アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その3
基盤岩のアメチスト
怪人は、ダイアモンドもエメラルドも拾ったことはないけれど、アメチストならシングー流域でいくつも拾った。ハンマーで叩いて小粒のクラスター(原石の結晶)にすると、可愛いお土産になるので、アジトを訪問してくれたヒトには、いつもプレゼントしている。
オレが上の紫の石を掘った周辺の地質図を見てみよう。●がアルタミラ市、★が産地である。
アメチストのあったのは楯状地の岩盤だけど、造山マグマ活動の影響のあるブラジル・ノーヴォ岩帯(薄紫色)で、先カンブリアの原生代のリァキアンと呼ばれる時代、すなわち20億年~23億年前のものと考えられている。★のあるところに、東西方向の断層(黒線)がある。おそらく、この断層によってできた亀裂空洞に、アメチストが結晶したのだろう。同じ断層の延長の西にも、アメチスト産地が知られている。
ブラジルの紫水晶は、バイオレットの濃さによって、1から10までの等級で区分されている。上画像の左端が等級2、右端が等級9である。ちなみに等級1は、ただの水晶である(笑)。等級10は濃すぎて、大きなルース(磨き石)にすると、ただの黒い石(笑)にみえてしまうので、最上級ではあっても、小さなルースにしないと宝石っぽくないのが泣きだ。アマゾン地方には、等級10の絶品が産する場所がある。アラグァイア河畔の漂砂鉱床で、世界的にはパウ・ダルコのアメチストと呼ばれ、世界最上品とされている。
古来よりアメチストのストーン・パワーは、「心の浄化」として知られている。そうだったんだ! 怪人の心が清く澄んでいるのは、シングーでアメチストを掘ったからに違いない。でも、そのうちパウ・ダルコ級の岩塊でも拾って、売っぱらって大金を濡れ泡にして、夜色街で酒池肉林だぜ、うひひひひ、という下心もかなりある(笑)。
続く
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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その2
基盤岩のダイアモンド&エメラルド
まずは、アマゾンを支えている基盤のお話しからいこう。中坊の地理だったか、少なくとも高校の地理か地学の授業で教わる単語に、「楯状地」ってのがある。コンチネンタル・クラスト、すなわち大陸地殻が大陸の広範囲に露出している部分であるね。先カンブリア代って古い時代の、結晶質の火成岩や変成岩でできている。安定した地塊だけど、侵食で表面が平坦化しているので、卓上地すなわちプラット・ホームと呼ばれたこともある。
怪人が極東のガキだったころは、南米大陸の楯状地は、2つあるとされていた。すなわちアマゾン低地をはさんで、北がギアナ楯状地、南がブラジル楯状地と教わった。しかし、ブラジルが石油探索などのために盛んに行ったアマゾン深部ボーリングで、この2つが地下で連続しているのが分かって、ひっくるめてアマゾニアン・シールドと呼ぶのが正しいとされている。
楯状地は、宝石の宝庫である。たとえば、ダイアモンド。この石の起源は、地殻の下にあるマントルである。ダイアモンドのマトリックス(母石)であるキンバーライトが、高温高圧のまま一気に地表に上昇しないと、単なる炭になってしまう。そういう現象が起こるのは、安定した地殻、すなわち楯状地でしかないとされる。ブラジルで最大級のダイアモンドは、プレジデンチ・バルガスと呼ばれる石で、原石は、なんと726.6カラットもあった。1938年8月13日、ミナス・ジェライス州の田舎、コロマンデルの川原でダレか運のあるヤツが拾った(笑)。
アマゾン地方でも100カラット級のヤツもいくつか拾われている。パラ州のトカンチンス河に建造されたツクルイ湖底になった地域も、以前はブラジル最大級の産地として鳴らしていた。このダム湖が大渇水した年にピーコックバス釣りに行ったら、潜水具でおタカラを探しているサピーを見たことがある。
古生代初期の火山活動で、楯状地の岩盤にマグマが貫入し変性してできたエメラルド鉱山がブラジルに多くある。アマゾン地域では、トカンチンス州のモンテ・サント産が有名である。
ここの宝石は、国際一般に「パライゾ(天国)のエメラルド」と呼ばれている。怪人は、この地方を歩いたことあるけど、清流でアスピドラス(ナマズの一種)を採ったけど、エメラルドは拾ったことがない(笑)。
続く
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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その1
まずは、余談から(笑)
今日から新しいシリーズを始めよう。グランデ・オガワのアマゾン博物学講座、「アマゾンの地質地史&宝石と古生物」である。もちろん、ちょっと難解だからね(笑)。
何回か書いたことあるけど、むかし昔、まだ厚顔の美青年だったころの怪人は、古生物学の研究などをしていた。所属していたのは、極東島国の自然科学の最高頭脳(?)とされる機関、国立科学博物館。そのころは、新宿百人町にあった研究分館の古生物第三研究室だった。専門は、白亜紀のアンモナイト。化石採集のため、ずいぶんと山野を歩いた。ちなみに若き怪人が調査したポイントは、その後に大型爬虫類の良質骨格が発見されるという呪い(?)がある。高校生のときもあった怪人が徘徊していた福島県いわきの双葉層群の分布地は、首長竜のフタバスズキリュウ化石が産出している。
科学博物館にいたときに最も力を入れて調査していたのが、和歌山県の有田地方だった。そして研究をまとめた、「Ammonites Biostratigraphy of the Cretaceous Arida Formation, Wakayama Prefecture」という論文を、師匠のO博士と共著で、博物館の紀要に載せた。この論文のメインは、下部白亜系の有田層群のアンモナイトによる層序区分だったけれど、追記でそれまで学会に未知だった上部白亜系の分布、そこから産するイノセラムス(二枚貝の一種)化石も報告した。最近、その上部白亜系の分布地で、新種と思われる海トカゲ、モササウルスの極東島国で最上級の骨格が掘られた。
オレは、極東島国では、大型脊椎動物の骨格を発見したことがない。しかし、それは、それで良かった。なまじ大発見などしていたら、研究にのめってしまい、ここアマゾンに渡ることはなかったかも知れないからである。島国で博士になることと、アマゾンで怪人になることを比べたら、後者のほうが、ズットずっとステキなことに決まっているもんね(笑)。
続く
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小型電気オーブンを使う・その7
茶色いアメフト・ボール型で、殻を割ると種子と薄黄色の果肉が入っている。甘酸っぱい風味があって、たいへんエキゾチックに美味しい。
今日は、クプアスー・パイを作るぞ。フィリング部の材料は以下の通り。シングー河畔の街の市場には、もちろん生のクプアスー果実を売っている。しかし、1個買うと寂しい独り身では、またまた多量に余ってしまう。風味は少し落ちるけど、冷凍の果肉をつかった。
黄卵……2個分
砂糖……40g
コーン・スターチ……25g
水に粉ミルクをといたもの……150cc
冷凍クプアスー果肉を解凍したもの……30ccくらい
これを鍋に全部入れて、かき混ぜながら沸騰寸前まで煮てから冷ます。
クプアスー・パイでは、まず始めに、浮き上がらないように重しをしてパイ生地だけを焼く。これにフィリングを乗せて、また数分焼いたら取りだしてメレンゲを乗せる。
オーブンの蓋を開けっ放しにして数分また焼く。なぜ蓋しないで焼くかというと、メレンゲには火力が強すぎるからである。
怪人がメレンダ(オヤツ)に飲むのは、ほとんどコーヒーなんだけど、たまには紅茶も悪くはないかなぁ。
このパイ生地だけど、もちろん甘いお菓子以外にも使える。そのうち肉でも手に入ったら、アルマジロ(笑)のミート・パイなんかもいいかも?
本シリーズ終わり
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隊員募集のお知らせ
2015年度の隊員募集のスケジュールを一応ぜんぶアップロードしました。目次のページは、下記のURLです。いくつかのチームに隊員希望者がいますが、合同隊員が増えると、各人の負担する参加費が下がるという特典もあります。アマゾン・フィッシングは、同時期になかなか人数が集まらないのが困ったところなんですが、このチャンスにぜひ検討してみてください。
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もちろん、他の場所の希望も受け付けています。ご相談ください。
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小型電気オーブンを使う・その6
今日は、タルトを焼こう。タルトって語は、おフランス語であるね。ドイツ語だと、トルテ。ポルトガル語なら、フランス語を極東カタカナでアナグラム(?)したトルタだ。まあ、いわゆるパイである。グランデ・レシピでの生地の材料は以下の通り。
小麦粉とコーンスターチを、7:3くらいに混ぜたもの……220g
無塩マーガリン……180g
冷水……100cc
よく冷やしたマーガリン、全量の粉、冷水をフード・プロセッサーに入れて、10秒くらいガガガーっと切り混ぜる。マーガリンの粒々が残っていてもかまわない。
これをまた冷蔵庫に入れてよく冷やす。まな板に粉をうって、伸ばし棒を使って数回折り込んだら、まな板ごと冷凍庫に入れる。数分くらい冷やして再び数回折り込む。これを数回以上繰り返す。ここは熱帯だし、とにかくマーガリンを溶かさないようにするんだ。
十分に折り込んだら、各30グラムくらいの小口に切って、なるべく体温で暖めないように丸める。余った生地は、丸めたまま冷凍にして保存する。
まずは定番のアップル・パイを仕上げよう。丸めた生地を伸ばし棒で薄くして、アルミ・カップを切って作った丸い小さなテンパンに薄くサラダ油を塗ってから被せる。皮をむいたリンゴを小口に切って生地の上に乗せて、適当に砂糖をふる。
これをオーブンで10分強ほど焼く。
リンゴの上のほうが茶色くなってきたらオーブンを止める。
まだ続く
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12月:カショーロ荒食いチームのお知らせ
2015年12月は、ネグロ河中流の大型ピーコックバス・チームも考えたのですが、今までマナウス・バルセロスに就航していたアズール社の便が撤退していて、考慮中です。代わりに荒食い時期に突入するシングーの牙、カショーロを狙うチームを組みました。興味のある諸賢は、下記URLをご訪問ください。
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小型電気オーブンを使う・その5
前日に焼いたポン・デ・ローに化粧をしよう。ずいぶんと探したけれど、スーパーでは、ケーキ用の生クリームが見つからない。熱帯国だから、油脂が分離しちゃうからかなぁ? バター・クリームは、作るのは難しくないけど、食感が重くなる。生クリームに似ているものに、シャンチリ(ホイップ・クリーム)がある。カフェ・カプチーノに浮かすヤツですな。
しかし、ホイップ・クリームって、時間がたつとヘタって収縮しやすいんだ。それを防ぐ裏技を使おう。粉ゼラチンを混ぜることであるね。
まず粉ゼラチンを2~3グラムくらい、大匙2杯の水でふやかす。これをコンロにかけて沸騰寸前まで加熱する。暖めた水で粉ミルク大匙2杯山盛りを溶かして、とろけたゼラチンを混ぜる。これを冷蔵庫で冷やす。ホイップ・クリームの粉を25gほど加え、スタンド・ミキサーで数分ほどこねる。
まずは何も入れない白いままのクリームでショート・ケーキ風を作ろう。サン・パウロ州田舎にアジトがあったころ、アチバイーニャ・ダム湖にときどき釣りに行ったことがある。狙いは、実はブラック・バスだった。10月のスポーニング時期に、45cmをスピナベで釣ったこともあるけど、この地方はイチゴ栽培のメッカだった。南半球の秋、3月~4月ころに全国に大量に出荷されている。現アジトみたいな、ドどどど田舎スーパーまで、イチゴがたまに出回る。
別味も作ってみた。白クリームにインスタント・コーヒー粉を入れチョコレートのカケラをあしらったもの。
昨日記した材料の量でポン・デ・ローを焼くと、1個50グラムくらいに切り分けて、いっぺんに計10個くらいできてしまう。もちろ~ん、寂しい一人暮らしにはメチャ多すぎる。それに毎日続けて食いたくもないよ。だから、小口で冷凍にしてしまう。味がちょっと落ちるのは、しかたがないよね。これで3時のオヤツが完成。次は、パイも焼こうかな?
続く
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11月:シングー最下流&上流チームのお知らせ
2015年11月は、シングー最下流と上流の両方を攻めるチームが予定されています。現在、若干名の希望者がいて、追加隊員を募集します。どちらか片方の参加も可能です。興味のある諸賢は、下記URLをご訪問ください。
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小型電気オーブンを使う・その4
ブラジルのお菓子類は、必要以上に過度の砂糖を使用する傾向がある。もちろん、恐ろし~く甘い。ちなみに怪人は、甘党ではない。たとえば砂糖を1キロ買うと使い切るまで、ほぼ1年くらいかかる。でも、なぜか糖分が無性に欲しくなる周期もたまにやってくる。しかし、ブラジルで市売しているケーキって甘すぎるよぉ。てな訳で、自作をしてみよう。電気コンロの用途・その②は、お菓子類を焼くことにあった。
ウィキペディアの日本語版には載っていないけれど、カステラの語源に、こんな異説がある。時は江戸時代、長崎のお城で、ポルトガル宣教師がボーロ(ケーキ)を焼いた。そしてデコレーションを施して、洋風のお城(カステロ)の形に仕上げた。ジャポネスたちが賞味すると美味しい。わが国でも作りたいと思った殿様が、ケーキを指差して、あれは何というものですか? と質問した。勘違いした宣教師は、これは、カステロ(お城)ですと答えた(笑)。ちなみにケーキ用の飾り砂糖を、ポルトガル語でコンフェイトと言う。これが、金平糖の語源であ~るね。
文明堂のカステラにもっとも似ているケーキは、ポン・デ・ロー(Pão de Ló)である。和訳をすれば、スポンジ・ケーキだね。怪人も、まずポン・デ・ローを焼こう。材料は、以下の通りである。
生卵:2個
小麦粉:40g
コーンスターチ:20g
砂糖:60g
無塩マーガリン:15g
水:20cc
粉ミルク:大匙x2杯
注釈を加えると、ブラジル市売の小麦粉は、グルテンが多い強力粉が主力だ。そのまま使うと、ケーキの食感が重くなる。コーンスターチを混ぜると、仕上がりが軽くできる。ブラジルでは、牛乳は、最低1リットル入りしか売ってない。ケーキ焼きに使うのは少量だから、買うとかなり余る。怪人は子供のときから、生ミルクに強くない。腹が、ピー気味になるんだ(笑)。だから保存できる粉ミルク+水で代用してしまう。
まずボールに卵と砂糖を入れる。それをフライパンのお湯の上で湯銭して40~50℃に暖めたら、スタンド・ミキサーにかける。数分以上かきまわすと、白っぽくなってネバリと弾力がでる。カドができるくらいまでかきまわしたら、フルイにかけた粉を投入。30回くらい軽い感じで混ぜる。熱湯で粉ミルクと無塩マーガリンを溶かしておいたのを、入れてかきまわす。内側にマーガリンを塗って粉をふった長方形の型にブチこみ焼くんだけど、実は安物電気オーブンの火力では、ポン・デ・ローには強すぎて表面がコゲコゲ過ぎて、よく中まで火が通らない(汗)。
そこで、オーブンのフタを開けっ放し(笑)で焼く裏技を使う。10分くらいしたら、ヤケドしないように、フライ・フィッシングでフック外しに使っている手術用の鉗子(かんし)で型を挟んで前後を交換。さらに10分くらいすると、中まで焼ける。
あら熱がとれたら、冷蔵庫に一晩保管する。
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