義父が急逝して1年。→『もしも私が死んだなら。』
ごくごく近しい身内のみで一周忌の法要をとりおこなうことになった。
法要中、在りし日の義父のことを偲んでみよう・・
と思ったが、
火葬時に義父の骨が丈夫すぎて焼け残りすぎて、係の人が多すぎて入りきらない骨を骨壺の中に箸でグイグイ押し込んでいたこと・・
など、おもしろエピソードしか思いだせず、「沈痛な面持ち」からはほど遠い、なんなら「笑顔」といっていいレベルのニコニコ顔になっていた私であった・・・。
→『第5回 バチカンより日本へ 祈りのレクイエム日本公演 2017』
在りし日の義父も、嫁である私にはそういう人でした。具体的なおもしろエピソードが思いだせないのだけど(笑)
一周忌の法要も無事済ませ、各々解散。
私たちはその足で夕食を摂るべく、汗かき夫が予約してくれたお店に向かったのだが、予約の時間までまだ1時間以上あったので、近くの神楽坂を散歩することにした。
「la kagu(ラカグ)」(=新潮社の書庫をリノベーションした場所)で本や写真集を物色。
数日前に大雪が降ったとは思えないほど、この日は暖かく天気に恵まれてよかった。
道を挟んでla kaguの向こうには新潮社がある。
新潮社といえば・・という思い出話を歩きながら汗かき夫にも聞かせる私。
→参考記事『おもいでホロホロ。』(新潮社の思い出は記事の最後。)
そしてさらに神楽坂を歩いていると、音楽之友社があった。
私「あ〜懐かしい〜。ここにも来たんだよ。」
夫「ここにも就職活動で?」
私「そうそう。ここはありがたいことに書類選考と筆記試験は通過して、確か一次面接までいった気がする。こんな田舎者で5流大学の私を受け入れてくれた奇特な会社なんだよ〜。」
夫「よく岡山から初めて来て、こんな奥まったとこに辿り着いたね。」
私「生まれつき方向感覚はいいもんで。しかし昔はスマホなんてもんないから、住所を地図で確認しながら来てたんだよね。おそろしい時代やで。でもいくつか東京の会社を受けたけど、迷ったことは一度もなかったなあ。・・私ってすごくない!?」
夫「ほんとすごいよ!」←極度の方向オンチ。
そんな20年も前の超就職氷河期時代の話をしているうちに、時間がやってきた。
とあるビルの一角にひっそりと佇むお店に入った私。
おいしかったです〜。
日本酒をしこたま飲んで、在りし日の義父の思い出話を汗かき夫と数分交わした後(たった数分!)は、楽しい話で大いに盛り上がった夜であった。
お店を出て、2人で夜の神楽坂をしばらく歩いていると、本当に神楽坂は食べるところが多く、神楽坂が改めて気に入った私。
私「神楽坂っていいなあ。本屋も多いし。」
汗「引っ越す?」
私「引っ越したーい!でも高いんだろうなあ。」
汗「今住んでるとこより狭いとこなら大丈夫じゃない?」
私「今住んでるとこより狭いなんてイヤ!ピアノが弾けないじゃん!」
汗「じゃあダメだ〜。」
私「ダメか〜。」
汗「でも神楽坂って本当にたくさんお店があるし、毎週1つ1つ食べ歩いていって美味しいお店を探して行くのもおもしろそう。毎週食べ歩かない?」
私「行く〜!しかし毎週となると、カロリー消費のために運動をしなければデブになる・・」
口だけ番長の汗かき夫、毎週食べ歩こうだなんてアヤシさ満点の提案なのだが、時々は行けるといいなあ。人の金で食べる食事はウマイ!
そして翌日。
元同僚Kから内祝いで「烏骨鶏のかすてら」が届いた!
カステラはもともと好きなのだが、ここのカステラは本当においしい。
ほおばれどもほおばれども、あっという間に溶ける(?)からいくつでも食べられる。
私「懐かしいものが届いた〜。ありがと〜。あっという間に食ってしまった。」
K「事務所で働いていた頃が懐かしいよね。」
私「あの頃はよかった・・」
K「ほんとだよ・・」
このカステラは私とKが法律事務所に勤務していた時代、おやつによく食べていたのだ。
この日も前日に引き続き、ある意味在りし日を偲んでいた私(とK)であった。
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