退して雇われ運転手になったフランクだが、
       雇い主の息子が誘拐され、事件解決に乗り出す/4週目
       /2006年日本公開予定)
       監督:ルイ・レテリエ(「トランスポーター」「ダニー・ザ・ドッグ」)
       脚本:リュック・ベッソン他
       出演:ジェイソン・ステイサム

10位(↓) Cry Wolf  (高校生グループが、殺人事件に便乗し、連続殺人鬼の噂を
       捏造。しかし、それが真実になっていく。/2週目/日本公開未定)
       出演:ジュリアン・モリス、ジャレッド・パダレッキ、ジョン・ボン・ジョビ

ルパン

フランスを代表する作家、モーリス・ルブランが生み出した「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」。
全世界で50.000.000部の大ベストセラ―、待望の映画化!

「盗みは血のたぎる情熱……」

誰もが知っている「アルセーヌ・ルパン」。(ルパン三世じゃないよ)
彼の魅力は、謎めいた存在、巧妙な手口、そして何より「富豪のみを狙う事」。

この物語は「ルパン・ビギンズ」とも言うべきルパンの幼少期から、
波乱万丈の人生を見事な映像でみせていく。
ベースは「カリオストロ伯爵夫人」。
ルパンが100年も生き続けている?謎の美女、カリオストロ夫人を助けた事から
フランス王家の莫大な財宝探しへと発展していく物語だ。
そこに「813」や「奇巌城」などの名場面が交錯する映画用の新しい脚本。

モーリス・ルブラン, 竹西 英夫カリオストロ伯爵夫人―完訳版
モーリス・ルブラン, 堀口 大学813
モーリス ルブラン, 南 洋一郎, Maurice Leblanc奇巌城



ルパンの父親も巧妙な盗人。しかし幼い頃、何者かに殴られ、顔も判別できない
程の死体として発見される。誰が?何故?
ルパンが劇中で流す「一筋の涙」に衝撃の秘密が隠されている!

脚本の執筆から公開まで3年の月日をかけた作品。
当時の芸術、小道具、衣装に「現代」を加味するためにはどうすればよいかを
練りに練って作られた。

何よりの見所はルパンが盗む「宝石たち」。
世界のトップブランド「カルティエ」がこの映画のためにジュエリーを
15点、レプリカ1点を提供。
ことに事件の鍵となるマリー・アントワネットが所有していたとされる
首飾りは必見。あの首飾りをみるだけでため息が出る。

そして時代につれて変わる小道具たちも要チェック。
ルパン幼少期はロウソクだった灯が成長してからは電気へ。
そして乗り物も馬、馬車が車、バイクなどへと変わっていく。
(ルパン、いつ免許取ったの~というほど運転がうまい!)
建物にもこだわり、オペラ座のシーンでは実際オペラ座周辺を封鎖し、
80トンもの砂と土を使い当時を再現している。
制作費2500万ユーロというだけあり、当時にタイムスリップしたかの様だ。

ルパンを演じるのは「スパニッシュ・アパートメント」のロマン・デュリス。
街中で友人を待っている時にスカウトされ、いきなり「青春シンドローム」で
主役を演じたという今後期待の俳優だ。
ポスターでは「ルパンじゃない……」様な気がしたが実際観てみると
かなりハマリ役。続編も作られそうなので要チェックだ!


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンスパニッシュ・アパートメント
紀伊國屋書店青春シンドローム


そして謎の美女カリオストロ夫人を演じるのはイギリス人女優、
クリスティン・スコット・トーマス。(「イングリッシュ・ペイシェント」)
相変わらず気品高く美しい。でもちょっと皺が……ま、仕方ないね。
もう45歳ですから。
見事なフランス語!と思ったら旦那様はフランス人だそうで。どおりでね……

監督は「ルーブルの怪人」のジャン=ポール・サロメ。
今回は「ルパン→ジェームズ・ボンド」
「作品イメージ→マイノリティーリポート」を意識したというだけあり
新しい雰囲気のルパンが完成している。

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパンマイノリティ・リポート 特別編



子供の頃からルパンを読んでいた方は「イメージが違う!」と思われるかもしれない。
でもこれは全く新しい「ルパン」として観て欲しい。
なぜなら想像は人それぞれであり、それが全てではないのだから。
原作が、イメージが、そんなことを思ってこの作品自体を楽しめないほど悲しい事はない。

1世紀経てもなお、愛される「ルパン」。
「手品の様な華麗な手口」「決して人を殺さない」
「貧乏人からは盗まない」「女性には心をすぐ奪われる」
そんなルパンの魅力にあなたの心も奪われる事となるだろう。

(2004年・フランス映画)

(芝田 佳織)

セブンソード

観終わって、チラシの内容と自分の解釈とのギャップに、
しばし頭を抱え込んでしまった。
ここに書かれている事が、本当に描かれていたのだとしたら、
私は一体何を観ていたのだろうかと…。

ベースとなったのは、武侠小説のベストセラー「七剣下天山」。
七人の剣士が操る、七つの剣――。
剣は剣士を育て、また、剣士の精神は剣に反映される。
他の小説との決定的な違いは、剣の描写が異様に多い事だった。
ツイ・ハーク監督は、初版が刊行された1970年代にはすでに、
この物語の持つ魅力に取り憑かれていた。
30余年の時を経て、物語は彼の許に。
しかし、授かった物を七剣士たちのようには使いこなせていない、
ツイ・ハークであった。

最大のミスは、肝心カナメのキャラが立っていない事。
七剣士誕生のプロセスは分かりにくいし、剣の持つ性質も何が何だか…
(アクションシーンの画面が暗いせいも有る)。
不親切と言ってもいいぐらい。
試写会のMCによる説明が無ければ、レオン・ライは「防守」の剣の使い手、
ドニー・イェンは「攻撃」の剣の使い手、なんて事すら分からなかった。
ベネチア映画祭ではオープニング上映されているし、世界も視野に入れて
いるんじゃないかと思うのだが、いくら、「中国、台湾、香港のトップスターを
集めました」と言っても、よその国の人は知らないんだから、
もっと判別しやすいように描いてほしかった。

七人の個性が埋没してしまっている中、頭領の娘役、チャン・チンチューの
ひたむきな演技が光っていた。
役柄的にも、実は一番オイシイのかも。
ジョン・ウー監督の次回作への出演が決まっているという彼女に、
これから注目していきたい。

最後に、アクションシーンについて。
ワイヤー・アクションを極力排除し、リアルさを追求した姿勢は立派だが、
終盤のドニー・イェンのシーンが良かったぐらいで、特にコレと言った物も無かった。
白状しよう、中盤のアクションシーンで、私はすっかりダレてしまっていたのだ。
「セブンソード」よ、“剣”闘をお祈りする。

(2005年・香港/中国映画)

(川口 桂)


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先どり予告編~9月23日封切り@USA~

フライトプラン (“TRAILER 予告編”をクリック→視聴方法を選択) (航空機設計士の
 娘が、高度1万メートルの上空で失踪した。容疑者は425人の乗客。
 /2006年正月第2弾で日本公開予定)
 出演:ジョディ・フォスター、ピーター・サースガート、ショーン・ビーン、
     エリカ・クリステンセン

Roll Bounce (“GET DOWN”にカーソルを置き、“TRAILER”をクリック→視聴方法を
 選択) ('70年代を舞台に、ローラースケートに情熱を注ぐ若者たちの青春を、懐かしの
 ソウル・ミュージックに乗せて描く。/日本公開未定)
 出演:バウ・ワウ

ティム・バートンのコープス・ブライド (“Video”をクリック→種類を選択 日本語サイトは
 近日オープン) (悪ふざけで骸骨に結婚指輪をはめた男は、死体の花嫁に
 迫られて…。ストップモーション・アニメ。/10月日本公開予定)
 監督:ティム・バートン(「チャーリーとチョコレート工場」)
 声の出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター、エミリー・ワトソン



★地域限定公開作品★

Daltry Calhoun (近日視聴スタート。人物の胸バッジの右側上段をクリック)
 (難航するゴルフ場経営と、突然の父親業に右往左往する男。/日本公開未定)
 製作総指揮:クエンティン・タランティーノ(「パルプ・フィクション」「キル・ビル」監督)
 出演:ジョニー・ノックスヴィル、ジュリエット・ルイス

Dear Wendy (画面をクリック→“TRAILER”をクリック→視聴方法を選択)
 (平和主義者だった若者が、銃に魅せられるようになり、秘密クラブを結成する。
 /日本公開未定)
 脚本:ラース・フォン・トリアー(「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ドッグヴィル」監督)
 出演:ジェイミー・ベル、ビル・プルマン

Dirty Love (近日視聴スタート。“TRAILER”をクリック) (彼氏に浮気された女性が、
 真実のパートナーを探し求めるロマンティック・コメディ/日本公開未定)

Dorian Blues (視聴方法を選択) (同性愛恐怖症の父と、花形スポーツ選手の兄を
 持つゲイの高校生の、悩み多き青春。/日本公開未定)

ヒストリー・オブ・バイオレンス(仮題) (“trailer & clip”をクリック→視聴方法を選択)
 (強盗を撃退した男は、メディアの注目を集めた事から、ギャングの目に留まり…。
 /2006年日本公開予定)
 監督:デビッド・クローネンバーグ(「ザ・フライ」)
 出演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート

Into the Fire (視聴方法を選択) (航空機墜落の夜、引き合わされた3人の運命。
 /日本公開未定)
 出演:ショーン・パトリック・フラナリー、メリーナ・カナカレデス

オリバー・ツイスト (“ENTER THE SITE”をクリック→“MEDIA”をクリック→
 “TRAILER”をクリック→視聴方法を選択) (孤児の少年は、スリの一味に
 利用されるが…。同名小説の、数度目の映画化。/2006年正月第2弾で
 日本公開予定)
 監督:ロマン・ポランスキー(「戦場のピアニスト」) 原作:チャールズ・ディケンズ
 出演:ベン・キングスレー

暗い日曜日

シャンソンの哀しい調べに誘われるように、人々は自らの命を絶っていく…。
1930年代、名曲「暗い日曜日」を聴きながら自殺する者が続出、
世界各国で発禁処分となったという実話を基に、男女の愛の形を浮き彫りにする。

メディアファクトリー暗い日曜日



ハンガリーのブタペスト。瀟洒なレストラン“サボー”にて、誕生日パーティの
主役である老紳士が急死するという事件が起こる。
彼が最後に聴いたのは、「暗い日曜日」。
そして、最後に目にしたのは、ある女性の写真だった…。

時は遡って、60年前の“サボー”。
ユダヤ人経営者のラズロと、その恋人イロナは、アンドラーシュという青年を、
ピアニストとして店に迎え入れる。
若く美しいイロナは、たちまちアンドラーシュを虜にしてしまい、
二人の男が一人の女を共有するという、奇妙な三角関係が始まった。

イロナへの想いを込めて、曲を書き上げるアンドラーシュ。
その曲「暗い日曜日」は、不思議なまでに聴く者の心を捉え、
店ではリクエストが相次ぐようになり、ついにはレコード化の話が持ち込まれる。

しかし、ラジオで、レコードで、メロディーが流れ、世界中に広まっていくと共に、
どういうわけか自殺者が増えていくのだった。
「暗い日曜日」は作曲した本人のアンドラーシュにまで影響を及ぼし、
三人の関係は、ある日突然、崩れてしまう…。

望むと望まざるとに関わらず、イロナは出逢った男たちを夢中にさせてしまう女だ。
類稀なる美貌に恵まれた女性は、男に幸福感をもたらすが、時として破滅に導く。
そして、その代償として、自らも運命に翻弄される。
説明の付かない美しさを必要とされるこの役を、エリカ・マロジャーンは、
男性を包み込む母性をたたえて、まるで聖母マリアのように演じている。

これが単なる愛憎劇なら、“ありきたりのフランス映画”のような雰囲気で
終わってしまっただろうが、歴史的背景を巧く物語に取り入れている。
ナチスドイツによるユダヤ人狩りが、様々な試練を与える。
その時、何を考え、どう行動するのか。
登場人物それぞれの気持ちが試される。

そして、小粋にあしらわれたミステリーの要素(あくまでも“要素”であって、
主体ではない)。
曲の持つ神秘性が、このテイストを滲ませる為の、相乗効果の役割を果たしている。
忘れられないラストシーンに向けて生きてくる小道具が、
冒頭から少しずつ登場するので、しっかり見ておいてほしい。

(1999年・ドイツ/ハンガリー映画)

(川口 桂)

シン・シティ

アメコミ界の鬼才、フランク・ミラーの世界に魅せられたロバート・ロドリゲス監督が、
10年に及ぶ求愛を経て映画化を実現させたアクション大作。
かつてない程の「刺激世界(シン・シティ)」がこの秋、日本に上陸する!

フランク・ミラーとロバート・ロドリゲスがタッグを組むという噂は
ハリウッド中を巻き込み、主演級の俳優がぞくぞくと参加を表明。
ロドリゲス監督の友人、クエンティン・タランティーノまでが1シーン、
ゲスト監督として参加し(ちなみにギャラは1ドルだとか)
映画好きにはたまらない作品が出来上がった!

舞台は架空の街「シン・シティ」。
そこは腐敗した「罪の街」。ルールはなく権力の前に正義はない。

物語はエピソード1、2、3の3部作。
原作でいう所の「Sin City」「The Big Fat Kill」「That Yellow Bastard」
の3つのオムニバスとなる。(すべて関連はあり登場人物も繋がる)
心に傷をもつ3人の男が「愛する女」のため権力に立ち向かっていく物語だ。

エピソード1: 仮出所中のマーブはフランケン・シュタインの様な外見のため
プロの女も寄ってこない。
そんな彼に初めて「愛」をくれた女が殺された。
マーブは愛する女のため復讐に立上がる……

エピソード2: ドワイトは顔を何度も整形した死刑囚。
娼婦が仕切るオールドタウンで、ある事件が起きる。
この街のリーダー、ゲイルはドワイトのかつての恋人であり今でも愛し合う仲。
ドワイトはゲイルのため壮絶な闘いに挑んでいく……

エピソード3: ハーディガンは無実の罪で投獄されていた刑事。
8年前に殺人鬼である権力者の息子から少女ナンシーを救ったのだ。
ナンシーは8年間、ハーディガンに手紙を送り続ける。
しかし19歳になったナンシーに危険が近づく。
ハーディガンはナンシーを救う為、再び立上がる……

豪華キャストは以下
マーブ    : ミッキー・ローク 「ナイン・ハーフ」「エンゼル・ハート」
ドワイト   : クライブ・オーウェン 「キング・アーサー」「クローサー」
ハーディガン : ブルース・ウィリス 「ダイ・ハード」「シックス・センス」
ナンシー   : ジェシカ・アルバ  「ファンタスティック・フォー

その他、ベニチオ・デル・トロ、ブリタニー・マーフィー、イライジャ・ウッド、
ジョシュ・ハートネット、ロザリオ・ドーソン、デヴォン・青木、
マイケル・クラーク・ダンカン……以下多いので省略!

このデル・トロはどうよ?イライジャもそれはアリなの?
という役で登場。ジョシュもチョイ役ながら重要な役どころ。
これほどの豪華俳優を集められるってロドリゲス監督(「デスペラード」「スパイキッズ」)って

すごい人なのね。
正直「デスペラード」の時も「何じゃこの映画!」と驚いたけれど
やはり独特の世界を持っているというか、普通の人ではない!

ソニー・ピクチャーズエンタテインメントデスペラード



はっきり言って「好き」「嫌い」真っ二つに別れる映画だろう。
「キル・ビル」よりもエグイ残酷シーンが続出。
そういうのダメは人は間違いなくひくと思う。
でもここまでされちゃ、道徳的とか教育的とか通りすぎて
全くの「別世界」として見れてしまう。
でも一応テーマは「愛」であり究極のラブストーリーでもあるんだ。
でもデートには……どうだろ?

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンキル・ビル Vol.1 (UMD Video)


映画好き同士で行けばこの豪華キャストに鑑賞後、3時間は語れるんじゃないかな。
そう言えばブルース・ウィリスが出てきた当時、ミッキー・ロークと
似てるって言われてなかった?とかね。

映像も変わっていて、アニメ感を失わない様に白黒が基本。
そこに血や唇の「赤」が鮮明に強調される2色カラーの様な世界が広がる。
(グリーン・バック方式(背景を全て後からつける)で撮影されている)

とにかく「刺激的」であることは間違いない。
夏の大作も終わり落ち着いた感をみせた映画界に、殴り込みをかける様な作品だ。
映画好きならはずせない1本の映画である事は間違いない。
この秋、かつてない程の「刺激」を味わって欲しい。

(2005年・アメリカ映画)


(芝田 佳織)

映画ランキング@USA速報!(9月18日付)

1位(初) Just Like Heaven  (孤独な建築家が引っ越したアパートに、美しい幽霊が
       現れて…。ロマンティック・コメディ。/1週目/日本公開未定)
       監督:マーク・S・ウォーターズ(「フォーチュン・クッキー」)
       出演:リース・ウィザースプーン、マーク・ラファロ

2位(↓) The Exorcism of Emily Rose  (女性弁護士の担当する殺人事件の
       捜査線上に、若い娘に悪魔祓いを施していた牧師の存在が浮かび上がる。
       /2週目/日本公開未定)
       出演:ローラ・リニー、トム・ウィルキンソン、キャンベル・スコット

3位(初) Lord of War  (武器商人は、インターポールに追われるうちに、自らの
       道徳心と向き合うようになる。/1週目/12月日本公開予定)
       監督・脚本:アンドリュー・ニコル(「ガタカ」「シモーヌ」)
       出演:ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク、ブリジット・モイナハン、
           ジャレッド・レトー、イアン・ホルム、ドナルド・サザーランド

4位(↓) The 40-Year-Old Virgin (40歳の童貞男を巡るラブ・コメディ
       /5週目/日本公開未定)
       出演:スティーブ・カレル

5位(初) Cry Wolf  (高校生グループが、殺人事件に便乗し、連続殺人鬼の噂を捏造。
       しかし、それが真実になっていく。/1週目/日本公開未定)
       出演:ジュリアン・モリス、ジャレッド・パダレッキ、ジョン・ボン・ジョビ

6位(↓) トランスポーター2  (引退して雇われ運転手になったフランクだが、
       雇い主の息子が誘拐され、事件解決に乗り出す/3週目
       /2006年日本公開予定)
       監督:ルイ・レテリエ(「トランスポーター」「ダニー・ザ・ドッグ」)
       脚本:リュック・ベッソン他
       出演:ジェイソン・ステイサム

7位(↓) The Constant Gardener  (「シティ・オブ・ゴッド」で世界に衝撃を与えた
       ブラジル人監督が、ハリウッドで放つラブ・スリラー/3週目/日本公開未定)
       監督:フェルナンド・メイレレス
       出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ

8位(↓) Red Eye  (父親の命と引き換えに、殺人に協力するよう脅される女性の、
       恐怖のフライト/5週目/日本公開未定)
       監督:ウェス・クレイブン
       出演:レイチェル・マクアダムス、キリアン・マーフィ

9位(↑) 皇帝ペンギン  (南極で力強く生き抜くペンギンのドキュメンタリー
       /13週目/日本公開中)
       声の出演:ロマーヌ・ボーランジェ

10位(↓) Wedding Crashers  (二人の離婚弁護士が、花嫁付き添いの娘を巡って
       騒動を巻き起こす/10週目/日本公開未定)
       出演:オーウェン・ウィルソン、ビンス・ボーン、クリストファー・ウォーケン、
           レイチェル・マクアダムス

理想の女(ひと)

「魅了的な人には2種類ある。全てを知り尽くした人と、何も知らない人とだ」
                         ……オスカー・ワイルド

19世紀末、イギリスで活躍した文豪、オスカー・ワイルド
(「ドリアン・グレイの肖像」、「サロメ」など)の戯曲「ウィンダミア卿夫人の扇 」が原作。
元々は室内劇だったものを1930年代のイタリア・社交界に舞台を移し、
魅了的な2人の女の「愛、嫉妬、嘘、秘密」が絡み合う粋な作品だ。

「女には2種類ある。歓迎される女と、早く帰って欲しいと思われる女。
私はその両方である」
そう語るのはアメリカ人女性のミセス・アーリン(ヘレン・ハント)。
数々のスキャンダルを生き抜いてきた彼女は男からは歓迎され、その妻達からは
嫉妬・敬遠される、まさに2種類の顔をもつ女。

彼女は新しいアバンチュールを求めてイタリア・アマルフィ海岸にやってきた。
ここは世界各国から上流社会の人たちがやってくる美しき避暑地。
ニューヨーク社交界の若きカップルとして知られるロバートとメグ(スカーレット・ヨハンソン)
のウィンダミア夫妻もやってきていた。
メグの誕生日プレゼントを探しているロバートに「純金をあしらった豪華な扇」
をアドバイスしながら近づくアーリ―ン。

いつしかアーリーンとロバートが密会しているという噂が立ち始める。
何も知らない純粋なメグは周りの噂に全く気付かない。
だがある日、浮気の証拠を発見してしまう。夫の裏切りに激しく傷つくメグ。
そこにはある秘密が隠されていた……

この映画が成功した理由は「2人の女」の魅力に尽きると思う。
まず、アーリーン。金持ちの男から貢がれ、女を敵にする彼女は最初はとても
嫌な女。しかしその裏に隠された秘密と切ない感情を知るといつしかみんな
彼女のファンになってしまう……

監督のマイク・バーカーも「この映画に惹かれた最大の理由はミセス・アーリーンの
キャラクターだった」と語る。
監督はすぐにヘレン・ハントに脚本を送り何度もオファーした。
そのお陰で見事ぴったりはまった美しくも切ないアーリーン像が完成。
さすがヘレン・ハント、強くて弱い女を見事に演じ切っている。

そして純粋無垢な女、メグを演じるのは「ロスト・イン・トランスレーション」
「真珠の耳飾りの少女」でゴールデン・グローブ賞にWノミネートされた
スカーレット・ヨハンソン。
「最もホットな女優である」という業界の噂をいち早くゲットした監督が
迷わずキャスティング。(2本の映画が公開される前に決定)
子供っぽい顔なのに妙に色気のあるあの瞳と唇で、男性をメロメロにする
メグを熱演している。
東北新社ロスト・イン・トランスレーション
メディアファクトリー真珠の耳飾りの少女 通常版


夫に嫉妬するあまりメグがアーリーンと同じドレスを着るシーンがある。
(かなりセクシーなドレスなのよ、目のやり場に困るほど)
42歳のヘレン・ハントと20歳のヨハンソン。
普通に考えたら42歳の方が損じゃない?と思うでしょ?
それがヘレン・ハントの方が正直似合っているところがすごい。
実はヘレン・ハント、当時妊娠中なのだ。
だから余計に綺麗なのかな?あれだったら42でも全然OKでしょって感じなのだ。
もちろんヨハンソンもかわいいんだけどね。

このドレスもしかり、当時の上流社会のドレスや小道具をみるだけでも
かなり満足できる作品だ。

個人的にはアーリーンにプロポーズするタピィという中年男性がいるんだけど
とても魅力的。
「イン・ザ・ベッドルーム」のトム・ウィルキンソンが演じているのだが
彼の存在がこの映画の潤い要素になっている事は間違いない。
何気ない優しさと台詞が女心をくすぐるのだ。
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンイン・ザ・ベッドルーム


オスカー・ワイルドは知っている方も多いだろうが悲劇的な人生を送った作家だ。
作品はヒットし社交界の花形だった彼は普通に結婚し子供をもった。
しかしある日、本当の自分に気付いてしまう。「同性愛者」だという事に。
当時は男性間の性的関係が法律で罰せられたいた時代。
彼は家族、世間を欺きながら若き貴族に愛を注ぐ。
だが、告発、逮捕、裁判闘争にまで発展し、敗訴したのは1895年。
彼は重労働をともなう2年の禁固刑を受け、財産、家族、名声全てを
失ってしまう。そう創作意欲さえも……
彼の人生は97年のイギリス映画「オスカー・ワイルド 」を観ていただけれは
よくわかるだろう。
ちなみに愛される若き貴族を演じているジュード・ロウがとても美しい。
そりゃ男でもいいわ?ってそういう問題じゃないね……

悪女は厄介で、悪女でない女は退屈……
人生で2つの悲劇は夢が叶うことと夢が叶わないこと……

この作品ではこういった2つの対比がよく出てくる。
それはきっと全て表と裏の顔があり2面性があるということか。
そう、何事も表だけ見てはいけない。
必ず裏がある。良くも悪くも、男にも女にも……

2人の女の2つの顔がみれる洒落た作品、何だか切ないこの季節にぴったりの映画なのだ。

(2004年・スペイン/イタリア/イギリス/ルクセンブルグ/アメリカ映画)

(芝田 佳織)

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