悪食 70点
今年 90本目
監督、脚本 細田守
声優 芦田愛菜
岡田将生
柄本時生
青木崇高
染谷将太
吉田剛太郎
斉藤由貴
松重豊
市村正親
役所広司
細田守監督オリジナルの長編アニメーション。
新宿バルト9へ。
日本
鑑賞結果、テーマ性があまりにも前面に出過ぎると嫌われる傾向にあるのがよく分かる作品。悪くはないが説教臭い。
ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️

一国の王女として幸せに暮らしていたスカーレット(芦田愛菜)だったが、ある日、叔父のクローディアス(役所広司)が王である兄を殺して王位を奪った。

その日からスカーレットは父の仇を討とうと武術の稽古に明け暮れていた。そして満を持して叔父クローディアスへの復讐を果たそうとしたが、その企みは見抜かれて毒を盛られ死者の国で目を覚ますのであった。

死者の国でも復讐の炎は消えることはなかったが、死者達に飲み込まれそうになっていた。
しかしそんな時に一つの事実を知るのである。
クローディアスもまた死者の国に堕ちていると。それを知ったスカーレットは、父の仇を果たす使命を思い出し、死者の国でも生き抜くことを決意するのである。

この映画で面白いのはここである。
死んでから落ちると言われる死者の国。しかしそんな死んでからでも仇を探すという目的の為、死んでなお力をたぎらせるのである。
ここに一つの死生観が描かれている。

死んだら無になる。そんな考え方もあるのだが、ここでは死んでもまだ無にはならない。この地で死んで初めて虚無になるのである。そして死者それを一番恐る。死者は「見果てぬ場所」を目指す。
死んでも無にはなりたくない。これは人間の性なのだろうか。
そして復讐という情念は消えることなくその炎を燃やし続ける。スカーレット(芦田愛菜)は、死者の国でなおその情念だけで前に進むのである。

しかしこの映画ではそこに聖(岡田将生)という現代の日本からこの地へと来た若者が絡んでくる。彼は平和な日本という国で消防士として働いていたが、何故かこの地にいる。コレは何かの間違いだと言いつつ、スカーレットの行動に疑問を持ち行動を共にするのだ。
この地では場所も時間も混沌とする悠久の中に存在する。だからこそ、何百年も違う世界を生きていた2人はこの地では繋がれるのだ。
聖はスカーレットの復讐を止めようと行動を共にし、自らが人を助け、人を信じるという行動をスカーレットに見せていく。
スカーレットもまたそんな聖に徐々にではあるが影響を受けていく。

クローディアス(役所広司)を追うスカーレット(芦田愛菜)の前にスカーレットを狙う2人の兵士が現れる。なんとかねじ伏せて殺そうとするのだが、聖は殺させないように行動する。スカーレットは2人を生かすことを選択する。その選択がのちにスカーレットの命を助けることになる。そしてまたその2人は父親の処刑人でもあった。彼等からスカーレットは思いもよらない父の最後の言葉を聞くことになる。
その言葉は、「赦せ」。
「赦せ」この言葉の意味はなんなのか?スカーレットはクローディアスを追う旅の中でその言葉の意味を考え続けるのである。
復讐だけに執念を燃やしていたスカーレットは、旅の中で様々な人達に出会い、学んでいった。聖の言動も大きく影響を与えた。
そしてクローディアスに対峙した時、スカーレットは悟ったのだ。
「赦せ」
それは他人を赦すという意味ではなく、他人に赦されることでもない。「自分を赦せ」という意味なのだと。
復讐だけに生きてきた自分を。悲しみと怒りで見えなくなっている自分を。そしてそんな不自由な生き方を選んだ自分を赦せということだった。

そして死を受け入れた聖と別れのキスをすることによってスカーレットは、息を吹き返すのです。(このくだりは必要かどうかは疑問ですが)

スカーレットは民衆の心に寄り添った女王となったのです。
エンド。
とまあ、簡単に話すとこんな内容なのですが、巷の評判はあまりにも良くありません。
悪食は悪くはないとは思うのですが、細田監督の今までの作品を振り返ると、今回の作品はかなり説教臭いかなと感じます。
映画監督は作品に想いを込めるし、観てくれる人に対して伝えたいことも表現します。
そしてこう言ってはなんですが、歳を取れば取るほどその意識は高まるようで、見方を変えると説教臭い映画になってきているかなと。勿論、それが全て駄目な訳ではないのですが、細田監督はエンタメを強く意識した作品作りにファンが熱狂しているのですから、こういう作風になるとアレルギーが出る人もいるでしょう。
悪食は監督のメッセージ性は必要だと考えていますので、この映画をそれほど悪いとは思っていません。
さて、どんな感想を抱きますか?
是非、劇場で。
















































































































































