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がん細胞が原発巣から周囲の正常組織に広がること（浸潤）は
がんが全身に広がること（転移）へ繋がります。
最近では、がん細胞が集団として浸潤すること（集団浸潤）で
転移巣の形成を促進させることがわかってきました。
このことから、集団浸潤を止めることで
転移を抑えることができると考えられるのですが
その詳細は十分に明らかになっていません。
北海道大学や名古屋大学などの研究グループは
がん細胞が集団で浸潤する新規メカニズムを明らかにしました。
集団浸潤するがん細胞の細胞と細胞の間に
密閉された空間が存在することを発見し
そこに存在するインターフェロン-β（IFNB）という物質が
ヤヌスキナーゼ（JAK）及び転写調節因子STAT1という物質の活性化を介して
集団浸潤を促進させることを明らかにしました。
また、STAT1が活性化したがん細胞は、浸潤する能力をもたないがん細胞を牽引し
一体となって集団浸潤を引き起こすことを明らかにしました。
浸潤をする性質を獲得したがん細胞が
その能力が無いがん細胞まで巻き込んで、集団浸潤を引き起こすとは…。
この研究がさらに進んで
集団浸潤を抑えるための新規治療法の開発などにつながることが期待されますね。
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