みなさんこんにちは!

湘南藤沢徳洲会病院から地域研修にきている清水悠仁です。

 

 

4/26の糖尿病漫談はどうでしたか??

食後の15分の運動が、血糖値低下にとても効果的だと初めて知りました。

面白おかしく勉強できて、大盛況でしたね!

 

 

 

 

 

さらに、今回はGW10連休ということもあり、多くの方が奄美にきてくれていました。

後半は天気も良く、僕も奄美の観光を楽しむことができました。

奄美大島はきれいな海が有名ですが、実は珍しい野鳥が見れることでも有名です。

自然観察の森へバードウォッチングに行ってきました。

大きなカメラを持った方が大勢います

 

 

 

 

 

奄美大島や加計呂麻島でしか見られないルリカケスがいました

綺麗なカラスです

 

 

 

 

 

山にはアマミノクロウサギもいます

あんまり黒くないです

 

 

 

 

 

 

奄美にきてから早くも1カ月が過ぎましたが、忙しいようなのんびりしているような、不思議な時間を過ごしています。

 

今回はGW中に勉強させていただいた症例から、癌性髄膜炎について書きたいと思います。

 

 

 

【病態】

癌性髄膜炎とは、腫瘍細胞が脳脊髄液を介して脳表やくも膜下腔、さらに脳室内や脳槽内に進展・浸潤した病態で、髄膜癌腫症や髄腔内播種とも呼ばれます。

 

転移性脳腫瘍では乳がん(12‐35%)、肺がん(10‐26%)、悪性黒色腫(5‐25%)、消化管悪性腫瘍(4‐14%)などに好発します。

 

臨床的に診断されているものは5%程度ですが、剖検症例では癌患者の20%に癌性髄膜炎を認めるそうです。

 

 

 

【症状】

浸潤による多巣性の症状が現れてきます。

 

大脳症状として、脳圧亢進による頭痛・嘔吐、精神状態の変化

脳神経症状として、複視・難聴・嚥下障害

脊髄の症状として、脱力・知覚異常・膀胱直腸障害

などが見られやすい症状です。

 

 

 

【診断】

①造影MRI

クモ膜下腔に多数の播種像を認めます

脳脊髄液の流れが比較的遅く重力の影響を受けやすい脳底部(延髄、脳底槽、後頭蓋窩)、脊髄などの髄膜に増強効果が現れます。

 

 

 

 

②脳脊髄液

初圧の上昇・細胞数の上昇・糖の低下・腫瘍マーカー上昇などがみられます。

細胞診は1回陰性であっても数回繰り返すことで陽性率が上昇します。

 

 

 

【治療】

①脳圧亢進に対して

・デキサメタゾン、濃グリセリンを使用します。

 

②放射線

全脳照射は、脳神経障害を有する症例や、局所的な腫瘍細胞の集中により非交通性水頭症を生じた症例に対し行われます。

 

③早期発見ができた場合

MTXなどの抗癌剤を髄腔内に投与することにより、21~60%で腫瘍細胞の消失を認めるそうです。

 

 

【予後】

未治療の場合、平均余命は6週間といわれています。

しかし、治療が行われ、奏功すれば6か月~1年ほどに伸び、QOLを保つことができます。

 

 

 

 

基本的には完治は難しく、症状の緩和やQOLの維持が治療目標となります。

しかし、早期発見しなければ目標は達成できません。

意識して探しにいかないといけない、責任のある疾患なんだと痛感した症例でした。

 

 

残り1カ月も精いっぱい頑張りたいと思います

 

 

 

 

今月からまた新しい研修医の仲間が増えました!

次は、毎月くる千葉からの刺客、藤本先生よろしくお願いします!