英語で働きフラ語で遊ぶ!ハングルどーする!? -6ページ目

美しい愛の物語「ポトフ美食家と料理人」

Bonjour, Yuri♪です。

2023年を締めくくるにふさわしい映画を見ました。

それが「ポトフ美食家と料理人」です。

原題:La Passion de Dodin Bouffant

 

まずは、予告編をどうぞ!

 

オープニングは、2人が調理するシーンから。

たいして言葉を交わさず、

もくもくと調理を続ける2人。

音楽も流れず、包丁で野菜を切る音や

フライパンをゆすってガサガサいう音。

お肉や魚が焼ける音など、

調理中に起きる音だけ聞こえる。

 

この料理は、何のためなのか、

ここはレストランなのか、

全く触れられず、

次々と丁寧な料理が作られていく。

それだけなのに、退屈することなく

見入ってしまうほど。

2人の手際がとってもよくて

本当に料理人みたいだった。

役者さんってすごいわ。

 

骨付きのお肉、おいしそうだったな…

料理の監修はミシュラン3つ星シェフの

ピエール・ガニエール。

見た目だけでなく、実際にもおいしいんだろうな。

 

監督は「青いパパイヤの香り」や

以前ご紹介した「エタニティ 永遠の花たちへ」の

トラン・アン・ユン

フィルターがかかって、幻想的に映る映像が

今回も、とても美しかった。

(表現がヘタクソですみません)

 

あらすじ:

美食家のドダン(ブノワ・マジメル)と

料理人のウージェニー(ジュリエット・ビノシュ)が

作り出す極上の料理は、

ヨーロッパでも評判を呼ぶほど。

ある日、ユーラシア皇太子から

晩さん会の招待を受けるが

豪華なだけでつまらない

大量の料理に辟易した彼は

逆に皇太子を夕食に招待し、

そのメニューは対極のシンプルな

ポトフにしようと考える。

そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。

ドダンは、すべて自分の手で調理し、

ウージェニーを励まそうと決意するが…

 

予告を見て、2人が究極のポトフを作り上げ

皇太子に参ったと言わせるような話かと

思っていましたが、全然違いました。

(どちらかというと、ストーリー性は

あんまりない)

 

これは、とても美しい愛の物語なのです。

喪失と再生というか…

 

ドダンのウージェニーへの愛情は

分かりやすいけど、

ウージェニーのドダンへの愛は分かりにくい。

プロポーズも何度も断っちゃうしね。

 

でも、ドダンの要求に応えて、

美しく美味しい料理を作り上げる。

それって、やっぱり愛情がないと

できない気がする。

 

トラン・アン・ユンの映画は、

いつも画像が美しいのですが、

今回も本当に美しかった。

料理や、料理道具や、部屋の小道具

自然光の具合など、すみずみにいたるまで

きっと細かく考えられているんだろうな。

 

特に2人が友人たちを集めて

緑の美しい草原(庭?)で、

食事会を開いたときの

映像の美しさったら!

まるで、印象派の絵のようだった。

 

フランス映画って、リアルな世界を描くことが多い中

トラン・アン・ユンは現実離れしたと言うか

夢の中のような世界なんですよ。

ウージェニーも、幻というか

作り上げられた幻想のような

儚げな人だった。

正直、昔はジュリエット・ビノシュって

あまり好きじゃなかったけど、

前回のWhite boyといい、

今回の作品といい、さりげなくて、

とてもよかった。

 

エンディングも余韻があって、とても素敵だった。

こういう物語の終わり方もいいなぁ。

トラン・アン・ユンの作品の中で

一番好きかも。

 

美しい世界にゆったり身を委ねたい方は

ぜひ見て欲しいなと思いながら、

ではでは今日はこのへんで。

 

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暖かいスープのように心に沁みる「Winterboy」

Bonjour, Yuri♪です。

今回ご紹介する映画は、Winterboy

原題:Le Lyceenです。

 

 

まずは予告編をどうぞ。

 

あらすじ:

寄宿生活を送る17歳の高校生リュカは、

ある冬の日事故で父親を失う。

悲しみにくれる彼を、兄のカンタンは自身の住むパリに

連れて行く。

兄の友人リリオに心惹かれていくリュカ…

 

主人公リュカを演じたポール・キルシェは

「ふたりのベロニカ」や「トリコロール赤の愛」の

イレーヌ・ジャコブの息子さんだそう。

(特に似ているとは思わないけど…)

 

多感な17歳の心の揺れ(動揺)を

とても自然に演じていた気がします。

ある意味、こじらせてる

面倒な男の子なんだけど

(特に後半は自暴自棄なのか何なのか

ええっと思う極端な行動を取っている)

彼が演じていると憎めない気もする…

 

そして、今回リュカの兄を演じる

ヴァンサン・ラコストがと~ってもよかった。

「アマンダと僕」が好きな人は

この映画、絶対気に入ると思う。

 

リュカの目から見ると

兄のカンタンは「とっくに家を出て」

「クリスマスの時だけ顔を出し」

「あとはパリで好き勝手に生きている」

ように見えるらしいんだけど、

 

私から(観客)からすれば、

こんなに家族思いで、弟思いの

優しい兄はいません!(きっぱり)

すごく彼のことを気にかけていて

弟を叱るのも愛してるからこそ。

 

ネタバレになっちゃうけど

父親が亡くなって、弟の寮まで迎えにいくカンタン。

家に着くまで一言も語らず、

実家に到着して

リュカが「パパは死んだの?」と聞いた瞬間

泣き崩れたシーンは、グッときて

私も泣いた。

 

家に集まりリュカの帰りを待っていた親戚たち

大した言葉を交わさず、次々とリュカを

ハグする、ただそれだけでも泣けた。

 

だけどディナーの席では、政治の話で盛り上がる。

特に移民排斥を主張する大統領候補(実名)を

支持するあたりが、閉鎖的な田舎であることを

彷彿させる。

 

それに文句を言うカンタン。

言葉は荒いけど、確かに父親を偲ぶ席には

ふさわしくない話題だった。

 

リュカの兄カンタン、

彼らの母親(ジュリエットビノシュ)

カンタンの友人リリオ

みんな、(フランス人とは思えぬほど)

優しい人たちだった。

彼らのセリフが温かいスープのように

心にしみるのだ。

 

監督クリストフ・オノレの自伝的物語らしいけど

リュカがゲイという役回りなので

なかなか激しいシーンがあって

ちょっと勘弁して欲しいなぁと思ったのが

本音だけど、

それ以外は、もう本当に素敵なお話でした。

 

もう1回見に行きたいなと思いながら

ではでは今日はこのへんで。

 

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これも実話。農場でキャバレー?「ショータイム!」

Bonjour, Yuri♪です。

今回も、実話を映画化した作品なのですが、

前回とは全然タイプが違って

なんと!田舎の農場で

キャバレーを開く!というストーリーなんです。

タイトルは「ショータイム!」

原題:Les Folies Fermieres

”農場のミュージックホール”を意味しますが

実際のキャバレーの名前だそう。

 

 

まずは予告編をどうぞ!

 

 

どうですか、面白そうでしょ?

 

フランスは農業国で、毎年開催される

Salon de l'agriculture (農産物フェア)には

必ず大統領も顔を出すし、

大勢の人が訪れるほどですが、

実際には、農家の人々は経営が大変だと聞きます。

牛乳価格の安さに抗議して、道路に牛乳をぶちまけたり

デモ行進をした報道も見たことがあります。

 

あらすじ:

主人公のダビッドは酪農家であり農場の経営者。

経営不振で3代続く農場を地方判事に差し押さえられそうになる。

なんとか2か月の猶予をもらったものの

打つ手はなく、友人と酒をあおるしかなかった。

帰り道、ふと目に入ったキャバレーに入り

煌びやかな世界と美しいダンサーに心を奪われる。

そこで、彼は農場の納屋にキャバレーを開こうと

思いつき、行動に移すのである。

さて、この思い付きは上手く行くのか?

 

なんといっても主人公のダビッドには

不思議な魅力があるんです。

ハンサムでもない、スマートでもない

ただの田舎のおじさんが、

だんだん可愛く見えてきて、

だんだんいとおしくなってきて

決して強引ではないのに

彼の夢に協力したくなってしまう。

とにかく人たらしな男である。

 

都会派セクシー美女のボニーすら

”農場でキャバレー?”とバカにして

全く相手にしていなかったのに

いつの間にか、丸め込まれてる(笑

 

見つけてきたパフォーマーは

みんな一癖二癖ある人ばかり…

でもなんか愛すべきひとたち。

 

中でも、ドミニクがダリダの歌を唄うのですが、

歌詞と相まって、心を掴まれます(必見!)

(ドミニク、とっても綺麗なんですよ)

 

バラバラだった人たちが

ダビッドの熱に押されて

心が一つになって団結していく様子は

見ていてニコニコしてしまう。

 

でも、全てが順調に行かないのが

フランス映画。

辛い出来事が起きて

さすがのダビッドも心がくじけることに??

このあと、どうなるのー?

(続きは劇場で)

 

クスッと笑えて、ハラハラして

一緒に悲しんで、立ち直ってと

とてもいいコメディー映画でした。

エンドロールで、実際のキャバレーの様子や

キャバレーを思いついた男性の姿が映って

ああ、彼はあんなに大変な思いをして

このキャバレーを作ったんだなぁと

感慨深かったです。

 

タイトルが「ショータイム!」だけじゃ

この面白さが伝わらなくて残念。

この映画、とってもいいので

ぜひ見て欲しいなと思いながら

ではでは今日はこのへんで。

 

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実話を映画化!「ぼくは君たちを憎まないことにした」

Bonjour, Yuri♪です。

しばらくストレスMaxな日々が続き、

ようやく映画を見ることができました!

 

今回ご紹介する映画は

「ぼくは君たちを憎まないことにした」です。

原題:Vous n'aurez pas ma haine.

 

 

2015年11月フランス同時多発テロ事件で

最愛の妻を失ったアントワーヌ・レリスが

事件発生から2週間の出来事を綴った

世界的ベストセラーを映画化。

 

まずは予告編をどうぞ!
 

あれから、もう8年も経ったのですね。

テレビをつけたら、信じられないニュースが流れていて

中継から流れる映像のバックに

絶えず救急車のサイレンが流れて

見ているだけでゾッとした記憶があります。

 

映画は、ある夫婦とその一人息子の日常から始まります。

子供はやんちゃで、言うこと聞かないし

妻ともケンカしたりと、

どこにでもいそうな幸せな家族の姿。

そして、自分の友人と出かける妻を

見送るアントワーヌ。

 

この日が永遠の別れになるとは

誰も思わない。

 

あの日、何が起こったか知っているのに

いや、知っているからこそ、

ドキドキして、胸が苦しくなった。

 

バタクラン劇場のテロをニュースで知るアントワーヌ

当時、延々と流れたニュース映像だけで

緊迫感が伝わる。

妻は無事なのか?ケガしたのか?

何度電話をしても繋がらない。

胸の中に湧き起こる恐怖。

妻の安否が分かるまで

永遠のように思えただろうな。

彼の気持ちを想像するだけで辛い。

胸が痛い…

 

そして妻の死を知る。

アントワーヌは、Facebookに

自分の気持ちを綴った。

「僕と息子が幸せで自由な人生を送ることで

君たちは恥じ入るだろう。

君たちの負けだ。人生は続く。

君たちに憎しみを送らない。」

 

私は、予告編を見た時、このメッセージは

立ち直った後に綴られたものかと

思っていたのです。

どうして、加害者に恨みや憎しみを

抱かずにいられるのだろうかと

疑問を抱いて、この映画に興味をもったわけです。

実際は、かなり早くに発信したと知り

2度驚きました。

 

彼はこのように決意をして

心のバランスを取っていたのかもしれません。

妻を失ってからの日常は

とても苦しいものだったから。

息子のメルヴィルは、母の死が理解できず、

ママを呼び続けて泣くし

ワンオペの世話は大変だし。

ずっと、彼の時間は止まったまま。

家族に、葬儀の相談をされても

まったく考えられない。

 

人が亡くなると、悲しむ時間がないほど、

葬儀の準備などに時間を取られますが、

喪に服す (en deuil)というのは

残された者が前に進むための

ステップなのかもしれません。

 

エンディングで、

彼の時間が静かに動き出したのを

感じられて、心からよかったなと

思いました。

 

アントワーヌ役の人、とても良かった。

この悲劇を、泣き叫ぶような演技でなく

怒りや悲しみを、静かに繊細に演じてくれた。

 

そして、息子メルヴィル役の子もよかったな。

テレビ画面に映った母の写真に

「ママ~!」と言いながら

とことこ駆け寄っていくシーンは

鼻がツーンとした(=泣いた)

 

この映画は、美しいセリフがたくさんあって

それもよかった。

つまり、この映画、おススメです。

そう思いながら、ではでは今日はこのへんで。

 

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暖かい気持ちになれる「イン・セイフ・ハンズ」

Bonjour, Yuri♪です。

一気に寒くなりましたね。

皆さま、お元気ですか?

 

今回ご紹介する映画は

「イン・セイフ・ハンズ」です。

原題:In safe hands

(大丈夫、心配しないでの意味)

フランス語のタイトルは、Pupille

被後見子(公共の保護を受けている児童)の意

 

 

まずは、予告編をどうぞ。

 

フランスでは、Accouchement sous Xと呼ばれる

「匿名出産」の制度があることは知っていましたが、

具体的なプロセスまでは知らなかったので、

非常に興味深かったです。

 

ソーシャルワーカーが、出産した母親と面談するのですが、

子供を育てる気はないと言う母親を責めたりせず

養子に出す場合は、そのプロセスを

金銭面で不安があるなら、国が補助をしてくれることを

しっかり説明してくれます。

また、2か月の猶予期間内であれば、

養子申請を取り消して、自分で育てることも可能です。

 

日本では、同じ状況にある母親が

不幸な事件を起こすケースが多々あるので、

こんな救済方法があればいいのにと

強く思います。

 

また、生まれてきた子が

やがて自分の出自を知りたい時に

開示してもいい情報を

母親から聞き出したり、

赤ちゃんに手紙を書くよう勧めたり、

赤ちゃんにお別れの挨拶をするように

声を掛けたりと、

赤ちゃんを思いやった

ソーシャルワーカーの仕事ぶりに

とても胸が熱くなった。

 

挨拶を促された赤ちゃんの母親が、

赤ちゃんは言葉が分からないとためらうのに対し

言葉は分からなくても、

気持ちはしっかり伝わると

きっぱり言うシーンにウルっとします。

 

また里親探しを担当する女性も、

本当に真剣に、真摯に里親候補と対峙し

勝手な里親候補に対し、

自分は、里親のためではなく

赤ちゃんのために動いていると

こちらもきっぱり言うシーンがあって

ジーンとしたり…

 

時には言い争いになるほど、

赤ちゃんの幸せを最優先に考える人たちを見て

本当に心配はいらないね。

そう思えてくる。

 

そして、あの男くさいジル・ルルーシュが

里親が見つかるまで、

赤ちゃんを預かる仮里親?の役を演じるのが

言っちゃなんだけど、楽しい。

オッサンが、一生懸命子育てしてるのが

なんとも微笑ましい。

 

フランスのシステムに感心しつつ

ベベの行く先を見守っているうちに

あっという間に映画は終わりました。

とても暖かい気持ちになる映画でした。

もっとたくさんの劇場で公開されればいいのに

そう思いながら、ではでは今日はこのへんで。

 

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