第5回 バチカンより日本へ 祈りのレクイエム日本公演 2017 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

平成29年3月27日(月)、

『第5回 バチカンより日本へ 祈りのレクイエム日本公演 2017』(in オーチャードホール)

を聴きに行く。

 

 

さかのぼること2週間ほど前。

ブログ友の風香さんから

「クラシックのチケットをもらったので一緒に行きませんか〜?」

というお誘いがあった。

 

クラシックにあまり興味はないが私と一緒なら行ってみようかな、と思ってくれたようで

それならばぜひ風香さんのお供をいたしましょう!

という口実のもと、本心は・・・

 

(タダなんて最高!

 しかもタダでモーツァルトのレクイエムを聴けるなんて一生に一度あるかないか!

 絶対行きたーい!!)

 

というわけで、二つ返事でホイホイとお誘いを受けたのであった。

 

当日はお互い職場から現地集合。

ホールに入る前、オレンジ色の法衣を来たおじさまが黒の高級車から降りてくるのを見た。

あのちびっこい帽子を頭に乗せてる姿、バチカンの人にちがいない!←少ない知識の集大成。

と思ったら、疾風のごとく控え室に入っていった。

おじいちゃんなのにすばやく軽い動きにしばし魅入られた。

(あとでプログラムを見ますれば、フランチェスコ枢機卿というお方であった。

 静岡や広島やらでのツアーも、全てに同行したらしい。大変な仕事だよ・・。)

 

ええもん見たわ〜と座席に向かいますれば、前から数えて一桁台という超絶前ではないか。

 

私(うーむ、これはおちおち寝てられない感じ・・)←演奏者から結構見えるのだ。

 

しかし前週まで義父の葬儀やらなんやらで寝不足気味のあもちゃん、これはいきなりの試練!

そうこうしているうちに、風香さんもやってきた。

 

風「わ〜、結構前ですね(汗)」

私「日頃の疲れで寝てしまうやもしれん。」←先に言い訳をしておく。

風「あ、私も多分寝ます(笑)」

 

そんな惰眠貪りかねない二人が見守る中、開演のお時間です!

 

◇◆

 

出演者 ダニエーレ・アジマン(指揮)、ロッシーニ歌劇場管弦楽団、

   エリーザ・バルボ(ソプラノ)、サンドラ・ブオングラーツィオ(メゾ・ソプラノ)、

   榛葉昌寛(テノール)、村田孝高(バリトン)、

   ヒルズ・ロード・コーラス/池田理代子とばらのミューズたち(合唱)

  〈合唱指導:大貫 浩史〉 
特別ゲスト 川井郁子(ヴァイオリン) 
曲名 オルトラーニ作曲「ペーザロ市市歌」

   ロッシーニ作曲「セビリアの理髪師」アリア   

   モンティ作曲「チャールダッシュ」

   川井作曲「ホワイトレジェンド」

   ロッシーニ作曲 オペラ「ウィリアム・テル」序曲

   オルトラーニ作曲 映画「世界残酷物語」テーマ“モアー”

   日本を元気に“ナポリ民謡メドレー” ほか 

     (休憩)

   モーツァルト作曲「レクイエム」全曲

 

◇◆

 

前半のプログラムは、

特別ゲストの川井郁子さんのヴァイオリンがイマイチで残念じゃった・・・。

まあそうだろうなるだろうなあ、とは思っていたけど。←あもちゃんと相性悪いの。

モンティの「チャールダッシュ」のいい演奏を風香さんに聴かせてあげたかったなあ。

ちょっとセンチメンタルで、ちょっと民俗的で、そして小曲でありながらダイナミック。

そんな曲だったのになあ〜。

 

ところでロッシーニ歌劇場管弦楽団の演奏だが、最初の「ペーザロ市市歌」を聴いた時、

おいおい、大丈夫かいな・・

と内心不安だったのだが、次のロッシーニのセビリアの理髪師の演奏を聴いて思った。

 

さては「ペーザロ市市歌」は1度しか練習してないに違いない。・・と。

 

さすが冠に「ロッシーニ」がついた管弦楽団だけあって、

セビリアの理髪師に限らず、ウイリアムテル序曲も、とにかくロッシーニの曲については

大変すばらしい演奏であった。

 

演奏前に

 

風「この曲の中で私が知ってる曲ってありますかねえ。」

私「あ、あると思うよ〜。たとえばウイリアムテル序曲とか。

  これは、ひょうきん族のオープニングだしね。」←喩えが昭和。

 

という会話を交わしていた私たちであったが、

そんなロッシーニ歌劇場管弦楽団の奏でるひょうきん族のオープニングはすばらしかった。

ロッシーニはとかく評価が低くなりがちだが、まあ、わからないでもないが、

それでもこの管弦楽団の演奏はそんな評価なんてどこ吹く風とばかりに、

軽やかでありつつも、さわやかでサービス精神あふれるの演奏を聴かせてくれた。

 

 

それにしても声優が豪華だ・・。

しかも毎回違うオープニングを当たり前のように聴いていたが、大変なことだよ。

あの頃はその豪華さに気づかなかったなあ。

イケイケだったフジテレビがなつかしい。

 

休憩後・・

 

そしていよいよメインのモーツァルトのレクイエムが始まった。

厳かに「ヒルズ・ロード・コーラス/池田理代子とばらのミューズたち」が入ってきた。

 

風「ミューズがなかなかいませんね。」←ひでぇ。

私「まあ待ちたまえ。今にミューズが・・・うーむ、おらんかもしれん。」←ひでぇ。

 

待つこと数分。たくさんのミューズが登場して参りました!!

 

そしてソプラノのエリーザさん。

彼女が本日一番のミューズでありました〜。

きれいだし〜顔ちっさいし〜笑顔もステキだし〜・・そして何より歌が上手い。

天は彼女に五物以上は与えてるね。

メゾソプラノは当初の予定を変更して、サンドラさんが歌ったのだが彼女も上手かった。

女性歌手が非常に上手だっただけに、テノールの榛葉さんの不安定さが残念ではあった。

 

合唱曲を生で聴く機会はなかなかない。

正直「第九」くらいしか聴かない。

合唱曲って聴くと本当に迫力あって、人間の声ってすばらしいわ!

と思うのだが、じゃあわざわざ聞くか、と言うとちょっと難しい。

時間も金も持て余してるなら別だが、

少ないおこづかいから聴きに行くとなると厳選せざるを得ない。

するとどうしてもピアノやオーケストラ、そして第九あたりに偏ってしまうのだ。

そういう意味でも本当に生で聴けてよかった。

 

ミューズたちもヒルズ・ロード・コーラスたちも、それはそれはすばらしい声を披露した。

技術もさることながら、心のこもった温かい歌声に私は感動した。

じ〜ん。

「涙の日」もよかったのだが、私の大好きな「主イエス・キリスト」もよかったねえ。

男性陣ソリストの歌よりず〜っと真摯で率直な歌声であった。

最後に合唱を指導した大貫浩史さんが舞台にたったが、それはもう心を込めて拍手したよ。

ブラボー!

あそこまで仕上げるのは大変なご苦労だったと思う。

すばらしい合唱団でありました。

 

ところで最後なのだが、あれってああいう終わり方でいいんでしたっけ?

中途半端に終わった感も否めなくもなかったのだが、

この曲自体が未完成だから、それに従い、原曲そのままあそこで終わらせたのかな?

しかし他の動画とか見てると、途中であるにしろとりあえず曲は終わっていたが。

演奏する上でラストについてはいろんなバージョンがあるのかもしれん。

謎が謎を呼ぶラストであった。

 

ちなみにモーツァルトの「レクエイム」と言ったら「怒りの日」であります。

なぜなら、ロト6のCMの妻夫木くんのテーマだから(笑)

コンサート終了後、

 

私「妻夫木くんがいたでしょ笑」

風「あ、いたいた!私はこの曲聴いて妻夫木くんだ〜って思ったんですけど、

  この曲を知ってる人は、CM見て「レクイエムだ」「怒りの日だ」って思うんですかね?」

 

そうよ〜。そう思うのよ〜。

それ以外だとそうねえ、今流れてるCMだと、

家庭教師トライのCM見て「ヴェルディ「レクイエム」の「怒りの日」だ〜」って思ったり。

(偶然にも同じ「怒りの日」。)

 

(38分20秒から『怒りの日』)

「家庭教師のチョラ〜イ!」

 

 

 

モーツァルトのレクイエム全曲を貼っておきやす。

 

しかし毎回思うが、カラヤンってどの曲でも検索にかかってくる。

得意なジャンルとか全くかまわず指揮してるし、一体生涯どれだけ指揮&録音したんだろうか。

しかもレベルがどれも高い(まあ演奏が一流オケだからってのもあるんだろうが)。

そりゃ後世に残るわけだよ。

 

 

演奏後、風香さんと遅い食事をしたのだが、そりゃ〜コンサートの感想は言いたいわけ。

特に川井さんのヴァイオリンについては一言、いや二言、いや三言は言いたいわけ。

しかし悪口と文句ばっかり言うあもおばちゃん・・って思われるのもなんなんで、

前週の義父の葬儀のおもしろ話をふんだんに披露してあげました〜。

(例:義父のお骨が多過ぎて(骨が丈夫で焼失しなかった)、骨壺に入りきらずに

   火葬場の人がお箸でグイグイ骨壺に押し込んでいたこととか〜。

   あれは火葬場で家族一同の笑いを誘ったね。)

そして話に夢中になって、持っていた箸をすっ飛ばすという大失態。

悪口おばちゃんと思われるのと、箸をぶんなげるマナー違反のおばちゃんと思われるの、

果してどちらがよかったか。

 

そしてお会計の時。

レジに向かうとそこにはなんと、偶然にも風香さんの上司夫妻が。

そして私たちの夕食代を風香さんの上司の方が出してくれるというではありませんか!!!

ありがたやありがたや〜。

 

私「なんてステキな人なの!!!明日よくお礼を言っておいてちょーだい♪」

風「わかりました〜。今日はコンサートも夕食も全部タダでしたね!!」←言い方言い方!

私「ほんとだね!!ありがとー。風香さんのおかげだよ><

  私も汗かき夫にこういうことがあったら、あなたも出してあげるんだよ、って言おう」

風「え〜。サラリーマンが女子社員の夕食代を出すとかトクなことないじゃないですか」

  (=自営業なら経費で落ちる、と言いたい元法律事務所の秘書らしい発言。

    それを現法律事務所の秘書であるわたくしが深くうなづいて聞く。)

 

さすがしっかり者の風香さん。

おごられはしても、おごるのには第三者の厳しい目が!!!←古い笑

 

風「『涙の日』は「アマデウス」の葬儀のシーンで聴いたなあって思いました。」

私「ああ!柩にスコップで土をかけるシーンだよね!!よく覚えてるぅ〜。」

 

 

スコップでかけたのは土じゃなかった、石灰だった。

 

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風香さんは帰宅後、アマデウスが無性に見たくなったそうな。

私は無性にレクイエムの「主イエスキリスト」の部分を聴きたくなったねえ。

そして聴きまくる。←お気に召したらエンドレス。

 

しっかり者の風香さんのおかげですんばらしい夜を過ごすことができました。

ありがとーーー!

またこういう機会がありましたらぜひ・・・←図々しい。

 

寝不足あもちゃん、レクイエムで豪快に寝ちゃった箇所もあったが、まあそれはご愛嬌。

気持ちよく寝られたってことでそれも幸せであった。。