この時期
子どもってよく蚊に刺されますよね ^^;
刺されても大したことない子もいれば
皮膚が熱をもつくらい
真っ赤に大きく腫れてしまう子も
「掻いちゃダメよ」
と言っても我慢できずに
掻き壊してしまったり…
汗もよくかくから
あせもができて
痒くて掻いて
傷になってしまったり…
毎日子どもを見ているはずなのに…
「えっ!? なにこれ!? いつの間に!?」
子どもの皮膚トラブルって
案外多いものですよね
『とびひ』ってご存知ですか!?
園内で『とびひ』に罹患された児が数名出てきました
プールも始まっているので
今一度対応の確認のために…
ということで園内研修を行いました
あっという間に全身へ広がる様子が
火事の火の粉が
飛び火することに似ているため
『とびひ』
と名付けられた
感染力の強い皮膚疾患です!
*とびひ (伝染性膿痂疹)とは?*
細菌による皮膚の感染症です
接触によってうつります
掻きむしった手を介して全身へ広がります
・虫刺され
・あせも
・湿疹
・擦り傷 …などを
掻き壊したりケガなどで皮膚の傷に細菌が入り込み
感染することで発症します
*とびひの原因は?*
★黄色ブドウ球菌
健康な人の皮膚の表面や鼻の中にいる常在菌です
傷口などから皮膚に入り込み
増殖するときに出す毒素が
とびひ発症の原因になります
とびひの多くは この細菌が原因です
★溶血性連鎖球菌
健康な人の鼻の中や喉にいる常在菌です
傷口などから皮膚に入り込むと
とびひ発症の原因になります
※A群β溶血性連鎖球菌 (溶連菌) とも呼ばれます
*どんな病気?*
★水疱性膿痂疹 ( 水ぶくれができるもの )
とびひの多くはこのタイプで
黄色ブドウ球菌が原因です
皮膚にできた水ぶくれが
だんだん膿 (うみ) をもつようになり
やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます
かゆみがあり そこを掻いた手で体の他の部分を触ると症状が体のあちこちに広がってしまいます
( 7歳未満の乳幼児がかかりやすい )
★痂皮性膿痂疹 ( かさぶたができるもの )
主に連鎖球菌が原因菌となりますが
黄色ブドウ球菌も同時に感染していることが多いです
皮膚の一部に膿をもった水ぶくれができ
厚いかさぶたになります
炎症が強くリンパ節が腫れたり
発熱や喉の痛みを伴うこともあります
( 年齢に関係なくかかる )
*治療方法は?*
★抗菌薬 ( 塗り薬・飲み薬 )
原因となる細菌を退治します
★抗ヒスタミン・抗アレルギー薬 (飲み薬 )
かゆみを抑えます
*予防するには?*
・皮膚を清潔にしましょう
・皮膚の状態を整えましょう※1
・鼻をいじる癖をやめさせましょう※2
・爪を短く切り 掻きむしって皮膚を傷つけないようにしましょう
※1アトピー性皮膚炎の子は皮膚のバリア機能が低下していることもあり、とびひになりやすいので気をつけましょう!
※2鼻の入り口には様々な細菌が常在しているため、鼻を触る癖があると鼻の周囲からとびひが始まったり、その手で引っ掻くことでとびひになったりします!
*プールに入れる?入れない?*
プールの水ではうつりませんが
水疱が破れたり浸出液に触れることで
症状を悪化させたり
他の人にうつす恐れがありますので
プールは完治するまで禁止です!
*登園は?*
病変が広範囲の場合や全身症状のある場合は
保育園を休んでの治療を必要とすることがありますが
患部を外用処置して
しっかりと覆ってあれば
休む必要はありません
しかし…
保育園で今まで何人も『とびひ』のお子さんの
対応をしてきて思うことがあります
『しっかりと覆ってあれば登園可能』
とされていますが…
今の時期は
汗をよくかくため…
・いくら処置していても覆った中で細菌が増殖してしまいなかなか良くならない!
・覆っているテープが刺激になって痒くて掻いてしまう!
・良くなったと思ったら振り返してしまった!
というお子さんが増えています
皮膚を清潔に保つことが大切です!
特に『とびひ』のときは尚更です!
保育園では
シャワーなどの時間や回数が
決められていて
個別に対応することが
なかなか難しいことも多いと思います
1~2日ご家庭で清潔を保ち
薬でしっかりと対応すると
治りが良いです!
早くよくなります!
石けんをよく泡立てて 患部をこすらないようにそっと洗ってから
シャワーでやさしく流してあげるのがポイントです!
『怪しいなぁ…』と思っていたら
半日ほどであっという間に
広がってしまったお子さんもいらっしゃいました
ジクジクしていても
「このくらいなら…」
「たかが虫刺され…」
「たかが擦り傷…」
「わざわざ病院へ行かなくても
大したことなく治るでしょ」
と思ってしまいがちです
ところが…
そう思っていたのに
酷くなってしまって
あっという間に全身へ
顔にも…
頭皮にも…
覆いきれない程に…
保育園はお休みしなければならないし…
仕事を休まなくてはならないし…
いつになったら
覆える程度に回復するの!?
なかなか思うように
薬の効き目がないし…
良くなってきたから
もう薬がなくなっちゃったけど
まあいいか
治った!?
…と思うし
あれ!?
またジクジク…
どういうこと!?
もうこれ以上仕事休めないし…
という負の連鎖に
はまってしまうことがあります
働いているからこそ
早目の受診と治療を!
疑わしいときは
皮膚科 か 小児科 を受診してください
そして
自己判断をせずに
医師の指示にしたがって!
『完治しました』
と
医師から診断されるまでは油断禁物!
早い回復への近道です!
保育園看護師
nao♪