主人公であるグレゴール・ザムザが、急に虫に変わってしまう物語です。

 

虫になった瞬間、家族からの反応は冷たくなります。つまり、どんな親密な関係性を保持していても、見た目が酷かったら相手にしてもらえないことを表しています。

 

かなり酷な事実です。そして、作者であるカフカは、虫を具体的なイメージで描こうとしませんでした。

 

つまり、どんな虫の姿かわからない状態なのです。では、虫はどういう象徴で本作に出されたのでしょうか。

 

それは、「役に立たない」という意味で出されたのだと思います。もう少し詳しくいうと、人間の役に立たないという意味で虫という存在を出したのだと思います。

 

虫になった以上、働きにも出られないですし、見た目も良いものとはいえません。そうなると、家族からも見放されるのです。

 

グレゴール・ザムザは作者自身を表しているといえます。カフカは文学の道を志そうとしましたが、カフカの父であるヘルマンはそんなカフカを冷笑的な目線で見ていました。

 

しかし、当時の時代背景として労働を重きに置いていた時代だったので、その背景とカフカの志望する文学の道とで、カフカ自身が自分の生きる道に迷っていたと解釈することができます。

 

つまり、役に立たないことが排除されることへの悲しみ、そんなに簡単に排除していいのかという作者の訴えが本作のメッセージとして受け取れます。

 

役に立たなくても、真に心に訴えるものがあればそれでいいのではないかと個人的には感じました。

 

名作です。

 

序盤のプロローグでは名言が出ています。

 

「重要なのは筋書ではない。枠組なのだ。」
「事の成否は、あとは己の知力と機転、そして何よりも運にかかっている。」

 

犯人である守須の計画は、かなり行き当たりばったりです。順に殺していくにしても、誰かに見られたら終わりです。

 

しかも、本土と島を行き来するのもかなりリスキーです。しかし、その分枠組という名の柔軟性を本作で発揮したともいえます。

 

これは現実世界でも同じことがいえます。仕事でうまくいかなかったり、人間関係で悩んでいたりしているときは筋書き部分でうまくいっていないことになりますが、大枠でうまくいく、つまり、ちゃんと社会人として適合して、お金をもらえていればいいという風に考え方をシフトチェンジすればいいのではないかと思いました。

 

そして、本作の鍵であるどんでん返しの部分の1文がこちらです。

 

「ヴァン・ダインです」

 

この一文だけで、犯人がヴァンであるのと同時に、ヴァン=守須であることが発覚します。一文だけですべてを悟ることができる構図が非常に素晴らしいです。

 

そして、犯行のすべてを記した小瓶を守須が海に流したのですが、それがラストで海をわたって再び守須の元に返ってきます。そして、守須は小瓶を探偵の島田にわたすよう近くにいた子どもたちに言います。

 

小瓶が島田や他の誰かにわたるのではなく、守須に渡るのが粋です。彼自身に最後の審判を託したかのような描写です。

 

最後は守須の自首で物語は終わりを告げます。彼の良心がこの結末にするよう仕向けたのでしょう。

 

非常にきれいな物語です。

 

非常に狂っている作品であり、はっきり言って気持ち悪い部分が多々あります。

 

まず大前提として、登場人物の大半が狂っています。S君は犬猫を殺していますし、ミチオはおじいさんを殺してますし、おじいさんは犬猫の手足を折っています。まともな人間が一人もいません。

 

最終的な結末としては、大体がミチオの妄想だったという結末になります。トカゲを妹のミカに見立てたりしています。そうやって現実逃避しないと精神が持たなかったことが伺えます。

 

そして、ミチオは家に火を放ちます。もう全てめんどうくさくなって、この物語を終わらしたかったのでしょう。そんなミチオの精神状態がわかるセリフがあります。

 

「僕だけじゃない。誰だって、自分の物語の中にいるじゃないか。自分だけの物語の中に。その物語はいつだって、何かを隠そうとしてるし、何かを忘れようとしてるじゃないか」

 

ミチオの例はかなり特殊ですが、多かれ少なかれみなさんも自分の都合の良いように物事を解釈しているのではないでしょうか。本当は自分が悪いのに、他人のせいにしないと自分が保てなかったり、認めたくない現実からその事実をなかったことにしようとしたりすることは誰にだってあると思います。

 

個人的には別に現実逃避しても良いのではないかと思います。あまりに現実を直視しすぎると、メンタルが壊れる可能性があるので、事実から逃げる選択は悪いことではないように思えます。

 

しかし、すべての事柄から逃げると、人生を棒に振ることになるので、そのあたりは調節が必要なのかなと感じました。

 

それなりに良かった回だったと思います。

 

一人ずつ館から人が消えていく本作の現象は、まるでアガサ・クリスティーの『そして、誰もいなくなった』をモチーフにしているように見受けられました。

 

ロシア人形を実際の寸法になおした上で、寸法を測るやり方は非常に機転の利いていて面白いと感じました。

 

人間はいつも仮面をつけていることを知り、怯える七瀬美雪に対し、金田一は「人間とはそういうもの。良い仮面ならいいのでは。」と主張したところは非常に良かったです。

 

悪い仮面をつけている人もいるでしょうが、良い仮面の人もいるはずです。

 

ラストシーンで実は一連の事件を起こした桐絵想子ではなく、山ノ内恒聖が本当の黒幕だったのではないいかという推理を高遠は予測します。闇の中に潜って、人の心の闇を覗いてきた彼だからこそ、そういったセリフが出たのではないかと感じました。

 

一方で、金田一は「そんなの憶測でしかない」と突っぱねます。この金田一と高遠の関係が非常に好きです。

 

桐絵想子の動機も設定として良かったですし、終わり方もきれいでした。まるで、地獄の傀儡師の仕業のように。

 

非常におだやかな話です。ドラえもんでは心温まるエピソードが多いですが、本作はより一層そういった要素を兼ね備えています。

 

のび太がかなり幼いころ、おばあちゃんに対し、酷い言葉を投げかけたことを後悔し、タイムスリップしてきた小学生ののび太がおばあちゃんに謝る展開です。かなりベタな展開です。

 

しかし、おばあちゃんの心の広さや、のび太の優しさがかなり色濃く出ており、癒やされるエピソードです。

 

のび太ママも最終的には破れてしまったくまのぬいぐるみを直していました。かなり優しい世界です。

 

他作品より「道徳心」に訴えている作品です。普段のび太をいじめているジャイアンとスネ夫がのび太のためにくまのぬいぐるみを取り返そうとするシーンも良かったです。

 

そして、何より小学生ののび太がタイムスリップしておばあちゃんに会いに来たということは、おばあちゃん視点から考えると「のび太が小学生になっているときには、自分はもうこの世に存在していない」という捉え方になります。

 

しかし、念願の小学生ののび太の姿を見れたので、私はハッピーエンドだったと思います。

 

自分の心が荒んでいるときに見ると癒やされるエピソードだと思います。

 

良作だと思います。ヘンダーランドとかなり類似している作品だと感じました。

 

話のテンポもかなり良いので、スムーズにストーリーを理解することが可能です。

 

感動要素は全くなく、ギャグの要素が非常に強い作品です。

 

クレヨンしんちゃんではおなじみの追いかけっこも本作では描かれています。

 

ラストのバトルシーンでもギャグ要素をふんだんに入れており、笑えます。肉弾戦で勝つのではなく、歌を歌って相手をこしょばして敵を倒す発想はクレヨンしんちゃんならではです。

 

個人的には野原一家が道中で温泉に入り、その後珠由良ブラザーズと共に焼き鳥を食しているシーンが好きです。ああいった旅の途中の食事シーンはとても美味しそうに見えます。

 

敵であるサタケが「悪いことよりいいことした方が気持ちいいや。」と言い放ち、寝返るシーンも非常に良かったです。悪役と字面だけ見ると、かっこよく感じますが、結局のところ良いことをしている人間の方がかっこいいと感じました。

 

本作ではひろしが名言をいっています。

 

 

「自分一人でデカくなった気でいる奴は、デカくなる資格は無い。」

 

その通りだと思います。今までいろんな人の助けがあっての自分だということを今一度認識しようと思いました。

 

 

「しんのすけだって、いろんな人に守られて大きくなったんだぞ。父ちゃんもな。」

 

みんな、一人で生きていられるはずはありません。自分の周りにいる人々に感謝しながら行動する大切さを学びました。

 

非常にクレヨンしんちゃんらしい作品にまとまっています。

 

非常に良かったです。

 

ぶりぶりざえもんとしんのすけの友情が見られます。

 

当初、ぶりぶりざえもんは自らの世界征服のために行動を起こしていました。しかし、ぶりぶりざえもんの生みの親であるしんのすけは、「人を救う」ことを行動原理とする救いのヒーローとしてぶりぶりざえもんを生み出したのだと語ります。

 

はじめは、見返りをもらえる喜びがあることによって人を救ったり、お宝の山に登りゴールを目指していましたが、山の頂上に着いたときに、自分が救った人々の感謝の言葉が本当の宝であることに気づきます。

 

非常に感銘を受けるシーンです。つまり、いつだって山を登り終えた時、すべて成し遂げたときに気づくのです。

 

そして、しんのすけとぶりぶりざえもんは別れますが、最後しんのすけたちが爆発に巻き込まれそうになった際、ぶりぶりざえもんが助けます。しんのすけの影響を受けたのでしょう。

 

ラストシーンは、しんのすけが描いたぶりぶりざえもんの絵に「ありがと」と感謝の言葉が綴られているシーンで終わります。非常に綺麗な終わり方です。

 

本当の意味でかっこいい男となり、なおかつ救いのヒーローとなったぶりぶりざえもんの姿が映し出されます。

 

 

 

 

 

それなりに良かった作品です。

 

まず作画が非常に綺麗です。特に本作では自然を映し出すシーンが数多くあり、映像を見ているだけで癒やされます。

 

本作では、「帰るべき場所があることはなんと素晴らしいことか」を言いたかったのではないでしょうか。それぞれ親と揉めることで、家出を決心したドラえもん達ですが、やはり帰るべき場所があるというのはありがたいことです。

 

当たり前に感じていることは、当たり前ではないと思います。

 

そして、印象的だったセリフとしてドラえもんのセリフを挙げたいと思います。

 

「人間は、工夫をして、徐々に便利な道具を生み出していくんだ。未来の道具なんか貸したら、歴史がめちゃくちゃになっちゃうんだよ。」

 

昔の人々が試行錯誤し、苦労して作成した文明によって、これまでの日本は反映してきました。その偉大さを本作の中で組み込んでいるところは非常に良かったと思います。

 

そして、ベタですが、「一人では物事を成し遂げることはできない。仲間は大事である。」こともメッセージとして組み込んでいたと思います。

 

誰の手助けも借りずに一人で家出を決行するのび太でしたが、結局道中の雪山で死にかけ遭難します。その際、ククルにもらった犬笛によって、ペガ達を呼び、のび太は助けられます。

 

仲間との結束が強く見られるシーンです。ボスであるギガゾンビに対しても、ジャイアンやスネ夫、ククル、ペガ達など多くの仲間達の協力によって倒します。

 

王道ですが、多くのメッセージがこもった良い作品だったと思います。

 

 

 

名作です。

 

本作は、「人間VSロボット」という構図を取っています。新作より本作である旧作の方が、より理屈に重きを置いていると思います。

 

というのも、ドラえもんは終始人間側が勝つように、多少道徳的に反していても合理的な選択をとっているからです。もちろんロボットの国であるメカトピアの司令塔であるリルルも非常に合理的な選択で行動しています。

 

名シーンとして挙げられるのが、荒廃した世界で、のび太がリルルに向かって銃を向けるシーンです。その時、のび太はリルルを撃つのをためらってしまいます。

 

そのすきをついて、リルルはすぐさまのび太を打ち抜きます。その後、リルルは困惑した表情をしたまま、その場を立ち去ります。

 

リルルはロボットなので、感情はないのですが、優しい地球の人に心が動いているのが目に見えています。しかし、スパイとしてロボット達に報告しなければならないという形になっています。

 

このリルルの感情の揺れを非常に繊細に描いているのが、本作の良さだと思います。

 

あとは、リルルとしずかの友情が見えるシーンが良いです。

 

怪我をしているリルルに対し、リルルは「なぜ敵を助けるの?」と問います。しずかは「時々理屈に合わないことをするのが人間なのよ」と答えます。

 

人間と機械の違いが色濃く出たシーンです。ここでリルルは己の使命を疑うようになります。

 

感情を捨てて合理的に行動すべき戦争の場面と、感情を重視するリルルの友情の場面の双方を非常に繊細に描いている傑作だと思います。

 

非常に面白かったです。

 

展開が非常に早く、テンポ良くストーリーが進んでいきます。本作はラクガキがテーマとなっております。

 

非常に子供らしいテーマで良いと思います。子供っぽさという要素で世界を救う展開はクレヨンしんちゃんならではです。

 

しんのすけがミラクルクレヨンで次々と味方を生み出し、敵と戦わせる展開は見ていて興奮します。

 

ユウマというタブレットを持ったおとなしい男の子が出てきます。ユウマは、積極的に行動するしんのすけに対し、尊敬の念を抱きます。

 

一方のしんのすけもユウマのタブレット技術によって、救われます。しんのすけは優しい友達想いの子です。

 

ユウマはただの一般人ですが、しんのすけはユウマを勇者だとみなしていたと思います。そして、ユウマからしてもしんのすけは勇者だったと思います。

 

お互いがお互いを思いやる良い関係だと思います。

 

最後に巨大なぶりぶりざえもんを描き、ラクガキングダム墜落を逃れるシーンはとても迫力があります。

 

王道な展開をとりましたが、非常に良い展開であり、特に子供は楽しめる良作だと思います。