こんにちは!!!!
平野先生からご紹介いただきました酒井 瞭です!!!!!
自分は千葉県の旭市(チーバくんのみみあたり)にある、総合病院国保旭中央病院より地域研修で名瀬徳洲会病院でお世話になっています!
学生時代はソフトテニス、軽音楽部、写真部で活動をしていました!
当時の写真がこちらです!!
今の写真がこちらです。
さて、奄美大島といえば綺麗な海とダイビングです。
写真は実際に自分が奄美大島でダイビングをした時に見たミズタマサンゴ(バブルコーラル)という種類のSSです。
奄美大島には300種類のサンゴがいるそうで、奄美大島の豊富な生態系を支える一因となっています。
ダイビングでいろいろなSSが見られたらラッキーですね。
一方、SSSはあまり見たくありません。
SSSをみたら、即、循環器内科コンサルトしましょう。
先日、このような患者様がきました。
(個人情報保護のため、一部内容は変更しております。)
【症例】 74歳女性
【主訴】 発熱
【現病歴】
昨日、お昼ご飯を食べた後、しばらくすると寒気があり身体ががくがくふるえた。熱を測ると38.3度の発熱あり。倦怠感も強いため翌日、外来受診。受診時に軽度の嘔気あり。
【既往歴】 大腸癌ポリペク後、胆石症
【バイタル】 BT 38.4度、HR 72bpm、血圧 119/67 mmHg、RR 32回/分、SpO2 96%
【身体所見】
項部硬直なし、前額部叩打痛なし
呼吸音 清、腹部 圧痛なし
直腸診 圧痛なし
四肢体幹に熱感発赤腫脹なし
【心電図】
【採血】
T-Bil 3.4 mg/dl, D-Bil 1.4 mg/dl, ALP 481 U/l, GOT 81 U/l, LDH 273 U/l, γ-GTP 284 U/l, CPK 328 U/l, BUN 20.7 mg/dl, Cre 1.31 mg/dl, CRP 6.90 mg/dl, WBC 8880/μl, Lac 2.0 mmol/l, 高感度トロポニン 75pg/ml
画像検査の結果、胆管炎の診断となり、ERCPの方針となりました。
ERCP直前、以下の波形が見られました。
SSSです。
来院時の心電図ではⅠ度房室ブロックと右脚ブロックが見られていました。
本症例ではもしかしたらもともと右冠動脈が狭く、感染に伴う心筋の酸素需要を賄えず、相対的な心筋虚血となり、(Type2 MI
)心筋障害が進んだことで心房内の伝導が悪くなり、SSSとなってしまった可能性も考えられるかもしれません。
オリジナルのP波が出たり出なかったりなのでⅠ度房室ブロックとの関係はなんとも言えないですが、、
よくよくこの心電図を見ると、P波を伴うQRS、変な形のP波(P’)を伴うQRS、P波を伴わないQRSが混在しています。
P波を伴わないwide QRS、正常P波がT波に埋もれている(心室補充収縮)
変な形のP波(P’)を伴うQRSは房室接合部(もしくは心房性)の補充収縮、P波を伴わないQRSは心室性の補充収縮と思われます。
洞不全症候群(sick sinus syndrome)は洞徐脈、洞房ブロック、洞停止など洞結節機能不全に関連した不整脈をすべてひっくるめてSSSと呼びます。
SSSはRubensteinの分類では3つに分けられます。
本症例は洞房ブロックもしくは洞停止を伴うためRubenstein Ⅱ型のSSSと分類できます。
補充収縮(escape beat)とは予定のところで正常な収縮が起きなかったため、それを補充し異所性の収縮が出たものをいいます。
房室接合部収縮は房室接合部(心房繊維が房室結節に入る部位、および房室結節とヒス束間)から出現した補充収縮で、心房を逆行性に伝播するためP波がQRSの直前に見られたり、QRSの中に埋没して隠れてしまうこともあります。
また、逆行性P波は右上に向かうベクトルなのでⅡ、Ⅲ、aVFでは陰性となります。
(本症例では完全な陰性ではなく陽性成分と陰性成分のいずれももつため、非常に珍しい心室性補充収縮の可能性もあるかもしれません。)
心室性補充収縮は心室由来の刺激伝導を示すのでPVCと同じようにもともとのQRS波とT波とは異なった形の波形で見られます。
SSSの治療はPM植え込みですが、症状の有無などによって以下のように分けられます。
(日本循環器学会 不整脈非薬物治療ガイドライン2018より)
SSSをみつけたら循環器内科に相談しましょう。
ちなみに、心筋梗塞に関係した徐脈性不整脈に関しては以下のような関係があります。
"急性心筋梗塞と徐脈性不整脈" 出雲和秀 日本心臓財団学会誌 vol32 No9 (2000)より
意外と多いですが、モニターで一瞬見られたものなどを全てふくんでいると思われます。
次回は上尾中央総合病院から今田先生です!!!!!