それなりに良かった回だったと思います。

 

一人ずつ館から人が消えていく本作の現象は、まるでアガサ・クリスティーの『そして、誰もいなくなった』をモチーフにしているように見受けられました。

 

ロシア人形を実際の寸法になおした上で、寸法を測るやり方は非常に機転の利いていて面白いと感じました。

 

人間はいつも仮面をつけていることを知り、怯える七瀬美雪に対し、金田一は「人間とはそういうもの。良い仮面ならいいのでは。」と主張したところは非常に良かったです。

 

悪い仮面をつけている人もいるでしょうが、良い仮面の人もいるはずです。

 

ラストシーンで実は一連の事件を起こした桐絵想子ではなく、山ノ内恒聖が本当の黒幕だったのではないいかという推理を高遠は予測します。闇の中に潜って、人の心の闇を覗いてきた彼だからこそ、そういったセリフが出たのではないかと感じました。

 

一方で、金田一は「そんなの憶測でしかない」と突っぱねます。この金田一と高遠の関係が非常に好きです。

 

桐絵想子の動機も設定として良かったですし、終わり方もきれいでした。まるで、地獄の傀儡師の仕業のように。

 

非常におだやかな話です。ドラえもんでは心温まるエピソードが多いですが、本作はより一層そういった要素を兼ね備えています。

 

のび太がかなり幼いころ、おばあちゃんに対し、酷い言葉を投げかけたことを後悔し、タイムスリップしてきた小学生ののび太がおばあちゃんに謝る展開です。かなりベタな展開です。

 

しかし、おばあちゃんの心の広さや、のび太の優しさがかなり色濃く出ており、癒やされるエピソードです。

 

のび太ママも最終的には破れてしまったくまのぬいぐるみを直していました。かなり優しい世界です。

 

他作品より「道徳心」に訴えている作品です。普段のび太をいじめているジャイアンとスネ夫がのび太のためにくまのぬいぐるみを取り返そうとするシーンも良かったです。

 

そして、何より小学生ののび太がタイムスリップしておばあちゃんに会いに来たということは、おばあちゃん視点から考えると「のび太が小学生になっているときには、自分はもうこの世に存在していない」という捉え方になります。

 

しかし、念願の小学生ののび太の姿を見れたので、私はハッピーエンドだったと思います。

 

自分の心が荒んでいるときに見ると癒やされるエピソードだと思います。

 

良作だと思います。ヘンダーランドとかなり類似している作品だと感じました。

 

話のテンポもかなり良いので、スムーズにストーリーを理解することが可能です。

 

感動要素は全くなく、ギャグの要素が非常に強い作品です。

 

クレヨンしんちゃんではおなじみの追いかけっこも本作では描かれています。

 

ラストのバトルシーンでもギャグ要素をふんだんに入れており、笑えます。肉弾戦で勝つのではなく、歌を歌って相手をこしょばして敵を倒す発想はクレヨンしんちゃんならではです。

 

個人的には野原一家が道中で温泉に入り、その後珠由良ブラザーズと共に焼き鳥を食しているシーンが好きです。ああいった旅の途中の食事シーンはとても美味しそうに見えます。

 

敵であるサタケが「悪いことよりいいことした方が気持ちいいや。」と言い放ち、寝返るシーンも非常に良かったです。悪役と字面だけ見ると、かっこよく感じますが、結局のところ良いことをしている人間の方がかっこいいと感じました。

 

本作ではひろしが名言をいっています。

 

 

「自分一人でデカくなった気でいる奴は、デカくなる資格は無い。」

 

その通りだと思います。今までいろんな人の助けがあっての自分だということを今一度認識しようと思いました。

 

 

「しんのすけだって、いろんな人に守られて大きくなったんだぞ。父ちゃんもな。」

 

みんな、一人で生きていられるはずはありません。自分の周りにいる人々に感謝しながら行動する大切さを学びました。

 

非常にクレヨンしんちゃんらしい作品にまとまっています。

 

非常に良かったです。

 

ぶりぶりざえもんとしんのすけの友情が見られます。

 

当初、ぶりぶりざえもんは自らの世界征服のために行動を起こしていました。しかし、ぶりぶりざえもんの生みの親であるしんのすけは、「人を救う」ことを行動原理とする救いのヒーローとしてぶりぶりざえもんを生み出したのだと語ります。

 

はじめは、見返りをもらえる喜びがあることによって人を救ったり、お宝の山に登りゴールを目指していましたが、山の頂上に着いたときに、自分が救った人々の感謝の言葉が本当の宝であることに気づきます。

 

非常に感銘を受けるシーンです。つまり、いつだって山を登り終えた時、すべて成し遂げたときに気づくのです。

 

そして、しんのすけとぶりぶりざえもんは別れますが、最後しんのすけたちが爆発に巻き込まれそうになった際、ぶりぶりざえもんが助けます。しんのすけの影響を受けたのでしょう。

 

ラストシーンは、しんのすけが描いたぶりぶりざえもんの絵に「ありがと」と感謝の言葉が綴られているシーンで終わります。非常に綺麗な終わり方です。

 

本当の意味でかっこいい男となり、なおかつ救いのヒーローとなったぶりぶりざえもんの姿が映し出されます。

 

 

 

 

 

それなりに良かった作品です。

 

まず作画が非常に綺麗です。特に本作では自然を映し出すシーンが数多くあり、映像を見ているだけで癒やされます。

 

本作では、「帰るべき場所があることはなんと素晴らしいことか」を言いたかったのではないでしょうか。それぞれ親と揉めることで、家出を決心したドラえもん達ですが、やはり帰るべき場所があるというのはありがたいことです。

 

当たり前に感じていることは、当たり前ではないと思います。

 

そして、印象的だったセリフとしてドラえもんのセリフを挙げたいと思います。

 

「人間は、工夫をして、徐々に便利な道具を生み出していくんだ。未来の道具なんか貸したら、歴史がめちゃくちゃになっちゃうんだよ。」

 

昔の人々が試行錯誤し、苦労して作成した文明によって、これまでの日本は反映してきました。その偉大さを本作の中で組み込んでいるところは非常に良かったと思います。

 

そして、ベタですが、「一人では物事を成し遂げることはできない。仲間は大事である。」こともメッセージとして組み込んでいたと思います。

 

誰の手助けも借りずに一人で家出を決行するのび太でしたが、結局道中の雪山で死にかけ遭難します。その際、ククルにもらった犬笛によって、ペガ達を呼び、のび太は助けられます。

 

仲間との結束が強く見られるシーンです。ボスであるギガゾンビに対しても、ジャイアンやスネ夫、ククル、ペガ達など多くの仲間達の協力によって倒します。

 

王道ですが、多くのメッセージがこもった良い作品だったと思います。

 

 

 

名作です。

 

本作は、「人間VSロボット」という構図を取っています。新作より本作である旧作の方が、より理屈に重きを置いていると思います。

 

というのも、ドラえもんは終始人間側が勝つように、多少道徳的に反していても合理的な選択をとっているからです。もちろんロボットの国であるメカトピアの司令塔であるリルルも非常に合理的な選択で行動しています。

 

名シーンとして挙げられるのが、荒廃した世界で、のび太がリルルに向かって銃を向けるシーンです。その時、のび太はリルルを撃つのをためらってしまいます。

 

そのすきをついて、リルルはすぐさまのび太を打ち抜きます。その後、リルルは困惑した表情をしたまま、その場を立ち去ります。

 

リルルはロボットなので、感情はないのですが、優しい地球の人に心が動いているのが目に見えています。しかし、スパイとしてロボット達に報告しなければならないという形になっています。

 

このリルルの感情の揺れを非常に繊細に描いているのが、本作の良さだと思います。

 

あとは、リルルとしずかの友情が見えるシーンが良いです。

 

怪我をしているリルルに対し、リルルは「なぜ敵を助けるの?」と問います。しずかは「時々理屈に合わないことをするのが人間なのよ」と答えます。

 

人間と機械の違いが色濃く出たシーンです。ここでリルルは己の使命を疑うようになります。

 

感情を捨てて合理的に行動すべき戦争の場面と、感情を重視するリルルの友情の場面の双方を非常に繊細に描いている傑作だと思います。

 

非常に面白かったです。

 

展開が非常に早く、テンポ良くストーリーが進んでいきます。本作はラクガキがテーマとなっております。

 

非常に子供らしいテーマで良いと思います。子供っぽさという要素で世界を救う展開はクレヨンしんちゃんならではです。

 

しんのすけがミラクルクレヨンで次々と味方を生み出し、敵と戦わせる展開は見ていて興奮します。

 

ユウマというタブレットを持ったおとなしい男の子が出てきます。ユウマは、積極的に行動するしんのすけに対し、尊敬の念を抱きます。

 

一方のしんのすけもユウマのタブレット技術によって、救われます。しんのすけは優しい友達想いの子です。

 

ユウマはただの一般人ですが、しんのすけはユウマを勇者だとみなしていたと思います。そして、ユウマからしてもしんのすけは勇者だったと思います。

 

お互いがお互いを思いやる良い関係だと思います。

 

最後に巨大なぶりぶりざえもんを描き、ラクガキングダム墜落を逃れるシーンはとても迫力があります。

 

王道な展開をとりましたが、非常に良い展開であり、特に子供は楽しめる良作だと思います。

 

名作です。

 

春日部での日常のシーンから、天カス学園という非日常に移り、その場で各々が成長する構成となっております。

 

本作ではエリートポイントという制度が存在し、「常に良い子でい続けなければならない」という縛りがあります。個人的に本制度は非常に嫌いです。なぜなら、個性を潰してしまうからです。


そんな中、ラストのマラソン大会のシーンでは各々の個性が発揮されていました。阿月チシオは変顔で走り、マサオくんはオラオラ系へと変貌しています。

 

「泥臭くたっていい。変だっていい。頑張っていれば、どんな感じになっていい。」

 

そんなメッセージが伝わりました。

 

クレヨンしんちゃんの映画の名作であるオトナ帝国の逆襲のラストの追いかけっこシーンと本作のマラソン大会は似ているようで全く違います。

 

オトナ帝国では野原一家総出で敵を追っていますが、本作では親はあくまで子どもたちを応援する側です。つまり、本作ではしんのすけを自立した一人の人間として描いているのです。

 

自主性や積極性を強調しているとも言えると思います。その結果、各々が個性を思いっきり出し行動する展開となっています。

 

我々もしんのすけ達に習って、自主性を重んじ、思いっきり自分を出して踏ん張ってみようではありませんか!

 

 

時を超えて、場所を超えて紡がれる超次元ラブストーリーです。作画も非常に綺麗であり、ヒットするのは間違いない構成をとっています。

 

ただ、あまりにも興行収入を意識しすぎた作画力とストーリーの展開には飽き飽きする部分も否めないですが、良い作品であることは間違いないでしょう。

 

作画力はすば抜けており、見ていて心の汚れが一瞬で取れるような描写が多数存在しました。

 

一葉の良いセリフを紹介したいと思います。

 

「寄り集まって、形を作って、捻れて絡まって、時には戻って、また繋がってーそれが“結び”、それが“時間”」

 

時間とここでは形容していますが、私は人のつながりにも同じことが言えると思います。

 

ときには喧嘩をして離れたり、疎遠になったりする時もありますが、また出会う機会もあるかもしれないと思います。その一つ一つの縁を大事に行動していきたいと思います。

 

主人公の二人は非常に純粋なキャラクターであり、THE純愛という感じがします。だからこそ、万人受けする作品に仕上がったのでしょう。

 

定番である勧善懲悪を主軸に置いたストーリーです。善がパズー一同、悪がムスカ大佐です。

 

結果的にムスカ大佐は転落死します。結局悪は滅びるということを言いたいのでしょうか。

 

そして、パズーには様々な仲間がいます。それは、年齢を問わずです。

 

シータやらドーラやらいます。仲間を作ることの大切さを改めて教えてもらいました。

 

そして、ムスカ大佐は孤独です。利益を一人だけで確保しようとしたり、王になろうとしたりします。つまり、自分のことしか考えていないのです。

 

そうなると、仲間を築いてきたパズー一同がムスカに勝つのは自明の理といえるでしょう。つまり、目先の利益にこだわると、目に見えない大切なものを取りこぼすことになることをパズーから教えてもらいました。

 

他者とともに生きていくことはかなり重要なことなのではないかと感じます。

 

そして、ドーラの正体は宮崎駿監督の母親だそうです。個人的には作品に私情を入れるのは非常に気持ち悪く感じてしまいますが、ドーラというキャラクターは割と芯が通っているので、見ていて気持ちが良いです。

 

メッセージもストーリー展開も王道的な要素が多いですが、やはりラピュタは名作だと思います。