司法書士事務所尼崎リーガルオフィスのブログ

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このブログは司法書士業務に関しての内容を中心にしたものとなります。 


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今年は本当に災害の多い年です。尼崎では大阪北部地震の影響はさほどでしたが、台風21号による被害は大きく、事務所でも2日ほど停電が続きました。また、豪雨や地震による被害が各所でも続いていること、心よりお見舞い申し上げます。


会社や個人が被災した場合、修理・復旧に思わぬ出費が発生します。

 

また、取引先が被災した場合の復旧支援等については税制上の特例によって損金算入も認められます。


【法人が被災したとき】


(1)被災した商品、建物等の損害額は損金になる

商品、店舗、事務所、工場等の資産(棚卸資産・固定資産)の損害額は損金になります。

被害を受けた店舗・事務所など、建物の取り壊しや撤去のための費用も損金にすることができます。


(2)被災資産の復旧費用を修繕費にできる特例がある

建物、機械、車両、備品等の復旧費用について、次のような場合には、修繕費として損金にできます。

 

①現状を回復するための費用

 

②二次災害を防ぐため、被災した固定資産の耐久性を高めるための補強工事、排水又は土砂崩れ防止等のための工事費用

 

③上記①②以外で、例えば、修理代金の明細書に「修理工事一式」としか記載されていないなど、修繕費か資本的支出かを区別することが難しいときは、かかった費用の30%が修繕費となる

 

④会社が借りている土地、建物、機械装置等が被災したため、修理義務はないものの、復旧のために会社が補修した場合の費用


(3)新たな資産の取得は資産として計上

被災した資産の修繕に代えて新たに資産を取得した場合は、その費用は修繕費ではなく、資産の取得価額として資産計上します。


(4)災害により生じた損失による欠損金額

青色申告法人でなくても、災害により生じた損失による欠損金額については、欠損金の繰越控除と繰戻しによる還付の制度が設けられています。


(5)地域指定による申告・納付期限の延長

自然災害が都道府県の全部又は一部の地域にわたり広範囲にわたった場合に、国税庁長官が、地域及び期日を指定して、申告・納付等の期限の延長が行われます(※申告手続は不要です)


【個人が被災したとき】


(1)個人の住宅や家財等の損害は雑損控除が受けられる

サラリーマンなど個人が、住宅や家財等の被災によって損害を受けた場合は、次のいずれかの方法によって所得税の軽減を図ることができます。

①所得税法の雑損控除

住宅・家財等の被害額の一部を雑損控除として所得金額から控除することができます。

控除できる金額は、次の2つのうち金額が多い方となります。

・差引損失額-総所得金額等×10%

・差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

②災害減免法による所得税の軽減免除

住宅・家財の2分の1以上が被害を受けたときに、その年の合計所得金額が1000万円以下であれば、所得金額に応じて所得税の軽減、又は免除が受けられます。


(2)特定非常災害に指定された場合の相続税・贈与税の課税価格の特例

災害が「特定非常災害」に指定された場合、相続税・贈与税の申告において特定土地等及び特定株式等の評価額を特定非常災害発生直後の価額とすることができます。


(3)その他の特例

災害時には次のような特例もあります。

①住宅ローン減税の適用の特例

②財形住宅・年金貯蓄の非課税措置の特例

③住宅取得等資金の贈与税の特例措置に係る贈与税の特例


【法人が被災地や被災した取引先等を支援したとき】


 

被災した取引先等を支援するためにかかった次のような費用は、税務上、損金にすることができます。

(1)災害見舞金

被災し、通常の営業ができなくなった取引先に、取引関係の維持や復旧支援のために送った災害見舞金は全額が損金になり、消費税においては不課税取引になります。


(2)事業用資産や救援物資

法人が製造した製品や他から購入した物品が、取引先の事業用や従業員の福利厚生のために使われるのであれば損金になります。自社の製品等を取り扱っている小売業者等に対して、被害にあった製品の無償交換や補てんも損金になります。例えば、衣料品や食品メーカーが自社製品を救援物資として被災地に贈った場合も全額を損金にすることができます、なお、無償での提供は消費税では不課税取引です。


(3)その他、損金にできる費用等

取引先の復旧過程において、その復旧支援を目的として行われる次のようなケースもその費用等を損金にすることができます。

 

①売掛金等の免除

 

②低利や無利息で融資を行った場合に、通常受け取るべき利息分との差額


【個人で被災地へ寄付したとき】


 

自治体への寄付やふるさと納税の方法もあります。税務申告で寄附金控除を受けるため、以下のいずれかの書類を保存しておきます。

 

・寄付先の自治体等の受領書

 

・郵便振替の受領書や銀行振込票の控え

 

・募金団体の預かり証



災害時には様々な税制の特例があります。また、罹災証明書を発行してもらいゴミの無償処分を受けられることや、自治体により独自の支援制度を設けていることもありますので、事前に役所や税務署等にも相談されることをお勧めします。








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成年後見人には、財産調査・財産目録調整義務を負わせる規定がありますが、保佐人や補助人には規定がありません。


ただ、事務報告の義務はあります


よって、代理権の付与がない保佐人・補助人であっても、同意権・取消権の行使について、家庭裁判所から定期的に報告するように求められます


また、銀行口座の管理など財産管理についての代理権が付与されている場合は、代理権の範囲に応じて、本人の財産についての報告義務があるとされます。


定期的な報告は、原則として1年に一度ですが、それ以外にも家庭裁判所から報告を求められる可能性もなくはないので、いつでも報告ができるようにしておく必要があります。



代理権の付与がない保佐の場合


裁判所から報告を求められる事項も「同意権・取消権の行使があったか?あった場合、その内容は?」ということだけになります。



代理権が付与されている保佐の場合


代理権の内容に応じた報告をします。


よくあるケースとしては、預貯金に関する金融機関等との一切の取引(解約・新規口座の開設を含む)家賃や年金など定期的な収入の受領およびこれに関する諸手続という代理権が付与されるものです。


このような代理権がある保佐人は、その代理権の範囲の財産の増減・収支について、必要に応じて一覧表などにし、保佐事務報告書に添付する形で提出することになります。


この一覧表は対象となる財産に応じて作成しますが、預貯金の管理の代理権が付与されている場合は、必ず報告対象期間の記帳された通帳のコピーも提出します。
ただ、通帳のコピーだけでは、現金の使い道が分からないので、現金出納帳など収支が分かるものも作成します


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高齢の文子さんは、各種在宅サービスを受けながら、賃貸マンションで一人暮らしをしています。


先日、階段から転落して足を骨折してしまったため、介護老人保健施設への入所を考えています。
この場合、施設を探すところから各種在宅サービスの解約手続き、マンションの解約の検討など、やるべきことがたくさんあります



文子さんには田中さんという保佐人がついています。
この事務全般について、保佐人である田中さんが行わなければならないのでしょうか?
また、その他にも保佐人がやるべき身上監護としてどのような仕事があるのでしょうか?



まず、これからしなければならないことは、次のようなことがあります。


介護老人保健施設の入所契約
各種在宅サービス契約の解約
③ (今後、文子さんがマンションへ戻ることができない場合)

 マンションの賃貸借契約の解約


田中さんが保佐人として行う職務は、上記の法律行為について、代理権が付与されていなければなりません。
代理権が付与されている場合は、法定代理人として①~③の法律行為を行うことができます。

ただし、マンションの賃貸借契約の解約は、居住用不動産の処分に当たるので、家庭裁判所で許可を得る必要があります。



一方、田中さんに代理権が付与されていない場合、本人の文子さんが保佐人の田中さんから助言を受けて①~③を行い、それについて田中さんは同意権を行使することになります


文子さんが自らこれらの法律行為を行えない・消極的である場合には、文子さんの同意を得て、保佐人に代理権を付与する申立を行います
また、文子さんの症状が進行し、判断能力に問題がある場合は、保佐人が後見開始審判の申立を行います。



しかし、上記①~③の事務全般について、保佐人が全て行う必要はありません。
代理権や同意権の行使は保佐人の職務ですが、施設を探す、施設への入所、マンションの明渡しなどの実際の行為を保佐人自身がする義務はありません。



文子さんの家族がいて、協力を得られるのであれば、これらの行為は家族にお願いすることもできます。
また、引越業者や産廃業者に施設への引越しやマンションの片付けなどを依頼することもできます。



さらに、その他の身上監護事項としては、次のようなものが考えられます。


・足を骨折したことで、要介護度の区分変更が生じたと思われるとき、区分変更の申請を行う


・介護老人保健施設は通常半年ほどしか入所できないため、特別養護老人ホームなど長期滞在できる施設への入所手続き


ただし、これらについても、保佐人に代理権が付与されているかどうか、本人が自ら行うことができるかどうか、文子さんの家族の協力を得られるかどうかなどを考慮する必要があります。


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高齢の栄子さんには、山本さんという保佐人がついています。


山本さんが栄子さんのおうちを尋ねたところ、新しい羽毛布団がありました。
栄子さんによると、1週間ほど前に訪問販売に来たセールスマンから50万円で購入したそうです。


山本さんは騙されたのではないかと思いましたが、栄子さんは日用品の購入にすぎないと言っています。


このような場合、山本さんは保佐人としてこの契約を取り消すべきなのでしょうか?
もし、消費者被害に遭っていたとしたら、どのように対応すべきなのでしょうか?



被保佐人(本人)の行為で保佐人の同意を要する行為は、民法で定められています。


栄子さんの場合は、50万円の羽毛布団は高額な商品です。
日用品の購入というよりは、不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすることとして、保佐人の同意を要する行為として、取り消すべきです。


保佐人と本人との間で、取消について意見が異なるときや、本人が反対の意思を表示しても、それにより保佐人の取消権の行使が妨げられることはありません。



しかし、取消権を行使する場合は、本人の利益になることを十分に説明することが必要です。
(ちなみに、日用品の購入やその他日常生活に関する行為については、保佐人が取り消すことはできません。)



さらに本人が消費者被害にあっていたとすると、その対応方法としては以下のようなものが考えられます。


(1)特定商取引法


① クーリング・オフによる契約解除
② 不実告知による取消し



(2)消費契約者法


① 不実告知による取消し
② 断定的判断の提供による取消し
③ 不利益事実の不告知による取消し



(3)民法


① 錯誤無効
② 詐欺による取消し


ただし、保佐人がこのような解除・取消および無効の主張に基づいて、相手方(業者など)と交渉し、調停や訴訟などを行うためには、その取引や訴訟に関する代理権の付与を得ていなければなりません


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保佐人や補助人も、本人の居住用不動産を処分するには、成年後見人と同様に家庭裁判所の許可を得る必要があります。


成年後見人の場合、居住用不動産を売却するために家庭裁判所の許可が必要ですが、売却の権限自体は当然に有しています。
これに対して、保佐人・補助人の場合には、不動産売却の代理権を個別に付与されている必要があります



居住用不動産の処分は、長年住み慣れた住居を処分して、転居や施設等へ入所するなど、本人にとって居住環境の変化をもたらすものです。
本人の生活や心身の状態に大きな影響を与えることであることから、特に慎重な処理が必要とされています。


そのため、居住用不動産を処分する必要性や、売却価格の相当性などについても審査が必要となるので、家庭裁判所の許可が条件となっています。



保佐人や補助人が不動産の処分について代理権の付与を受けていない場合は、当該居住用不動産に関する代理権付与の審判と居住用不動産の処分についての許可の審判を同時に申し立てることになります。


申立にあたり、入院や施設入所の期間、回復の見込みだけでなく、被保佐人・被補助人本人の判断能力があることから、自宅に戻りたい希望があるかどうかなど、本人の意向も十分に確認する必要があります。


また、売却の場合、売却価格が相当であるかどうかも要求されるので、複数の見積もりを取るなど客観性を持った方法をとることが求められます。


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事業年度開始から3か月以内に決定した役員給与は、原則として、その事業年度の決算付まで同額を支給しなければ税務上、損金算入が認められません。しかし、著しい業績不振等から期中において、役員給与を減額せざるを得なくなった場合、要件を満たせば減額が認められます。


■減額した場合の税務上の取扱い

税務上の役員給与には、

①定期的(一月以下の一定期間ごと)に支給する定期同額給与 と 

②夏・年末や決算月の賞与などの臨時的な給与で、あらかじめ税務署に支給時期と支給額を届け出た事前確定届出給与 

があります。


(1)定期同額給与を減額した場合

例えば、3月決算法人が5月末の定時株主総会において、毎月支給する役員給与の額を120万円と決定し、6月から支給していたが、期中(10月)から90万円に減額改定した場合、原則として減額後の90万円が当初(6月)から毎月支給されていたものとみなされます。

→この場合、すでに支給済の改定前の120万円と改定後の90万円の差額30万円の4か月分の120万円が損金の額に算入されません。


(2)事前確定届出給与を減額した場合

事前に届け出た支給額を減額して支給した場合には、支給額の全額が損金の額に算入されません。


■やむを得ない事情がある場合

定時株主総会等で役員給与を決定する際には、予測できなかった事由が発生したことによって、役員給与を減額改定せざるを得ない場合があります。以下のような「やむを得ない事情」がある場合は、減額前と減額後の役員給与について損金算入が認められます。


(1)役員の職制上の地位や職務内容に重大な変更があった場合(臨時改定事由)

例えば、「常勤から非常勤」、「取締役から監査役」などの地位の変更や社長、副社長、専務等の役位の変更による減額、あるいは不祥事による役員給与の減額、役員の入院加療等により職務執行が不能になったことによる入院加療中の減額などが「やむを得ない事情」にあたります。


(2)経営の状況が著しく悪化した場合(業績悪化改定事由)

主要な販路の喪失や主要な取引先の倒産などによる事業規模の縮小のための経営改善計画に基づく減額や、経営状況の著しい悪化から経営改善計画によりリストラを行わざるを得ない状況での減額があります。

※資金繰りや業績・財務状況の悪化といった事実があっても、それが一時的な資金繰りの都合や単に業績目標値に達しなかったこ途による減額、利益調整のみを目的とした減額は、「やむを得ない事情」があったといえず、「経営の状況が著しく悪化した」とは認められません。


上記の(1)(2)は、どのような場合でも認められるということではなく、本当に「やむを得ない事情」が存在するかどうかが実態に即して判断されることになります。そのため、減額に至った経緯を説明できる資料やその手続きに関する書類等(株主総会議事録、経営改善計画書など)を作成して保存しておくことが大切です。


期中に減額改定を検討せざるを得ないことがないよう、期首において、前年実績、当期の利益計画、借入元本返済を含めたキャッシュフローを踏まえて、役員給与の額を決めることが大切です。



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平成30年7月6日に相続分野の規定を見直す改正民法など関連法が、参院本会議で可決、成立しました。民法の相続法部分は、昭和55年の配偶者相続分の引上げ等が図られた改正以来、なんと40年振りです。

この改正は2020年7月までに施行される見込みです。


主な改正ポイントについて簡単に説明します。


■配偶者居住権の新設

居住建物について、従来の「所有権」を【住む権利(居住権)】【持つ権利(所有権)】に分けることが大きなポイントです。

(1)配偶者短期居住権

 配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、遺産分割が確定した日までの間など一定の期間、その居住していた建物の所有権を相続又は遺贈により取得した者に対し、居住建物について無償で使用する権利を有します。

(2)配偶者居住権

 被相続人の配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、一定の要件を満たしたときは、その居住していた建物の全部について無償で使用及び収益をする権利を取得します。この改正により、配偶者は建物の所有権を取得しなくても、そのまま水m続けることが可能となり、生活資金(現金預金等)を確保(相続)することが容易になりました。


■婚姻20年以上夫婦の住宅贈与は特別受益の計算対象外とする

婚姻期間が20年以上の夫婦であれば、夫婦間で住宅を生前贈与したり、遺贈したりしても、特別受益とされず、遺産分割の計算対象外となります。

これにより、配偶者は住宅を取得しつつ、他の財産の配分を増やすことができ、老後の生活の安定につなげることが可能です。


■遺産分割前に葬儀費用等を引き出し可能

被相続人の預金は、亡くなった時点で口座凍結され、遺産分割協議成立前に銀行に預けているお金を引き出すことができませんでしたが、改正により遺産分割協議成立前においても被相続人の債務の弁済、葬式費用、相続人の生活費等を引き出すことが可能となります。


■遺留分算定方法の見直し等

従来、遺留分算定の際の特別受益について、相続人に対する贈与に関しては、最高裁判決により、時期を問わず遺留分算定の基礎となる財産に導入するとされていましたが、改正により、原則10年間に限って算入されることになります。なお、遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与された場合は、従来どおり期間の制限はありません。


■相続人以外の親族の介護後見に対する金銭請求が可能

被相続人に対して、相続人以外の親族(長男の妻など)が無償で介護や看病で貢献した場合、相続人に対し寄与に応じた額の基線を請求できるようになります。なお、親族が対象であるため、家政婦等の親族外の者が介護や看病をしていても対象になりません。


■遺言制度の見直し

(1)自筆証書遺言の方式緩和

自筆証書遺言は「全文を自署する」ことが要件したが、今回の改正により、財産の一覧を示す「財産目録」はパソコンで作成してもよいことになります。

(2)自筆証書遺言の保管制度の新設

自筆証書遺言は自宅で保管するか、弁護士等の専門家、遺言執行予定者に預かってもらう方法しかありませんでしたが、「法務局」にて保管してもらうことができるようになります。

なお、法務局に保管している場合には、「検認」の手続が不要となります。


配偶者への権利確保や親族の介護負担の考慮等、今の時代を反映した改正です。

いわゆる団塊世代の相続がこれから多く発生するでしょうが、相続を「争族」としないよう自分の最期を考えていく機会となればと思います。


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佐藤さんは、現在80歳の幸子さんの保佐人に就任しています。


佐藤さんが保佐人に就任した当初は、幸子さんには不十分ながらも判断能力があったことや、管理すべき財産もそれほどなかったことから、預貯金の管理に関する代理権のみを付与されています。



しかし最近、幸子さんの認知症が悪化してきました。


幸子さんには身寄りがないので、施設に入ってもらう方が安心なのですが、幸子さんの今の状態では施設の入所契約の締結について、適切な判断ができそうにもありません

そこで、保佐人である佐藤さんが入所契約に関する代理権を追加で取得し、その契約を行おうと考えています。


このためには、どのような手続きが必要になるのでしょうか?



被保佐人の能力の低下に伴い、保佐すべき事項の範囲も広がるものと考えられます。
その場合、まず保佐人が同意すべき事項を広げることができます。

同意権拡張の申立の費用は、収入印紙800円と予納郵便切手800円、登記費用として収入印紙1400円になります。


被保佐人(幸子さん)の判断能力が低下してきたために、保佐人が本人に代わって法律行為を行うことが本人の利益につながるときには、保佐人に代理権を付与する審判を申し立てます。

新たに代理権を付与する必要があるときには、追加で代理権付与の審判の申立を行うことができます。

この申立は、本人の幸子さんが行うことができますし、保佐人である佐藤さんが行うこともできます。


代理権付与の申立の費用も、同意権拡張の申立と同様です。



ただ、判断能力の低下が著しく、事理を弁識する能力を欠く常況にあると認められるときには、保佐人が成年後見開始の審判を申し立てるのが適切だと思われます。



ちなみに、幸子さんのケースとは反対に、本人の判断能力が回復し、本人の行為能力を制限する必要がなくなった場合は、同意権・代理権付与の審判の取消ができます


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成年後見制度の『補助』は、精神上の障害により、判断能力が不十分な人が利用できる制度です。


補助制度は、訪問販売などで価値がないツボや、不当に高額な布団などを売りつけられるような、騙される恐れがある人が利用することが多いようです。



補助人の権限


補助人は、特定の法律行為について同意見・取消権または代理権を付与され、その権限を行使して本人の保護を図ります。


保佐人に付与される同意権や代理権よりは、より限定された権限が補助人に与えられます。
本人自身の行為能力が高いため、限定的な同意権や代理権の付与で足りるケースが多いです。


補助人に同意権が与えられた事項に関しては、本人が補助人の同意を得ないで行った行為を補助人が取り消すことができます。


どのような行為について同意見や代理権を付与するかについては、その必要性や、申立ての趣旨や目的、本人の判断能力のレベルなどの状態などを考慮して、家庭裁判所が判断します。
同意権を付与することができるのは民法に規定された行為のうちの一部に限られていて、申立には本人の同意を必要とします。

また、保佐と同様に、日用品の購入やその他日常生活に関する行為については補助人の同意は不要です



代理権については、範囲について制限はありません。


家庭裁判所が申立の範囲内で本人の状況に応じて、個別的に決定します。
そのため、預貯金の管理・払戻、介護や医療契約の締結などについても代理権を付与することができます



補助人の職務


代理権を付与されているときは、その代理権にかかる財産や本人の意向などを聞いた上で、財産管理を行います。

また、本人の心身の状況や生活状況に配慮することも求められます。


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成年後見制度の『保佐』は、精神上の障害により、判断能力が著しく不十分である人が利用できる制度になります。


保佐を利用するのは、誰かの助言があればそれに従って自力で法律行為を行うことができる判断能力がある人日用品や食料品などの日常生活の簡単な買い物はできる人が多いようです。



保佐人の権限


保佐では重要な財産に関する行為(不動産の売買など)については、保佐人の同意がなければ本人が行うことができません。
これを同意権といいます。


本人は十分な判断能力を持っているわけではないため、本人を保護するために保佐人には同意権が必要になります。
ただし、日常の買い物や光熱費等の契約など、日常生活に関する行為については保佐人の同意は不要です。


また、保佐人が知らないうちに、本人が大きな財産を処分するなどの行為を行った場合、本人に不利なものであれば保佐人がこれを取り消すことができます
これを取消権といいます。



成年後見とは違って保佐では、本人に自身の財産管理の能力が多少なりともあることが前提になるため、どの範囲の財産やどのような種類の行為を保佐人に代理で行ってもらうかを決めておく必要があります。

これを代理権の付与といいますが、保佐人の代理権の範囲については、家庭裁判所へ付与申請を行わなければなりません。


家庭裁判所により調査・検討され、付与された代理権の内訳については、保佐人選任の審判に添付される代理行為目録に明記されます。

代理権の範囲については、保佐人が有する同意権の範囲に限られないので、預貯金の管理や介護・医療に関する契約などの行為についても含めることができます。


しかし、目録に記載されていない行為については、保佐人が代理で行うことができません。


ただ、保佐人就任後に付与された代理権では十分に保護できないと考えるときには、追加で代理権付与を申し立てることもできます。



保佐人の職務


保佐人に関しては、後見人のように本人の財産を調査し、財産の全てにわたって財産目録を作り、収支計画を立てるなどといった権限や義務を定めた法律上の規定はありません。
本人の財産に対する管理の権限は、あくまで本人が保有しているという考えが原則になっているからです。


しかし、本人の財産について代理権が付与されている場合は、少なくともその範囲で本人の財産状況を把握し、その管理方針を決めて、それに従った管理を行わなければなりません



一方、財産管理などの代理権限がない場合、つまり同意権及び取消権のみを持つ保佐人の場合、本人の心身の状態や、財産の状況をできる限り把握し、タイミングを見て同意権や取消権を行使することができるようにしておくことが望ましいです。
そのため、任意で預金通帳や登記済権利証、その他の書類などを見せてもらい、財産の現況を把握して、財産の管理や処分について事前に本人の相談に乗ることができる関係を作っておくことが大切になります。


なお、家庭裁判所から求められたときには、保佐人は本人の財産の調査をしたり、財産目録を作成することが必要になる場合もあります。

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