本日は、天皇御一代一度の重儀、大嘗祭の日です。

 

本日のご予定

大嘗祭当日賢所大供饌供進の儀

大嘗祭当日皇霊殿・神殿に奉告の儀

 

大嘗宮の儀

悠紀殿供饌の儀

主基殿供饌の儀(15日未明に行われる)

 

 

大嘗祭とは、天皇が毎年行われる新嘗祭の即位後初のものをいいます。天皇御一代につき一度行われる祭祀で、御位につかれるうえで不可欠なものであり、数ある祭祀の中で最高の重儀とされるものです。

 

現在國學院大學博物館で行われている企画展大嘗祭ポスター

 

 

今年は、御代替わりの行事が続き、多くの特集が組まれています。大嘗祭についての特集や企画も多くありますので、大嘗祭という祭祀についても知られるようになってきていると思いますが、天皇が毎年行われている祭祀、新嘗祭の天皇即位後初のものでありますから、基本は新嘗祭の祭祀であるということになります。

 

では、大嘗祭のどこが特別なのかといえば、非公開の祭祀でありますから私たちが目に見えてわかることといえば、特別に造営された悠紀殿と主基殿という大嘗宮で斉行されることです。新嘗祭は宮中三殿の神嘉殿(しんかでん)で行われていますから、いかに重要な祭祀であるかがわかるのです。

 

大嘗宮の写真が使用されたニュース

 

天皇陛下は、1年の間にたくさんの宮中祭祀を行われるわけですが、その中で最も大切な祭祀が新嘗祭であり、国家・国民の安寧と五穀豊穣を感謝し祈念するお祭りとされています。そして、国家・国民の安寧は、一つ日本だけで収まるものではないことから世界中の安寧も祈られてきたのが現代の天皇であり、これからの天皇陛下におかれましても、御代替わりの行事の度にそうした大御心を発信されていらっしゃるのは、既に皆さんも御存知でしょう。

 

そうした最も大切であり重要な祭祀である新嘗祭を天皇に即位して初めて行われるということ。令和の御代初の新嘗祭である大嘗祭は、前の御代である平成への感謝と令和の御代への祈念も重ねて行われることでしょうから、そうした意味でも重要なわけです。これからの御代への責任もあられることから、御代替わりの祭祀の重責は相当なものであると察することができますし、だからこそ特別な祭祀となるわけです。

 

そして今年は御代替わりが行われたことから、春と秋の対となる祭りの祈年祭は上皇陛下が天皇として行われていらっしゃいます。秋に即位されたばかりの天皇陛下が引き継がれて完成させるというさらに特別なお祭りともなっています。

今上陛下最後の祈年祭(としごひのまつり)

 

 

大嘗祭に先立ち、12日には宮中で大嘗祭前二日御禊、前二日大祓が行われましたが、それに合わせて日本中の多くの神社でも大祓が行われました。

いくつかの神社のツィートです↓

 

 

 

 

そして昨日は、大嘗祭前一日鎮魂の儀、前一日大嘗宮鎮祭が行われました。重要な祭祀であるからこそ、その準備も念入りであるわけですが、これは新嘗祭の時も行われている行事でもあります。

新嘗祭の前日は鎮魂祭

 

昨年の上皇陛下最後の新嘗祭は、満月と重なり、その満月も藤原道長の有名な望月の歌から千年後という特別な夜となり話題となりましたが、新嘗祭についてはあまり話題とならずとても残念な思いをしました。

奉祝 満月の新嘗祭

 

今年続いてきた、御代替わりの行事を拝見してきて、平成の御代替わりと大きく違うと感じたことはその情報量の多さです。平成の時はメディアが示すものしかわかりませんでしたので、当時なにか凄いことが行われているとは感じてもその凄さがわからず、その期間が過ぎると頭の片隅に忘れ去られてしまいました。しかし、今回はネットの普及によりSNS等で多くの情報が発信され、多くの人に共有されています。こうして多くの人が今まで知らなかったことを知れば、心に残る人々の率も増えるでしょうから、とても重要です。

 

この大嘗祭の機会に多くの人に、日本の心ともいうべき新嘗祭を知っていただきたいと思います。

 

お祭りを知ろう\(^o^)/

藤原道長の望月の和歌が示した「共有する」ことの大切さ

 

 

それから、とても大切なことですが、新米を食べるのは新嘗祭の翌日からです。

つまり今年は大嘗祭の翌日、明日の朝ごはんから新米解禁です。

日本の心得・・・新米を食べる日

 

 

 

なお大嘗宮は、大嘗祭の後公開されます。大嘗宮はこの後、解体されてしまいますので、ご自分の目でご覧できるのはこの機会のみです。以下、宮内庁のリンクを貼りましたので、詳細はリンク元でご確認ください。

 

大嘗宮一般参観及び令和元年秋季皇居乾通り一般公開について

<大嘗宮一般参観>

大嘗宮一般参観は,本年11月14日(木)及び15日(金),天皇陛下がご即位の後,初めて新穀を皇祖・天神地祇に供えられ,自らも召し上がり,国家・国民のためにその安寧と五穀豊穣などを感謝し祈念された大嘗宮の儀が行われた大嘗宮を一般に公開するものです。

 

11月21日(木)から12月8日(日)の18日間

午前9時から午後4時(入場は午後3時まで)

 

<皇居乾通り一般公開>

11月30日(土)から12月8日(日)の9日間

午前9時から午後3時30分(入場は午後3時まで)

 

 

大嘗祭を知るための本