じゃじゃーん、行ってきましたよ! 第8回大阪アジアン映画祭


17日まで開催中だし、すでに上映された映画も繰り返し上映する仕組み(すばらしい!)だから、このブログを見て気になった映画があったら、ぜひ足を運んでね。


私が見た映画を以下にリストアップ!

(画像はアジアンのサイトより拝借しました)


まずは初日。


オープニングセレモニーとともに公開されたジョニー・トー作品『毒戦』。


ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

ジョニー・トー監督も舞台挨拶に来てくれました!


この作品、はっきり言います!

絶対に見るべきです! 度肝を抜かれます。

トー作品では初の全編中国ロケ。とにかくすごいから。

写真上でルイス・クーの右にいる人物はスン・ホンレイ。超熱演だった。すごい俳優だわ。今後のスン氏の映画にも期待したい。


ちょうど折良くシネマート心斎橋ではジョニー・トー作品『奪命金』が上映中だったんだよね。これも14日まで。私は前週に別に心斎橋に見に行ってたから、運良く『映画監督ジョニー・トー 香港ノワールに生きて』という伝記映画も一緒に見ることができたんだよね。


そして二日目。


最初は台湾映画『BBS住人の正義』。


ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

残念ながらこの日は、ヒーロー・リン監督の舞台挨拶の日ではなく、3/16の回でリン監督が来る模様です。

チケットは売り切れているようですが、会場に行けばすれ違うことができるかもよ。ちなみに映画祭公式パンフを持っていれば映画上映後に会場で行われるサイン会にてサインをお願いすることはできるはず。


この作品は、21世紀FOXのマークが入っていて、かなりCGにはお金が入っています。そしてエンタメ作品として面白い!

若い人向けの作品とは思うけれど、アイデア満載で見て損はないと思う。

なにより、主演のチェン・ボーリンとアイビー・チェンのコンビは目の保養になりますよ。


続いて、マレーシア・台湾合作『カラ・キング』。

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

上の写真のバイクに乗って一番前にいるのが、主演で監督のNameweeさん。マレーシア人で、アジアン映画祭には去年も『ナシレマ2.0』という作品を出品し、舞台挨拶に来ています。これはマレーシア映画でした。

今年も舞台挨拶に来てくれました! ジョニー・トーさんと一緒に並んでましたよ。


この映画、写真を見てぴんとくると思うけれど、チャウ・シンチー作品の常連だったン・マンタが出ています。コメディ映画としてはまずまず面白い。


そして、映画館を変えまして、タイ映画『アンニョン! 君の名は』。

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
実は正直、タイトルからして韓国映画と間違うような感じだし、まったく期待してなかったのが、大収穫!

すごい、面白かった!

タイ映画ってこんなに楽しいの? こんなにキュートな青春映画が撮れるの?

そんでもって、このかわいらしい女優さんの名は?(→ヌンティダー・ソーポンちゃんと言います)

イケてないと思ったら終盤どんどんかっこよくなる主演男優くんの名は?(チャンタウィット・タナセーウィー君と言います)


いやぁ、新発見。タイ映画楽しいね! 見て損はないけれど、実はこの作品2011年のアジアン映画祭で公開されたものの再上映。このときはABC賞というのをもらったそうですよ。


ふう~。まだこの日は見たんだよ。最後は香港映画『低俗喜劇』。

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
名前の通り、低俗ギャグ満載の超お笑い映画。

いやー、笑った。すごい笑った。こんな低俗なギャグ映画は日本では作れないね(褒め言葉)。この日四作目という疲れも夜遅かった眠気もふっとぶおもしろさだったよ。


主演は写真を見てぴんとくる人は香港通だね。『インファナル・アフェア』でトニーレオンの弟分であるキョン役だったチャップマン・トーです。

下の写真の巨乳ちゃんは、ダダ・チャンちゃんです。めっちゃ可愛かった。なんと3/15の回では舞台挨拶に脚本のロッ・イーサムさんと一緒に来るとか。きゃー残念。生で見たかったよ。

ちなみに、上の写真の男性はロナルド・チェン。


ということで二日目終了。疲れたけど、幸せな気持ちで寝ましたよ。


三日目。


この日の最初は台湾映画『GF*BF』。

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

主演女優のグイ・ルンメイちゃん見たさで選んだのですが、ルンメイちゃんがすばらしい演技をしていた。映画そのものも戒厳令時代の台湾の若者の青春群像を独自のまなざしで描いて、すばらしい秀作。


主演男優二人、ジョセフ・チャンとリディアン・ヴォーンも文字通りの熱演だった。

とくに上の写真の左側ジョセフ・チャンの押さえた演技が気に入った!

リディアン・ヴォーンはあの台湾映画のヒット作『モンガに散る』に出ていたイギリスと台湾のハーフ君。こちらも味があったよ。


3/16の回ではヤン・ヤーチェ監督の舞台挨拶があるそうだ。

うーん、こーしてみると、私は舞台挨拶をかなり見逃しているなぁ。


この日の二作目はインド映画『わが人生三つの失敗』。

監督は舞台挨拶にもろもろの事情で来られなかったけれど、なんと今の大阪のインド領事が、あの『スラムドッグ・ミリオネア』の原作者だってことで、同じインドつながりで駆けつけてくれましたよ。これはこれでうれしかった。

しかし、あの映画の原作者ってエリートだったのね。


ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ


実は、あまり期待してなかったのよ。クリケットにかける夢ってのが地味に感じてしまって。

前評判をほとんど聞いてなかったし。


しかし、舞台挨拶のときに知ったのだけれど、この映画の監督アビシェク・カプールさんは超売れっ子。

あまりの忙しさで舞台挨拶にも来れなかったということでした。


そして、映画を観てみて納得。インド映画につきもののダンスシーンを必然性のあるワンシーンをのぞいてカットし、上映時間もインド映画にしては短い130分に押さえた。結果、全体に緊張感がみなぎるパワフルな作品に仕上がっている。そして、ストーリーそのものも宗教的政治的対立も取り込んだインドならではのもの。

主役三人の対立しながらも続いていく友情も、きちんと描かれていた。


韓国映画がその地理的政治的緊迫感を映画に盛り込んで独特のものになっているように、インド映画だってドラマティックな要素をたくさん盛り込めるのだね。インド映画をあらためて見直したよ!

これはきっと全国公開されると思うので、観た方がいいと思う。


この日の三作目は、趣向を変えて、アジアン映画祭の協賛企画だった《ブルース・リー 没後40年記念特集上映》の一本『ドラゴン危機一発!』に足を運んだ。
ま、この作品はブルースのデビュー作ですごい古い作品。私も子供の頃に映画館で没後10年というリバイバル上映を観ているけれど、あらためて観たくなったので行ってきました。

この作品については多くを語る必要はないよね。


というわけで、私のアジアン映画祭は、ジョニー・トーの現代香港映画(正確には中国・香港合作)に始まり、間に台湾、台湾・マレーシア、タイ、香港、台湾、インドをはさんで、香港映画を世界に知らしめたブルース・リー映画で幕を下ろしました。

あらためて私、8作品も観たのね。たった二泊三日で。でも、まだまだ観たかったよ。


大阪に住んでたら、もっともっと楽しみたかったアジアン映画祭。

仕事の都合で長くはいられなかったけれど、とってもいい映画体験になったよ。

ありがとう、大阪アジアン映画祭。


あ、各映画の詳細も、時間があったら記事にしたいと思います!

来年もぜったい行くよ!



シネマートで開催の「2012-2013 冬の香港傑作映画まつり」に駆け込みセーフで見てきました!

ロイ・チョウ監督の『狼たちのノクターン 夜想曲(原題:大追捕)』。


主演はニック・チョン

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

画像はシネマートさんサイトより


このおまつりには遠方から『最愛』を冬の香港傑作映画まつりで鑑賞! を見に行っているから三本中二本を見たことになります。


ただほんとは、『大魔術師』、『最愛』、『大追捕』本邦公開! で書いたように、見逃した大魔術師(日本語タイトルは『大魔術師 Xのダブル・トリック』)が一番見たかったんだけどね。


でも、やはり『殺人犯』(2009)で大注目されたロイ・チョウ監督の新作。やはり大どんでん返しが待っていた!

見れて良かったっす。

何度も書いているけれど、ありがとうシネマートさん。(涙)


さて、ストーリーね。

シネマートさんサイトのあらすじを要約すると、

刑務所から一人の男が出所。19歳の時に少女を殺害し投獄されていた犯人のウォン(ニック・チョン)が20年の服役を終えたのである。ピアノの調律師として働き始めるが、彼はそこでピアニストの少女、シュー(ジャニス・マン)と出会い驚愕する。何故なら彼女は、21年前の犠牲者とそっくりだからだ。

しばらくして海で惨殺死体が発見される。被害者はシューの父ツイ(マイケル・ウォン)である事が判明。事件の担当となったラム(サイモン・ヤム)が捜査を進めていくと、やがてウォンの存在が浮かび上がる。ウォンを追跡するラムだが、ウォンはまるでラムを手玉に取るかのように、神出鬼没な動きを繰り返す。

なぜ、ウォンが事件に関わっているのか? そして21年前の少女とシューの関係は? 謎がすべて繋がった時、そこには哀しくも衝撃的な真相が待ち受けていた…。

こんな感じ。


つまり本作はサイモン・ヤムとニック・チョンとの対決が主軸で、サイモンの主観で謎解き物語が進みます。


本作のサイモン・ヤムさん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はシネマートさんの香港傑作映画まつりサイトから


『殺人犯』ではアーロン・クォックと目に見えない犯人とのバトルが凄かったけれど、今作もニックの不気味さがスゴイ!

サイモンのオヤジも老体(失礼)にムチ打って、『密告・者』『ビースト・ストーカー/証人』などでの熱演で、狂気をともなった役がすっかり板に付いたニックとのすさまじい格闘シーンを演じてます。

太陽に吠えろばりに劇中かなりダッシュしていたけれど、大丈夫だったんでしょうか。


ちょっとスピード感が・・・
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
でもそれがかえってリアル


謎解きの妙についても、前作『殺人犯』ほどではないにしろラストは強烈。

これがロイ・チョウ節って感じに、これから定着していくのでしょうかね。

まだまだ新進気鋭の監督だけに、今後が楽しみでやんす。


こちらはサイモンの部下役だった謝安琪(ケイ・ツェ)
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ちょっと声がキュートだったので調べたら、本業は歌手のようです


さて、今回の日本語タイトルのノクターンや夜想曲という用語は、原題の大追捕とはだいぶん違うながらも、ピアノが主軸になっていることからは妥当な感じです(英語原題はNightfallです。)。

映画音楽を担当した梅林茂さんも、これも『殺人犯』に続いてメロディアスかつサスペンスフルな音楽でドラマを盛り上げています。


ま、タイトルのなかでは「狼」だけが?なんだけど、香港映画と一発でわかるタイトルは、私のように日頃から香港映画を物色している人には必要だから、まぁ必要悪としましょ。

ちなみに、「狼 男たちの挽歌 最終章」あたりが、狼=香港ノワールものの図式の最初かしらね。他にも「SPL 狼よ静かに死ね」とかいくつか前例があるのです。


結論ですが、見てソンはしない映画だと思うよ!

今年もこの時期になってきましたよ。

第8回大阪アジアン映画祭 」(3/8から3/17まで)が迫ってきました。


今年もアジアンのオープニング上映はジョニー・トー監督『毒戦』。


『毒戦』の主演はルイス・クー
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はアジアン映画祭公式サイトより


ルイス・クーはすっかりジョニー・トー組の印象が強くなりました。

主演本数も多作かつ日本でも公開されることが多いので、いまや香港映画を支える俳優に成長した感がありますね。

ジョニー・トーが多いために、クライム映画の人って印象が強くなっちゃったけどね。


そしてクロージング作品はリー・ユー(李玉)監督の『二重露光』。


『二重露光』の主演はファン・ビンビン。

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はアジアン映画祭公式サイトより


すごい表情のファン・ビンビンさん。

ファンさんは汚れ役が少ない印象なだけに、この映画での狂気の役は見物です。

今回はファン姐さんは大活躍でアジアン映画祭に三本出演。

他の二本の映画は、『ロスト・イン・北京』と『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』です。


今回のオープニングとクロージングのうち、『毒戦』が香港・中国合作で、『二重露光』が中国。

その他、台湾、シンガポール、タイ、フィリピン、インドからも多くの作品の出品があり、アジア映画ファンにはまさによだれもののアジアン映画祭。


中華電影にかぎっても、非常にラインナップが豊富なのですが、アジアンの公式サイトでは中華圏でくくってなかったので、以下にリスト化しちゃう。


日本語題名   英語題名(原題名)   制作年/国

毒戦  Drug War(毒戦) 2013年/中国・香港

二重露光~Double Xposure~  Double Xposure(二次曝光) 2012年/中国

恋の紫煙2  Love in the Buff(春嬌與志明) 2012年/香港

BBS住人の正義  Silent Code(BBS郷民的正義) 2012年/台湾

ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅  Buddha Mountain(観音山) 2010年/中国

低俗喜劇  Vulgaria(低俗喜劇) 2012年/香港

親愛  Beloved(親愛) 2012年/中国

ポーとミーのチャチャ  Cha Cha for Twins(寶米恰恰) 2012年/台湾

メモリー –First Time-  First Time(第一次) 2012年/香港、中国

GF*BF  GF*BF(女朋友。男朋友) 2012年/台湾

ロスト・イン・北京  Lost in Beijing(苹果) 2007年/中国

セデック・バレ 太陽旗  Warriors of the Rainbow Ⅰ: Sun Flag(賽德克·巴萊) 2011年/台湾

 (注意! セデック・バレは3/4のプレオープニング上映です)


いやぁ、すばらしいですアジアンさん。

もしかしたら、リストに漏れがあるかも。そのくらい中華映画が充実してます!


さて、このなかでも私がおすすめなのが、チェン・ボーリンとアイビー・チェン主演の『BBS住人の正義』。

前に一度、 アイビーちゃん主演の『聞説』という映画を紹介 したのですが、それでファンになったとです(笑)。内容はよく知らないけれど、ネット住人の反乱!? なんか、おもしろそう!


アイビーちゃんと台湾で人気のイケメン俳優チェン・ボーリン

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

画像はアジアン映画祭公式サイトより


それから、『GF*BF』には最近の台湾代表になった感のあるグイ・ルンメイちゃんが出てます。

グイちゃんは、このブログでは、『龍門飛甲(日本タイトルは「ドラゴンゲート」)』の紹介記事 で既出ね。


ピンボケだけど、右端が『GF*BF』でのグイちゃん 

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はアジアン映画祭公式サイトより


こちらも内容はよくわからん(無責任でスマン!)だけど、80年代の戒厳令下の台湾が舞台だって。

大ヒットした『モンガに散る』に時代が合ってます。そのせいか、モンガにも出ていたリディアン・ヴォーン(写真左)、チャン・シューハオ(写真中央)が出ているよ。

やっぱおもしろそう!!


というわけで、今回の記事は大阪アジアン映画祭の紹介記事なんです。

実際に大阪に行けるかどうかわからんけれど、行きたいなぁ。

行ったらまたレビューしまんがな!

まぁね、わかってたんですよ。

この映画がB級映画であるということは。

思うぞんぶんB級テイストを楽しませていただきました。いい意味で(笑)!


しかーし、この映画は、主演の武田梨奈さんがアメリカ・テキサス・オースティンで行われたFantastic Festで、コメディ女優賞(Gutbusters, Best Actress)を受賞したっていうくらい、徹底しているのです。

(くわしくは以前のブログ記事:祝!武田梨奈が米国の映画祭でコメディ女優賞 を参照ください


正直言って、主演の武田さんのアクションを観に行ったのですが、それほど凄まじいアクションシーンはなく、ただひたすら寿司と闘う。

とはいえ、武田さんがコメディエンヌとしての才能があることを、認識させてくれたのは大きな収穫。


寿司職人修行中だが家出して仲居になった役の武田さん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は公式サイト より


敵はこいつら

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
まー拡大するまでもないと思いますが・・・


そして、さらなる敵は、寿司に噛みつかれてゾンビ化した人間。

っていうか、ただのゾンビではなく、口からご飯粒がぶくぶく出てくるから、寿司ゾンビ!なのかな?

ゾンビだけでなく、寿司ネタのおおもとである魚ゾンビになっちゃった奴までいたよ。


ゾンビ化する前の科学者役を演じる島津健太郎さん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は公式サイト より


島津さんって、『ゾンビアス』って映画にも出てるのね。ゾンビづいてますね。


他にもこんな一流どころも出ています。


主人公が住み込みで働く旅館の板前役の津田寛二さん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は公式サイト より


おなじく旅館の元料理長役で松崎しげるさん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

画像は公式サイト より


公式サイトに予告がたくさんあるので、どれか一つでも見て欲しいのですが、まぁ予告の通りのおふざけテイストなんですよ。

で、特撮やCGは割と良くできているんだけど、対象が寿司なもんだから、あほらしくてチープに見えてしまうってわけ。


ただ、アホ映画であることを楽しめる人には、けっこう笑いのツボがあったように思うよ。


武田さんのアクションシーンは抑えめだし、あったとしても相手がゾンビだったりするから、別に格闘シーンとして優れているというわけでもない。

それでも、武田さんがやるアクションは本物の匂いがするから、やっぱさすがのカラテガールだね。


寿司で作ったヌンチャクをぶん回す武田さん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は公式サイトの海外バージョン予告動画より


で、武田さんの海外映画祭での受賞理由を私なりに探ってみた。

何がよかったかっていうと、武田さんの表情はけっこう大げさ(香港映画っぽい)であること。

そして、声がよく通り、かなりひょうきんなトーンになること。これはおそらく彼女がカラテをずっとやってきて、気合いの入った声を出すことに慣れていることと関係があると思う。

チャウ・シンチーがそうであるように、通りの良い声を出せることはコメディスターにとって結構大事。

このあたりが良かったのではなかろうか、と思う。


武田さんは絶世の美女というわけでもアイドル顔というわけでもないけれど、とっても愛嬌のある顔をしているのだよね。

この映画を観るまでは、私は彼女には孤高のヒロインとか、ハードボイルドな役がいいのかな、と思ってたけれど、コメディがけっこう出来るってことがわかったし、海外からの評価も高いとくれば、認識を改めざるを得ません。


まとめ。

万人受けする映画ではない。

笑いもマニアック。

でも、武田さんの新しい魅力が知りたかったり、海外で受ける作品を体感したいって人にはすすめます。


私・龍虎としては武田さんの次なるコメディ・アクションに期待が高まります。

今日、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭(2013年2月21日(木)~2月25日(月)の期間で開催)のラインナップが発表になりました。


ゆうばりファンタの公式サイト によると、昨年の東京国際映画祭(tiff)で上映されたリン・チーリン主演の日中合作作品『スイートハート・チョコレート』が招待作品としてあがっています。


tiffで使用されたロビーカード
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
主演のリン・チーリン(右)と池内博之(左)


もちろん、招待される理由はちゃんとあって、この作品が夕張ロケだからなんですよね。

そのあたりのことは、昨年の本ブログ10/25東京国際映画祭『スイートハート・チョコレート』 でも紹介しました。


原題(日本人が監督の日中合作だから中国語題名かな?)というか中華圏でのタイトルは、『甜心巧克力』。

巧克力というのが、「チョコレート」という意味です。


余談ですが、私がこのチョコレートの中国語を知ったのは、ちょっと古いけど、マイケル・ホイ(許冠文)主演の『新Mr.BOO!香港チョコチップ』(原題:神探朱古力)という作品です。


『新Mr.BOO!香港チョコチップ』DVD(なぜか海外DVDパッケージ)

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はamazonより


で、気づいたのだけど、チョコレートの中国語には、巧克力と朱古力ってのが当てられているんですね。

あれれ、新Mr.BOO!でも巧克力を使っていたと思うんですが。。。広東語と北京語の違い? あるいは大陸と台湾の違い? 詳しい人がいたら教えてください。ま、たいしたことではないのですが。


話を戻します。

原題の甜心の部分は、甘い心(スイートハート?)かなと思って辞書を引いたら「恋人」だって。

なんだか、北海道のお菓子「白い恋人」を思い出させるね。。。


で、tiffで既に見た人の感想などを聞くに、「私には甘すぎた」、「コテコテの恋愛モノで私には歯がゆかった」とか、タイトル通りの相当なメロメロ作品であるらしいです。


ま、それでも見たいけどね。


tiffに行けなかった人は夕張へGO!

残念ながら今回の舞台挨拶は、監督の篠原哲雄さんのみでチーリンは来ない模様(監督さんには失礼ですが、やはり主演は華ですから!)。

といっても、tiffにも例の尖閣の問題で、チーリンは欠席したんですよ。というかtiffには中華圏からのゲストはみんなキャンセルした模様で、レコードチャイナ記事にも「カーペットに中国・香港・台湾勢はゼロ」 なんてのが出ていました。


昨年秋公開の『バイオハザードⅤリトリビューション』では助演のリー・ビンビンが来日しての舞台挨拶を拒否しただけでなく、ポスターからも削除要求をするなどして話題になりました。ま、そもそもポスターにビンビンの写真が載ってなかったという恥ずかしいおまけまでつきました。


日本のバイオハザードⅤポスター

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
このシリーズは日本ではミラ・ジョボビッチだけでポスター作成してきている模様


海外版の英語ポスター

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
こちらではビンビンがけっこう大きな扱い


ビンビンは好きだし、こういう政治的発言は本当に残念でした。

中国国内の国民感情からは仕方がないのだろうけど。


さて、本題のスイートハート・チョコレート、私も行けたら見に行ってブログ記事にしますね。


ということで今回も予告記事。

まさか、全国で上映されるとは思わなかったです。

井口昇監督の『デッド寿司』。


やはり、海外映画祭での数々の受賞が好影響したのでしょうか。

この件は、本ブログでも祝!武田梨奈が米国の映画祭でコメディ女優賞 として報じましたね。


チラシにはこんな文字が躍ってます。


なんと寿司が、群れをなして人間達を襲う!

YouTubeで海外版予告篇が、100万アクセス突破!


まぁ、このコピーで見たいと思う人がどんだけいるかどうかはさておき、主にマニアな人たちだけど、海外の評価は高かった模様。


チラシはこんな感じ

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
公式サイトより


東・名・阪で1/19から封切り。

それ以外は、一、二週遅れで公開されます。


正直、単館上映だと思ってたから、これは快挙。

勝手に主演の武田梨奈ちゃんを応援している立場からしても嬉しい。


主演の武田さん

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
本格アクションスターになれる素質を十分持ってます


公開されたら、早い段階で観に行かなきゃ。

地方在住なので、ちょっと遅れるけれど、本ブログでも感想アップします!


ということで、今回は予告記事。



『7日間の恋人』 は香港映画。

韓流スターのクォン・サンウと、香港スターのセシリア・チャンのダブル主演の映画です。


チラシの宣伝文句は、

アジアが恋したクォン・サンウの世界進出第一弾!

だそうな。


でも、そんなに大それた映画ではないことは、なんとなく分かりますよね~。


チラシ画像です

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はアメーバニュースより


チラシに書かれた簡単なストーリー説明は、以下の通り。


依頼:僕の婚約者の代役を演じること。

期間:一週間

報酬:1000万円+恋心!?


若きCEOの

人生を賭けた恋愛ゲーム。

偽りから始まる恋の結末は――!?


これでなんとなく概要が理解できると思うのですが、少女漫画的で、アイドル映画なんかにありがちな、シンデレラストーリーなんです。


ただし、演じるのが既にベテランの域にある二人であるところがミソ。


クォン・サンウはいくつかのラブ・コメもこなしているし、ドラマでの“涙の帝王”の印象も強いけど、数々の本格的アクション映画もこなしてきた人。見た目も相当のマッチョ。

本作のあとにジャッキー・チェン監督・主演のアクション超大作である『12 Chinese Zodiac Heads』(英語原題名)が控えてます。

で、今回は経営者(CEO)役で、チラシにはクォン・サンウ版『プリティ・ウーマン』なんて書かれちゃっている。


この映画のクォン(役柄は『天国の階段』風にCEO役で役名も「クォン」)

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は公式サイト より


一方、セシリア・チャンは出産前に既に、世界進出していると言える実績を持っています。代表作は真田広之や韓国のチャン・ドンゴン、そして元旦那であるニコラス・ツェーとの共演作『PROMISE』(監督はチェン・カイコー)。この映画が既に国際級の評価を得ているからね。


お話の内容がシンデレラ・ストーリーである以上、セシリアが演じるヒロインには、無垢で可憐な印象がなければなりません。

心配だったのは、相当に気が強い印象があるセシリアに、そんな可憐な役どころが務まるのか、ってこと。


声はガラガラ声だし、『PROMISE』や、前作であるトンデモ映画『女ドラゴンと怒りの未亡人軍団』同様に、今回も声は吹き替えなのか、なんて予想しながら映画館の席に着いた。


ところが!


さっすがベテラン女優のセシリアです。

今回の彼女は二役を演じるのですが、これが絶妙な使い分け。


一人目は、クォン・サンウの婚約者であり、引退した父親の後を継いでサンウの共同経営者でもあるパリス(名前からして金持ち令嬢的)という気の強い役。

もう、これは地のままでいける。


セシリア演じるパリス役

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は公式サイト より


気が強くメイクも濃い(普段の彼女のイメージ)。が、わざとさらに濃くしてます。


二人目は、パリスが行方をくらましてしまい、一週間後に控えた大事なパーティのために、クォンが必死で彼女の行方を捜していたら、パリスそっくりな顔で彼の前に現れた花屋の店員サム。地味だけど、花を愛する気の優しい娘役。

こっちは『星願』とかで演じた彼女の可憐なイメージの延長戦上にあります。


セシリア演じるサム役

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は公式サイト より


こちらは素朴なメイクにしてます。それでもまぁちゃんとメイクしてますけどね。


物語の冒頭では、パリスがセシリアの地声である例のガラガラ声で登場。

社員たちに厳しい口調で指図したり、クォンCEOにまで怒鳴りつける始末。お姫様っぷりを猛烈にアピールします。


一転して、パリスを追いかけるクォンの前に現れたサムは花屋の配達車に乗って登場。

普段から、花に話かけながら水をやり、一緒に花屋を切り盛りする仲間にもとても優しい。


で、サムの声も地声で演じているから、決して透き通った声ではないのだが、表情や声の出し方で、とっても素朴な優しい印象にしているんだよね。


ほんで肝心のストーリー展開です。

正直、私はまったくこの映画に期待してなかったんです。

香港映画はなんでも観たいタイプなので、映画の内容そのものってよりも、セシリアの復帰後のまだ数少ない作品のうちの一作であること。そして、クォン・サンウの映画は好きであること。そんなことが映画館に足を運んだ動機でした。


映画館に行ってみると、韓流と勘違いしたのか、いつもの香港映画では絶対にいないような客層(老若入り乱れた女性数人組)がいました。


そして、この映画の冒頭もかなり大急ぎで物語を進めている印象で、雑だったんだよね。

しかも、広東語をしゃべれないクォン・サンウはもちろんのこと、出演者の口元と台詞とが、全然合っていないんだよね。

セシリアは本人の声だったから、吹き替えではないけれど、クォン・サンウは韓国語を話すシーン以外は吹き替えていた模様。あとの出演者もかなり吹き替え率が高そうです。いったい撮影時は何語で撮ったのだろう?


というわけで、あまり良い印象ではない映画の幕開けだったのですが、物語が進展するうちに、脚本そのものは、けっこう面白い作りになっていたことで映画に没頭。

サムのおばあちゃんの回想シーンなど、泣かせ所もあって、けっこう楽しかったのです。

思わぬ収穫でした。


そして、収穫と言えば、本映画で脇役だった、見知らぬ女優さんが異常に可愛かったこと。

パリスの友達役だったのだけれど、その美しさは郡を抜いていました。


その美しい方とは、ジン・チェン(景甜)。


この方です

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は公式サイト より


びっくりの美しさで、セシリアと並んでもまったく負けてない。

1989年生まれだということですから、今後の活躍に期待です。


というわけで、最後はジンちゃんの話になりましたが、本作のクォンとセシリアはなかなか頑張っていて、想像以上によい作品だったことは付け加えておきますね!


遅ればせながら明けましておめでとうございます。

このブログも一周年を迎えました。

といっても、たまーにしか更新しないので、一年もたった気がしないのですが、今年も細々と更新していこうと思います。


で、今日の映画は、こちらも遅ればせの『ボス その男シヴァージ』。インド映画です。

そしてスーパースター・ラジニカーントの映画です。

スタッフはロボットとほぼ同じだとか。


ポスター

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ダンスシーンから画像を拝借しているようですね


インド映画の特長と言えば、その上映時間の長さ。

本作も185分と長尺です。


同じラジニの映画でも、ヤジャマンとか長すぎて眠くなってしまったのもあるんだけど、本作はそんなことはありませんでした。

ダンスシーンもちょうど良く、全て違った感じで見せてくれるので、楽しめました。


前半部のダンスシーン

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
右がヒロインのシュリアー・サラン


そして、この映画のストーリーですが、アメリカで成功を収めたシヴァージが、インドのタミル・ナドゥに帰ってきて、この地で貧しい人のために無償の大学や病院を建てることを目指す、という出だし。

お決まりの悪人がそれを妨害して、やがてシヴァージは破滅に追い込まれて・・・というありがちなお話なのですが、こっからが他の勧善懲悪のインド映画とは異なるところ。

なんと、無一文になってしまった主役のシヴァージは、それまでとは生き方の方針を変えて、裏取引で資金洗浄なんかもしながらのし上がっていくというふうに、清濁併せ持った感じに変貌しちゃう。

そしてさらには、もう1回大変身(これはネタバレになるので内緒ね)。


というわけで、ストーリーが目まぐるしく変わるので、全然飽きずに楽しんで三時間を乗り切りました。


ダンスシーンもロケ地にカネがかかっているように見えました。

おそらく海外でもダンスのためだけに行っているんじゃないかな。

ちなみに、本作はニューヨークロケがあります(わずかなシーンで、ホントにラジニがニューヨークに行ったか判別しがたいけれど)。


中盤ダンスシーン

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
主演の二人が妄想しているという設定だったかな


前作『ロボット』(といってもインドでの公開はシヴァージのが先)よりも面白かったと思う。

ロボットでは、インド独特の空気って薄かったと思うのです。日本で公開されたのが英語版(だったよね?)だったせいもあると思いますが。


しかし、シヴァージは典型的なタミル語映画。しかも、ヒロインの役名は「タミルセルヴィー」ですよ。

米国帰りのシヴァージが、故郷でお嫁さんを探すときに、妙にアメリカナイズされちゃった現代女性ではなくて、「古き良き典型的なタミル女性を!」をリクエストするのだけれど、ヒロインはそれにマッチした女性って設定になっていますから。


扱われている題材も、貧富の格差を解消しようとする主人公の行動が、古くからあるタミル映画に典型的なテーマです。

その解決方法が、ラジニも数多く演じてきた「生まれ持った徳が」とか「聖人の生まれ変わりだから」みたいなことじゃなく、アメリカで実業を成功させたスキルに求めるってのが、現代的かもしれない。ま、主人公がなんで腕っ節が生まれつき強いのか、とかおなじみの疑問は湧くけどね。

でも、そこはタミル語映画の伝統と思ってみていただければいいかと。


余談だけれど、シヴァージはやはり、ヒンドゥー教の聖なるシヴァ神から取られたのでしょうかね。

貧しい人のために大学や病院を作るってところが、あの「サイババ」を想起させないこともないんですが、インドに行ったことがある私は、そういう篤志家的な人物がインドではまだまだ望まれているってのはなんとなくわかります。


ラジニも御年63歳。撮影時でも50代後半だよね。

ムトゥの頃に既に引退しようと考えていたらしいから、かなり無理をして頑張っているかもしれない。

この映画ではおそらく40代くらいの設定の主人公を演じていたと思うのだが、まぁ見えなくもないところがスゴイ。

だけれど、タミル映画そしてインド映画の未来を思うと、新しい「スーパースター」の誕生が待望されるなぁ。


まぁ、やはりこの映画を見ると、誰よりも銀幕に映えるラジニは、ハンパではないカリスマ性を持っているんだなと再認識します。これだけの逸材はなかなか出てこないのかもねぇ。


というわけで、新年一発目はまさかのインド映画。

新春は香港映画が日本でもたくさん公開されるから、しばらくはネタにこまらないと思うよ。

脚本はパク・サンヨン(『JSA』)、映画のテーマは、「朝鮮戦争、最後の日。歴史から消された苛酷な12時間の戦い」というチラシのコピーからもわかるように、1950年6月から三年一ヶ月続いた南北境界戦をめぐる攻防。

こう聞くと、『シュリ』から『JSA』に至る世界で唯一残った民族分断国家ならではの設定で魅せる映画の流れをくむモノ、とすぐにわかるかもしれない。


実際、その通りの映画。

ただし、シュリとJSAは現代(双方とも1999年)が舞台でしたが、この映画はまさに朝鮮戦争で戦闘中当時が舞台。

当然、戦場の苛酷さがダイレクトに描かれた点でそれらとは異なっています。


韓国では2011年夏に大ヒットしたこの『高地戦』。

製作費は100億ウォンにのぼるとか(チラシ情報)。日本円にするとざっと約7億5000万円ですかね。


監督は『義兄弟』のチャン・フン。


主演は、シン・ハギュン。

私は彼の作品を観るのは初めてかもしれない。


主役のカン・ウンピョ中尉を演じたシン・ハギュン
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像は『高地戦』公式サイトより


メインの助演にコ・ス。

このブログでは、義兄弟にも出演しているカン・ドンウォンとの共演作『超能力者』で紹介 済み。


チラシ右側で前面にいるのがコ・ス
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
主演は左のシン・ハギュンなんだけど


コ・スは超能力者でもそうだったけど、育ちの良さそうな美形。

この映画のなかでも汚れメイクは少なめで、戦闘の日々なのに美しすぎるその顔が多少は気になった。

しかし、映画全体の出来は素晴らしく、またコ・スの演技も良かった。コ・スの演じたキム・スヒョク中尉はチラシにも「戦争の化身」になってしまった主人公の旧友と書かれているのだが、わざと不気味さを強調するために美形が際立つ顔にしたのかもしれない。


そして、何より主人公のウンキョ中尉を演じたシン・ハギュンの演技力!

最初はこの人誰? 松本幸四郎の若い頃に似てるな、的な状態であった私も、作中その演技にグイグイ引き込まれていったよ。チラシには「韓国屈指の実力派」とあるので、私が知らなかっただけでした。スイマセン。


で、この二人に次ぐ主役格と呼べるのが、部隊の若きリーダーを演じたイ・ジェフン。

初見なのだけど、迫力がある役柄に合っていた。この人にも引きつけられるものを感じました。


イ・ジェフンはこちら

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
公式サイトより


ストーリー自体はと言うと、、、


1950年6月25日から3年1ヶ月続いた戦闘の終わりは、停戦協定の成立ではなかった。『高地戦』は韓国でも記録が残っていない朝鮮戦争の真の結末を描いた映画だ。
戦争末期、停戦協定は難航を極め、南北境界線の高地では【今日奪われたら明日奪う】攻防戦が二年も続いていた。繰り返される激戦で草木は枯れ果て、身を隠す場所もない。急な斜面を被弾覚悟でかけのぼるしかない高地戦。その狂気の地獄で停戦だけを願って生き抜いてきた兵士達に、極限を超える日がやってくる……。

(シネマートさんのサイトより)


というもの。

映画の三分の二は、いつ停戦になるかと待ちわびながら、いつまで続くかわからない戦闘に命を散らす壮絶な日々が綴られ、残りの三分の一で停戦協定が発表されながらも、残すところ12時間の最後の戦闘が始まる、というもの。

停戦がすぐ先にあるとわかっていながら、「停戦協定が実効を迎える時の最前線(The Front Line:本映画の英語タイトル)が韓国の領土になる」という、ただそれだけのために闘わなければならない現実。

非情な、悲しい映画である。


133分、目が離せない映画でありました。

更新したい~と思いつつ、肝心の映画を観てなかったので更新できなかった本ブログ。


今回は満を持して、今日からシネマート六本木さんで開催中の「2012-2013冬の香港傑作映画まつり」に行ってきたので、その作品をレビュー!


『最愛(原題:最愛)』・・・2011年香港公開作品です。


主演のチャン・ツイイーとアーロン・クォック
ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
画像はシネマートさんより拝借(以下で使う三枚の画像も同じところから)


シネマートさんの映画まつり特設ページ によると、第6回ローマ国際映画祭コンペティション部門出品作品 個性的女優賞(チャン・ツィイー)だって。


題材は、上記ページから要約すると、


90年代の中国、山間部の貧しい村で、金欲しさで村人たちの間に売血がひろまり、注射器の使い回しによりHIV感染が蔓延してしまい、感染者たちは、廃屋となった学校に村人から離れて共同生活を始める。

その隔離された学校で、夫に見捨てられた琴琴(演:チャン・ツイイー)と、妻子が近寄らなくなった得意(演:アーロン・クオック)が出会い、互いの似たような境遇から二人は愛し合うようになる。


という感じで物語は開始。

なんと、中国で実際に起こった実話なんだそうです。


暗い題材にも関わらず、物語の前半は、ほのぼのとした雰囲気で進行します。

この作品の語り部はなんと、映画開始とともに死んでしまう、アーロン演じる得意の小学生くらいの甥っ子。

そのことから見るに、監督であるクー・チャンウェイ(顧長衛) は、映画をドキュメンタリーのようにはカタい感じにはしたくなかったんじゃないか、と推測します。

そして、その試みは成功していると思いますね。


アーロンは20代後半の役を演じています

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
実年齢を考えると驚きますね


私・龍虎は、映画の前半は、不治の難病(映画の設定が90年代ですし、しかも医療機関の整わない貧しい村という設定なので、不治の病と村人は思っています)を抱えながらも、明るく楽しく生きる様に、時にクスッと笑いながら、微笑ましく見ていました。


そして、ラスト1/4くらいは決して暗いトーンではないのだけれど、私は主演の二人の演技に、思わず泣いてしまいました。ずっと涙で頬を濡らしていたかな。


困難を乗り越えて一緒になった二人の家で洗濯物を干すツイイー

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
ローマ映画祭での個性的女優賞は納得です


この映画を一言で表すと、<大人の寓話>のような感じかな。

医療考証とか、キャラクター造形の細かな設定などはあまり気にせず、「最愛」のタイトル通り、人生の最後で真実の愛を得る、っていう現実にはなかなかなさそうな、不運な境遇ながらも幸せなエンディングへ向けて、ストーリーが進んでいくのです。


私はこういう話、好きですね。

アーロンとツイイーは、この二人しかない!ってくらい、映画に合っていたと思うよ。


シネマートさんの選んだロビーカードの三連をブログ用に縦向きに直して掲出しておきます

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ
真ん中の写真が私のお気に入りで、映画の雰囲気をよく出してます


初日に地方から出かけていった甲斐があったよ。

ちなみに、年明けからは、いよいよトニー・レオン主演の『大魔術師Xのダブルトリック』へ、そして続くはサイモン・ヤムとニック・チョン共演の『狼たちのノクターン 夜想曲』。

どっちも見逃せないぜ!


あー、しかし地方からはつらいなぁ。。。