『桃さんのしあわせ(原題:桃姐)』を映画館で鑑賞。

私・龍虎は、後半は泣きっぱなしでした。


アジアを代表する女性監督と言われるアン・ホイ(許鞍華)による本作は、いつもの作風通り、ありふれた情景を淡々と綴る。このあたりは『女人、四十。(原題も同じ)』とかと一緒。


いかにもな感じの泣かせるシーンは一切ありません。

でも、桃さんを演じたディニー・イップ(葉德嫻)のなにげない仕草や、主演アンディ・ラウのさりげない表情に、つい涙腺がゆるむのです。


ディニー演じる桃さんと、アンディが演じるロジャー

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ここ、細かいやりとりが、いいシーンなんだよね


ひさびさにジワーと染みいる映画を観ました。

映画館を出てからも涙がしみじみ溢れてくるのです。


ストーリーはざっとこんな感じ。


60年間も同じ家族(梁家)に仕えてきた家政婦の桃さん(演ずるのはディニー・イップ)。

梁家のほとんどはアメリカに移住したが、そのうち映画プロデューサーになったロジャー(演じるのはアンディ・ラウ)だけが、香港で桃さんの世話を受けていた。


50男になっても独身のロジャーは、当たり前のように桃さんに身の回りの世話を焼いてもらっていた。

しかし、ある日、桃さんが脳出血で倒れ、半身麻痺になってしまう。


家政婦を辞めて、老人ホームに入った桃さんを、経済的にも精神的にも支えるロジャー。

ロジャーは桃さんが家にいなくなったことで、あらためて桃さんへの感謝の気持ちと親しみの念を感じる。


桃さんとロジャーは、あくまで家政婦と雇い主という関係であるはずが、いつのまにか母親と実の息子のようにも見えてくる。

そして、その関係性は、がらりと変わるというよりは、徐々に変化する感じの演出がすごく丁寧だと思う。


イイ映画だと思う。


ところで、本作で桃さんを演じた主演ディニーは、本作によってヴェネチア国際映画祭で主演女優賞をとったとのこと。

アジア人で二人目という快挙(もう一人は日本人の乙羽信子で1979年に映画『絞殺』で受賞したようだ)。


台湾金獅子賞も三部門とってるね。中華圏のチラシにはそれが書いてありますよ。


繁体字で書いてあるので香港か台湾のチラシ
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ちなみに香港も台湾も3月9日封切りだったみたい


日本のチラシではヴェネチアをアピール

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左上の白黒写真に注目! もしかするとお二人の若い頃の写真を合成か?


この白黒写真のシーンは劇中にはなかったと思う(別の白黒写真が使われていた)。

私は映画鑑賞後に、このチラシを手に取ったのだけど、とってもいい写真(合成だと思うけれど)で、またまた涙してしまったよ。


しばらくは思い出し泣き(!)するだろうなぁ。

余韻の残る映画でした。


これから地方でも上映されるみたい。

オススメです。

やった!

本ブログでも何度も記事にしてきたトニー・レオン主演、ラウ・チンワン、ジョウ・シュン共演の大作映画『大魔術師』が日本でも見られることに。


タイトルは『大魔術師 Xのダブル・トリック』。


ロードショーではなく、シネマートで開催される「冬の香港傑作映画まつり」の一本としてだけど、こんなにうれしいことはありません。


ありがとう、シネマート六本木 さん。

(香港傑作映画まつりの該当ページにダイレクトリンクしておきます)


二日前に入ったニュースなので、チラシとかはまだ出来てないかもしれませんが、シネマートさんにアップされていた画像を引用させていただきます。

シネマートさん、宣伝ということで画像拝借ご勘弁!


大魔術師のトニーさん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はシネマート香港傑作映画まつりページより


そして、そして、さらに嬉しいことには、チャン・ツーイー、アーロン・クォック主演の『最愛』まで公開してくれること。この映画は2011年の名作。


最愛に主演のツーイーとアーロン

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画像はシネマート香港傑作映画まつりページより


よかった、こちらもシネマートで見れるのね。

(地方在住だから行くの大変だけど)


もう一個、これも見逃せないかもしれない。

アーロン主演の『殺人犯』で、あっと言わせるサスペンスを撮ったロイ・チョウ(周顧揚)監督による『狼たちのノクターン<夜想曲>(原題:大追捕)』。


狼たちのノクターンのサイモン・ヤム(任達華)
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主演はニック・チョン(張家輝)なんだけどね


そういえば、『殺人犯』は本ブログで紹介してないけど、衝撃の作品であることは私が保証します!


サスペンスだからネタバレになるようなことは一切書けないのだけど、だまされたと思って見て欲しい。絶対に損はしないから。


殺人犯のDVDジャケット

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画像はamazonさんより拝借


アーロンが怖いコワーイ顔でハンニバル的なお話を想像させます。

そう、心理サスペンスです。ほんとスゴイから。


この作品を見たらロイ・チョウという監督のすごさが分かる。

私は次回作が見たかったけれど、なかなか機会がなく、本作『狼たちの~』でそれが叶うことになりそうです。

いま気づいたけど、シネマートは『殺人犯』もかつて公開してくれていたのね。ありがたや。


おっと、大魔術師の公開についての記事のはずが!

でも、もう大魔術師については何度も記事にしたからね。


 2012/01/21記事 見たいです。トニー・レオン主演「大魔術師」

 2012/03/12記事 「大魔術師」からトニー主演「五行伏妖」を予想する  


とにかく! シネマートよ、いつもお世話になってます! 感謝!


あれ、考えてみると「香港傑作映画まつり」と言いながら、上の三作の中で、純粋な香港映画は『狼たちの~』だけだ。

ま、細かいことはいいねっ!!

初のインドネシア映画。


というか、なかなか東南アジアの映画は入って来ないんだよね。

っていう、物珍しさで、「え? インドネシア映画? とりあえず見とこう」などと、ほとんど内容を吟味せず見に行ってしまった『ザ・レイド』。


いやぁすごかった。

何がすごいかってのっけから最後まで全部アクション。

ドラマなし。

100分中85分が戦闘シーン。

ってオープニングとエンディング除いたら、全部じゃん!


チラシです
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世界の映画祭で話題沸騰!!!! って書いてある(ビックリマーク 多いな!)


ほんとは、インドネシアのジャカルタの風景なんかを楽しもうと思ったんだけどね。

映画には一切出てきません。


私はアクション映画が好きだけど、さすがに疲れました。


主演のイコ・ウワイス君(左)と、めっちゃ強い悪役ヤヤン・ルヒアン(右)。

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

画像は映画.comさんより


最初は全然強そうに見えないヤヤン氏が、中盤以降は最強の悪役に。

この二人は「世界50ヶ国以上で軍隊正式採用」という格闘術シラットの達人だそうな。

けっこう武術とか格闘技に詳しいつもりでいたけどシラット知らなかった。

それにしても既にハリウッドリメイクが決定しているというこの映画。

インドネシア映画がハリウッド映画になるってのは、初めてじゃなかろうか。

とはいえ、監督のギャレス・エヴァンスはイギリス人なんだよね。

ただ、監督作は前作の『ザ・タイガーキッド ~旅立ちの鉄拳~』も含め、いずれもインドネシア映画(ちなみに主演も同じイコ君)。

インドネシア発ということでもいいのかなぁ。


一部マニアからは、タイから生まれた『マッハ!!!!!!!!』(これもビックリマークいくつあんだよ!)以来のリアル・ファイト作品と評されているようです。

確かに、それは認めます。あれもアクションばっかりだったもんね。


そういや、タイの映画もまだレビューしてなかったっけ。


イコ君はジャッキー映画やサモ・ハン作品を手本にしているそうですが、リアル・ファイトって分野を開拓したのはサモ・ハンのスタント・チームなんだよね。


香港映画のリアル・ファイトのほうがスタイリッシュで、残酷描写もエグくはないから、私は好き。ドラマ部分ももうちっと魅せる部分あるし。


評価は難しい映画だなぁ。ストーリーもなんで?って部分が多々ある。

ハリウッドリメイクがされたら、どんな映画になるのかしら。まぁそれはそれで興味があるな。

中国=日本合作映画『スイートハート・チョコレート(中国題:甜心巧克力)』は中国では2012年末か2013年始めに公開予定。日本では2013年春公開予定。


北海道は夕張ロケ&中国は上海ロケってことや、主演がリン・チーリン(林志玲)と池内博之で、その二人の10年に及ぶ恋愛を描くってのが本筋。

夕張が中国人に注目されるかどうか、そしてチーリンが女子大生から三十路まで演じきれるのか、という点が興味深い作品なんだよね。


で、この注目作品。

もうかなり前に決まっていたけど、10/20-28に開催される第25回東京国際映画祭(TIFF)の「アジアの風(中東パノラマ)」部門に出品されることになっています。

TIFFスケジュールによれば、25日の17:45より、TOHOシネマズ六本木会場にて公開。


映画『スイートハート・チョコレート』より

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はTIFFの作品紹介ページより


バックは夕張マウントレースイだろうか。

六本木で開かれる映画祭に行けば、注目作品がいち早く見られるわけですよ。

っていうか、チーリンの美しさに一足早く触れられるぞよ。


ストーリーはTIFFサイト に詳しい。

私が簡単に要約しちゃうと、


上海からきた画学生リンユエ(リン・チーリン)は、夕張で、レスキュー隊の守(福地祐介)と恋に落ちる。守はその後に死んじゃう。上海に戻ったリンユエは、チョコレート・ショップを開店するが、守の兄貴分だった総一郎(池内博之)は上海に来て、リンユエを見守るが・・・。


っていう内容。

日中合作(中国の出資が多いようだから、中日合作と言った方が適当か)だけど、監督は日本人の篠原哲雄監督。

多作な監督だけど、最近では浅田次郎原作の『地下鉄(メトロ)に乗って』(2006年)が佳作じゃないかな。もちろん、原作がすごく良いお話だったってのも大きいけど。


夕張のシーンが感動的に映っていればいいなぁ。


以下の写真は、劇中の夕張鐘。
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画像はTIFFの作品紹介ページより


チーリン、夕張に初めて来た時は日本に留学しにきた画学生(美大生)という設定のはずだ。

いやぁ、御年37歳のチーリンが、20歳代前半であろう学生を演じるわけですが、まったく違和感がないんだろうね。

この写真は遠目でよくわからないけれど、たぶん30代になってから再訪した場面じゃないかな。


次は画像が不鮮明でわかりにくいけど、おそらくは上海の街角
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はTIFFの作品紹介ページより


冒頭の写真と池内のコートや髪型が一緒のところから判断するに、やはり30代になってからのものか。


モデル出身の池内と背丈が並んでる! さすがアジアの女神だぁ(個人的趣味)。


さーて、それよりも私・龍虎が東京国際映画祭に足を運べるかどうか、それも問題だなぁ。


今回のTIFFでは、やはり注目されていた香港映画『浮城 (うきしろ)(原題:浮城)』が、一連の尖閣問題の影響で上映中止に。


『浮城』のワンシーン。中央はアーロン・クォック(郭富城)

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画像はTIFFの作品紹介ページより

こちらは監督が巨匠イム・ホー(厳浩)の久々の作品で、アーロンの熱演にもすさまじいものがあるらしく、上映中止が大変惜しまれます。

政治と文化は別物と考えていただき、この時期だからこそ、出品してもらいたかったものですね。


中日合作の『スイートハート・チョコレート』は予定通り公開されますように。

本ブログが勝手に応援している若手アクション女優の武田梨奈さん。

(アメブロにオフィシャルブログ もあります)


武田梨奈さんはこの人

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画像はアメブロオフィシャルブログより


本ブログによる以前の応援記事(2012/1/24付け「国産アクション女優・武田梨奈を育てよう!」)はこちら です。


で、今回は大ニュース!!


なんと、彼女の主演映画『デッド寿司』が、アメリカ最大規模の特定ジャンル映画祭である「ファンタスティック・フェスト(Fantastic Fest)」に出品されていて、先頃、コメディ女優賞(Gutbusters, Best Actress)を受賞したというニュースが飛び込んできました。

(Livedoor NEWS 2012/9/27付け・・・速報できなくてゴメンなさい)


コメディ女優賞ということで、「?」と思われると思いますが、この映画『デッド寿司』は、タイトル通りにかなりのおふざけ映画。

だって、寿司が人を襲うっていう設定ですよ。人を食った設定とはまさにこのこと。


劇中でカラテガールならぬスシガールを演じる武田梨奈さん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ファンタスティック・フェスト公式ページ より


『デッド寿司』の公式サイト には、予告篇もポップアップされるようになっているのでご関心の方はご覧あれ。

寿司がおどろおどろしく動きだして、人間を襲うという、アホな予告が動き出します。

特撮もわざとチープにしてるのでしょうか、苦笑を禁じ得ません。

でも、それが狙いなんだろうね~。


宣伝素材と思われる武田梨奈さんのショット

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なぜに寿司屋でファイティングポーズ?


ただまぁ、予告編を見る限り、梨奈さんのアクションシーンはたくさんあるようです。
監督の井口昇さんは、これまでに『片腕マシンガール』という、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭でも話題になった作品をつくってます。


片腕マシンガールの英語チラシ

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主演は八代みなせサン。


女子高生の片腕がマシンガンになっちゃうっていう、これもまた突飛な作品。

ただ、マニア的な方々からの人気は国際級だそうで。

ホンマかいな~。

でも、夕張で話題になってたのは、私も行っていたから知ってる。wikipediaにも内外でカルトな人気があるって書いてある。


で、本作『デッド寿司』もまた、カルトな方々が集まるファンタスティック・フェストで評価されたってわけ。

しかも主演の武田さんに賞が与えられたというんだから、スゴイ。


映画は一般の方のお口に合うかどうかわかりませんし、私自身もひいちゃいそうです。


ただ、私が頑張って欲しいと思っていた若手女優さんが、国際的に認められるのはやっぱ嬉しいことですね。

まぁ、このファンタスティック・フェストがどれだけステータスがあるか、それはまぁ置いておいて、こうしてニュースとして伝わってくるのは、素晴らしいことじゃありませんか。

とりあえず2013新春に新宿武蔵野館でレイトショーが決まっております。

見たいなぁ。いや、もちろん武田さんが出てなければ絶対に見に行かないようなジャンルなんだけどね。


もし見たらまたブログで記事にします。

久しぶりの韓国映画を鑑賞。

更新もちょっと間が空いてしまった。


今回は乃南アサ原作の韓国映画化『凍える牙』。


チラシ画像は公開中のシネマートさんより

ゴーイン・バックtoちゃいな
上はソン・ガンホ、下はイ・ナヨン


日本の漫画が原作の韓国映画は名作が多い。

その代表が、『オールド・ボーイ』だろうね。

私なんか、映画DVDも買っちゃったし、日本の漫画コミック(文庫版)も持っています!


おふざけ系だけど、『カンナさん大成功です!』もかなり笑えた。整形がテーマになっているので、日本の漫画が原作だけど、整形の本場である韓国でこそ映画化されたのもうなずける。


そして日本の小説を原作とした本作・凍える牙も、私はかなり成功した部類に入るんじゃないかと思うのです。

ストーリーはタイトル通りに牙を持った動物がサスペンスのカギとなる話ですが、それじゃ分からんだろうから、公式サイト から若干引用しときます。


大都市ソウルの一角で、不可解な人体発火現象が起こった。当初、焼身自殺と思われたその事件は人為的トリックが仕組まれた他殺と判明し、被害者の男は麻薬絡みの性犯罪に関わっていたことも明らかになる。

事件を担当することになった冴えない中年刑事サンギルは、パートナーの新米女性刑事ウニョンを疎ましく感じながらも、昇進に繋がる手柄を挙げようと捜査を進めていく。

やがて第二、第三の被害者が発生し、事件は得体の知れない連続殺人事件へと発展。しかも信じがたいことに実行犯は人間ではなく、犬と狼の交配種であるウルフドッグだった。いったい誰が、どのようにして、何のために、狼の血を引く“殺人犬”を操っているのか。捜査チームの中で唯一その衝撃的な殺人の瞬間を目撃したウニョンは、サンギルや同僚たちの差別的な扱いを堪え忍びながら、ソウルを震撼させる怪事件の真相ににじり寄っていくのだった・・・・


また、人体発火かよ!(アンディの『王朝の陰謀』のことね)と思われるかもしれんけど、この事件は序章。

実行犯がウルフドッグってのがカギね。


乃南アサの代表作といっていい作品。

日本では映画化こそしていないもののテレビドラマには二回もなっているらしい。


・2001年 天海祐希主演でドラマ化(NHKで放映)

・2010年 木村佳乃主演でドラマ化(「女刑事・音道貴子 凍える牙」のタイトルでテレビ朝日で放映)


なんというか、ナヨンは天海祐希と木村佳乃を足して二で割った雰囲気なんですよ。もともとね。

天海さんの男勝りな雰囲気のクールビューティに、木村さんの目力ある優しさを秘めたクールビューティのちょうど中間にあるというか。


だから、きっと原作の雰囲気通りなんでしょうね。


追記:映画チラシの裏側に、以下のような原作者からのメッセージが書いてありました。

 クライマックスのシーンで私は改めて

 監督に心から感謝した。そして感動していた。

 誰よりも『凍える牙』を理解していることが感じられたからだ。

                    乃南アサ『凍える牙』原作者

やっぱりね。


凍える牙のナヨン
ゴーイン・バックtoちゃいな ゴーイン・バックtoちゃいな
見方によっては天海さんにも木村さんにも近いものがあるでしょ


で、私は実は日本版ドラマは両方とも見ていません。

それで言うのも何なのですが、ナヨンが演じた主人公の女刑事・ウニョン(原作だと音道貴子)を演じる際に、天海さんでは宝塚男役ならではのめっぽう強い男役イメージのせいで、主人公の「弱さ」を表現できず、木村さんだとCMで見慣れた健全で優等生チックな笑顔が邪魔をして、今度は主人公の「挫折」を表現できてないような気がする。


その点、ナヨンはクールビューティだけど、非力な弱い女(劇中ではまさにそれを克服しようとするのだが)であるように見えるし、目力のある美人だけど健全というよりは病的(褒め言葉!)。


ウニョン(音道)の秘めた悲しみと、アクションシーンの緊迫感を、ナヨンはよく出していたと思うのだ。


もちろん、私・龍虎がイ・ナヨンのファンであることも影響していることは認めます。ハイ。

カン・ドンウォンと共演の『私たちの幸せな時間』のナヨンは良かった!(前に一度書きましたね。)


ところで、共演のソン・ガンホは、『シュリ』(1999)、『JSA』(2000)以来、韓国映画界のトップをひた走る俳優さん。

私は久々に彼の映画を見たけれど、やはり大御所だね。

ドンウォンと共演の『義兄弟』を見てみようかな。


義兄弟のガンホとドンウォン
ゴーイン・バックtoちゃいな
ドンウォン、やっぱカッコイイ


そして、本作の監督は『マルチュク青春通り』(クォン・サンウ主演)のユ・ハ。


マルチュク青春通りのDVD
ゴーイン・バックtoちゃいな
画像はamazonさんより


私はこのマルチュク青春通りもけっこう好きなんだけど、この凍える牙の演出もなかなかイイと思った。


おそらく原作が知名度の高い映画というのは賛否両論あるだろうけれど、オールド・ボーイがそうだったように、原作も映画もそれぞれ素晴らしいってのが理想だよね。

本作はさて、そのような評価を得られるものか。


全国で順次公開されてますが、見て損はないのでは、と思いますよ。

ゴーイン・バックtoちゃいな


谷垣健治氏がアクションコーディネーターということで、もうほとんどその理由だけで観に行っちゃった今夏注目の邦画『るろうに剣心』。


谷垣兄貴は、ドニー・イェンの武術指導パートナーとして数々の映画を振り付け、自らもスタントマン・役者として活躍している人物。

確かこのブログでも『捜査官X』のところで紹介しましたね。


はい、この方です(再掲)
ゴーイン・バックtoちゃいな
こんな場面ですいません


というわけで観てきました!


アクションを観に行ったに等しかったのですが、その期待はほぼ満足。

あ、このシーンは『孫文の義士団』にあったぞ、なんて独特の楽しみ方をしてたからね。


でも、新発見というか、収穫だったのは、主演の佐藤健さんのかっこよさ。


もともと前評判としては、


「抜群の運動神経」

「ヒロインの武井咲よりカワイイ」

「原作漫画のイメージにピッタリ」


ということは聞こえてきていたのです。


実際、佐藤健(以下、タケルン)のアクションは様になっていて、剣劇シーンは迫力があった。もちろん、スタントは使っているけれど、彼自身が演じてるシーンもなかなかなんだよね。

この意外な頑張りには、谷垣兄貴も太鼓判を押したとか、押してないとか(いや、押したんです、たぶん)。


それから、ヒロインの武井さんよりカワイイってのは、もちろん女性目線での話だったんだろうけど、いやぁ劇中のタケルンの美しさ(ってよりは邪気のない、たぶん原作もそんなイメージであろう)可愛さは、すごく良かったと思う。

原作からは飛躍しているって監督インタビューで見た記憶があるけれど、原作の世界観は壊してないんじゃないんかな。

って、私は原作は実は読んだことないので、アニメをチラ見した限りのぼやっとした感覚で申し上げてます。あしからず。


ほいで、タケルンがカワイイとかって声の件。

武井さんが肉食系ネコ科女子(勝手に命名)なのに比べると、草食系ネコ科男子(そんなのあるのか!)のタケルンが際立つのは、なんかわからんでもないんだよね。

実際に私が劇中の登場人物だったとして(例えば、江口洋介)、守ってあげたいのはタケルンの方だったりして。いや、もちろん、彼は果てしなく強いって役柄なんだけど、人斬り・殺し屋としての暗い過去を持つ、内面のナーバスなところを良く演じてたって気がするんだよね。


冒頭が邦画版ポスターです。

版権の問題がからむから、宣材のみ使用しました。


出演者のなかでは、相変わらず香川照之が役(武田観柳っていうしゃくれ出っ歯の悪いヤツ)になりきってるのがすさまじい。

香川さん、これまでも『あしたのジョー』の丹下段平や、『カイジ』の悪役(役名忘れた)など、漫画の世界しかあり得ない顔を見事に演じ切っちゃってるから、スゴイよホント。

よく見たら、この映画も歯の下列がぜんぶ入れ歯なんだ。終盤まで気が付かなかった。


ついでに、蒼井優ちゃんの謎の女医・恵役も、笑ってやってください。

原作がそうだから仕方ないんだろうけど、時既に維新後の明治の世でありながら、彼女の眉毛は平安時代のような紫式部眉毛。

もう、ほとんどギャグです。

けど、そこは演技力でなんとか演じ切りました。拍手!


二人とも、原作よりも漫画みたいな顔なんですよ~。


で、原作コミックはこんな感じ

ゴーイン・バックtoちゃいな
画像はamazonさんより


コミックは、上方からタケルン演じた剣心。その下が武井咲が演じた薫。

どお? ピッタリだよね。


まー、この際、映画としての出来はどうこう言わない。

邦画でカチッとしたアクション映画が作られるだけでも、私・龍虎は嬉しいのです。


これを機にタケルンを応援しようっと。

ついでに、同じロッテのFitsのCMつながりで、ノゾミン(佐々木希)も応援しよう。

(まぁ、彼女は映画にはもうあまり出ないだろうけど)


というわけで、アクションと役者さんの熱演を観る意味では、この映画はオススメします。

久しぶりの更新になっちゃった。


今日は、間近に迫った「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2012」で公開される映画について。


名前の通り、中華映画もたくさんやるであろうアジアフォーカス。

今年の開催は9月14日(金)~23日(日)。

あと一ヶ月を切りました。


ラインナップはこちら (公式サイトの映画一覧にリンク)。


この中で私・龍虎が一番に見たいものをご紹介。

ジャッキー・チェンの愛息ジェイシー・チャン(房祖名)主演の以下作品です。


『時空の扉 / Lee's Adventure (原題:李献計歴険記)』

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画像はアジアフォーカスさんより。


ジェイシーは、TWINSと共演した『花都大戦 ツインズ・エフェクトⅡ(原題:千機變 II 花都大戰)』で2004年に香港映画界にデビュー。日本では2006年に公開されたので、そのときに知った人も多いのでは。


花都大戦のポスター

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映画版ポスターです


主演はジェイシーなんだけど、大ヒットしたツインズ・エフェクトの続編っていう扱い。

(そもそもTWINSはジャッキーが売り出したのです)

当然、ツインズの二人は主役格で出ているし、ジャッキー自身も脇役で登場。

ポスターだと、さも主演ぽいけど、それでは息子の売り出しにならんもんね。


そんでもってスゴイのは、悪役でドニー・イェン様が登場。

さらにはジャッキーが可愛がっているダニエル・ウー(呉彦祖)まで登場。


こんだけやったらヒットするしかないっていう、本当に豪華な仕掛けと布陣ですよ。


ただ、日本公開ではポスターでも「誰、コレ」的な小さい写真の扱い。

アップにしときましょう。


ジェイシー君(花都大戦より)

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お父様に似てるけど、全体に顔は薄口


で、デビューからけっこう経ってしまったけれど、あんまりパッとしないジェイシー君。

しかーし、とうとう代表作の登場か!ってのが、今回のアジアフォーカス公開作の『時空の扉』なんだよね。


アジアフォーカスの紹介記事を見てみましょう。


  原作はカルト的人気を博した短編アニメ。

  他人と時間の感覚が違う“時差障害”を持った主人公が、

  交通事故で死んでしまった恋人を救うため

  ゲームを通してタイムトラベルを試みる


なるほど、原作はアニメですか!

しかもゲーム的要素もあり。こりゃあ、ヒットしそうな路線です。


劇中ショット
ゴーイン・バックtoちゃいな
画像はアジアフォーカスさんより


はっきり言って、この写真ではどんな作品かわからないよね。


原作となったアニメのワンシーン

ゴーイン・バックtoちゃいな
なるほど、ジェイシーに似てる!


どんな感じかイメージがつかなかったので、短編アニメの予告と、今作の予告を見てみました。


短編アニメの世界観は独特です。

実写の風景と、陰影をつけたアニメの絵とを、意図的にコラージュして、あえてコマを落として撮影してスタイリッシュにした感じ。

全体の雰囲気はダークな印象。


そして今作の方は、予告を見る限り、やっぱりダークな印象です。

アニメの世界観を生かすために、ゲームのシーンと現実がごっちゃになるような特撮シーンあり。

夢のシーンなのか、回想シーンなのかわからないけれど、アニメーション映像をミックスしちゃってます。

このあたり、「キル・ビル」で取り入れられた回想シーンのアニメに感じが似ています。


なにより、予告だけでも作品の興奮度は伝わってくる・・・。


というわけで、アジアフォーカスでも見逃せない作品になる予感。


ちなみに中国では2011年に公開されましたが、あんまり評判は聞こえてこない。

でも、面白そうなんだけどねぇ。


ところで、アジアフォーカスでは、他にも見たい作品があります。

なかでも映画祭も推してるのが、インド映画の『カハーニー/物語(英題:Kahaani)』。

もちろん、私も観たい!


さて、皆様は何を観たい?

『画皮』があまりに良かったのと、『画皮2』を観に行く機会になかなか恵まれないので、ここは別のもので我慢。

ということで、画皮と同じゴードン・チャン(陈嘉上)監督、両方に出ているスン・リー(孫儷)主演、そして可愛らしい劇中歌を奏でてくれた藤原いくろう(藤原育郎)の音楽という組み合わせの『画壁 MURAL』を見てみました。

2011年という最近の作品です。


Muralという単語は壁画という意味らしいです。中国語を逆さにしたらいいのね(笑)。


それでは、まずこの作品・画壁のビジュアルをご覧あれ。とにかく絢爛豪華・美女競演が特色。


画壁ポスター

ゴーイン・バックtoちゃいな
美女ばかりで色彩が綺麗でしょう?


この作品の女主角は最前列・左のスン・リー。
ゴーイン・バックtoちゃいな
公式サイトの人物紹介より


そして男主格は最前列・右のダン・チャオ(鄧超)。

ゴーイン・バックtoちゃいな
公式サイトの人物紹介より


スンちゃんは前作『画皮』に女道士として出ていたので、今作も引き続きだね。画皮では男勝りの脇役だったのでもったいないなぁと思っていた(ただ、アクションや演技の見せ場はいっぱいあった)けれど、今回は主役として思う存分、その美しさをアピール。


ちなみに『画皮』のときの道士役のスンちゃん

ゴーイン・バックtoちゃいな
美貌は封印ね。


そしてダン・チャオですが、以前に紹介した『王朝の陰謀』で若白髪の司法官を演じていました。


『王朝の陰謀』記事から画像を再掲しておきます

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司法官を演じていたダン・チャオ


さて、ストーリーの紹介を簡単にしておきますが、それは非常に簡単。

旅の途中、ある洞窟で休みをとることになった学者・朱孝廉(ダン・チャオが演じています)とその助手、そしてひょんなことから同道することになった屈強な山賊剣士の男三人がおりました。


学者・朱は、その洞窟の美しい壁画があることを見つけ、その絵に魅了されています。

すると、絵から一人の美しい女性が飛びだしてきて、朱は彼女に誘われるように壁画の世界に迷い込む。

すると、そこには美しい色彩に彩られた女だけの園があり、そこの女王・姑姑のもとで、絢爛豪華な衣装に身を包んだ美女達が、まるで天界の天使たちのように優雅に暮らしていました。

そこに人間、しかも男が迷い込んだから、さぁ大変。

おのずと一騒動があるという流れ。

命からがら絵の国から逃げ帰った学者・朱は、助けてくれた美女・牡丹のことが気にかかり・・・・。

今度は、助手と山賊も引き連れて絵の中に舞い戻る。

そりゃぁ、騒動が大きくなりますわな。


というお話です。


壁画から飛び出てきた美女・牡丹

ゴーイン・バックtoちゃいな
公式サイトの人物紹介より


牡丹を演じるのは鄭爽(日本名はまだ定訳がない)という若手女優。龍虎はこの映画でお初にお目にかかったと思う。すっごくキュートです。

こんな美女が飛び出てきたら、そりゃノコノコとついて行っちゃうかも。


そして、山賊剣士を演じるのは、ジェット・リーやドニー・イェン映画の悪役でおなじみ、そしてマトリックスにも出ていたコリン・チョウ(倪星)。


公式サイトの人物紹介よりコリン・チョウ

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顔を見れば「あー」って思い出すでしょ。


頼りない助手を演じるのは、包贝尔(日本名はまだ定訳がない)です。


公式サイトの人物紹介より包贝尔

ゴーイン・バックtoちゃいな
相当に中華映画が好きな人なら見たことがあるかも。


さーて、この映画の見所を述べておきましょう。


大ヒットした前作『画皮』にくらべると、今回はややストーリーは平板で、アクションもそれほどありません。

妖艶なジョウ・シュン姐が担当する幻想怪奇な横恋慕に、ヴィッキー・チャオのけなげな夫への愛、そしてドニーさんとスンちゃんのアクションまで盛り込んだ前作とは異なり、今回はあくまで映像の優美さを出すことに専念したのかなと思います。


公式サイト (リンクしておきました)を見ていただければ、映画の世界観が理解できますよ。

自らのマウス操作で暗がりの中に松明をかざし、洞窟に描かれた壁画を見る仕掛けになっています。とっても凝った動的なホームページが、作品世界をよく表現しています。


http://huabi.ent.sina.com.cn/
ゴーイン・バックtoちゃいな

藤原いくろう氏の音楽も公式サイトで流れていますが、画皮がそうであったように、今回もとても愛らしい音楽と緊張感あるシーンの効果音楽をつくってくれています。ぜひご覧あれ。


とにかく美女を愛でたいなら、この映画はおすすめ。龍虎はやはり画皮のほうが面白かったと思うけれど、画皮2が相当にオドロオドロしい映画になっているみたいだから、この映画で口直しってのもいいかもよ。

中途半端なまとめで恐縮です。


それにしても、あー画皮2を早く観たい!

7/14からシネマート六本木で公開中の『白蛇伝説~ホワイト・スネーク~』。


シネマートの「2012 夏の香港傑作映画まつり」の一作として7/27まで公開中なんだけど、ジェットファンや中華電影ファンはどれくらい見ただろ?


かくいう私は地方在住のため、未だ見られず。

大阪では、シネマート心斎橋でも「2012 夏の香港傑作映画まつり」をやるから、たぶん8/4くらいから見られるよ。


さて、とはいうものの劇場では見てないけれど、DVDを買ってきて見ていることは見てるんだ。


今日はその中から、あらすじには触れず、見所をずばっと紹介。


まずは冒頭の雪女役ビビアン・スー(徐若瑄)とジェットとの対決シーン。

ゴーイン・バックtoちゃいな
真っ赤な雪女って普通はないけど、雪の中に映える。


妖怪は美しい方が迫力がある。


で、雪女のアップ。

ゴーイン・バックtoちゃいな
すごい綺麗で、すごい恐い。


で、お次は、これも敵というか、ジェットの弟子とか道中で知り合った書生が恋に落ちる妖怪の姉妹。

ゴーイン・バックtoちゃいな
DVDジャケットから。

左が白蛇役のホアン・シェンイー(黄聖依)。

右が青蛇役のシャーリーン・チョイ(蔡卓妍)。


シャーリーンはTWINSの頃から比べると、相当きれいになったように見える。

こんな幸薄そうな感じじゃなかったのに、最近は『風雲2 ストームウォーリアーズ』と言い、いい感じだよ。


主役でジェットが道中に知り合う書生と恋に落ちる白蛇を演じたホアン・シェンイーは『カンフー・ハッスル』でおなじみ。

彼女はあまり変わってないね。


ただ、カンフー・ハッスルのときは、口のきけない役だったし、まだデビューしたてということもあって純朴な印象だったんですが、この映画ではなんとなく妖艶な感じになってしまってました。

以前はとても可憐に見えたんですが、この役を演じるのは幸薄なほうがイイと思ったので、むしろシャーリーンの方を主役にしたらいいのに、っておもっちゃいました。


ともあれ、久々の映画主役級の出演のホアンさん。

一応、白蛇妖怪なので、ジェット演じるところの高僧に退治されそうになるという、チャイニーズ・ゴースト・ストーリーと同じようなお約束の展開はあります。


これ、対決シーンのポスターね。

ゴーイン・バックtoちゃいな

後ろに波が迫ってますが、こういうシーンは実際にあります。


ということで、もうお分かりかと思いますが、設定はチャイニーズ・ゴースト・ストーリーに似ています。

ジェットは高僧の法海という役なので、本当の主役は、書生役のレイモンド・ラム(林峰).です。


レイモンド・ラムくん。

ゴーイン・バックtoちゃいな
うん、チト頼りなさそうだが、いい男。


で、ジェットの弟子は青蛇のシャーリーンの方と恋に落ちるまではいかないけれど、いい雰囲気にはなります。


ジェットの弟子は彼。ウェン・ジャン(文章)くん。

ゴーイン・バックtoちゃいな
ラムくんよりももっと頼りないのだが、役に立つ時もあるという不思議な役。

が、基本は使えなさそうな感じ。


彼には、シャーリーンとのちょっとしたロマンスがあるにはある。

ゴーイン・バックtoちゃいな
なんだこの顔。


しかし、物語の主軸は、白蛇ホアンさんとラムくんとの恋。

ゴーイン・バックtoちゃいな
こんな感じ。


本作の監督もチン・シュータン(程小東)で、旧作の方のチャイニーズ・ゴースト・ストーリーの監督でもあるわけです。だから、どうしても物語の印象がカブりますよね。


しかし、高僧の方がビッグスターなもんだから、自然と見せ場は多いし、出番も多い。

アクション映画としては特撮シーンが多い(例の波のシーンがそれ)ので、ジェットの生のアクションが見れるわけではありません。しかも、敵は妖怪で、カンフー使いではないからね。

この点は、カンフーファンにはちょっと物足りないかも。


けれども、大作であることは間違いなく。ビビアンの冒頭シーンに出ていたり、特撮には相当なお金がかかっているようで、それらは満足行くことでしょう。


個人的には、私はジェットの演じる頑固な高僧役が、例のガラガラ声でピタリとはまっていたのと、青蛇のシャーリーンがお茶目かつ儚い印象も出ていて素敵だと思ったよ。


ところで、この白蛇伝説は日本ではほぼ原題のまま『白蛇伝説~ホワイト・スネーク~』となったわけだ。

原題名は、上のスチール写真に何度か小さく出てきている通り、『白蛇伝説 ITS LOVE』です。

英語タイトルはThe Sorcerer and the White Snakeだそうです。ちょっと意味が違うような。。。


しかし、台湾では『法海 白蛇伝説』となっていたようです。

ゴーイン・バックtoちゃいな
またしても、中華圏で違うタイトル。最近、目に付く現象だなぁ。


話はかわって、古い香港映画ファンには、今回の白蛇・青蛇の組み合わせで思い出す映画があるかもしれませんね。


ジョイ・ウォン(王祖賢)とマギー・チャン(張曼玉)のダブル主演でツイ・ハーク(徐克)監督で1993年に香港で制作された『青蛇転生(原題:青蛇)』がそれ。


青蛇のスチール。
ゴーイン・バックtoちゃいな
左がジョイで、右がマギー。

マギー、若い!


ジョイが白蛇、マギーが青蛇で双方が主役で、法海の役はチウ・マンチェク(趙文卓)だったけど、原題は青蛇なのです。


そう、設定が同じでしょ。

つまり、原作は今回の白蛇伝説も昔の青蛇転生も、ともに「青蛇」という李碧華が書いた小説がもとになっているそうなんですよ。

残念ながら、この青蛇転生は日本ではDVDにはなっていないので、たぶん見る手段がないと思う。


というわけで、皆さんは新作の白蛇伝説をぜひ楽しんで見てね。

おっと、私もまだ映画館では見てないのだった。急がねば。