ブラックペアン シーズン2 最終話の前に‥‥

 
シーズン1の原作は海堂尊の「新装版 ブラックペアン1988」。
 

 第9話 ペアンの真実を暴け!!命がけの秘密!命がけの手術!医者の覚悟(2018年6月17日 放送)

佐伯教授(内野聖陽)が倒れた!検査の結果、心臓部に疾患が見つかる。

早急に対応が必要だが、この難しいオペができるのは東城大では渡海(二宮和也)しかいない。

そのころ、渡海はある患者を探して、さくら病院に乗り込んでいた。

しかし目当ての患者はおらず、そのカギを握るのは佐伯のみ。

渡海は佐伯を助けたあとに真の目的を達成する、と世良(竹内涼真)に宣言する。

ところが、佐伯は渡海の執刀を拒み、国産の手術支援ロボット・カエサルでの手術を提案する。

しかし帝華大の西崎教授(市川猿之助)の指示で、これまで蓄積されていたカエサルのデータはすべて持ち去られており、黒崎(橋本さとし)をはじめとする東城大のスタッフたちは暗中模索の日々を送ることに・・・。(公式より)

 
以下ネタバレを含みます。
渡海はさくら病院で飯沼達次を探していた。治験コーディネータの木下が部屋番号を告げる。
しかし、その部屋に飯沼はいなかった。
 
佐伯は倒れた時に、看護師長に「飯沼さんを退院させろ」と指示したために、さくら病院の小林と看護師長と連携して転院をしてしまったのだ。
佐伯に直接聞くしかない。
 
渡海は佐伯を引き受けるというが、佐伯は渡海の申し出を断り、黒崎にカエサルを使って執刀するようにと指示する。
 
高階が西崎に報告すると、西崎はメスの権威が自分の事となるとテクノロジーを選ぶとは…と皮肉交じりに言った。
高階が佐伯は西崎のミスをフォローしたことを指摘すると、西崎は自分はミスをしていない、自分で回収できるものを佐伯が勝手にやったのだと言い放つ。これでメスの時代は終わった。
 
スタッフルームに戻り、高階がカエサルのデータを確認すると、データは消されていた…。
 
黒崎は佐伯教授の命を守るため、佐伯外科が一丸となり取り組もうと檄を飛ばす。
そして、黒崎は世良に渡海の様子を見はるようにと命令した。渡海を今回のオペに関わらせるつもりはないと。
佐伯のオペは、2時間以内に僧帽弁形成術と左冠動脈バイパス術を同時に実施する大変難しいオペ。
カエサルに一番詳しい高階は裏切り者として排除されており、東城大の佐伯外科チーム一同はシミュレーションを繰り返すのだった。
 
世良は高階がチームに入った方が良いと進言するが、高階は二度も東城大を裏切っているので許されなくても仕方ないと。
でも高階は患者は裏切ったことがないと断言する。
高階は東城大でカエサルに一番詳しい、そして、帝華大が使っていたシミュレーターを使うことができれば…と言うが、高階は残念そうにシミュレーターは使えない。データが消されているため、ソフトのないゲーム機のようなものだと言った。
 
渡海は、カエサルのオペは間違いなく失敗するので自分に任せろと佐伯に迫る。
佐伯は渡海の思惑を見通していた。渡海は佐伯の命を助けたいわけではなく、佐伯の知っている患者の所在が知りたいだけだ。「命よりも大切なものがある」と佐伯は拒否する。
 
<帝華大>
高階は西崎の元を訪れ、論文発表と引き換えにシミュレーターのデータを返して欲しいと頼むが、既に論文は別の医師に書かせており完成しているため、高階の論文はもう不要だと、高階の申し出をあっさり断る。
 
「研究とは人の命を救うためのものではないんですか?あなたはそれでも医者か!」と高階が西崎にくってかかる。
「はい。医者です。東城大のお医者様がお帰りだそうだ。送ってさしあげなさい」と西崎。
 
<東城大>
高階がカエサルの研究室に入ると、黒崎がカエサルのテストをしている。
黒崎は佐伯の命をどうしても救いたいので、執刀してくれないかと高階に懇願する。
高階は論文完成のために西崎に尽くしてきたが西崎はあっさりと高階を捨てた。
黒崎の医者としての想いに心をうたれ、カエサルのオペチームに高階が参加することになった。
 
佐伯はオペチームの様子を見ることができるようにと、撮影をして病室で見ることができるようにと看護師長に依頼する。
 
高階がチームに加わっても依然としてシミュレーションは上手くいかない…。
高階は渡海に参加を依頼するが、渡海はメスを持たせればいいといってカエサルでの執刀を拒否する。
 
<仮眠室>
渡海をカエサルチームに参加させるため、世良と花房は渡海のことを調べ始める。
以前あったレントゲン写真は見当たらない。
「あの人、いつもここで米ばっか食って・・・」と、大量の米袋の存在に気づく。
世良が米袋を調べてみると、ペアンが写ったレントゲン写真があった。患者名は飯沼達次。担当医は渡海一郎。
 
<スタッフルーム>
渡海が戻ってきたところに、黒崎がカエサルのオペチームに入ってくれとお願いするが、
渡海は「メスで行うよう教授説得してくださいよ。じゃないと死にますよ」と、仮眠室に入っていった。
 
<仮眠室>
渡海を追って黒崎が入ってくる。「待て渡海、お前いい加減にしろよ!」
部屋には、ペアンが写ったレントゲン写真を手にする世良と花房が・・・。
黒崎がレントゲン写真の存在に驚愕する。「どこでこんなもの・・・」
渡海がこれは俺のだとレントゲン写真を黒崎から取り上げると、黒崎は「逆恨みか?東城大の恥さらしの息子が!佐伯教授のオペが終わるまでお前は自宅待機だ!」と大声で命令する。
「え?自宅ここなんですけど」と、渡海は不敵な笑みを浮かべた。
黒崎が出ていけ!と怒鳴ると渡海は出て行った。
 
世良は何かあったのか教えて欲しいと黒崎に頼む。
 
黒崎の指導医は渡海一郎だった。優秀な医師だったが、当時の教授と折り合いが悪かった。ある日、飯沼達次が軽い心臓疾患で入院。渡海一郎が飯沼のレントゲン写真を見ている場面に黒崎が出くわした。レントゲン写真にはペアンが写っていた。ペアンの置き忘れという医療過誤を行った渡海一郎は東城大を除籍処分になった。そのペアンは当時の教授が秘密裏に処置としていたと聞いている。
その後、佐伯が教授となり、渡海征四郎を不憫に思い、東城大に招き入れたのだ。
 
渡海は信用できない。渡海のメスなど必要ない。と黒崎は言い切った。
 
<手術室>
オペの準備をしている花房のところに猫田がやってくる。
黒崎と何を話していたのか?渡海一郎のこと?と。
すると、看護師長が猫田に何をしているの?と声を掛け、猫田は去っていく。
看護師長も花房に黒崎から何を聞いたのかを問われた。
花房は看護師長に黒崎から聞いたことを伝えるが、看護師は看護師の仕事に徹すること、他の医師や猫田、世良にも話したりしてはいけないと厳命される。さもないとクビになると…。
 
<東城大の寮>
世良が帰宅すると渡海が突然現れた。米が食べたいと。
世良は寮に帰ってからも勉強をしている。佐伯を助けたいが、突破口がなくて…と。
すると、渡海は「日本一症例や論文を扱っているところに行ってみろ」と助言をくれる。
 
<日本外科ジャーナルのオフィス>
編集長の池永が西崎にカエサルの論文が掲載されることになったことを電話で伝えた。電話を切った後、西崎は「私の勝ちだ!」と喜んだ。
池永は、高階と西崎の「あなたはそれでも医者か!」「はい。医者です」というやり取りを思い出し、浮かない表情をしていた。
そこへ、治験コーディネータの木下が世良を連れてやってくる。
世良がカエサル手術のことで相談があると。
池永はオペのヒントとなるかもしれないが掲載前の論文は見せることができないと、そっけない。
 
『馬鹿は馬鹿なりにそのまま聞けばいいんじゃないか?』と渡海に助言されたとおりに、
世良は「じゃ、どうすればいいでしょうか?」と率直に池永にたずねた。
 
世良は佐伯のカルテを見せて、何かアドバイスをいただけないでしょうか?と池永に頼み込む。
 
『言いたい事、言ってこい。ただし馬鹿なやつだと怒られて帰ってこい』と渡海に助言された通りに
「君は馬鹿か」と池永に呆れられる。
「私は私の仕事で忙しいんだ」と池永はイライラする。
 
「その忙しいお仕事というのは何なのでしょうか?いや、僕には偉い人にインパクトファクターをあげて出世させるという、そういうお仕事にしか見えなくて、要するに論文なんて作文みたいなもので、で、よくできましたって花マルあげて、で、偉い大人たちがワイワイ喜んでチヤホヤされて、それの何が楽しいのか僕には意味がわからなくて…」
 
池永はとうとう我慢しきれずに机を叩いて、激怒して席を立ち、帰ろうとする。
 
「あの、ちょっと待ってください。お願いします!」
「大体なんなんだ!いきなり来て、医者のくせに助けてくれなんて、バカにも程があるだろう!!!」
 
「僕なんて医者じゃありません。人の命の危険を目の前にして何にもできないんです。そんなやつ医者じゃないんです。僕が知っている医者というのは、ある方は決して命から逃げず常に先頭に立って命を救うために日々戦われていて、そして、ある方はテクノロジーを信じて未来の命を救おうとされています。そして、もう一人、その人はもう悪魔みたいな人で、いつもむちゃくちゃなことばっかり言って僕も振り回されているんですけど、それでも必ず命を救うんです。自分の腕ひとつで、目の前の命を必ず救ってくださるんです。どなたも僕が尊敬する医者の中の医者です。
東城大ではオペに向けてシミュレーションを繰り返しているんです。でもシミュレーションじゃ全然うまくいかなくて、だから海外製のダーウィン手術で似たような症例がないか必死に探しているんです。今、東城大はメスというプライドを捨てて、全員が一つの命を救おうとしています。なぜなら佐伯教授の命は、教授のオペを待つ何千人という患者さんの命でもありますから。
もちろん僕なんて何の役にも立たないと思いますけど、それでも諦められないんです!目の前にある命を諦められないんです!
だからできることは全部したいんです!僕も医者でありたいんです。だからどうにかお力を貸していただけないでしょうか!
お願いします!お願いします!」といって、世良は泣きながら何度も土下座をする。
(長いセリフだけれど、一言一言に意味があって、感動です。)
 
 
世良の熱意に心を打たれた池永は、
「確かダーウィン手術で佐伯教授と似た症例の手術を成功させた論文を見た記憶があります。世界ではまだ知られていないアメリカの小さな研究所がだした雑誌だったと思います。特別なルートがあるので、私の方で問い合わせます」
と協力を約束した。
 
「それが論文本来の役割だから…。私は幼い時、珍しい病気を発症して、もう命はないと言われた。だけど、その当時の医者が世界中から論文をかき集めて治療法を見つけてくれた。世界のどこかの誰かの研究が他の国の誰かの命を救う。そのための論文です。君が言ったように誰かの出世のためなんかじゃない。命のためです。その橋渡しをするのが私の仕事だと改めて思い出しました。成功を祈ります」
 
<東城大>
池永に取り寄せてもらった論文は佐伯の症例と似ており、新しいアプローチで試してみることになった。
 
<東城大の寮>
世良が渡海に論文を見せてお礼を言った。
「まさか本当に見つかるとはな」
「ただ本番まで時間がないのでホントにこの方法で実践できるのかどうか…」
「できるかどうかじゃなくて、やれ!教授殺したら、お前ら全員殺す。今はまだ生かしてもらわなきゃ、困んだよ」
「それはあの患者さんの所在を知るためですか?どうしてそこまで?」
「佐伯を殺すためだ」
 
<東城大>
高階が佐伯に手術の方法について説明をしている。
「成功すればカエサルでは世界初の方法となるな」
「はい。論文にまとめたいくらいです」
「高階君、今まで君がまとめたカエサルの論文はどうなっている?」
「実は西崎教授は私以外の者に論文を書かせていました。なので、私の論文は今はもうなんの価値もありません。パソコンの中で眠っています」
「それはよかった」と佐伯はスタッフルームでシミュレーションを行う様子を見た。
 
突然、佐伯が胸を押さえて苦しみだした。
心筋梗塞を発症し、緊急オペとなってしまった。
更に、心筋梗塞の影響でオペ時間はたったの1時間となってしまった。
 
高階が執刀するが、左の冠動脈が見えず、確認できないままでカエサルを突っ込むしかない。
心臓を押さえるが、その圧力で心室頻脈が発生してしまった。
 
【BGM:モーツァルト「レクイエム」】
高階がカエサルのハンドルから手を離した。
これ以上カエサルを突っ込んでも心臓を傷つけるだけです。これ以上は・・・
悲嘆にくれる高階と黒崎、そしてスタッフたち。
 
黒崎は「神様でも悪魔でもなんでもいいので、教授を助けてくださいーーー」と絶叫する。
BGMではアーメンの歌声が・・・
 
突然、カエサルのアームが動いた。高階が操作しているのではない。
世良が「4.0お願いします!」と指示を出して、高階の耳にイヤホンをセットした。
 
「こういうことだ。まずは右心室の出血、止めていくよ」
シミュレーターを介して遠隔で渡海が操作していたのだ。
 
「見えなきゃ心臓引っ張りだせばいいだろ」
吸盤を使うことに戸惑う高階。右心室の縫合は完了した。どうする高階。
既に50分経過。残りは10分だ。
 
「左冠動脈のバイパス術を開始する。吸盤持ってきて」と高階が指示をする。
「吸盤?そんなのプランには…」と呆然とする黒崎。
猫田が吸盤を持って手術室に入ってきた。
 
「片手で縫っていく」と渡海。
「左手で心臓を押さえて、右手で縫っていく」と高階。
 
「糸のフォローおせえよ。吸引、吸引」と渡海が話した通り、高階が叫ぶ。
 
猫田が送血管と脱血管の用意を看護師に依頼する。
 
ギリギリ一時間。バイパスは完了した。
僧帽弁が残っている。
ここまでか…。
 
佐伯式での僧帽弁形成術を始める。
 
手術は成功した。「手の方が数倍楽だわ」と渡海。
「完了」と高階。
 

僧帽弁の形成術を始める

 

高階と世良がシミュレーターのところにやってくると既に渡海はいなかった。

カエサルのマニュアルに遠隔操作の項目があった。

「こんなところに…、渡海先生はすごい人ですね」と世良。

高階は気づいた。

佐伯が指示してセッティングしたカメラ。シミュレーターを写していたはず。

渡海の操作を撮影していたはずだ。

 

<佐伯の病室>
佐伯が目を覚ました。
「生き延びたか…生き延びたからにはやることがある」と。
 
<帝華大>
西崎は満足そうに日本外科ジャーナルに掲載された論文を眺めている。
すると、次のページには…高階が執筆したカエサルの新しい論文が掲載されていた。その文末には佐伯の名前が・・・
 
西崎は日本外科ジャーナルの池永に西崎が抗議の電話をする。
「そちらは東城大が独自でまとめたカエサルの論文です。論文もさることながら、添付されていた映像が素晴らしい。一流の外科医が一流の医療機器を扱うことによって超一流の手術が実現されたんです」
「共同研究の規約違反だ!」
「この東城大の論文の方が未来を見据えた優れたものだと思ったものですから。では失礼します」
 
西崎はインパクトファクターで佐伯に負けたのだ。
 
<佐伯の病室>
「なかなかいい論文だ」
「佐伯教授の命がけの論文ですから」
「君が協力してくれたおかげだよ」
佐伯がシミュレーターにカメラを向けていたことについて
「渡海先生がカエサルを使うことも予測されていたのですか?」
「渡海は今、私に死なれては困るからなぁ。悪いが少し外してくれないか?」
渡海が訪れている。
 
「おまえのおかげで生き延びることができた。それで改めて殺しにきたってわけか」
「飯沼達次はどこにいるんですか?」
「それだけは言えないな」
 

<特別室>

看護師長と花房が一人の患者を車いすで案内。誰にも知られてはいけない患者であると看護師長が念を押す。

「懐かしいなぁ~。昔、東城大に入院していたことがありましてね」と患者が言っている。

花房がカルテの名前を見ると…飯沼達次だった

 

<佐伯の病室>

「ブラックペアンを使えるのは世界に一人だけだ。今のおまえに譲る訳にはいかない」

「なら奪い取るまでだ。ちなみに・・・ XXXXXXXX」渡海が何かを言っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シーズン2 第1話から第8話までのネタバレ目次

第1話「神に愛された悪魔」

第2話「神に愛された悪魔VS少女の祈り」

第3話「成功率0%のオペの行方!?」

第4話「天才医師VS医療AI」

第5話「お前は死ねない!50億円オペの結末は?」

第6話「メスを持った看護師&去り行く医師」

第7話「手術失敗!裏取引の罠」

第8話「渡海と天城の秘密」

第9話「戦う人よ、諦めないで!」