王子様彼編、始まります!!!



今回は少し長めのストーリーになりまして、分割して連日投稿していこうと思います!




第一話目は彼目線ストーリーからスタート!




それでは、甘いひとときをどうぞ♡











駅前で彼女の到着を待つ。


待ち合わせの時刻を少し過ぎた頃、






「お待たせ!遅くなっちゃってごめんね!」

 





「大丈夫だよ。仕事、お疲れ様。」 





仕事帰り、息を切らしながら駆け寄ってきた彼女にそう伝えると



彼女の頭に手を伸ばし、少し乱れた髪の毛を整えながら、落ち着かせるようにそっと微笑んだ。




今日は、久々に彼女に会った。

 

しばらく仕事が立て込んでいて、なかなか時間を作ることができずにいたから、今日をとても楽しみにしていたんだ。 




予約していたお店で食事をすませると、そのまま俺の家に帰り、明日の休日は何をしよう?なんて話をしながらソファに座ってゆっくり過ごしていた。 



「…特に行きたいところがなければ、明日も家でのんびり過ごすのもいいね。」


そんなことも提案してみた。






…本当のところは、連れていきたい所があった。


ただ、今日一緒にいて何となく疲れてる様子が気になったのもあり、明日はゆっくりさせてあげたい気持ちも出てきて色々と思案していた。


ソファの背もたれに肘を置き、頬杖をつきながら

ふと彼女に目を向けると、



パチっと目が合った。



どうやら彼女も俺を見ていたらしい。



俺と目が合うと思っていなかったのか、びっくりするように目を丸くして



そして、


照れたようにフニャっと笑った。 






実は、この顔がすごく好きなんだ。…そして、最近わかった。この顔は俺にしか見せない顔だって。


 



だから、そんな君がたまらなく愛おしくなって


抱き寄せた。 




もっとその顔を見ていたくて、彼女の顔を覗き込むように自分の顔を傾ける。 



そんな状況に、始めは照れていたのか視線が彷徨っていた君だったけれど、、、




「あのね…」




 と言いながら伏し目がちに俺の方を向く。    




「ん?なに?」 




 そう聞き返すと、 




「…久しぶりに会ったからかな、何だか緊張しちゃって。笑

えっと…好きだなって思って。…明日もこうやって一緒に過ごしたいな。」 




普段はそんなに自分の気持ちを表現しない彼女。 




最近はこうやって、彼女なりに俺への気持ちを伝えようとしてくれるようになった。 



いつだったかな? 

あんまり好きって言うと重いって思われるかなと思って…と言われた時もあったな。苦笑  


君からそんな言葉を聞けるなんて、嬉しいに決まってるのに。




「うん…俺も君のこと大好きだよ。」 




そう言うと、彼女の瞳を見つめながら顔を近づけ、コツンと彼女の額に自分の額を重ねる。




「じゃあ、明日は2人だけでゆっくり過ごそうか。」



そんな俺の言葉に、



「…うん。」



と甘えるような返事が返ってきた。






どちらともなく額を離して見つめ合える距離に戻ると



また君は俺に、はにかむ笑顔を見せてくれた。



…かと思えば、そわそわし始めて、俺の視線から離れるように、また君の視線が彷徨いはじめる。

 


…もっとその顔を見せてほしいんだけどな。笑



ただ、そんな君も愛おしくなって、離したくなくなってしまったから、



照れてる君の視線を逃さず追いかけて、抱きしめた。





…愛しさが溢れていく。




…心が満たされていく。




この〝時〟が永遠に続けばいいと、そう思ってしまう。



俺と君だけの、この世界を、ずっと。





…君はどう感じてくれている?