ご訪問ありがとうございます
私、痛いのとか苦しいのはイヤなんです。
それもあってか、癌(がん)が進行して引き起こされる
癌性疼痛についても、出来るだけ和らげたいと思っています。
食道癌、咽頭癌の末期患者さん。
これまで、手術、化学療法、放射線治療を受け
積極的な治療が難しくなったため
緩和医療目的で転院されました。
まだ60代で、気管切開、経管栄養の状態で
病室内なら歩行可能、自力排泄出来る方。
がまん強い方なので、痛みの訴えをあまりしない方でしたが
それでも、とうとう
首から両腕にかけての痛みがひどくなってきたと
患者さんからの訴えがありました。
主治医は先輩Dr.だったのですが
ちょうどお休みされていたので
相談を受けた私は、頚椎のCTを撮影。
すると、腫瘍が頚椎に浸潤していて
椎骨の1/3くらいまで腫瘍に侵されていました。
複数の消炎鎮痛剤は使用してましたので
次に追加するとなると、がん性疼痛治療に用いられる
オピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)を使う必要があります。
患者さんに説明し、了解していただいた上で
オピオイド鎮痛薬を使い始めました。
幸い、効果がみられて痛みが和らぎました。
ですが、動くと痛みが増強してしまうため
薬の増量を予定したのですが
勤務に戻った先輩Dr.の主治医に状況を報告したところ
「痛みが和らいだんだったら、最小限の量で続ける。」との返事で
増量することなく、現状維持となりました。
薬の投与量などといった、細かいさじ加減は
医師の裁量に任されていますが
出来るだけ「痛みや苦しみをゼロに」を
モットーの私としてはモヤモヤ。
でも、その時はどうすることも出来ず、となりました。
その後はどうなったかというと
先輩Dr.のお休みの日に
痛みがひどくなって…、と冒頭のエピソードの繰り返しとなり
私が薬の増量を行ったのでした。
繰り返しになりますが
私は痛くなくて、苦しむことなく毎日を過ごしたいです。
きっと、皆がそう思ってるんじゃないかな。
使える薬があるのだから、きっちり使ってあげたいんですよね。
もちろん、過剰な投与はしませんけど。
出来るだけ最小限の投与量といって
抑えきれない痛みや苦しみを
がまんさせるのって、本当に誰得?
これからも隙をみて、必要と思った治療をしていきますよ~。
治療で和らぐ痛みや苦しみがある場合は
主治医に相談しながら、きちんと治療を受けて下さいね。
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