おやじっちやせきとりっち、てんしっちのラッキーウンチくん、モスラのたまごっちのモル&ロラなど、隠れキャラクターの育成法は少しずつ解明されつつあるものの、まだまだ多くの謎を残していると思われる初代たまごっちシリーズ。

 

 昨年はモル&ロラ攻略法を解析する中で「ラッキー墓くん」(プログラムを解析した海外プレイヤーが命名していた)なる、もはや隠された開発者のお遊びともいえる存在が見つかった前例がある。無論当時から詳しいことはほとんど明かされていないが、なおもそのような隠し要素が存在するのではないかと思われてならない。

 

 そこで今回紹介したいのが、『たまごの裏ワザ』シリーズ。

 

 

 たまごっち発売の翌年1997年に出版された書籍なのだが、バンダイ公式の攻略本ではない。タイトルに「たまごっち」という名称を用いていないことからも非公式の出版物と思われる。表紙には「たまご裏博士 編著」の文字。こうした出版物が当時はいくつかあったようだが、今ではとても貴重な資料と言える。

 

 『たまごの裏ワザ』シリーズはタイトル通りプレイ中に使える小技や小ネタ、「こんな操作をしたらこんなことになる」といったちょっと実験的な遊び方の紹介をメインにした内容となっている。単にお世話の仕方やキャラクター紹介をするような普通の攻略本とは一風異なり、「たまごっち」というゲームに隠された謎を解き明かそうというマニアックな視点と遊び心が感じられるのが魅力。ブームに沸いた当時ならではという感もあるし、また諸々の事情から現在はこうした出版物が出回ること自体難しいのではと思う。

 

 小技等についてはさほど目新しい情報はないが、隠し要素などについてはいくつか興味深い記述が見受けられる。特に3冊目の『たまごの裏ワザ 超究極スペシャル』は「だれもみたことのない映像のだしかた」にほぼ全てのページを割いている。「だれもみたことのない映像」というのはたまごっちを一時的にバグらせることで画面に出現させられる、通常プレイでは現れない映像のこと。要するに意図的に誤作動を起こさせてプログラムに収められているデータをのぞき見ようということだ。

 

 

 やり方は簡単で、たまごっち本体とテープがあればすぐにできる。

 ↑たまごっちの裏蓋を開けて電池を入れ、その上からテープを貼り付ける。その状態で取り出して、電池の形にテープをカットする。あとはたまごっちを表にし、指を使って電池を接触させたり離したりするだけだ。

 メカニズムも紹介されていたが専門知識がない身には少々難しかった。どうやら電池を入れた時に発生するノイズの影響やコンデンサに溜まった電気が使い切られる影響でCPUが誤作動を起こすことがあるらしい。それにより内部の電子情報が変わってしまうことで通常プレイではありえない映像が出現することになるのだという。

 

 

 方法自体は難しくないので、早速やってみた。コツを掴めば狙い通りにバグらせられる確率を上げられるようだが、結論から言うと運要素も大きい。おそらく本体の個体差もある。現れた映像はそのほとんどがドットの乱れたとりとめもない有象無象ばかり(一番上の画像参照)だったが、根気強く続けるといくつか興味深いものも見つかったのでそれらをここに紹介しておこうと思う。

 

 

 ↑ 『たまごの裏ワザ』にも記述があった晩酌セット。お銚子とお猪口

 こちらの本体は新種発見!!たまごっちで、通常プレイでこのようなものは見られない。ただし後のオスっちメスっちでは全く同じものがおじっち・おトキっち専用の「おかし」として実際に登場する。当初からデータには入っていたということだ。おやじっちに使用しようとしてボツになったのだろうか。

 

 

 ↑ 特に目新しくはないが気に入っているショット。おにぎりづくし。

 やたらとおにぎりが現れる映像があったので撮影した。もちろん通常のプレイでは画面がおにぎりで埋まることはない。ウンチが8個溜まると似たような絵面にはなるが。

 

 

 ↑ 通常プレイでは見かけない文字のようなもの。め、ビ、す、る?何に使おうとしたのか気になる。

 

 

 ↑ 何かを浴びているように見えるたこっち。左上のマークは何なのか。しつけの時のマークとして使おうとしたのだろうか。

 

 

 

 ↑ 食事をするタマゴ。一応ごはんとおかしを選択することができた。ごはんは4つ与えるとちゃんと拒否する。

 食べる時のモーションはベビっち誕生時のものと同じ。手元に画像は残っていないが、新種発見!!のニューカラーバージョンではしろベビっちの顔がのぞくのがシュールだった。

 

 

 ↑ ごきげんUPゲームをするタマゴ。勝つと喜び、負けると怒る。

 

 

 ↑ 眠るタマゴと、病気になるタマゴ。電気を消したり治療したりはできなかった。

 

 

 ↑ なんとおばけっちとお墓がそれぞれ単体で登場。眠るおばけっちとウンチをするお墓。

 

 

 ↑ そして衝撃的なのがこちら。お墓の寿命死シーンを捉えた。

 お墓がタマゴを残しておばけになるというシュールな絵。タマゴを残した後におばけっちとお墓の画面になるという一連の流れは他のキャラクターと一緒だった。

 

 上記タマゴシリーズやおばけ・お墓の絵から、超隠し要素としてこれらもプレイアブルキャラクターになりうる可能性がわずかながらにあるというわけだ。モスラのたまごっちの前例があるので現実味があるようにも思えてくる。ただしこれらを探求するのは至難の業なので一朝一夕でどうこうできるものではないだろう。

 

 

 もっと試行を繰り返してみたかったがなかなか骨が折れるので今回はここまでで締めた。このやり方は他のシリーズに応用することも可能ではあると思われる。てんしっちやそれ以降の初代シリーズに隠された要素についても垣間見れる可能性があるということだ。いつか時間を見つけて試してみたい。

 なお、前述の『たまごの裏ワザ』に紹介されていた映像の全てを見つけることはできていない。かつてはネット上にそれらの画像を上げているサイトも存在したようだが、残念ながら現在では見ることができないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【 たまごっち / 新種発見!!たまごっち 】

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 キャラクター図鑑(元祖たまごっち)

 キャラクター図鑑(新種発見!!たまごっち)

 隠れキャラクターの育て方(おやじっち、せきとりっち、チャリっちの育て方)

 

 

【 てんしっちのたまごっち 】

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【 デビルっちのたまごっち 】

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【 オリジナルたまごっち GEN3 】(リバイバル版てんしっち)

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【 たまごっちコネクション 】

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 平成レトロの流行による追い風もあってか、近年再燃しているたまごっちブーム。オリジナルたまごっちやたまごっちコネクションなどの復刻版が次々と発売されている一方で、当時物のたまごっちもネットオークションやフリマサイトになどで盛んに取引されている。注目度が高く買い求めるファンも多いため、価格も上昇傾向にあるようだ。

 

 特に90年代に発売された初代たまごっちシリーズは、今なお人気を誇るたまごっちシリーズの原点とも言える。元祖たまごっちに始まりてんしっちや森で発見・海で発見、デビルっちに至るまで個性豊かなタイトルが並んでおり、ファンとしては大いにコレクション欲をそそられるラインナップだ。

 所謂ビンテージとも呼ばれるそれらの品々は当然既にバンダイによる製造販売が終了しているため、現在では主に個人がコレクションを出品する形で流通している。今でも当時物を手に入れられるのはありがたいことだが、購入には気をつける点がいくつかある。せっかく高いお金をかけたのに、せっかくレア物を勝ち取ったのにと後悔しないためにも知っておくべき注意点についてまとめておこうと思う。

 

 

 

 経年劣化は免れない

 

 まず初めに触れておきたいのが経年劣化についてだ。

 初代たまごっちシリーズは発売されてから30年近く経過している。電子ゲームなので腐る物ではないとはいえ、経年劣化は免れない。特に個人で所有・管理していたものに関しては保存状態により品質はピンキリであるという点に注意する必要がある。

 

 

★ 新品未開封品も今や新品ではない

 購入を検討する際にはどうしても「新品未開封」の文字に惹かれるものだし、なるべくそうしたものを買い求めたくなるのが自然だ。しかし前述の通り発売から年数が経っており未開封品でも保存状態により品質がかなり左右されるため、必ずしも新品未開封=状態が良好とは言えない。何かしらの劣化が見られて当たり前と想定しておいたほうがよい。

 ネットオークションやフリマサイトでは新品未開封をうたう出品も多いが、写真だけで状態を判断するのは難しい。ぱっと見きれいに見えても変色や傷が見つかる場合もある。特に動作未確認の場合は通電後に不具合が見つかる場合もあるのだ。

 

・日焼け及び変色、キズ

 写真で確認できないボディの劣化が見つかる場合がある。

 変色については本体を覆うプラスチックのパッケージのみが変色している場合と本体が変色している場合があるが、掲載写真だけでは判断できないことも多い。本体に付いたキズなども写真からは分からないことがある。

 

 

 ↑パッケージのプラスチックが変色している場合。

 本体は比較的キレイな場合もあるが一緒に写した画像では分からない。

 

 

 ↑本体を取り出して見てみると、日に当たったであろう表側のパーツと裏側のパーツで色の違いが見られることがよくある。これも写真だと分かりにくい。

 

・ネジの劣化

 本体裏の蓋を固定している極小のネジが劣化していることがある。

 特に未開封品の場合は固まってしまっておりドライバーを使っても全く回らないこともしばしば。市販のすべり止め剤などを使用しても回らない場合、素人に開けるの難しい可能性が高い。無理に力を入れるとすぐにネジ穴が潰れてしまう。なめたネジ穴用のドライバーも販売しているが、必ずしも上手く取り除けるわけではない。

 またネジが回ってもネジ自体の劣化により途中で折れてしまうケースもあるので扱いには注意が必要。

 蓋の破損を承知の上でこじ開けることは可能だが、後のプレイに支障をきたす可能性が高いのでなるべく避けたいところだ。

 

・部品の劣化

 内部の金属部品(電池回りのパーツなど)が劣化したことなどにより折れたりする場合がある。

 

・電池の劣化

 

 特に新品未開封の場合は販売当時の電池が入れられたままになっており、それらが液漏れ等の劣化を起こしている場合がよくある。これは本体写真で判断することが難しく、見た目はきれいに見えても内部の基盤などにダメージを及ぼしていることもある。電池回りが傷んでいたり、最悪動作不良の原因になってしまうことも。

 

・動作不良や液晶不良など

 通電の不良が見られることがしばしばある。新しい電池を入れても通電しない、プレイ途中に通電が途切れて動作不良を起こしたり強制的にリセットされてしまうなど。保存状態などにより個体差が大きく、電池を入れた時の感度が良いものは当たりと言える。ただしこれは実際に手元に届いて通電してみないと分からない。

 電池の液漏れによる通電の不良であれば電池回りを綿棒などでやさしく掃除することにより改善することもある。また通電が弱い場合(蓋を閉じても通電しないが電池を指で押し当てると通電する)は、ティッシュや紙などを薄く折ったものを蓋と電池の間に挟み込むことにより改善することもある。

 

 液晶に何らかの不良が見られる場合もある。液晶が潰れている、薄くて見づらい、一部が欠損しているなどで、いずれも素人に修理するのは難しい。

 

 

 ↑ 液晶が潰れてしまっている。文字も読み取りにくくなってしまう。

 

 

 ↑ 最初は問題なく映っていたが、しばらくして液晶が薄くなり赤みを帯びた状態に。

 

 

 ↑ 左端の一列が欠損しており、プレイ中のドット絵が欠けてしまう。

 

 

★ 遊ぶのが目的なら「動作確認済み」

 「新品未開封」の場合、基本的に「動作未確認」である場合が多い。大抵は「未開封のため動作未確認です」と説明書きにあり、この場合①ネジが回るかどうか②電池の液漏れやそれによる傷みはないか③問題なく通電するかどうかが全く分からないことを念頭に購入を検討しなければならない。基本的に上記①②③を保証しない出品となるため、購入後に不良があっても返品などに応じてもらえることは期待できない。そのため極端に言えば「動いたらラッキー」くらいの気持ちで購入することになる。ある種の博打というわけだが、価格が安ければそれもありだ。

 

 コレクション目的というよりも実際に起動して遊ぶことを主な目的として購入するのであれば、動作未確認の未開封品よりは動作確認済みの中古品を選ぶ方が安全かもしれない。裏のネジが無事回る状態である可能性が高く、通電していることが確認できるため比較的リスクは低いと言えるからだ。動作の様子を写真に写しているものは液晶の映りも確認できる。いくつかの出品を比較してボディの傷みの少ないものなど、状態が良さそうなものを選ぶのがよい。

 ただし「動作確認済み」とあっても完全に信頼することはできない。前述のように通電が弱かったりプレイ中に不良を起こす場合もある。また手元に届いてみたら写真で見たよりも液晶が薄かったケースもある。あくまで過信はしないこと。動作に限らず気になった点があれば出品者などに質問してみるのもよい。

 

 

 

 商品説明の誤りほか

 

 購入に当たって気を付けることは商品の不良だけではない。商品名や商品説明などが誤っている場合もあるし、出品者によっては記載に嘘がないとは限らない。悪意あるものとは限らないが、それらのリスクは念頭に置いておきたい。

 全てが購入前に判断できるわけではないが、いくつかの注意点について触れておく。

 

・パッケージの入れ替え、パーツの入れ替え

 発売から時間が経過しているため、何人かの所有者を経ている場合はその途中でパッケージが入れ替えられたり本体パーツが入れ替えられたりしている可能性もある。

 「新種発見!!たまごっち」のパッケージに元祖「たまごっち」が入れられていたり、元祖「たまごっち」の台紙と本体なのにプラスチックのカバーだけが「新種発見!!たまごっち」のものになっている…などということがまれにある。また、基盤とシェルの入れ替えがされている可能性もゼロではない。

 パッケージと本体ついてはよく見ること、不審な点があれば調べること。

 

・日本版か海外版か

 たまごっちには日本版と海外版がある。基本的にはパッケージが異なるが、一部パッケージだけでは分かりにくい場合やそもそもパッケージが付属していない場合もある。

 動作の様子が写真に写されている場合は液晶の文字を見る、またタマゴのデザインや死亡画面のデザインを確認するとよい。(日本版と海外版はタマゴや死亡画面が異なる。以下タマゴと死亡画面の比較。)

 

 

 

 本体裏のシールなどに記載されている言語を見るのもよい。

 

・当時物か復刻版か

 元祖「たまごっち」「新種発見!!たまごっち」には90年代に販売された当時物と後に発売された復刻版が存在する。お馴染みの「オリジナルたまごっち」については一目で分かるのだが、実はオリジナルたまごっち発売前に日本で少しだけ出回った祝20しゅーねん!たまごっち」は当時物とパッケージもシェルデザインもほとんど似せて作られているため分かりにくい。まれに誤った記載で出品されていることがあるため注意する必要がある。

 

 

 

 ↑ ポイントは台紙にプリントされている垂れ幕の文字。復刻版は「20しゅーねん!」と書かれている。

 

 

 ↑ 本体を裏返すと分かりやすい。蓋の形状やネジの本数も異なる。

 

 

 

 相場に気を付ける

 

 同じ初代たまごっちシリーズでも、出回りなどによって価格が異なる。希少価値の高いものや人気の品は価格が高騰している一方で、出回りの多いものなどは安価なものもある。また個人によって出品されていることが多いため、出品者の判断によってもまちまちだ。いずれにせよそれぞれのシリーズに大体の相場がある(ただし変動することもあるが)ため、事前に調べて把握しておくとよい。

 希少価値の高いものはオークションなどでは争奪戦になることもある。これを逃したらもう手に入らないかもしれないという焦りから衝動的な入札をしてしまいがちだが、後悔しないためにも一呼吸置いて考えること。特に前述のリスクを考慮した上で妥当な価格かどうか冷静に判断したいところだ。

 

 

 

 

 それにしても、遠く過ぎ去ったと思われたたまごっちブームが再燃しかつてのたまごっちたちが再び起動され遊ばれ楽しまれているのはとても感慨深い。最新の機能がいくつも備わったカラー版のたまごっちが人気を誇る令和の時代に、同時に白黒ドットの素朴なたまごっちがこれほどまで親しまれることになるとは思いもよらないことだった。「たまごっち」はまさにおもちゃの歴史に残る傑作というわけだ。