【蟲神器 術図鑑】

№129『飛蝗の凶相(ばったのきょうそう)』
収録:スターターセット

消費コスト:0

術カード Nノーマル

テキスト:ターン終了時まで、自分のすべての虫の攻撃力を200増やす。

 
虫の攻撃力を上げる手段として『天牛の大顎[0強化]』という強化カードがあるのですが、今回は同様の効果を持つ術カードをご紹介します。
それがこの『飛蝗の凶相』です。
ばった・・・天牛に続いて読めないですね。
おまけにカッコいい漢字。
 
さてその効果ですが、使用したターンの終了時まで自分の場の全ての虫の攻撃力が200上がる、というものです。
では『天牛の大顎』との違いを検証していきたいと思います。
 
まず『天牛の大顎』は強化カードなので何ターンも持続しますが、『飛蝗の凶相』は術カードなので使用したこのターンしか効果が持続しません。
ただ、このゲームにおいては残念ながら虫は長生きできない傾向にありますのでそこはさほどデメリットではないかと思います。
 
数値面で見ますと、『天牛の大顎』は300上昇するのに対し、『飛蝗の凶相』は200しか上昇しません。ただし、複数の虫に効果がありますので虫が2体いれば合計400アップですのでその時点で『飛蝗の凶相』の方がお得です。もちろん、多ければ多いほどお得感は増します。
ただ、この点が結構ネックかなと考えていまして、基本的に場の虫はどんどんやられていくゲームですので以前のターンに出た虫が生き残っているということがあまりないかと思っています。
そうなると複数の虫を場に展開しようと思うと、1ターンに複数体出すということになりますが、そうなると虫1体あたりのランクが下がってしまうので、『飛蝗の凶相』による強化を当てにするより、高ランクの虫1体を出したほうが強かったりしないかな、とか考えたり。
 
場の虫が1体のときに使うのなら『天牛の大顎』の方がよいとなってしまうので、複数の虫を展開することを前提としたデッキの場合に採用するなど、ちょっと考えて採用する必要があるカードかなと思っております。
 
 
ちなみに、このゲームにおける技や術の効果は 発揮時点で場にいた虫だけが対象となります。
例えば『飛蝗の凶相』使用後に追加で場に虫を出したとしても、後から出てきた虫は攻撃力が上がりません。
あくまで術を使用した時点で場にいた虫だけが対象となり、自分の場自体が対象となっているわけでない、ということですかね。
 
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◆あまくさ流 戦力評価◆
場に複数の虫がいないと有効に使えず、使用状況・デッキを選ぶということで汎用性を低めに評価している。一方で状況さえ整うのであればより効果的に使えるのでカードのポテンシャル自体は悪くないと思われる。
攻撃力を挙げる方法は複数あるため独自性は低めの評価としている。
 
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○このカードと組み合わせて相性が良いカードや技
『ニセハナマオウカマキリ[6赤]』【神のカマ連撃:300】
『オオカマキリ[4赤]』【カマ連撃:200】
『テナガカミキリ[5緑]』【テナガ攻撃:300】
 
○このカードで対抗できるカードや技
 特になし
 
×このカードに対して有効なカードや技
『蚕玉の加護[1強化]』
『蓑虫の隠れ蓑[0強化]』
 
★同様の効果を持つカード
『雀蜂の毒針[1強化]』
『天牛の大顎[0強化]』

【蟲神器 虫図鑑】

№22『セアカゴケグモ』
収録:スターターセット

消費コスト:2

赤 R レア

体力:400
技1:【かむ:100】
技2:【毒針:400】この技は1度だけ使用できる。
 
 スターターのみに入っているカードのうちの1枚です。
消費コスト2と序盤から出しやすい軽さがありますが、真価を発揮するのは中盤~終盤にかけてと言えるでしょう。
なんといってもウリは【毒針】です。
2コスト帯ではダメージXを除けば、400ダメージを出せる技は2つしかありません。
その内の1つは『コバネイナゴ[2緑]』の【イナゴの大群:400】なのですが、「この技を使うとき、自分のエサを1つ選び破壊する。」というテキストになっておりまして、ちょっとコストとメリットが釣り合っていない感じです。
 
その点、【毒針】は1度しか出せませんがデメリットとしてはそれだけです。
何も支払う必要はありませんし、1度は確実に出せます。
僕自身、最初にこのカードを見たときに1度400ダメージ与えたら次からは100ダメージしか与えられないこのカードは役に立つのか?と思ったのですが、スターターのデッキで何度か一人回しをしているうちに、このゲームでは虫たちはあまり場に長いできないことに気づきました。
場に出てすぐ攻撃できること、色の三すくみによるダメージ2倍があること、これらのシステムにより、基本的には相手の場にいる虫を倒せる虫を選んで出すことになります。
なので次のターン以降は生き残れない前提で考えてよいと思っています。
つまり、2回目以降の攻撃についても考慮する必要がなく、1度しか使えない技はそれほどデメリットでない、ということです。
 
この【毒針】による400ダメージですが、弱点さえ突けば2ランク上まで有効です。
硬さでお馴染み『クロカタゾウムシ[3緑]』はさすがに倒せませんが、それ以外では『オオコノハムシ[4緑]』『ゴマダラカミキリ[4緑]』『クワカミキリ[4緑]』といった緑の4コスト帯の半数までを1撃で破壊可能です。
 
スターターセットに2枚入っていますので手に入れやすいのも良いですね。
使いやすい虫カードの1枚だと思います。

 

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◆あまくさ流 戦力評価◆
消費コストの割りに攻撃力は高く、相対的には使いやすいカードだと言えるが、独自性やプラスに働く能力を持たないため、総合的には低めの評価となってしまった。
 
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○このカードと組み合わせて相性が良いカードや技
 特になし
 
○このカードで対抗できるカードや技
 特になし
 
×このカードに対して有効なカードや技

 特になし

 

★同様の効果を持つカード
 『オオスズメバチ[4赤]』
 『デスストーカー[3赤]』

【蟲神器 強化図鑑】

№101『玉虫色の羽化(たまむしいろのうか)』
収録:スターターセット

消費コスト:2

強化カード

R レア

テキスト:この虫の色を赤か青か緑に変える。

 
 このカードを付けた虫の色を変える、という強化カードです。
「赤か青か緑」と文中で指定されてしまっているので「無色にする」みたいなことはできないですね。
この蟲神器というゲームにおいて、色はとても重要な要素だとは分かっているのですが、その一方で色を変えるためだけで消費コスト2はお高いのでは?というふうに僕は考えていました。
ただ、色を変える目的はなんだろう?と考えたときに大半の場合は「今 相手の弱点を突くため」だろうなと思いまして。基本的に破壊して破壊されてを繰り返すゲームですので「相手から破壊されないために色を変える」っていうシチュエーションは少ないと思ったのです。
で、弱点を突く=攻撃力を2倍にすると考えたときにコスト設定については納得がいったわけです。
 
つまり、
消費コスト0 → 攻撃力+300 『天牛の大顎[0強化]』
消費コスト1 → 攻撃力+500 『雀蜂の毒針[1強化]』
消費コスト2 → 攻撃力×2  『玉虫色の羽化[2強化]』
ということなのかな、と。
次のターンまでもし生き残った場合に相手の色によっては弱点を突けない場合も十分あり得るので、あくまで「今 弱点を突きたい」という前提ですが、実質こう考えてよいかと思います。
 
で、その考えで話を進める場合、攻撃力が600以上ある虫に使わないと損ということになります。攻撃力500の虫を2倍の1000にするなら消費コスト1の『雀蜂の毒針』の方が割安で+500できますので。
となると3コスト帯までの虫には使えません。
4コスト帯でも過半数が攻撃力500以下です。
で、5コスト帯になると今度は相手を倒すのに2倍もいらなくて、+500で倒せるパターンも多そうです。
総合的に考えると、攻撃力強化という視点であれば『玉虫色の羽化』より『雀蜂の毒針』の方がコストパフォーマンスが良さそう、というのが僕の結論です。
 
もひとつ言うと、色の指定はできませんが消費コスト0で使用できる三種の神器があります。
『剣の息吹[0強化]』→この虫の色を赤に変える。
『勾玉の息吹[0強化]』→この虫の色を青に変える。
『鏡の息吹[0強化]』→この虫の色を緑に変える。
構築されたデッキに置いて、おそらく攻撃役はある程度絞られていると思いますので、例えば攻撃役に赤が多いようなら『鏡の息吹』を入れておけば相手の虫が緑または青の場合に弱点が突けるので結構それで事足りるのではないかと思ったりもします。
 
 
色による三すくみはこのゲームのキモですし、色変えは攻撃力アップ以外の意図で使う場面もあり得ると思いますのでもっと研究は必要かとは思っております。
 
何にせよ『玉虫色の羽化』については消費コスト2というのがネックかな、と。せめて1なら活用の幅が広がりそうな気がしております。

 

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◆あまくさ流 戦力評価◆
現時点では消費コストについてはあくまで絶対的な数値として判定している。
(発揮する効果に対し、消費コストが高い・安いという評価ではない)
どのデッキにおいても邪魔になる効果ではないので汎用性は並み。
独自性については【虹色光沢】という似たような効果はあるが、自身の色を変えるか相手の色を変えるかは少し意味合いが異なると考え、並みとしている。
 
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○このカードと組み合わせて相性が良いカードや技
 特になし
 
○このカードで対抗できるカードや技
 特になし
 
×このカードに対して有効なカードや技
『ニシキオオツバメガ[4青]』【虹色光沢:0】
『ヤマトタマムシ[3緑]』【虹色光沢:0】
→『玉虫色の羽化』で指定した色に対し、虹色光沢を後出しすることで上書きが可能。
 
★同様の効果を持つカード
『ニシキオオツバメガ[4青]』【虹色光沢:0】
『ヤマトタマムシ[3緑]』【虹色光沢:0】
『剣の息吹[0強化]』
『勾玉の息吹[0強化]』
『鏡の息吹[0強化]』

【蟲神器 虫図鑑】

№79『ナミアゲハ(幼虫)』
収録:スターターセット

消費コスト:3

青 R レア

体力:700
技1:【かじる:200】
技2:【くさいツノ:0】相手の虫を1つ選ぶ。次のターンその虫の攻撃力を400下げる。
 
 スターターのみに入っているカードのうちの1枚です。
3コスト帯で体力700は割と高いほうと言えるでしょう。
ただ、その分を考慮したとしても攻撃力があまりに乏しいです。
【かじる】の200ダメージは1コスト帯並みの威力しかありません。
 
特徴的と言えるのは2つめの技である【くさいツノ】です。
与えるダメージは0ですが、次の相手のターン中、その虫の攻撃力を400下げることができます。
400ダメージがどれほどのものかですが、僕なりに分析した結果によると1ランク上がると攻撃力は大体100~200くらい上がりますので概ね2ランク分下げる計算になると見てよいと思います。
実際、4コスト帯での攻撃力の平均は500ありませんので、400下げれば1対1ならまず負けることはないでしょう。
 
とはいえ、負けないとは言っても倒すこともできないので延命措置にすぎません。
では有効な使い方はどういう場面か考えたとき、ひとつ活かせそうなのが相手に【<とびだす>】を持つ虫がいるときです。
【<とびだす>】はコストを消費せずに虫を場に出せる強力な技ですが使用するには条件があり、その中のひとつとして「自分の場に他に【<とびだす>】を持つ虫がいなこと」というものがあります。
【<とびだす>】を持つ虫は能力が強力な分、ステータスが低めに設定されていて消費コスト5である『ゴライアスオオツノハナムグリ[5青]』でさえ攻撃力は500しかありません。
相手の『ゴライアスオオツノハナムグリ』に【くさいツノ】を仕掛ければ攻撃力100です。こうなれば全然怖くありませんので敢えて破壊せず場に残すことで後続の【<とびだす>】を持つ虫たちが飛び出してくることを防ぐことができます。
この利点は場が相手の有利にならないことだけではありません。
前述のとおり、【<とびだす>】を持つ虫はステータスが低めなので通常のコストを消費して場に出すと同コスト帯の虫を出すより不利なのです。
もちろんエサにされるかもしれませんが、状況によっては相手も通常コストを支払って出さざるを得ない場面もあるかもしれません。
そうなった場合、消費コスト面でもこちらが有利に立つことになります。
 
【くさいツノ】を使用する際の注意点として、攻撃力はマイナスにはならないが計算上は考慮する必要があることを覚えておく必要があります。
具体的に説明しますと、攻撃力が300の虫に対し【くさいツノ】を使用した場合、数値上は300-400で-100となりますが、実際には0の扱いとなります。
-100の技を受けたからといって100回復!なんてことはありません。
次に相手が『天牛の大顎[0強化]』を使用したとします。
その場合、0+300=300ではなく、-100+300=200として計算します。
取り扱い上は0なのですが計算上は-100まで下がっているのです。
考え方としては該当の虫には「-400の強化カードが付いている」とイメージするとわかりやすいと思います。
元々の攻撃力300に、-400の強化カードが付いてて、そこに+300の強化カードを追加する、っていう。
 
このあたりはマーカーがあるとわかりやすいと思うんですよね。
「攻撃力-400マーカー」
他にも一度しか使えない技を使ったときに乗せる「技使用済みマーカー」とか、「擬態発動中」とか、あると便利なシーンがいろいろあると思うんですよ。
一応、公式さんには伝えてみたのですが製品化してくれないかなぁ。
 
話が少し逸れましたが、スターターのカードですのであり得るシチュエーションかもしれません。
念のため覚えておいてください。

 

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◆あまくさ流 戦力評価◆
消費コスト、体力、能力はそれなりと言えるが、攻撃力の低さは大きくマイナス。
使うのならばサポート役に徹するしかない。
 
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○このカードと組み合わせて相性が良いカードや技
 特になし
 
○このカードで対抗できるカードや技
 
×このカードに対して有効なカードや技

 特になし

 

★同様の効果を持つカード
 『キアゲハ(幼虫)[4緑]』
 今回は少し趣向を変えて赤青緑それぞれの色の勢力の傾向を分析してみました。
そもそもこのゲームでは色を混ぜることにデメリットはありませんのであまり気にする必要もないのかもしれませんが、実際のところどんなものなのか知りたかったので調べてみました。

能力は数値化が難しいので 今回は単純に体力や攻撃力の値の傾向を見てみようと思います。が、まずは少し前置きを。

 

 技を使うのに条件が必要なケースがありますが、基準としては「その虫が場に出たときに確実に出せる数値」を採用しています。

 例えば【毒針】や【決死の一撃】などは一度しか使えないという制限がありますが、一度は必ず使えるのでその数値を採用しています。このゲームでは場に出た虫はあまり長居できない傾向にありますので「一度しか出せない」こと自体はそれほどデメリットではないという判断です。

 【カマ連撃】系の技は体力の高い相手に攻撃する前提で攻撃力の2倍の数値を実質的なダメージとしています。

 【共食い】は自分の場に味方の虫がいる必要があるのでいつでも出せるわけではないと判断し、これは除外しています。

 【イナゴの大群】は技を出すのにエサ場のエサを1つ破壊する、という発動条件が必要とはなりますが、術の効果で場に出たのでない限りはコスト自体は支払えるはずなのでこの攻撃力を採用しています。

 【死骸の山】や【アリの大群】など攻撃力がXの技については扱いをちょっと悩んだのですが、ダメージ0で計算しました。実践ではダメージ0の状況で場に出すことはまずないですし、状況を整えればどんどん数値を高めることができますが全て条件次第ということになってしまいますので、前述のとおり「確実に出せる数値」としては0という判断をしています。

 

 上記のような基準で採用する数値を決定した上で集計した結果がこちらになります。

 

 全体で各色を比較すると、平均値では少し差がありますが中央値ではほぼ横並びという結果となりました。個人的には戦力ごとに偏りがあるのかなと思っていたので少し以外な結果でした。赤陣営は共食いやダメージXの技があるので実質的には攻撃力は頭一つ抜けるのかなとは思いますが。青陣営は蝶が体力高めな印象なので全体でもそういう傾向が出るかなと思っていたのですが、中央値でみるとむしろ他陣営より低いという。高コスト帯では体力が多い虫が多い分、低コスト帯は体力が他陣営より低めなようです。

 

 あと今回集計するまで気づいていなかったのですが、色毎に各コスト帯の虫の数がバラバラなんですね。赤は他陣営より高コスト帯の虫が多く、逆に緑は低コスト帯の虫が多いです。青は中間かな。基本的に高コストなほどステータスが高く設定されますので赤陣営が高火力な印象なのはこのあたりも影響しているのかもしれません。

 

 次にコスト帯別に傾向を見ていきたいと思います。

まずは6コスト帯。

6コスト帯はそれぞれLRだけですのでただ単に3枚のカードを比べているだけですね。

体力はほぼ横並びですが、【共食い】で2000ダメージが出ますので実質的には赤陣営がリードと言えるでしょう。

 

次に5コスト帯。

体力の平均値が赤と青が低めなのはそれぞれに『リオック』と『ゴライアスオオツノハナムグリ』がいるからですね。特殊な方法で場に出ることができる虫がステータスが1ランク低めに設定されています。

一方で攻撃力は青のクワガタたちが強く、他陣営より高めの中央値を出しています。

 

4コスト帯。

このコスト帯は青陣営の体力の高さに目が行きます。

これは体力が1000を超えた蝶が3体いることによるものでしょう。

また、平均値で見ると赤陣営の攻撃力が高めなのもわかります。

 

3コスト帯。

比較的 場に出しやすい中間コスト帯ですが、体力・攻撃力共に赤陣営が高くなっています。緑陣営の攻撃力が極端に低いのが気になりますが、実際には【虹色光沢】【<擬態>】【くさいツノ】など能力持ちの技が多いです。

 

2コスト帯。

赤陣営の攻撃力がすごく低いですが、これはダメージXの技をダメージ0として計算しているだめです。

実際には200以上のダメージを出すことは容易だと思われますので実質的な平均値はもっと上がると思います。

 

最後に1コスト帯。

青陣営には体力200の虫がいないので少し高めの数値になっています。

攻撃力はほぼ横ばいでしょうか。

 

 

以上、色毎に傾向はあるのかの分析でした。

コスト帯によっては赤の攻撃力が高い、青の体力が高いということはありましたが、全体的にみるとそれほど偏りはないのかな、という結論です。

能力値も含めた分析はちょっとまた改めて考えてみたいと思います。

【蟲神器 強化図鑑】

№107『天牛の大顎(かみきりむしのおおあご)』
収録:スターターセット

消費コスト:0

強化カード Nノーマル

テキスト:この虫の攻撃力を300増やす。

 
今回は名前が読めない強化カード『天牛の大顎』をご紹介します。
ちゃんと「かみきりむし」で変換すると「天牛」って出てきますね。
蟲神器、勉強になるわ・・・
 
この強化カードを付けた虫は攻撃力が300上がる、というシンプルな効果を持ったカードです。
消費コストがゼロなのでどんな場面でも使用しやすいですが、上昇する値が300だけなので対戦が後半になると300上がったくらいじゃどうにもならん、みたいな場面が多々出てくるのではないかと思っています。
序盤から中盤にかけては十分使えると思うのですが。。
 
また、攻撃力同様に体力を増やす『蓑虫の隠れ蓑[0強化]』というカードもあるのですが、そちらは体力が500増えるカードとなっており、相手の体力強化に対抗する手段としては頼りにならなさそうです。
 
 
有効に活用するには、
●弱点を突ける虫に付ける
 → 強化した後の数値を2倍するので実質+600となる
●『ニセハナマオウカマキリ[6赤]』や『オオカマキリ[4赤]』の持つ【カマ連撃】系の技、『テナガカミキリ[5緑]』が持つ【テナガ攻撃:300】などと組み合わせて使う
 → 複数回攻撃を行える技と組み合わせてダメージを増やすことができる
などの方法で使用しましょう。
 
 
似た効果を持つカードとして『雀蜂の毒針[1強化]』は消費コスト1がかかる代わりに攻撃力の上昇値も+500にアップします。
『飛蝗の凶相[0術]』は強化カードでなく術カードですので、持続性が無くこのターンのみの効果となり、攻撃力の上昇値も+200と控えめですが、自分の場の虫全てが対象となりますので自分のデッキの特徴にあったカードを採用しましょう。
 
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◆あまくさ流 戦力評価◆
どんなデッキにでも入れることができる点で汎用性は高めだが、有効に使える場面がさほど多くないと想定されるため有用性は少し低め。
攻撃力を挙げる方法は他にもあるので独自性は低評価としている。
 
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○このカードと組み合わせて相性が良いカードや技
『ニセハナマオウカマキリ[6赤]』【神のカマ連撃:300】
『オオカマキリ[4赤]』【カマ連撃:200】
『テナガカミキリ[5緑]』【テナガ攻撃:300】
 
○このカードで対抗できるカードや技
 特になし
 
×このカードに対して有効なカードや技
『蓑虫の隠れ蓑[0強化]』

【蟲神器 技図鑑】

<とびだす>

この技を持っている主な虫

『ゴライアスオオツノハナムグリ[5青]』

『マイマイカブリ[3赤]』

『イボバッタ[3緑]』

『ミンミンゼミ[3青]』など

 

【<とびだす>】これを縄張りから引いたとき、自分の場に<とびだす>の技を持つ虫がいなければ、これを場に出してもよい。
 
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今回ご紹介する技は【<とびだす>】です。

スターターでは『ミンミンゼミ[3青]』が持っている技でお馴染みですね。

 

縄張りからカードを引いたときに【<とびだす>】を持っている虫を引いたとき、手札に加えるのでなくそのまま場に出してよい、という効果を持った技です。

コストを消費せずに場に出せるという点はもちろん、現状は相手のターン中に虫を場に出す唯一の方法だという点も重要です。

一番理想的な場面は自分の縄張り最後の1つを引いたときにとびだしてくれる、これですね。

相手からすると想定していない壁が1つ増える=攻撃の手を1つ増やさないといけなくなるので場合によっては負け確定だったところを生き延びることができるかもしれません。

あとはありがたいのは序盤の1~2ターンあたりでまだ相手が低コストな虫しか出せないときに出てきてくれることでしょうか。

 

正直それ以外の場面だと特に3コスト帯の虫はとびだしてもあまり意味がなさそうです。

というのも【<とびだす>】を持っている虫はコスト消費せずに場に出られるというその有用性からか ステータスは低めに設定されていまして、純粋に体力・攻撃力を比べた場合1ランク下のその中でも下層クラスの設定となっています。

つまりせっかく場に出てもすぐに破壊されてしまい、出た意味がなかったなんてこともあり得そうです。

それなら敢えて出さずにエサにした方が得かもしれません。

消費コスト5である『ゴライアスオオツノハナムグリ』も体力が800あるので中盤まではそれなりに役立ちそうですが、それでも同コスト帯で見るとかなり弱いです。

 

 

そのステータスの低さについてはもう一つ問題がありまして、この技を発揮するためには最初のセッティングの時点で該当するカードが縄張りへ行っている必要があります。

普通にドローで手札に来てしまった場合、前述のとおり 同コスト帯と比較して弱いただの虫になってしまい、役に立ちません。

デッキ20枚のうち、6枚が縄張りとなりますのでおおよそ1/3の確率でしか【<とびだす>】を発揮できないわけです。

また【<とびだす>】の成功率を上げようと投入枚数を増やした場合、手札に来ちゃう枚数も増えてしまう上に、今度は場にすでに【<とびだす>】を持った虫が居て【<とびだす>】を発揮できないというケースも出てきそうです。

 

 

コスト消費無しで場に出られる、という点だけ見れば非常に優秀な能力に思えるのですが、

「発動しにくい」

「発動してほしい場面が限られる」

「発動タイミングが選べない」

「発動できなかった場合 デメリットがある」

これらの理由から個人的にはかなり低めの評価として見ております。

 

 

将来的に、例えば「縄張りからカードを1枚引き、手札からカードを1枚 縄張りに戻す。」みたいな効果の技や術が登場すれば、手札に来た【<とびだす>】を持った虫を縄張りに確実にセットできますし、発動タイミングもここぞというときに仕込んだカードを選べるようになるのでかなりおもしろくなるような気がするのですがどうでしょうか。

【<とびだす>】以外にも縄張りから引くことで発揮する効果があれば楽しそうですし。

 


将来性に期待しつつ、現時点ではイマイチかなという【<とびだす>】についてでした。

【蟲神器 術図鑑】

№127『蟲の息吹(むしのいぶき)』
収録:スターターセット

消費コスト:1

術カード Nノーマル

テキスト:これを自分のエサ場に置く。 ※このエサのコストはこのターン発生しない。

 
通常、毎ターンに1枚ずつしか置くことができないエサを、追加でもう1つ増やすことができる、というカードです。
蟲神器に慣れていないと少し戸惑う方もおられるようですのでまずは理屈と使い方を解説したいと思います。
 
まずこのゲームにおけるターン中の流れですが、
 
1.ドローフェイズ → 山札からカードを1枚引く。
2.セットフェイズ → 手札から1枚、カードをエサとしてエサ場に置くことができる。(任意なので置かなくてもよい)
3.メインフェイズ → メインフェイズ開始時に自分のエサ場のカードの枚数だけコストを得る。そのコストを消費して虫を場に出す、術や強化カードを使う、虫で攻撃を仕掛ける、といったことを好きな順番で自由に行うことができる。
4.ターンエンド → 残ったコストは消滅。場に生き残った虫の体力は全回復。
 
といったものとなっています。
 
今回のエサ(コスト)の話でポイントとなるのは「メインフェイズ開始時にコストを得ることができる」という点です。
『蟲の息吹』を使用するのはメインフェイズとなりますのでコストが発生するタイミングはすでに終わってしまっているのです。
テキストの「※このエサのコストはこのターン発生しない。」と注意書きがされているのはこういう理由のためです。
似たような効果である『ミツツボアリ[1赤]』の【<蜜をためる>】にも同じことが言えます。
 
また、『蟲の息吹』を使うとき際は、『蟲の息吹』自身がコストを1消費することを忘れないでください。
例えば自分のエサ場にエサが2枚ある状態でメインフェイズに入り、『蟲の息吹』を使ったとしましょう。
『蟲の息吹』がエサ場に移動しエサとなるカードは3枚となりますが、このターンで発生し得たコストが2で、『蟲の息吹』で1消費したため、このターンではあと1しか消費することができません。
最初は少しややこしく思うかもしれませんが、仕組みをきちんと理解すれば難しくはないと思います。
 
 
で、結局のところ、1コスト消費して1コスト得る準備をして得してるの?という話になるかなと思います。
僕が考えるにメリットは2つあると思っております。
まず1つめは累計の獲得コストに差が出てくることです。
『蟲の息吹』を使用するタイミングとしてベストなのは1ターン目です。
前述のように次ターン以降で得られるコストを増やすためのカードなので早く出すほど恩恵を受けることができるからです。
また、1ターン目に得られるコストは全プレイヤー必ず1で、手札に消費コスト1の虫が無かったり、またあっても敢えて出さないと判断した結果、1コスト余らせてターンエンド、というパターンは少なくないんじゃないかと思います。
その余らせがちな1コストを有効に使うためにも1ターン目での使用がベストかと思います。
で、どれだけ得するかですが、次の表をご覧ください。

左が通常どおり毎ターン1枚ずつエサを置いていった場合の累計、

右が最良のパターンとして1ターン目に『蟲の息吹』を使用した場合の累計です。

差を見て貰えばわかるとおり、最大で9コスト多く獲得することが可能です。

実際には10ターン目まで対戦が長引くことはほとんどなく、おそらく7~8ターンくらいで決着がつくことが多いのではないかと思います。

その場合でも相手より6~7コスト多く獲得することができています。

LRクラスの虫を相手より1つ多く出すことができる計算です。

この差は大きいのではないでしょうか。

TCGに限らず多くのゲームは与えられたリソースを如何に効率よく変換していくかが試されるものだと考えているのですが、そもそもの得られるリソース(今回は獲得コスト)において相手と差をつけることができるわけです。

 

もちろんこれは理想の話で、初手に『蟲の息吹』が来た場合の想定です。

任意のカードを引く確率を計算できるサイトさんがあったので利用させて頂いたところ、『蟲の息吹』を2枚投入していて初手(4枚)に1枚以上来る確率は約37%とのことです。

後攻だと1ドローが追加されて約45%。

意外と低くないんじゃないかな、と個人的には感じました。

 

とはいえ、実際には初手では無い可能性の方が高く、4ターン目とかに来たら使用タイミングとしては多分もう遅いです。

ただその場合でも術として使わず通常のエサとして使用してもOKなので無駄にはならないかと思います。その分、エサに置かずに使えるカードが増えるわけですし。

 
 
2つめのメリットですが、その瞬間に獲得できるコストが相手を上回ることです。
先ほどは累計で相手よりコストを多く獲得できます、というお話を書かせていただいたのですが、それは各ターンで得られるコストが相手より多いために結果的にトータルでも勝る、という話だったのです。
通常、両プレイヤーが毎ターン獲得コストを1ずつ増やしていき、それに応じて場に出てくる虫も少しずつ強いものになっていく、という流れとなりますが、相手より獲得コストが多いことで相手より1ランク上の虫を出すことが可能ですし、相手より格下でも複数の虫を出すことも可能となります。
そういった状況を作り出すことで、通常は倒し倒されでターンが経過していくところを、倒したけど次の相手のターンでは倒されない、というより有利な流れに持っていくことができると思います。
 
また、1つめのメリットの話の中で、累計コストを考えると4ターン目以降だとメリットが薄いということを書きましたが2つめのメリットである瞬間のコストを考えるのならまた違ったメリットが見えてきます。
『蟲の息吹』を使用したターンでは1コスト消費し、次ターンで1コストを得られることを考えると、これはターンをまたいだコストの持ち越しと考えることができます。
対戦中盤でもし獲得コストが1余ってしまう場合はもちろんのこと、 今この虫を場に出すよりは1コストを次ターンに温存した方が有利では?というようにコスト運用に幅が出るとも言えるかと思います。
 
 
うーん、自分で書いていてとても重要なカードに思えてきました。。。
 
 
さて、現環境において警戒すべき要素の一つに『サバクトビバッタ[4緑]』の【くらいつくす:400】があります。
ダメージはともかくとして、その追加能力として「この技で相手本体に攻撃を与えたとき、相手は自分のエサを1つ選び、手札に戻す。」というものがあります。
条件が簡単でないことと、このゲームのルール上 同一の虫が場に居続けることが難しいということがあるので1ゲーム中に何度もくらうことはないかとは思う(実際に対戦したことがないのでまさに机上の理論。)のですが、エサが1~2枚減らされる可能性はあると思います。
そういうことを想定する意味でも『蟲の息吹』があれば、防ぐことは無理でもある程度リカバーすることはできるのではないかと思っています。
 
 
あと冒頭で少し触れたように『ミツツボアリ』という虫が『蟲の息吹』同様にエサ場を増やす効果がある技を持っているのですが、少し使い勝手が異なります。
『蟲の息吹』はそれ自身がエサとなってエサ場に移動しますが、『ミツツボアリ』は場に出たときに手札から1枚エサをおいてよい、という効果です。
つまりエサ用のカードを別で1枚用意する必要があるわけです。
また『ミツツボアリ』自身は消費コスト1で『蟲の息吹』と同等なのは良いのですが、体力200、攻撃力100と戦力としてはとても当てになりません。
単純に比較するのは難しいですが、使いやすさの面では『蟲の息吹』に軍配が上がるかなと思います。
 
もちろん併用するのはアリだと思います。アリだけに。

その場合、4枚のうちの1枚以上が初手にくる確率はグッと上がって約62%。後攻だと70%を超えます。

ここまで上がると初手にくる前提のデッキ運用を考えてもいいかもしれません。

 

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◆あまくさ流 戦力評価◆
消費コストが低めでありながらどんなデッキに入れても邪魔にならないであろう汎用性において高評価。
有用性においては手元にくるタイミングに左右される面もあるため、また独自性においては『ミツツボアリ[1赤]』の【<蜜をためる>】が存在するため、それぞれ少し下げている。
とはいえ、総合的には重宝するカードだと思われる。
 
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○このカードと組み合わせて相性が良いカードや技
 ほぼすべてのデッキ
 
○このカードで対抗できるカードや技
『サバクトビバッタ[4緑]』【くらいつくす:400】

 

×このカードに対して有効なカードや技

『サバクトビバッタ[4緑]』【くらいつくす:400】

【蟲神器 虫図鑑】

№40『カブトムシ』
収録:スターターセット

消費コスト:4

青 SRスーパーレア

体力:800
技1:【ツノ突進:500】
技2:【すくい投げ:0】相手の虫を1つ選び、ターン終了時まで裏返す。その虫は裏返しの間、いないものとして扱う。
 
その名の通り、スターターに入っているデッキのうちの1つ、「カブトムシデッキ」の主役と言える虫カードです。
カブトムシらしい強力な技を持っており、勝利を決める要になり得ますのでぜひ使いこなしたいところです。

 

では技を1つずつ解説していきましょう。

 

まずは【ツノ突進:500】です。
この技は特に能力も無く、シンプルにダメージを与える技です。
4コスト帯での500ダメージは特別強いわけではありませんが、かと言って弱いわけでもない、可もなく不可もなくな感じでしょうか。
弱点である赤色の虫に対しては1000ダメージが出るので4コスト帯までであれば1撃で破壊することができるので状況を見ながら場に出しましょう。
 
 
特徴的なのは2つめの技である【すくい投げ:0】です。
与えるダメージこそゼロですが、指定した相手の場の虫を裏返す効果があります。
テキストには「相手の虫を1つ選び、ターン終了時まで裏返す。」という表記となっているので 技を出した後に相手の虫を指定するようにも読めますが、ここで言っている「相手の虫を1つ選び~」は【すくい投げ】を当てる虫を選ぶ、という意味です。
技を当てる虫と裏返す虫を別々に選ぶわけではありませんので要注意です。
ダメージがゼロなのであまり気にする必要はないかもしれませんが。
 
で、裏返しとなった虫は場にいないように扱われます。
この後、何かの虫やカードの効果で相手の虫を指定する場面があっても裏返しになっている虫は指定できませんし、『オオカマキリ[4赤]』の【カマ連撃】も裏返しの虫以外に虫がいなければ1回しか攻撃できません。(相手の場に虫がいれば2回攻撃できる、という技です)
相手の縄張りはゼロなのに、場にいる『トノサマバッタ[5緑]』や『ナミアゲハ[4青]』が倒せず相手に直接攻撃をすることができない、という場面ではそれらの強敵に対しても【すくい投げ】で裏返した上で、仲間の虫の技で直接攻撃を行って勝利!ということが可能となります。
裏返すだけで破壊するわけではないので一見物足りないように見えますが、強力な相手は必ずしも倒す必要はない! 勝負を決める一手には十分な能力です。
 
ちなみに、相手の虫を裏返す際、その虫に付いている強化カードも一緒に裏返すことになっています。
例えば下記のような強化カードを付けた虫を裏返すことで相手の場で効果を及ぼしているこれらのカードを無効化することが可能です。
『鳳蝶の蠱惑[0強化]』相手はこの虫以外の虫を攻撃できない。
『不滅の王台[0強化]』この虫が自分の場にいるかぎり、自分は縄張りを引かない。
 
純粋に火力を比べた際にはライバルである『オオカマキリ』に引けを取ってしまいますが、その代わりに持っている【すくい投げ】は十分なポテンシャルを秘めた技ですので上手に使いこなしましょう!

 

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◆あまくさ流 戦力評価◆
消費コスト、体力、攻撃力は高くなく低くもなく。
【すくい投げ】は非常に強力な技と言えるが、同じ技を『コーカサスオオカブト[5青]』が持っている上、『ヘラクレスオオカブト[6青]』はさらに強力な【ヘラクレス投げ】を持っているため、独自性は低めの評価とした。
 
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○このカードと組み合わせて相性が良いカードや技
 特になし
 
○このカードで対抗できるカードや技
【<りんぷん>】
【<鳴く>】
『鳳蝶の蠱惑[0強化]』
『不滅の王台[0強化]』
 
×このカードに対して有効なカードや技

 特になし

【蟲神器 虫図鑑】

№7『オオカマキリ』
収録:スターターセット

消費コスト:4

赤 SRスーパーレア

体力:800
技1:【カマ連撃:200】攻撃後、相手の場に虫がいれば、もう1度だけ使用できる。
技2:【共食い:800】この技を使うとき、この虫以外の自分の虫を1つ選び、破壊する。
 
スターターに入っているデッキのうちの1つ、「オオカマキリデッキ」のエースカードです!
用途が異なる2つの攻撃的な技を持っており、うまく使い分けることで活躍することが期待できます。
ただしその分、注意事項や補足事項も他のカードよりちょっと多めになっているのでしっかり理解して活躍させたいところです。
 
 
では技を1つずつ解説していきましょう。
まずは【カマ連撃:200】です。
一見すると攻撃力がかなり低いという印象を受けますが、攻撃後に相手の場にまだ虫がいればもう1度攻撃を行える、という効果を持っています。
両手のカマで2度攻撃するイメージでしょうか。
2回攻撃を行うとすると実質的には400ダメージを与えることが可能となります。
実はそれでも4コスト帯で400ダメージは低い部類には入るのですが、有効に使える場面は少なくないと思います。
 
手数が重要なこのゲームにおいて、2回攻撃はとても有利に思います。
弱点である緑の虫に対しては1回の攻撃で400ダメージを与えることが可能ですので、低コストな虫相手であれば1ターンで2体破壊することも可能でしょう。
また、破壊できずとも1回目と2回目の攻撃を別の虫に行うことでダメージの調節役を担うことも想定できます。
 
より有利に立ち回るには攻撃力を上げる効果を持つカードを併用することが効果的です。
スターターでは『天牛の大顎[0強化]』『飛蝗の凶相[0術]』で攻撃力をアップすることができます。
例えば『天牛の大顎』を使用した場合、200+300で500ダメージを与えるわけですが、2回攻撃を行うのでさらに500ダメージで合計1000ダメージを相手の虫に与えることが可能になります。2回攻撃によって攻撃力アップのメリットも2倍恩恵を受けるわけです。
 
 
【カマ連撃】の使用にあたっては補足事項・注意事項がいくつかあります。
まずテキストに「相手の場に虫がいれば~」という記載があるため、無条件に2回攻撃を行えるわけではありません。
具体例を挙げると、1度目の攻撃で相手の場の虫を破壊し、相手の場が空になったからといって2度目の攻撃で相手を直接攻撃することはできません、ということです。
逆に相手の場に虫が存在さえすれば2回攻撃可能なので、相手の場に【<擬態>】の効果を発揮している虫のみが存在する場合、虫はいるけど虫には攻撃できないという状況ですので相手へ直接攻撃を2回行うことが可能となります。
 
また、【カマ連撃】の1回目と2回目は続けて行わなくてはいけません。

1回目の攻撃の後、相手の場に虫がいればもう1度攻撃する権利を得る、という解釈でなく、2回目の攻撃を行うまでが1つの効果、ということなのでしょう。

なので攻撃の間に他の虫の技を使ったり、術や強化を使うことはできない、ということです。

 

あと、【<とびだす>】が絡む場合についても注意が必要です。

1回目の攻撃で虫を破壊し、相手が縄張りを引いて【<とびだす>】で虫が出てきたとしてもそれを根拠に2回目の攻撃はできない、と回答されています。

処理の流れは

相手の虫を破壊 → 相手の虫がいるかどうかチェック → 相手が縄張りを引く → 【<とびだす>】の効果で虫が場に出る

となるとのことで、【カマ連撃】のチェックが先に来るためです。

 
もひとつ補足として【カマ連撃】使用後に『蟷螂の構え[3術]』を『オオカマキリ』に使用した上で新たに【カマ連撃】を使った場合、これはまた1回目の攻撃から、ということになりますのでトータルで4回攻撃が可能となります。
2回攻撃+『螳螂の構え』1回で3回ではありません。
 
【カマ連撃】関連に関してはいろいろと公式さんが回答されておりますのでぜひ一度目を通してみてください。
 
 
さて、次は【共食い:800】について解説しましょう。
800ダメージという威力の高さに目が行きますね。これは4コスト帯ではトップクラスの破壊力です。
ただし威力が高い分、デメリットもついております。
それがこのテキストなのですが「この技を使うとき、この虫以外の自分の虫を1つ選び、破壊する。」とあります。
一見、『オオカマキリ』以外が場にいないときは破壊する対象がいないので何もしなくてもよいようにも読み取れますが、実はこれ 技を出すための発動条件となっておりまして必須です。
つまり、味方の虫1つを生贄にしないと出せない技ということです。要注意です。
まぁ技名からして食べなきゃだめですよね。。
 
食べる虫については自分の場にいる虫であればどういう状態でもOKとされています。
同じターンですでに攻撃済みの虫はもちろん、『蜉蝣の閃き[1術]』や『瀬戸際の虫時雨[4術]』などの効果で場に出ていてこのターン終了時に破壊されるのを待つ虫でもOKです。
どうせ食べるならこういう仲間たちをしっかりと糧にしてあげましょう。
あとは次の相手のターンでやられてしまいそうな虫がいる場合などもそのままにしておくより食べてしまった方がよい場合があるかもしれません。
 
 
複数回攻撃と高威力攻撃、状況に合わせて上手に使い分けることができればかなり活躍できるのではないかと思います。
実はこの技構成はレジェンドレアである『ニセハナマオウカマキリ[6赤]』とまったく同じですので、このコスト差2をどう捉えるかで評価が分かれるのかなと思っております。

 

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◆あまくさ流 戦力評価◆
本文中でも記載したとおり、攻撃力の高さや使い分けができる多彩さが高評価。
その一方で、完全に上位互換の技を持っている『ニセハナマオウカマキリ[6赤]』が存在するため、独自性は低めの評価とした。
 
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○このカードと組み合わせて相性が良いカードや技
『雀蜂の毒針[1強化]』
『天牛の大顎[0強化]』
『飛蝗の凶相[0術]』
『瀬戸際の虫時雨[4術]』
『蠱毒の因果[2術]』
『玉響の蠢き[0術]』
 
○このカードで対抗できるカードや技
 特になし
 
×このカードに対して有効なカードや技

 特になし