本物の直木賞選考会(第167回)ー結果・講評ー | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

あのカープ推しの小学生男子の切ない後ろ姿は、未来の私の後ろ姿であった。

 

 

な〜にが

 

広島カープに期待するからいけないんだって。

この私を見てごらんなさい。

もうカープ惨敗のプロよ。

 

だ。→『あもる一人直木賞(第167回)選考会ースタートー

この少年以上に肩を落としているのは私ではないか。ガックシ。

 

直木賞選考会、何度外しても慣れることなくその結果はこの巨乳を豪快にえぐってくる。

胸をえぐられ、トボトボ講評記事を読み、傷口に塩を塗られる思いでこれまでの戦いを復讐復習させられる、私の気持ちにもなってくれ〜い。

わ〜ん><

 

そう考えるとカープファン歴40年のあもちゃん。

伊達に万年Bクラスの辛酸を舐めていない、カープの惨敗なんて痛くも痒くもないもんね。心動かざること山の如し。慣れってこわっっっ!!!!

 

あ〜あ。

いつまでもブチブチ遊んでいるわけにもいきますまい。←復習なんてやりたくない笑

カープ少年と同じく肩を落としながら、第167回本物の直木賞選考会について渋々答え合わせと参りましょう。

 

でもでも一応自分を慰めるため&世間様の思い込みを払拭するために言っておきますけどね!

そんなに外してばっかじゃないんだからねー!!!

現に前々回(第165回)は当ててます。そう、たまに外すだけ。
(しかしなぜハズレた回しか記憶に残らないのだろう・・私も当てたこと忘れてました笑)

 

模範解答はいつもどおり産経ニュースからと思ったのだが、前回・前々回・前々々回同様ない。

もう本当にやめたんだな〜。

私のつたない検索力でなんとか探した以下の記事も、抜粋的な講評内容で、詳しくは本誌(オール讀物)を読んでね・・なんでしょうね。

 

 

というわけで短い講評とも言えない講評に照らし合わせ、ファウルチップによる空振り三振あもちゃんの解答を見ていこう。

ファウルチップ〜とか強がってみたが、講評読むとそうでもなかった・・自分の空振りを人のせいにしたいのに、講評が短すぎてそれすらさせてもらえない。

この鬱憤をどこにぶつけたらいいんだー!

 

↓あもる一人直木賞(第167回)選考会の様子はこちら・・

 

 

 

 

 

 

 

※ >はあもちゃんの選評、「」は直木賞選考委員の林のおばちゃんの講評および選評をまとめた記事です。

 

林のおばちゃん・・・またお前が講評の壇上に立つんかー!(画面内で座ってるっぽいけど。)

んもう、出たがりさん。

 

「窪美澄さんの作品が最初から高い得点で、清らかで美しい短編小説だと褒めた選考委員がいた。コロナから逃げておらず、そして婚活アプリという現代的な素材を使った短編もある。それが実にさりげなく、なめらかで、改めて窪さんの文章力、構成力、作家としての資質に敬服した。」

「先ほども申し上げた通り、コロナから逃げていない。これは非常に重要なこと。コロナを真っ正面からとらえるのではなく、日常生活の中で取り上げて、そして短編小説に仕上げた手腕は素晴らしい。」

 

この「コロナから逃げてない」という言葉からまず思ったのは、今を描く作家さんにとってこのコロナという非常事態ってすごく描きづらい世界なんだろうなあということである。

 

コロナから逃げてないって・・・

と、最初ピンとこなかった私だったが、私たち一般人はコロナ生活にもだいぶ慣れ、すっかりマスク生活や爆増する感染者数にも鈍くなったが(もうどうでもよくなってきた)、作家さんにとっては自分が書きたいストーリーにコロナ(マスクや非常事態宣言や海外渡航制限など)がいちいち邪魔してくるんだろうなあ。

 

思い返せば窪さんの作品の最初の「真夜中のアボガド」についてはすでに雑誌掲載時(1年半前)に読んでいて、その時はコロナを扱う小説がちらほら出てきた時期で、私もその時はこの作品を読んで

コロナを上手に書いている

と新鮮に思った記憶がある。

 

 

初めて「真夜中のアボガド」を読んだときの感想↓

 

>窪美澄さんの受賞は近い。そう強く思いました。

>この作品で獲るかどうかはともかく、ますます筆力を磨いていて魅力的。

>早くまた直木賞候補作で会いたいなあ。

>マスク越しにたどたどしくキスをする表現なんてなんかいいなあ・・と思う。

>(ときめくシーンでもあるのだが、無邪気にときめく雰囲気でもない、不穏感も漂わせるあたりがうまい)

>この作品で窪美澄さんは既婚男性に嘘つかれて付き合う独身女性を描いていて、しかもそれだけじゃなくて、それがまた相変わらず上手だなあ、と感心するのであります。

>窪美澄さんにはずっとずっと男女の恋模様を書いていってほしい。ずっと読んでいたい。

 

なぜこの時には直木賞の受賞は近いとか書いていたのに、どうして過去の自分を信じて最後まで推してあげられなかったのか。・・自分で自分を信じられない現実(笑)

これは非常に悔やまれるが、推しの窪さんがあもるのノロイ(※)から逃れられたと思えば、これまた嬉し・・(泣)

 

※私の推し作家さんはもれなくあもるのノロイ(鈍い)にかかり、直木賞受賞が遅れるというスーパー縁起の悪い現象。

 

 

>今回読むのは二度目で、しかもかなり細部までちゃんと覚えていたが、やっぱり面白く読めた。コロナをこういう手触りで扱えるのは窪さんならでは。

 

私が言っていることは、窪さんの文章力、構成力、作家としての資質に敬服したらしい選考委員と同じなのよね〜。そう、ただ結果が違っただけ!ムン!

 

 

「とにかく熱烈に推す選考委員が何人かいて、短編は文学賞の選考会の時にやや不利なことが多いが、窪作品は圧倒的な存在感を持って、最終投票でも高い得点を集めた。」

 

>しをんちゃんや角田さんが少しごねて(笑)、窪さんと永井さんを残してくれるかもしれん

 

きっと「熱烈に推す選考委員」のうちの一人は我らがしをんちゃん(三浦しをん氏)でありましょう。あとは角田さんでしょー?何人かいて・・ということはあと一人くらいはいたか。となると浅田次郎氏とかかな。

 

 

「少女や青年らそれぞれ異なる主人公たちが一人称で語られるが、ある選考委員からは「一人称で語ると、内面を掘り下げられるが、動きが限定される。けれども、窪さんはそのバランスが素晴らしい」という意見もあった。」

「候補作には長編が多く、短編ということで不利な部分はあったと思う。短編として切れがないのではとの意見もあった」

 

男性陣の誰か高村薫さんあたりか?

短編としてのキレがないのでは、という選考委員の意見には頷けるのだが、まあそれを含めてそういう柔らかさが窪さんの持ち味だからなあ。

だからこそ

 

>窪さんの短編集はそれはそれは素敵だったのだが(小中高の男児男子を描かせたら天下一品)、直木賞などの賞レースではかなり不利な気がする。

>窪さんの持ち味はエロい長編を描いて初めて生きる。

>短編も素晴らしかったのだが、メリハリが大事な賞レースではあの筆の柔らかさは長編向き。

 

と私は判断したのであった。

 

「「これだけ一つ一つの物語が独立して個性的なものを書けるというのは素晴らしいことではないだろうか」「短編だから不利ということはない」というのが私たちの一致した意見だった。」

「小説ではドロドロしたことはいくらでも書けるが、窪作品は、どの短編も距離を置いて、非常にうまく描いているように思った。そして、窪さんは本当に人間というものがわかっていらっしゃるとつくづく感服した。今回とてもいい作品を選ぶことができた。」

 

人間というものがわかっていらっしゃる・・・

なんかよくわかんないけどカッチーンとくるのは私だけでしょうか〜笑

 

私は

 

>結局、このアボガドを頂点としてあとは淡々と流れていってしまうのが、窪さんの持ち味ではあるのだがそれは弱点とも言える。

 

と書いたが、私が弱点として見たものを、本物の選考委員たちは窪さんの持ち味として評価してくれた模様。

なんかちょっと直木賞を見直した。かもしれん。

しをんちゃんがだいぶ粘ったのかなあ。

いやまさかこれでオジキ(北方謙三)が「窪さんじゃないと嫌だ〜」とゴネた、とかだったら、私、オジキに抱かれてもいい!・・いや、すごくウソです。

 

>窪さんの作風は男性選考委員からの支持があまり得られないのがいつも悩みのタネ。

>だがジジ衆からの支持はなくとも女性陣を強く惹きつけ、ジジたちを黙らせる作品を書いていって欲しい。窪さんなら絶対そういう作品が描けるし、受賞のその日まで、いや受賞後も私は推し続けます!

 

と熱弁を奮っていた私であったが、まさか今回、熱烈に推した選考委員がジジたちを黙らせて(かどうか知らんが)、窪さんがさっさと受賞していってしまわれるとは・・

とはいえ、もちろん今後も推し続ける所存であります。

 

歯軋りしすぎて遅くなりましたが、窪さん、本当におめでとうございます!!!!

 

 

「1回目の投票で窪作品と競り合ったのが、永井紗耶子さんの作品。そしてそれに呉勝浩さんの作品が続き、3作が最終投票に残った。」

 

まさかや〜。←クソつまらない朝ドラ「ちむどん」風に。

 

サラッとW受賞の可能性に触れた窪さん・・のついでに書いた「永井さんも絡んで三つ巴かも〜」がここで現実に。

 

>永井さんの作品の方がまだ男性票を集めそう。

>あ〜三つ巴になるかも〜。←北方のオジキの髭面を思い浮かべ・・・

 

 

こんなとこで急にど真ん中の直球が来たもんで、慌てて、うりゃ〜と大振りしましたらばファウルチップで大三振という大惨事。

(急にボールがきたので・・と言った柳沢の気持ちが今ならわかる)

 

※当然のようにファウルチップと書いて今の今まで説明なしだったが(野球がわかる人が読んでる前提すぎる)、一応説明しておきますと・・

 

wikiより

ファウルチップ=野球やソフトボールで、打者が打ったボールが直接捕手の方向に飛んで、一定の条件で捕手が捕球したものをいう。

(略)ファウルチップはストライクの正規捕球である。したがって、これが第3ストライク(三振)の場合、打者はアウトとなる。

 

です。ま、野球を知らないと説明されたところで・・ねえ。

とにかく乱暴に説明しますと、2ストライクまで追い込まれて最後バットにはカスった(=ファウルチップ)けど、そのままキャッチャーに捕球されて三振バッターアウト!ってことです。

 

 

「永井作品は高く評価をする選考委員が何人もいた。鎌倉ものとして、大姫から書き始める小説は非常に難しいのに、これに挑戦したのは素晴らしい。そしてわざと鎌倉武士を書かずに、女性だけのドラマにしたところに作者の手腕を感じるという声があった。窪作品と非常に競っていたが、2作受賞にならなかったのは、惜しいところで過半数に足らなかったからだ。」

 

これは惜しい。

高く評価する選考委員が何人もいたというのに残念!もう受賞させてあげてよ〜。

(高く評価したのはオジキと浅田さんかなあ・・)

 

>特に文句の付け所なしの作品であった。

>「玉眼を入れるのは女人」という立派な「大黒柱」を中心に、大変素晴らしい作品を描き上げたと思う。

>結局、周子の健闘虚しく大姫は「死」という結末を迎えるのであるが、それ以後の話も最後まで「女人入眼」という柱から逸れることなく、ダレずにきっちりと描いていた。

>北条政子は最後まで御台様であったし、周子は最後まで周子であった。

>そして二人の絶妙な距離感と緊張感も最後まで納得のものであった。

 

私も本物の選考委員もベタ褒めなのにW受賞は無理でしたか〜そうですか〜。

何度もいうが非常に残念であった。

 

「呉作品も、非常に高い評価があった。エンタメとして、ワクワクするような面白さがあるが、少し刑事が多すぎたのではないかなどの指摘があった。しかし、登場人物のスズキタゴサクの気味悪さ、そして、粘着的なところが非常にうまく書けているとの評価だった。」

 

>前半のふわふわとして捉えどころのないスズキの描写がすごくよくて、ドラマ化するならぜひ、「相棒」でオネエのヒロコママを演じていた深沢敦さんでお願いしたい!!語り口や風貌とか、もう私の中でスズキは完全にヒロコママ笑

>警察をのらりくらりと手玉にとるスズキ、よかったわあ。気持ち悪くてさ。。。。

 

私も本物の選考委員も、スズキに感じた気持ち悪さは一緒だったようです(笑)

 

 

どうでもいいけど、見事あもる一人直木賞を受賞した河﨑秋子さんの「絞め殺しの樹」はどこいった?

 

>間違いなく今回の第167回直木賞選考会の台風の目ともいえる存在の作品である。

 

全然台風の目じゃなかったわ。ザ・無風。

おっかしいなあ。

 

つーか、一応講評なんだから、深緑さんと河﨑さんにもちょっとは触れてほしい。

詳しくはオール讀物で〜・・ですか。

覚えていたら読みますけども〜。

 

とりあえず河﨑さんと深緑さんが最初に落ちたことは間違いない。

私の1位がぁぁぁぁ><

5位の深緑さんは当たってたけど〜 ←当たってた言いたい!

 

蓋を開けてみれば、

あもちゃんの1位作品(河﨑秋子「絞め殺しの樹」)の名前が全く出てないだけで、2位3位4位の三つ巴、その結果推しの窪さんが受賞

というなんともすんごくビッミョーな結果に。

 

わ~惜しい~。

とも違うし、

ただ1位が違っただけ。ほとんど合ってた~!

でもない。

それはすなわち惜しくないからである。ということであろうか。←諦めが悪い。

 

でも窪美澄さんの受賞は本当に嬉しい。

これは本当。

 

 

久々に窪さんのご尊顔を拝見したのだが、あれ?こんな能町みねこみたいな顔だったっけ?

と写真を二度見してしまいました。

昔チラ見した時の印象は、うちのご近所を歩いていそうな人のいいおばさまって感じだったんだけど、別人だったのかしら・・人の顔が覚えられないもんで。ただしイケメンは除く。

 

それはさておき、窪さんの会見はやっぱり彼女独特の文章と同じく、本当に柔らかいものであった。残念ながら動画は見ていないので文字でしか判断できないのだが、それでも彼女の柔らかさとしなやかさがよくわかる。

 

「5編のうち2編がコロナについて書かれています。やっぱりこの3年間に非常に重いものを私もみなさんも抱えて生きていかなければならなくて。せめて小説の中ではちょっと心が明るくなるようなものを、と思って書いたのがこの作品集です」

 

この会見を読んで、気づいた。

窪さんがコロナについて書いた2編はどちらとも私がいい作品としてあげた3作品に入っていた。改めてコロナを窪さんは上手に書いていたんだなあ。今更・・だけど。

 

「私自身も経験として長男をなくしています。」

 

知らなかったなあ。

そんな壮絶な経験をした方の手からあんな柔らかな文章が紡ぎ出されているんだな。

 

「デビューがすごく遅咲きで、44歳で最初の本が出ました。残された時間でいかに良質な作品を出すかが課題。直木賞の名前に恥じない作品を書いていきたい」

 

もうあもちゃんのノロイも関係なくなったからね!

遠慮なく(遠慮したことがあったんか、というツッコミは受け付けておりません)ずっと応援していきます〜。

 

というわけで四十肩をガックシ落としながらも、すでに気持ちは半年後を向いている。

次回は選考委員たちもいよいよマスクを外して、アクリル板なしで高級料理をつつき歩く感じになっているのかな。

・・・って毎回言っているけど、全くそんな気配ありませんなあ。

よくよく考えたら私も「コロナから逃げず、しっかり書いている」と言えるんじゃないだろうか!?

これで作家さんの仲間入り?

仲間入りした暁には選考委員に入れてもらって、選考会そっちのけで高級料理をつつき回すんだ〜。ウフフ。

 

それではクッソ寒い半年後、皆さんまたお会いしましょう!さようなら!!