新しいドライフラワー製法を考案したわけ | アメージング ドライフラワー & レジンフラワー

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レジン造形作家である私が、なぜ新しいドライフラワーの作り方を考えたのか、ということについてお話しますね。

 

 

私は子どもの頃から花が好きでした。

大人になり、雑貨屋で働いたことがきっかけで、自分でも雑貨を作るようになり、ある時レジンという素材を見つけて以来、レジンでインテリア雑貨やアクセサリーなどを制作する造形作家となって現在に至ります。

 

 

花が好きでしたから、花をモチーフにした作品もこれまでにいくつか制作してきました。

 

ポリウレタンレジン製のバラのフレーム

 

 

そのうちに、本物の花をレジンに閉じ込めた作品を作りたいと思いようになりました。

2003年頃の話です。

 

 

当時イメージしていたのは、何種類かの大きさのキューブの中に、色とりどりのバラを閉じ込めた時計でした。

 

 

 

透明なエポキシレジンに花を閉じ込めるには、まずドライフラワーにする必要があります。

なぜかと言いますと、生きた花をレジンに入れますと、レジンの成分によって花の細胞が死んで、真っ黒に変色してしまうのですね。

ですから、まずドライフラワーを作ることが第一のステップとなるわけです。

 

 

 

当時、私の妻がPTAの集まりで、シリカゲルに花を埋めて乾燥させる、いわゆる原色ドライフラワーという作り方を習ってきていました。

 

それで最初はシリカゲルにバラを埋めてドライフラワーを作ってみました。

原色ドライフラワーというくらいですから、とても色鮮やかなドライフラワーを作ることができました。

それをエポキシレジンの中に固めてみたのです。

 

そうしましたら光の屈折のためでしょうか、花びらにできたシワやシリカゲルの粒のわずかなへこみの陰影がくっきりと強調されてしまって、あまりきれいな仕上がりとはなりませんでした。

 

それからもうひとつ、原色ドライフラワーをお作りになったことのある方ならご経験があると思いますが、花びらやガクなどにシリカゲルがくっついてしまって取れなくなることがあるんですね。

私の作り方がヘタだったからかもしれませんが、これもやっかいな問題でした。

花にくっついたシリカゲルが、レジンの中でキラキラと光って目立ってしまうんです。

 

 

 

それから私は、ネットでドライフラワーの作り方を検索して、いろいろと探してみましたが、個人で制作できる製法としては、原色ドライフラワー以上のものは見つかりませんでした。

それで、レジンフラワーを作るのに適した新しいドライフラワーの作り方を自分で考えようと思ったのです。

 

ですからドライフラワーが作りたかったのではなく、これまでにない美しいレジンフラワーを作るために、どうしても必要だったので、それで考えたわけです。

 

 

 

まず私がクリアーしなければいけなかったことは

 

1、花びらなどにくっつきにくい、水分を吸わない 水に溶けない性質の素材で花を埋める。その素材を見つけること。

 

2、シリカゲルのように乾燥剤がじかに花に触れないため、強力に水分を吸い取る乾燥剤が必要。その乾燥剤を見つけること。

 

3、できるだけ早く花の水分を乾燥させる方法を考えること。

 

以上の3点でした。

 

 

 

1、に関しましては、一番最初におがくずを試しました。

のこぎりで木を切った時に出る、あのおがくずですね。

 

これはあえなく失敗に終わりました。

原因は重さがないため花が縮んでしまい、形がいびつなため、花びらがデコボコになってしまったんですね。

 

しかしその時に

 

「ある程度重みのあるもの」

「粒が細かくて、ほぼ均一な形のもの」

 

という素材を探せばいいことに気が付きました。

それで身近なところやネットでいろいろな素材を買って、試した中から最適な素材を見つけることができました。

それが今も使用しています埋設材です。

 

 

非常に粒が細かく、しかも研磨によって表面がなめらかに仕上げられていますから、花びらを傷めることもありません。

 

花を埋める、という点では原色ドライフラワーと同じですが、シリカゲルよりもはるかに粒が小さいですから、花びらに均一の力を加えることができるので、シワができにくく、粒のへこみが付くこともありません。

今のところ、これ以上にすぐれた埋設材はありません。

 

 

 

2、の乾燥剤に関しましては、のちに工業用のとても強力な乾燥剤を見つけるわけですが、当初は東急ハンズで見つけた押し花用の乾燥シートで試してみたところなかなか良かったので、しばらくは押し花用の乾燥シートで制作をしていました。

 

しかし、この押し花用乾燥シートには欠点がありました。

まず、シートに着いた埋設材を掃除するのがとてもめんどう。

また、使ったシートを乾燥させるのがとてもめんどう。

そして、仕込んでいる最中に、条件によっては吸い取った水分を放散してしまって、花が傷むことがあること。

さらに、乾燥シートで制作したドライフラワーはくさくなること・・・

 

それでも当時は、今使用しています工業用の乾燥剤にまだ出会っていませんでしたから、押し花用の乾燥シートで不自由な思いをして制作をしていました。

 

 

 

3、に関しましては、テキストの内容となりますので、ここでお話しすることはできませんが、テキストでは100円ショップとご家庭にある物で簡単にできる方法をお教えしています。

 

 

 

 

さて、新しいドライフラワーの作り方を工夫して数か月、これならきれいに作れる、という製法にまとめ上げ、レジンフラワー作品制作に向けて、ワクワクしていた時、認定講座を運営するある会社から、「レジンの講座を新設したいので、講師を引き受けていただけませんか?」というお話があり、その会社の社長と私の自宅でお会いすることになりました。

 

その時にこのバラをお見せしたところ、思いもしなかった方へ人生が大きく変わることになります。

 

 

 

次回は講座の講師と、このドライフラワー製法の特許申請についてお話しますね。

 

 

 

 

 

新しいドライフラワー製法を考案したわけ

 

製法特許出願と講座講師就任

 

講座運営会社との決別(この製法がだれでも自由に使えるわけ)

 

ネットスクールの開講と閉鎖したわけ

 

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