あもる一人直木賞(第167回)選考会ー結果発表・総括ー | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

終わってみればあっという間の1ヶ月であった。

思えばここ最近、私ったらずっと本物の選考会発表当日にあもる一人直木賞選考会の結果発表をしてんな。テヘ。

どうにかならんか、このギリギリまでやらない性格・・仕事はキッチリしてるんだけどなああーーーーー!!!!!!!←!の数が!

 

とかなんとか遊んでる時間もないので(お肌も曲がりっぱなしのおばちゃん、はよ寝たい)、とっとと結果発表とまいります。

ゴホンゴホン。

 

では改めて・・・

本日20日は第167回直木賞の発表日である。

 

全国に数人いるとかいないとかいう(どっちだ)コアなあもるファン、ならびにファンじゃないけどなんか直木賞という単語に釣られてウッカリこの記事を開いちゃったみなさま、お待たせしました。

まずは約10時間後に迫った本物の結果発表を前に、あもちゃんへの万歳三唱(※マスク着用)の準備運動として、飴ちゃんでも舐めて喉を潤しながらこれまでのあもる一人直木賞(第167回)選考会の戦いの様子を復習しておいてください!!


これまでのあもる一人直木賞(第167回)選考会の様子はこちら・・

 

 

 

 

 

それではあもる一人直木賞選考会(第167回)の受賞作品の発表です!!!!!


はいっっ!ドラムロール、スタ~ト!!!!


ドロドロドロドロドロ~~~~~~



ジャン!!!

 

 

河﨑秋子「絞め殺しの樹」(小学館)

 

 

です!

 

はーい、おめでとうございまーーーす!!!

 

 

今回は自分でも驚くくらいアッサリ決まった。

ま、そもそも死ぬほど悩んだって、当たる時は当たるし外れる時は外れる。

・・な〜んてそんなこと言ったら元も子もないじゃないかってツッコミはなしとしまして、今回は窪さんと深緑さんという推し作家が2人もいて、さらには呉さんという3度目のノミネートという作家さんがいる中、初めましての河﨑さんが冬の根室の雪嵐のように激しく凄まじい存在感で登場し、そして見事、直木賞という栄誉を掻っ攫っていった。

なんと今、経歴見たら私より5歳も年下なんですって。そら私のお肌も曲がるわけだ。早よ寝よ寝よ。

 

ただあっさりとは決まったが、どの候補作もそれぞれの特長がよく出ていてそれぞれ面白かった。いつかも同じようなこと言った気がするが、以前は

「無駄に失った時間とカネ返せ」

と言いたくなるよな作品もチラホラ混ざっていたのに、最近はあまりそういう作品を見ることも少なくなって嬉しい限りであります。

 

それでもやっぱり河﨑秋子さんの「絞め殺しの樹」は他のどの作品よりも印象深くて忘れられなかった。だってめっちゃ怖いんだもん!!!!!!!

小学館からの出版というところだけが唯一気になるところ。

(直木賞の主催は文藝春秋)

その一点の曇りを除けば、これを受賞作であるとビシっと大きな胸を張って発表できます!

いつもそんなこと言ってるけど〜笑

 

 

そして毎回恒例の本物の選考会の様子について考えてみる。

 

(´-`).。oO モアモア〜ン

 

 

おそらく残念ながら

 

▽深緑野分(ふかみどりのわき)「スタッフロール」(文芸春秋)

 

が一番に落ちると思われる。

・三度目のノミネートである

・文藝春秋からの出版である

・私の推しである

という2点(+どうでもいい1点)がありながら、それが活かせずここで落ちてしまうのは誠に残念。

 

そして呉さん窪さんという常連組(いずれも三度目のノミネート)と永井さん河﨑さんという初めまして組が残ったわけだが、そこからはそんなに揉める気がしないんだよな〜。

 

あえて残すとしたら窪さんの短編集。

なぜなら今回の候補作の中で唯一の短編集でなんとなく毛色が違うものだから。後で詳しく説明するが候補者の中で唯一窪さんが今のコロナの時代を描いているしね。

なので万が一ダブル受賞があるとすれば、窪さんが濃厚。

でもやっぱりダブル受賞ってのはありえない気もする。

三つ巴決戦にするなら永井さんを加えたいところだが、三つ巴になるとも思えないしなあ。

 

男性票が集まりにくい窪さんに比べ、河﨑さんの作品は、よくできた朝ドラだ、とか言っちゃう選考委員もいそうだが(伊集院とか伊集院とか)それでも選考委員男女ともに票を集めるタイプの作品だと思う。

そういった点では永井さんの作品の方がまだ男性票を集めそう。

あ〜三つ巴になるかも〜。←北方のオジキの髭面を思い浮かべ・・・

 

しをんちゃんや角田さんが少しごねて(笑)、窪さんと永井さんを残してくれるかもしれんが、そこから結局やっぱり河﨑さんに・・という形で落ち着きそう。

 

この私の心の穏やかさ・・・

これはもう当たったも同然。全く迷いなし!なし〜なし〜なし〜なし〜。←エコー。

 

 

というわけで

以下、私の順位の発表と各作品の簡単な総評を行っていく。※()内は出版社。

 

最終的な順位はこちら・・・

 

1位 河﨑秋子「絞め殺しの樹」(小学館)
2位 永井紗耶子「女人入眼(にょにんじゅげん)」(中央公論新社)

3位 窪美澄「夜に星を放つ」(文芸春秋) ※詳細な感想は以下のとおり。

4位 呉勝浩「爆弾」(講談社)

5位 深緑野分(ふかみどりのわき)「スタッフロール」(文芸春秋)

 

3位の窪美澄「夜に星を放つ」以外の作品については上記途中経過記事をご覧ください。

 

◇◆

 

 

窪さんの綴る文章はいつも読んでも語り口が優しくて温かくて好きだ。

それは今回の短編でも変わることなく、安心して読めた。

最初の「真夜中のアボガド」についてはすでに雑誌掲載時に読んでいて、

 

 

その時も窪さんに心酔する私の様子が伺える笑

今回読むのは二度目で、しかもかなり細部までちゃんと覚えていたが、やっぱり面白く読めた。

コロナをこういう手触りで扱えるのは窪さんならでは(※コロナをメインとした話ではない)。

 

ただ結局、このアボガドを頂点としてあとは淡々と流れていってしまうのが、窪さんの持ち味ではあるのだがそれは弱点とも言える。

最後の「星の随に」で盛り返したかにも思えたのだが、やっぱり全体を眺めてみるとグッとグリップを効かせた瞬間があまりなかったように思う。心に留まる瞬間が少なめ。

窪さんの短編集はそれはそれは素敵だったのだが(小中高の男児男子を描かせたら天下一品)、直木賞などの賞レースではかなり不利な気がする。

窪さんの持ち味はエロい長編を描いて初めて生きる。

短編も素晴らしかったのだが、メリハリが大事な賞レースではあの筆の柔らかさは長編向き。

 

ちなみにどうでもいいのですが、4番目の「湿りの海」で主人公のおじさんが雨の中、片手で傘を差しながらもう一方の手で近所の子供の手を繋ぎ、そこへやってきた子供の母親の手をおじさんが握るというシーンがありまして、一体お前の手は何本あるの!?とビックリしました笑

持っていた傘を投げ捨てて手を握ったのかな・・・

よかった作品は

・真夜中のアボガド

・銀紙色のアンタレス

・星の随に

よくなかったのは

・真珠星スピカ

・湿りの海

でした。5篇中2つも良くないのがあるのはちょっと難しいかな。

 

とにかく私は窪さんのエロス・・を描いた長編作品が読みたいの〜><!

窪さんの作風は男性選考委員からの支持があまり得られないのがいつも悩みのタネ。

だがジジ衆からの支持はなくとも女性陣を強く惹きつけ、ジジたちを黙らせる作品を書いていって欲しい。窪さんなら絶対そういう作品が描けるし、受賞のその日まで、いや受賞後も私は推し続けます!

 

◇◆

 

選考会が始まる前は深緑・窪という魔のあもる推し二人に加え三度目の正直の呉さんの常連3人に初めましての二人がどこまで食い込めるか!?

と思っていたが、最終的には常連3人を押し退けて、初めましてのお二人が1位2位に位置するという異常事態。

これは面白くなってまいりました。

ますます女性作家さんが勢いづいちゃうね!!!

候補者全員が女性、という話題先行の芥川賞なんかに負けるなーーーーー!←?

 

この記事を読んでくれた全国に数人いるとかいないとかいうコアなあもるファンの皆様、そしてファンでもなんでもないけどたまたま通りかかって最後まで記事を読んでくれた奇特な方々、どうか今回の候補作も全作読んでみてほしい。

歴史小説あり、戦前戦後の大河小説あり、現代小説あり、ミステリーものあり。

どれもこれも色々な視点から色々な世界を描いていて、単純に読んだだけでも勉強にもなる。

私の選考会では残念ながら5位となった深緑さんの「スタッフロール」だが、この作品のCGの詳細な説明・描写なんかは、先日話題沸騰(私の中で)のまま終わった、「アニメ鬼滅の刃・遊郭篇」の神回と言われている、私の推し柱の宇髄天元様と妓夫太郎の死闘の描写のエフェクトなどの表現を理解するのに役立つと思う。

(実際、深緑さんはアニプレックスにも取材しているようです。)

色々な楽しみ方ができると思うの。

 

さあさお立ち会い!

本日20日、河﨑秋子さんが北海道からリモートで登場いたします。

・・・って河﨑秋子さんは北海道出身ってだけで、今も北海道に住んでるのか知らんけど。

そもそも河﨑秋子さんのご尊顔を拝むのも初めて。

←検索なんかしないんだ。今日、初めて舞台に上がられた河﨑秋子さんのお顔を拝ませていただきます!

あんな厳しい凄まじい作品を描いておきながら、すんご〜く可憐な声だったりして。うーん、ギャップ萌え!

 

さあ、あと10時間ほどで結果が判明いたします。

万歳三唱の準備はよろしいですかな?

このあと、すぐ!