南米・鳥獣虫魚・探遊 -34ページ目

アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その13

アマゾナス盆のデボン紀前期・マエクル層の腕足類


腕足動物って生き物がいる。二枚貝に似てるけど、まったく分類は離れている。カンブリア紀に現れて古生代に多様化して繁栄したけど、まだ現生種も生き残っている。たとえば、極東の有明海で珍味になっているメカジャ(シャミセンガイ)なんかは、その末裔である。



メカジャ料理


古生代には、いろいろな種類の腕足動物がいたけど、有名どころに「石のツバメ」、つまり石燕(せきえん)、すなわちスピリファー類がある。古生代のシルル紀からペルム紀に大いに栄えた。



いろいろな古生代スピリファー


古来、中国4千年で石燕は、神秘的なブツとして妙薬マテリアルに使われていた。今でも海馬、穿山甲、雀脳、牛膝、鎖陽、杜仲、補骨脂、砂仁、大青塩など訳の分からんワシントン条約に抵触しそうな魔女鍋の具に石燕の粉を混入したものは、チンポ硬直にして長寿を得る仙薬として使用されている(……らしい?)。



マエクル層のストロフォメナ


それでは、マエクル層産のブラキオポーダ(腕足類)化石を見てみよう。



マエクル層のチョネテス


ストロフォメナとチョネテスは、丸っこい殻を持っていて、細かい筋刻みがある。この他にも似たような種類がいくつか産出している。絶滅しちゃってるんで、珍味かどうかは不明。海サソリくんは、食べたかも知れない。



マエクル層のムクロスピリファー・カトゼリィ


アマゾンの石燕だね。これを削ってアマゾン薬草に混ぜて調合した不老長寿の神薬を、AMATマッド病理室で研究中したい。さて、ウミユリ断片画像を載せてデボン紀前期のマエクル層の閉めにしよう。



マエクル層ではウミユリ断片が多産する


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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その12

アマゾナス盆のデボン紀前期・マエクル層


シルル紀の次に新しい時代は、デボン紀である。デボニアンは、魚類が大進化した時代だった。ハイギョに近縁の魚族が陸上に進出し、両生類が現れた時代でもある。



脊椎動物が陸上に進出した


パラ州のアマゾン本流岸に、モンテ・アレグレって街がある。日本人の移民地があって、戦後の一時期は、126家族も住んでいた。現在、日系人は少数になったけど、日伯文化協会もある。怪人は、アレンケールというところからモンテ・アレグレまで熱帯魚のアピストグラマを採集しながら陸路を走ったことがあるけど、街についての知見は多くない。



モンテ・アレグレ地方の地質図


の地点がモンテ・アレグレの街だ。上方の紫色が先カンブリア代の基盤岩で、それに接している薄緑が、シルル紀のトロンベッタス層群で、それに接している薄青がデボン紀前期のマエクル層である。マエクル層の最下部の基底礫岩は、下部のトロンベッタス層群の上部を不整合で覆っている。厚さは、400メートルほどで、海性の堆積物である。マエクル層の化石産地の一つをで示した。それほど保存は良くないけれど、化石採集マニア憧れのトリロバイト(さんようちゅう)が多産している。



付近のマエクル層から産したダルマニテス・マエクルア


三葉虫は、カンブリア紀に現れ、最初に「光スイッチ」を入れた、すなわち他に先駆けて眼ん玉を獲得した動物の一つと考えられている。そのおかげか、古生代に爆発的に増えた。



付近のマエクル層から産したパエポブロプス・ゴエルディ


ところで、ダンゴムシって知ってる? アルマジロみたいにイジくると丸くなるヤツ。三葉虫の仲間も丸くなって身体を防御していた種類がいた。



ダンゴになる三葉虫


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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その11

アマゾナス盆のシルル紀化石


それでは、トロンベッタス層群から産したシルルな化石たちを見てみよう。残念ながら、全体的に保存は良くはない。



オルトコーン・ノーチラス


オルドビスからシルル紀に大繁栄した生物にオルトコーン・ノーチラス、すなわちチョッカクガイ(しっかし、ダサい日本語だ!)がある。まっすぐな殻を持ったオウムガイ類である。



トロンベッタス層群産のオルトコーン・ノーチラス


これまた古生代を代表する生物にグラプトライトってのがいる。直訳だから仕方がないけど、和名はこれまたダサい、フデイシ(筆石)である。ギボシムシが所属する半索動物(はんさくどうぶつ)類である。



トロンベッタス層群産のグラプトライトの仲間クリマコグラプタス


得意の余談をしちゃうけど、ブラジルではフデという発音は、良い子が使っちゃいけないワルな禁句のひとつだ。「オマ◎コをする」という隠語動詞と、ほぼ同じに聞こえてしまう。ワ-プロ時代からの文章ソフトに、「筆ぐるめ」ってのがあるけど、怪人もその道のグルメではある(笑)。



アクアライフ誌2015年1月号の表紙


余談の連続パンチを出しちゃおう。上のAL誌、表紙モデルは、ご存知の怜奈ちゃんだね。映画「海月姫」公開記念インダビューが載っている。ちなみに、同雑誌に、「アマゾンの巨大魚たちに迫る」ってお題で、怪人もカラー2ページ記事を書いている。クラゲ(水母、海月、水月)ってのは、刺胞動物の類だ。この仲間に、絶滅したコヌラリアンというグループがある。この化石もトロンベッタス層群から発掘されている。



トロンベッタス層群産の刺胞動物コヌラリア


アマゾンのシルル紀化石の研究は、最新のものが見当たらない。地質学の中でも古生物の分類的な研究って、化石燃料なんかに比べて、おゼニ儲けが絡まないから、人気も高くないし、学科の予算も少ない。しかも地質調査ってのは、山奥をゴソゴソ這いずりまわり、泥にまみれ、アマゾンだったら毒蛇やジャガーの脅威にさらされ、化石を都会に持ち帰るため、クソ重い石ころを背中に汗まみれで歩かなくっちゃならない、小汚い重労働でもある(笑)。


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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その10

シルル紀のトロンベッタス層群


シルル紀という時代は、生物が水中から陸に上がった時代であるね。最古の陸上植物&陸棲のモゾモゾ這いまわる節足動物が現れた。



生物が陸上に進出した


もちろん、海中ではカンブリアの爆発から1億年もガンガン進化してきた無脊椎動物が暴れていた。



海の無脊椎シルリアン・モンスターたち


魚類は、カンブリア紀に出現していたミロクンミンギアみたいな魚類の先祖から顎のない無顎類が現れ、オルドビスに顎のあるヤツが出現していたんだけど、シルル紀に入って一気に多様化した。



板皮類の怪魚ダンクレオステルス


さて、アマゾン堆積物のシルル紀の層群は、トロンベッタス・グループと呼ばれている。海成で厚さ800メートルほど、細粒砂岩、頁岩、シルト岩から成っている。アマゾン北岸で化石が産する付近の地質図を載せよう。



アマゾン北岸のトロンベッタス川下流の地質図


トロンベッタス層群は、地質図で「O3D1t」と記されている部分である。シルル紀の化石の有名産地の一つであるヴィラ・ムンドの急流にをつけてある。


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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その9

アマゾン堆積盆地


それでは、いよいよアマゾン流域に堆積する地層を解析していこう。まずは、ブラジル内のアマゾン堆積盆地の地図を載せる。



アマゾン堆積物の分布地域


アマゾン堆積物は、幅300kmから1000km、長さ約3500kmの広範囲な分布で、アマゾン河の本流に沿って東西に長細く分布している。アマゾン堆積盆地は、堆積相が異なるいくつかの区域(盆)に分けられている。それぞれの盆は、アーチと呼ばれる大規模なグラーベン(地溝)で区切られている。



ブラジル内のアーチと堆積盆


ブラジルのアマゾン堆積物は、東から順次、以下のように呼ばれている


1.マラジョー盆……グルパ・アーチの東

2.アマゾナス盆……グルパ・アーチの西からプルース・アーチの東まで

3.ソリモンエス盆……プルース・アーチの西からイキトス・アーチの東まで

4.アクレ盆……イキトス・アーチの西


1.のマラジョー盆(後述)を飛ばして、2.のアマゾナス盆から紐解いてみよう。この堆積地帯は、パラ州とアマゾナス州に分布している。2つの州の境界付近の南北・地質断面図を下に載せる。ご覧のようにアマゾン本流の北側では、盆の北縁から南に向かって古い時代の地層から新しい地層が地表に現れる。反対に南側では、盆の南縁から北に向かって古い時代⇒新しい地層となっている。



アマゾナス盆の断面


古生代始めの時代が、カンブリア紀だ。アマゾナス盆では、この時代の層は、確認されていない。もしも、アマゾン奥地にアノマロカリスが生き残っていて捕獲したら大儲けだけど、そうはいかない(笑)。カンブリアの次のオルドビス紀の層もアマゾナス盆では明確でない。アマゾナス盆において、化石の産出によって時代が判っているのは、次のシルル紀からである。


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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その8

原生代から古生代へ


先カンブリア代の最後の時代がプロテロゾイック、すなわち原生代である。この時代に活躍した原始・光合成生物は、昨日説明したような鉄鉱石の成因として活躍しただけじゃなかった。大気に酸素を供給し、その濃度が濃くなるとオゾン層が発生した。これによって、生物に有害な地球に降り注ぐ紫外線が急激に減ってくれた。原生代の末期に強力な地球規模の氷河期があったという説がある。いわゆるスノーボール・アースってイベントだ。下は、AMATマッド研究所が製造したタイム・マシン、デロデロリアン2号で数億年前に飛んで撮影した(ウソです)画像だ。



スノーボール・アース


細胞内共生説というのがある。原生代の原生生物の細胞の中に、細菌のような別の小さな原生生物がいつしか一緒に住むようになった。それが寄生獣のように融合して、細菌のようなヤツは後にミトコンドリアとなり、現代型の真核細胞が完成しちゃったという仮説である。



ミトコンドリアは、寄生獣だったのか?


真核細胞を持つ生物のキモは、有性生殖である。キミも貴女も気持ちよくナニができるのは、寄生獣ミトコンのおかげである(笑)。さてスノーボール・アース現象で、ほとんどの原生的な生き物が死んでくれて、さらに生物にとって適切な環境も準備された。そして増殖に有利な核入りの細胞も手に入れた。これらを利用しない法はな~い!



エディアカラ生物群


最後のスノーボール・アースが終わった原生代の末期、殻や骨格をもたない軟質の生物が大量発生した。これをエディアカラ生物群と呼んでいる。そして先カンブリア代の幕が閉じられる。



バージェス・モンスターズ


カンブリアン・エクスプロージョン、すなわち「カンブリアの爆発」って言葉がある。テラ(地球)が火山活動でぶっ飛んだんじゃなくて、古生代の始めに多くの生物たちが爆発的に分類群と種類数、そして数量をドドォ~んと増やしたことを意味している。5億4200万年前から5億3000万年前くらいの間に、突如として現生の動物たちの先祖がボコボコと現れた。その原因となったキモは、「光スイッチ説」で説明されている。すなわち眼という器官の獲得であるね。眼があると他生物の捕食が容易になるに決まっている。この時代の有名化石産地は、カナダのバージェス頁岩だ。大型生物の様相は、まるで宇宙もののSFみたいだった。バージェス動物たちは、エディアカラ生物群を食いまくり、絶滅させたに違いない。



アノマロカリス


バージェス・モンスターズの人気スターは、何たってアノマロカリスだね。強力な捕食者だったと考えられている。


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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その7

カラジャス鉄道の旅・計画


カラジャス鉱山から西に数十キロほどのところに、クリオノーポリスという街がある。1980年代に世界的に有名になった現代のエル・ドラド、すなわちセーハ・ペラーダ金山のガリンペイロたちが集まってできた町である。



往年のセーハ・ペラーダ(1983年)


この辺り一帯のアラグァイア・ベルト状地帯は、過去の火山活動による熱水で集約された金鉱、それが風化してできた漂砂鉱床が多い。



セーハ・ペラーダで掘られた金塊の一つ


カラジャス鉱山から鉄鉱石を運ぶため約900キロの鉄道が、マラニョン州のサン・ルイスまで設置されている。この鉄道の車両は、信じられないほど長~い。鉱石を積んで行くときは、機関車2両で、180両もの貨車で、全長は1キロ半。空の貨車が戻るときは、360両の貨車で、4キロ弱にもなる。怪人も何度か走っているのを見たけれど、延々と車両が続いて、なかなか終わりがみえないから、そのうちに見るのも飽きる(笑)。この鉱山鉄道は、週に3便の客車が運行している。



カラジャス鉄道


怪人は、ヒマな時期にやりたいと思う旅行計画をもっている。まずアジトからマラバに行く。ここからカラジャス鉄道の客車に乗って、鉄鉱石の採掘現場を見学する。それから付近を散策して、縞鉄鉱石とタイガーズ・アイを拾う。クリオノーポリスやマラバ辺りで先カンブリア代の変成岩やペグマタイトを見学したら、ガリンペイロを捜して何か面白いブツはないかを調査する。



鉄道路線


地質の分布では、マラバより西方は、パルナイーバ堆積盆となる。またマラバから鉄道に乗ってサン・ルイス方面に向かう。途中のヴィットリア・ド・メアニンって駅で降りて、バスでイタペクル・ミリンまで行って、中生代白亜紀のアマゾンサウルス骨格産地を見学する。



アマゾンサウルス


ついでにサン・ルイスまで行って、前に3回行ったことのある恐竜化石産地を訪ねる。この旅行は、ほとんどが鉄道での移動である。なんだか、旅情があるね。2016年にできるかな? さてさて、次回から基盤岩の上に乗っているアマゾン堆積物のお話しに突入しよう。


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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その6

アマゾンの基盤岩のカラジャス鉱山


世界で掘られているほとんどの鉄鉱石の成因は、先カンブリア代に大発生した原始的な生物が関与している。それまで無酸素状態だったテラ(地球)に、シアノバクテリアやストロマトライトのような光合成生物が大量の酸素を吐きだしたのである。それによって海水中に溶解していた大量の鉄イオンが固形の酸化鉄になった。それが沈殿・堆積して、縞状鉄鉱の鉱床が形成された。



カラジャス産の縞状鉄鉱石


アマゾン地方の基盤岩のストロマトライト化石の知見が怪人にないんだけど、広大などっかにある可能性はあると思う。ここでは、南マット・グロッソのコルンバ付近で産したブツの画像を載せよう。



マットグロッソのストロマトライト化石


アマゾン基盤岩の一角に、地質屋にアラグァイア・ベルト状地帯と呼ばれる区域があって、パラ州カラジャス地方がそこに含まれる。ここに世界最大の鉄鉱山がある。現在ここから掘られる鉄鉱石は、ヴァーレ社が扱っているけど、同社は世界第一位の販売シェア(世界の30%)を誇っている。



カラジャス縞状鉄鉱床の露天掘り


縞状鉄鉱石は、なかなかカラフルな色彩を程している。きれいに磨くと装飾品にもなる。



縞状鉄鉱石を研磨したボール


上のボールの縞で黄色く光っているのはタイガーズ・アイ、すなわち虎目石だ。針状に並んだインクルージョン(内包物)があって、方向を決めてカボション(半球状)にカットすると、シャトヤンシー効果、いわゆる猫眼石効果があらわれる。虎目石は、安価で大量に掘れるブツだけど、猫眼石は、高価で貴重品である。「ネコがトラを凌駕する……」という諺も、グランデ語録辞典に載っている(笑)。



タイガーズ・アイのペンダント


現代の錬金術師が使う裏技がある。虎目石に加熱処理を施して鉄を酸化させる、そして塩酸などに漬けて鉄分を抜く。すると高価なモノホンのキャッツ・アイに良く似たイミテーションを作ることができる。これを「抜きトラ」と呼んでいる。



本物のキャッツ・アイ


猫眼石は、人気のある高い宝石だ。もし買うことがあったら、“トラがネコの皮を被った”マガイモンを売るデシイバー(詐欺師)さんに注意しましょう。ちなみに怪人は、「抜きマラ」はするけど、「抜きトラ」を作ったことは、まだない(笑)。


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アマゾン基盤岩のコーツ類


コーツ(石英)ってのは、SiO2すなわち二酸化ケイ素(無水ケイ酸)を主成分にしている。石英が結晶して透明なものを水晶という。イオンによる影響や内包物、不純物、その他などの要因で、色のある天然水晶もたくさんある。アメチスト(紫水晶)も、もちろんそのお仲間だ。



シトリンの結晶


シトリンは、きれいな柑橘類の色をした水晶だけど、天然での産出は、ごく少ない。マーケットに出回っているシトリンのほとんどは、現代の錬金術師が製造したブツである。アメチストに450℃~500℃くらいの加熱処理をすると色が変わる。



加熱処理で造られた美しいシトリン・トパーズ


昨日の画像で紹介した黄色いインペリアル・トパーズとそっくりさん、あるいはもっと色の濃いきれいな宝石もできる。



マデイラ・トパーズも実は水晶である


色の濃いものは、故意にマデイラ・トパーズという怪しい名称で流通している。インペリアル・トパーズを買いたいときには、デシーバー(詐欺師)くんに注意しましょう。



ロージィ・コーツのペンダント


ピンクっぽい色をした水晶を、ロージィ・コーツ(薔薇水晶)と呼ぶ。アマゾン河口の都市、ベレンにサン・ジョゼ・リベルトって2001年まで極悪人ご用達の刑務所だった建物があって、現在は宝石博物館になっている。そこの中庭に、大きなロージィ結晶が転がっている。



サン・ジョゼ・リベルトのトン級ロージィ


シングー河畔でも、ときどき薔薇色の石英が転がっている。磨いたら、けっこう綺麗になると思う。これは、アマゾン基盤岩に貫入したペグマタイト(大きな結晶でできている火成岩)がその起源だろう。


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アマゾンの地質地史&宝石と古生物・その4

現代の錬金術


トパーズって宝石がある。化学組成は、Al2SiO4(F,OH)2。和名は黄玉(おうぎょく)である。黄色いものやピンクの宝石質のものが、ブラジルのミナス州から産するけど、数量は多くない。良質のもののお値段は安くない。むかし昔、怪人はミナス州オウロ・プレート近郊のインペリアル・トパーズ、お宝の露天掘りを訪問し、ガリンペイロから結晶を少し買ったことがある。



ミナスで入手したインペリアル・トパーズの結晶


トパーズってのは、無色の石なら、その量も大きなものも、ブラジルからかなり産出する。お値段も高くない。



無色のトパーズ結晶


錬金術って知ってるよね。いわゆる魔術的な処方で、いろいろの物を造りだすマッド・サイエンスである。たとえばザーメンやウンチ、薬草を混合して蒸留して腐らせ、生き血を与えて、小型の人造人間(ホムンクルスちゃん)を合成したりもした。錬金術師は、怪しい話術で時の権力者から大金をせしめるのが巧みだったデシーバー(詐欺師)でもあった。関係ないけど、有名なフライ・パターンにデシーバーってストリーマーがある。怪人もときどき、アマゾン怪魚を欺くために、このパターンを巻く(笑)。



デシーバー


有名な錬金術に、非金(鉄や鉛)から黄金を精製する研究がある。もちろん、これは成功はしなかった。分子や原子などの知識が分かってきて、現代では錬金術は消滅したように思われているけど、新しい怪しい手法でまだまだ生きている。



アクアマリン


アクアマリンって宝石があるよね。青色のベリル(緑柱石)で、海のような淡い透き通ったブルーに人気が高い。青色の濃い良いブツは、多くなくて、なかなか高価だ。ブラジルは、世界的な産地である。



照射ブルー・トパーズ


色の淡い安い宝石に、強いエネルギーを与えて、高い石の色に変えてしまう技術は、現代の錬金術に他ならない。加熱処理、電子パルス、放射線などを使う。無色のトパーズに原子炉を駆使して、これらの技術をミックスして処理すると、高品質のアクアマリンよりきれいな(笑)、照射ブルー・トパーズができる。


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