本物の直木賞選考会(第169回)ー結果・講評ー | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

前回1000年に1度の奇跡が起きたばかりだというのに、それをあっという間に500年に1度にまで縮めてしまいました。

年が明けたばかりで「今年一番のピーク」を迎えてから半年、再びピークがやって来た。

ここここ・・・こんなことが起きていいんでしょうか!?

慣れないことにあもちゃん、怯えております。プルプル。

しかし2試合連続で大ホームランとか、不名誉な大三振王の名をここで一旦(笑)、返上させていただきます!

 

多分だけど2回連続で当てられたことってないと思う。・・いや、あったかな?

調べたらわかるけど、大三振のトラウマが強すぎて過去の記録なんて見たくないから放置。

 

◆◇

 

発表日の2日前、私の中で答えは決まっていた。

あとは書くだけ。。とばかりに筆を走・・ピアノで鍛えたごっつい指をひたすら走らせ、タイピングに勤しんでいた。

 

あ〜あ、どうせ外すかと思うとかったりい・・

ちょっと休憩。 ←5分前にPC起動したばっかのくせに!!

 

ポチッとな。

とテレビをつけますれば・・・

 

我が赤ヘル軍団を率いる新監督、新井貴浩の特集をNHKでやっているではありませんか!!

ちょっとこれは見ないと・・

 

私「わ〜懐かしい〜。そうそう!開幕3連敗してさ〜。←もう慣れっこ。

  わたしゃこの時の野間の大失態に呆れて、怒り通り過ぎて大爆笑しちゃったよね〜」

←宇野の頭に直撃エラーと同様、多分一生言われるやつ笑

 

野間はエラーのあと返球でも大失敗しているのだが(そして村上にランニング本塁打を許す)

そこは写ってないけど、畜生度の高いなかなかのいい動画。

 

てな感じで番組を視聴していたのだが、最終的には新井の姿に泣いてしまいました。

加齢のせいで涙腺がゆるゆるになっているのもあるが、

それもこれもオールスター入る直前に、なんと!2位に浮上していたからであろう。

あの開幕のどん底から・・よくぞここまで。

万年Bクラスのカープが・・信じられん。

いやいやまだ油断しちゃならん。まだ折り返し地点や。

 

ちなみに新井の目標は39年ぶりの日本一だそうです。

・・・いや〜さすがに私もそこまでは・・ってファンが信じなくてどうする!!

今回の私の2試合連続ホームランだって、私を信じてくれたファンがあったからこそ!!

ね?そうですよね!?

信じていてくれたんですよね!?

まさか大三振とか期待してないですよね!?

応援してくださった、全国に数人いるとかいないとかいう(どっちだ)コアなあもるファン、ならびに直木賞という単語に釣られてウッカリこの記事を開いちゃったその他大勢のあもるファンの皆様、本当にありがとう〜!

 

↓再放送が22日にもあるよ!もちろん恒例の護摩業もやってるよ!護摩業、すっきやなあ・・

 

◆◇

 

というわけで余裕綽々の笑みを浮かべながら2試合連続ホームランの解答を見ていこう。

↓あもる一人直木賞(第169回)選考会の様子はこちら・・

 

 

 

 

 

 

模範解答は私のつたない検索力でなんとか探した以下の記事を参照。

浅田次郎氏の講評でありました。

簡易にまとめられている講評ではあるが、なんとか全体を把握することができた。

あとは本誌(オール讀物)を読んでね・・ということなんでしょう。

嬉しすぎるからもちろん買う予定であります!

1ヶ月後の発売直後に記事にしますけえ、しばらくお待ちください。ムフッ。

(選考はギリギリまで読まないくせに、こういうことだけは早い。)

 

 

※ >はあもちゃんの選評、「」は直木賞選考委員の浅田次郎氏の講評および選評をまとめた記事です。

 

「1次投票で4作が残り、2次投票で同点だった垣根さんと永井さんの2作に決定した。このところ直木賞は2作受賞が多いが、それだけ拮抗しているのであり、選考委員が甘くなったわけではない。どちらも時代小説だが、好対照な作品だった。」

 

>そして残った3作(高野・垣根・永井)について、決選投票に入るとしたらここからかも

 

最初に「4作が残った」ということで、残った作品数は違うが、後の講評の内容を読むと、私の2位と3位が逆転しているだけであとは同じだった模様。

ほぼ大当たりやん!!

受賞作を片方外しさらには3位にするという大失態は犯したものの、何度も言うけどちょっとこれ見てよ〜。

 

>最終的には私は高野さんを2位にしたが、なんだかんだで垣根さんと永井さんの2作で軽く談義が交わされ・・・・

 

ほら!!!!

2作が決選投票で残ると私も明言しているではないか!!

(そこまでは言ってないだろ、というご指摘は現在受け付けておりません。)

 

それにしても2作残った後の決選投票はしなかったのか。

どういう経緯で2作でいっかってなったのか、ちょっと知りたいところ。

拮抗してたというからそうなんでしょうが、無理やり決選投票したら永井さんに軍配が上がったと思うんだけどな〜。←しつこいw

 

 

「垣根さんの「極楽征夷大将軍」は大変な力作。とても長い小説だが、なかなか一般読者には親しみがない足利幕府の成立経緯について、太平記の時代の物語に沿って丁寧に小説として表現した。とても重厚な力作である。」

「個人的意見だが、「極楽征夷大将軍」の主人公である足利尊氏に対して、私の世代は皇国史観の影響で悪者としてのイメージを持っている。だが、そこに垣根さんの小説は面白い一石を投じたと思う。また、室町時代は歴史の中でもかなり地味。おそらくほとんどの方が知識を持たない時代を描いたという意味でも大変面白く読んでもらえると思う。」

 

>2段組の小さい文字が私の老眼を、そしてその分厚さと重さが私の顔を直撃!←寝ながら読んで顔に落とす。

 

マジで分厚くて長かったね〜笑

でも重厚・・うーん、重厚。まあ重厚かなあ。重みで顔面直撃するくらい重いけど。

ただ、あの絶妙な軽さが最も評価すべき点だと私は思う。

 

>鎌倉時代や室町時代の武士って、まだ統制も取れてないし、武士道のような規律?めいたものもないし(多少はあるのかもしれんけど)、ものすごく野生的で粗くて意識も戦国時代の武士とはまるで違う。だから私たち読者の根底には無意識に「武士像」があるため、戦国時代以降を描いた時代小説って読みやすいのだと思う。

>まだまだ混乱しまくっていた、世界も人も明瞭でない鎌倉時代から室町時代という時代の移り変わりとその時代に変化に翻弄される武士たち(足利尊氏と足利直義(尊氏の弟)、高師直、そして楠木正成ら敵方)を描いた、大変面白い作品であった。

 

浅田氏の言うようにある世代より上の方々には、皇国史観の影響で足利尊氏は天皇に弓引くものとして悪者というイメージがあるらしい。そして一方の敵方である楠木正成は天皇側についたから善(だから皇居にも像がある)。

その尊氏をこういう姿で描いたのは興味深いと思う。

しかも私も書いたが戦国時代の侍は一般的にイメージしやすいが、鎌倉・室町時代のことって一般的にも知らないことが多い。足利尊氏って何した人?って言われても、室町幕府を開いた人・・それだけだもんね。実は湘南・鎌倉出身ということも知らなかったりする。京都の人とか思ってませんでした?私は10年くらい前までそう思ってました。

いや〜小説から知ることって多いなあ笑

そういう意味でも浅田氏のいうように、知識を持たない時代を描いたという観点からも評価できる。

 

垣根さんについてはこんな感じで、続きまして永井さん。

 

「永井さんの「木挽町のあだ討ち」は、大変技巧的で素晴らしい仕上がりの作品。どの選考委員からも「大変うまい小説である」と意見が出た。一行一句読み飛ばすことができないくらい繊細に練ってあり、ただのミステリーとはいえない細かさがある。テーマもきちんと理不尽な世界に対する批判が込められている。垣根さんの愚直なぐらいまじめな長編に比べて、技巧的、読み応えのある作品だった。」

「 「木挽町のあだ討ち」が扱う時代は平和な江戸時代。あだ討ちといっても、既に事実上ほとんどなかったと思う。ただし小説家からみると格好の素材で、一生に一つはあだ討ちものを書きたいという思いがある。永井さんはそれを上手に料理した。」

 

選考委員の大絶賛の嵐に、「あもるのノロイ(鈍い)」で永井さんに迷惑かけなくてホントに良かったと改めて思った。

それはともかく、文章から読みとれるのは浅田さんはきっと永井さんを推したんだろうな、ということである。講評の内容が垣根さんと比べてより具体的である。

 

>そして浅田次郎さんは永井さんを推すと思うし

 

思ったとおりでありました。

 

>こんなにも複雑な構成でかつシンプルな作品があっただろうか。

>この作品、小説という容れ物の中にさらに「芝居」が入っている。

>小説の容れ物に入った物語はもう歌舞伎そのもの。

>それでいて小説の中で起こる事件の概要は歌舞伎の演目にもなっている、という二重三重の仕掛けが施されている。小粋だね!

 

>小説なのにちょっと歌舞伎で、歌舞伎なんだけどちゃんと小説。

>ちょっと小粋で、うーん、好きだったなあ。

 

「大変技巧的」という選考委員の評価と同じであります。

 

>この作品、特に歌舞伎好きにはたまらないんじゃないかなあ。

 

永井さんは歌舞伎が大好きなんだそうです。

歌舞伎好きが描いたから、私のような歌舞伎好きに響いたんだなあ・・ちょっと納得。

 

本当に何度も言うんだけどさ、私は多分この作品を一生忘れないと思う。

どこから、どの角度から読んでも面白い。

 

 

記事にあるように「理不尽な社会に対する批判も読み取れる」とも読めるし、人として強く生きる生き方としても読めるし、ちょっとした人情ものとしてもそれはもう楽しめる。

あまり好きじゃない言葉だけど、今流行りの「多様性」という観点から読んでもそれはそれで楽しめると思う。色々な読み方もできる、まるで万華鏡のような色鮮やかな作品。

白い雪景色に舞う赤い振袖なんてゾッとするよね。最後の最後まで緊張感の途絶えることのない、そして流れる涙も途絶えない作品でありました。

 

 

そしてこの後「各候補作の評価 」へと続くのだが、

内容から言って、各作品の評価についてもこの順番(3位以下)だと思われる。

 

「高野和明さんの「踏切の幽霊」は面白いホラーという意見が多く、「踏切というものが小説内で果たす機能を読み解くと、大変深い作品に思えてくる」という意見も出た。私もとても面白く読んだ。」

 

>それでもやっぱりいい作品はいい作品。

>女性より男性に私は勧めたい。男性が好きそうな作品。

>ホラーと言いつつ、サスペンス要素が多いから楽しめると思う。

 

まさかの浅田氏が高評価!私と同じじゃん!!!

そして男性向きだったのも間違いではなかった!

昔、私の愛した浅田次郎の選評が再び久々戻ってきたと思うと感慨深い。

最近、浅田氏の選評に賛同しかねていたからさ・・。

 

「戻ってきた。黄泉の国から戦士たちが帰ってきた。」

と乙事主さま(cv:森繁久弥)のセリフを言いたい気分。・・黄泉の国って失礼な!

 

おそらく垣根さんへの評価の感じからして、浅田氏は永井さんとこの高野さんを推したんではなかろうか!?

髙村さんがそうすると思っていたが、まさかの浅田さんがねえ・・しみじみ。

 

 

「月村了衛さんの「香港警察東京分室」は、アクションシーンがとても上手で、リアルという意見があった。一番分かりやすいタイプの小説だが、意見は分かれた。」

 

>特に印象に残らないアクション小説だったなあ、という感じ。

>だからと言って面白くないわけではなく、気軽に読むには楽しい。

>アクション1つ1つは面白いし、昔の「あぶ刑事」(今の若い子は知らんやろなあ・・)みたいなドンパチも面白い。

 

>でもいい描写もあった。

>暴力団の倉庫に刑事たちが聴取しに来ているタイミングで、別の勢力が急襲するシーン

 

アクションシーン描写への評価は私も選考委員も高評価!

そして意見が分かれるのもわからないでもないと思った。とりあえず読むには楽しいからさ。

 

 

「冲方丁さんの「骨灰」はそこそこ点数が入ったが、ホラーとしてもアクションとしてもちょっと弱いのではないか。「ホラーというよりは都市伝説を書いたというふうに考えた方がよいのではないか」という意見があった。」

 

きびスィー!そこそこ点数が入ったが・・って、そこそこ!!

逆に誰がそこそこ点数を入れたのか知りたいわ。お友達採点かしら。誰と友達か知らんけど。

そして「都市伝説」に、あ、なるほど!と思った。ホラーとしては弱すぎた。

ホラー苦手な私ですら、最終的にはちっとも怖くなかったんだもん。

 

>ここは文章力が問われる箇所で、もう少し恐怖にまみれた描写もできたはずだと思う。

>起こる現象起こる現象がいちいちかったるく、序盤の恐怖の描写がウソのよう。

 

誰よりもキビスィ私であった・・・かったるいって!!!流石に私、言い過ぎやろ!

 

 

受賞者お二人の簡単な会見内容はこちら。

 

 

お二人ともちゃんとした人やなあ。

ちゃんとした人というかすごく真面目。私だったらついおちゃらけそうなのに。

(あもちゃん、何か言わないと気が済まないタイプ。そして炎上するまでがお約束)

 

風俗行くって言ってた西村賢太が懐かしい。

あ、西村氏は芥川賞作家だった。

エンタメの直木賞作家より、純文学寄りの芥川賞作家がエンタメなのって笑える。

 

 

>「人生30度目くらいの禁煙」が3カ月続き、食事がおいしく感じられ体重は7キロ増の73キロに。

 

とりあえず垣根さんには西村賢太式ダイエットをオススメしときます笑

 

↓西村賢太式ダイエットとは?

 

◆◇

 

駆け足だったが「2試合連続ホームランを祝う会」もそろそろ記事を終えたい。

続きは1ヶ月後の「オール讀物」の選評を参考に「たたかい終えて(第169回直木賞)」で書くことになりましょう。買うのを忘れてなければ・・アヤシイ。

 

今回からはとうとうマスクなしのあもる一人直木賞選考会となり、そしてそのタイミングで新コロに罹患したあもちゃん。なんつータイミング。何かの呪いかよ!鈍い(ノロイ)か?

そんな新コロの妨害もなんのその、見事今回も(も!)大ホームランを撃ち放ったのであった。

青空に消えゆく白球が美しい。

そして半年後、雪景色に消えゆく白球を追うことになるでしょう。物理的にも消える。

 

それでは吐く息白く、雪だるま作りに忙しくしているであろう半年後、皆さんまたお会いしましょう!さようなら!!