『クワイエット・プレイス DAY1』 ツッコミどころはありますがなかなか良い出来です! | 悪食のシネ満漢全席

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ろくに情報知らぬまま、当たり屋みたいに突撃して、 しょーもない感想を言い合って、備忘録代わりに残します。 かなりの無責任、言いたい放題、無礼千万をお許し下さい。

 

悪食 75点
今年 53本目

監督、脚本 マイケル・サルノスキ
製作    マイケル・ベイ
出演    ルビタ・ニョンゴ
      ジョセフ・クイン
      ジャイモン・フンスー

「クワイエット・プレイス」シリーズ第三弾。
何かが地球を襲来する第一日目を描く。

渋谷TOHOシネマズへ。

鑑賞結果、「クワイエット・プレイス」の第一日目としては面白いと思う。設定が限定的であったりとか、未確認の生物に対する対策が異常に早かったりと不思議に思うところはあるのだが。

ここからネタバレ満載でいきますからご注意を⁉️



終末医療のケアハウスで過ごすサミラ(ルビタ・ニョンゴ)は、飼い猫のフロドと暮らしていたが、癌は末期で痛み止めだけを受けていた。
ケアハウスのみんなで芝居を観に行くと言われて、ダウわタウンのピザ屋でピザが食べれるならと渋々同行することにした。



劇場を出ると何故か街が騒がしい。ケアハウスの一行はすぐに戻ることになった。
しかし彼等は戻る途中で何かが街を襲っているのを見た。その瞬間、バスは破壊され、サミラ(ルビタ・ニョンゴ)は外に放り出され、意識を失った。



サミラ(ルビタ・ニョンゴ)が意識を取り戻した時に誰かに口を塞がれた。声を出すなと。音を出すと襲われると。
何を言われているのか分からなかった。
しかし相手のあまりにも真剣な表情に従うことにした。


暫くすると、外で避難放送が始まった。屋内に静かに隠れてあるようにと。そして橋には近づくなと。
その理由は直ぐに判明した。軍が戦闘機を使ってマンハッタン島に架かる橋を全て破壊して落としていたのだ。
そして次の放送は、救助船が出るから静かに港に来るようにと。
建物に隠れていた人々は救助船に向かって一斉に動き出した。
サミラは人々とは反対の方向へ歩いて行った。
誰も喋ってはいない。無言だ。しかし大勢の人々が移動するとどうしても音がしてしまう。と思った瞬間、ヤツらが襲ってきた。
巨大な蜘蛛のような体で、素早く動き、音を出した人間を狩っていくのだ。
パニックになった。
車の影に隠れていると、そこに1人の男が走り込んできた。男はエリック(ジョセフ・クイン)と名乗った。彼は恐怖で震えていた。


静かになったところでサミラはダウンタウンの方向に向かった。エリックはついてきた。サミラが辿り着いたのは、自宅だった。だがそこにはもう誰もいなかった。荒らされた跡だけがあった。


サミラはまた歩き出した。今度はピザ屋を目指して。父との思い出のピザ屋だった。ピザ屋は丸焼けだった。
2人はヤツらに襲われた。必死に逃げ、辿り着いたのは地下鉄。しかし地下鉄は水没していた。水中を逃げる2人。ヤツは追ってきたが直ぐに溺れ死んでしまった。
ヤツが水に弱いのが明らかになった。



サミラ(ルビタ・ニョンゴ)とエリック(ジョセフ・クイン)が海の近くに来た時、海上を航行する救助船が見えた。
助かるチャンスは今しかないと思ったサミラは、エリックに合図をしたら走ってと伝えた。


サミラは自分が囮になってエリックを助けようとしたのだ。エリックもまたサミラが残り少ない命を自分の為に使ってくれることを理解した。
サミラは音を立てて、ヤツらを誘き寄せた。ヤツらは一斉にサミラに向かって動き出した。充分に惹きつけたところでエリックに合図を出した。エリックは桟橋を走った。ヤツらもエリックを追う。しかしヤツらが追いつきそんな寸前でエリックは海に飛び込むことが出来た。ヤツらは海には飛び込めなかった。
エリックは救助船に助けられた。
サミラは安心したようにその場から去っていた。

自宅前の道で音楽プレイヤーをイヤホンで聴いているサミラ(ルビタ・ニョンゴ)。
暫くすると、おもむろにイヤホンを外した。スピーカーからは大音量で父が愛したジャズが流れ始めた。
ヤツは後ろに迫っていた。
エンド。

という映画です。
「クワイエット・プレイス」シリーズのヤツらが来た最初の日として描かれています。
もちろん、観ている側はヤツらがなんであるかを知っているわけですから、突然現れ、殺すようなホラー的要素はかなり減っています。減っていますが、ヤツらの動きや大きさははっきりと分かり、いかに恐ろしい相手かは十分に理解出来ます。
最も良かったのはヤツらの足音。
低く、重みを持った音はそれを感じるだけで、ヤツらが来たことを恐怖心として表現します。

ストーリーに関しては、主人公のサミラの行動は、余命が少ないから自分を犠牲にするという行為が果たして納得出来るものかとも思いますし、DAY1の割にはヤツらの特性が音に対して敏感であるとか、水に弱いとかどこで知ったのでしょうか?描き方がご都合にみえます。
そして1番の不思議は何故、マンハッタン島にだけ飛来したのか?そんな狭い場所にピンポイントに飛来するものでしょうか?説明が欲しいところです。
結局は、世界中に蔓延するヤツらなのですから、実際にはマンハッタン島だけではなかったのでしょう。
しかしちょいと不思議な気がしました。
それと細かいですが、ヤツらの食事方法。殺した人間をそのまま食べるのではなく、蜘蛛の様に糸で絡めて繭の状態にしてそれを割って他のヤツらと一緒に食べていたシーンがありました。そんな食べ方でしたっけ?
微妙に不思議なカットがありました。
それに音に敏感に反応することを知っているのに、大勢で一斉に避難するくだりはどうなのでしょう。フラグが立ちっぱなしで呆れました。

しかし、それをおいてもDAY1の描き方としては十分に面白さを感じられました。
もちろん、一作目のインパクトはありません。ですが続編としてはまあまあの出来ではないでしょうか。
是非、劇場で。
足音は劇場でしか楽しめませんから。